No.739392

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第382話

2014-11-25 00:03:08 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1769   閲覧ユーザー数:1611

 

 

 

 

 

~ユミル・転移魔法陣の間~

 

「っ!?こ、これは………!?」

「ちょ、ちょっと!?エマに何をしているのよ!?」

自分自身に起こった出来事にエマが驚いている中、セリーヌは慌てた後エイドスを睨んだ。

 

「…………術式等も全て頭に入りましたから使い方もわかりますね?」

「はい。でもどうして私に……?」

「―――私は貴女達が立ち向かう内戦や異世界の大国との外交問題に介入する”権限”はありませんし、そのつもりもありません。ですが短い間でしたけれど肩を並べて共に戦った”仲間”として、今後苦難の道を行く事になる貴女達への”私個人としての餞別”です。このくらいなら”干渉”や”介入”にもなりませんしね♪」

「…………ありがとうございます。エイドスさんに授けて頂いた”魔法(アーツ)”……必ず役立てて見せます。」

エイドスに微笑まれたエマは静かな表情で頷き

「へっ!?ア、”アーツ”!?」

「まさかエマ、エイドスさんみたいに戦術オーブメント無しに導力魔法(アーツ)を撃てるようになったの!?」

エマの言葉を聞いたエステルは驚き、アリサは信じられない表情をした。

 

「ええ……とは言っても一つしか授けてもらっていませんけど。」

「……………一体エマに何のアーツを授けたのよ?まさかとは思うけ”ロストオブエデン”みたいな”失伝魔法(ロストアーツ)”とかじゃないでしょうね?」

エマの答えを聞いて猛烈に嫌な予感を感じたセリーヌは表情を引き攣らせながらエイドスに尋ねた。

「―――”セプトクライシス”。私の奥の手の一つのアーツをエマさんに教えました♪」

「………………………」

「ええっ!?」

「エ、エイドスさんの”奥の手”のアーツって…………」

「オイオイオイ……!?とんでもねぇ威力があるんじゃねえのか、そのアーツは!?」

「それ以前に”セプトクライシス”という名のアーツ自体が初耳ですわね……”結社”でも聞いた事がありませんわ。」

「”結社”ですら知らない魔法(アーツ)を教えるって……ったく、うちの生徒にそんなとんでもないものを教えないでよね……外部に漏れたら滅茶苦茶厄介な事になるじゃない……」

エイドスの説明を聞いたセリーヌは石化したかのように固まり、リィンは驚き、エリオットは表情を引き攣らせ、トヴァルは信じられない表情で声を上げ、シャロンは考え込み、シャロンの言葉を聞いたサラ教官は疲れた表情で溜息を吐いた。

 

「まあ、普通のアーツと比べれば圧倒的に威力は高いと思いますよ?火・水・地・風・時・空・幻の全属性が込められたアーツですから。その為、属性の弱点や抵抗が存在しませんから、”無属性”アーツと言ってもおかしくありませんね。ちなみに”機甲兵”でしたか?エマさんの霊力(マナ)でもそのアーツを使えば一瞬で効果範囲にいる機甲兵全ても破壊できますし、リィンさんが乗っている”騎神”でしたか。あれも無視できない程のダメージになると思いますよ?」

「なっ!?全属性が込められた”無属性アーツ”なんて聞いた事がないぞ!?」

「更にはエマさんのような術者としてもまだ若い方でもあの機甲兵を容易に破壊する上、”騎神”も無視できない程のダメージを与える威力ですか……」

「ほえええええ~!?いいんちょ、そんな凄いアーツを使えるようになったんだ!?」

「いいんちょ、パワーアップだね。」

エイドスの話を聞いたマキアス、クレア大尉は呆け、ミリアムは目を丸くし、フィーは興味ありげな表情でエマを見つめていた。

 

「アハハ……膨大な霊力(マナ)が必要な為乱発はできませんから、使い所が難しいアーツでもありますけどね。」

「ア、ア、アンタねえ!?”伝説魔法(レジェンドアーツ)”をまだ一人前の”魔女”にもなっていないエマに”試練”の類すらもさせずにそんなあっさり教えるなんて何を考えているのよ!?」

エマが苦笑したその時我に返ったセリーヌが疲れた表情でエイドスを見つめて怒鳴った。

 

「レ、”伝説魔法(レジェンドアーツ)”!?何それ??」

「”伝説(レジェンド)”の名を冠している事からしてとてつもないアーツのように聞こえるのですが……?」

「”伝説魔法(レジェンドアーツ)”ってのは古文書に記されてある存在すらも疑われているまさに”伝説”の”魔法(アーツ)”よ。アタシやエマの一族―――”魔女の眷属(ヘクセンブリード)”でも限られた人物達―――例えばヴィータとかでないと読む事を許されない古文書に載っている”魔法(アーツ)”よ。色々仮説があるから、実際どんな効果を持っているのかわからないわ。」

驚いている様子のエステルと表情を引き攣らせているセレーネの疑問にセリーヌは疲れた表情で答え

「ええっ!?」

「”結社”の最高幹部クラスでようやく名前だけを知る事ができるアーツかよ……ハハ、さすがは”空の女神(エイドス)”が”奥の手”扱いしているアーツだな。」

「よかったな、委員長。」

セリーヌの説明を聞いたリィンは驚き、トヴァルは呆けた後苦笑し、ガイウスは静かな笑みを浮かべた。

「アハハ……ね、ねえ、セリーヌ。全て終わって故郷に戻った時、婆(ばば)様にどう説明すればいいのかしら……?」

「ハア……そんなのこっちが聞きたいくらいよ。その時の事を考えると頭痛がしてきたわ…………エマに何て事をしてくれるのよ……」

冷や汗をかいて表情を引き攣らせているエマに視線を向けられたセリーヌは疲れた表情で溜息を吐いた後エイドスをジト目で睨んだ。

 

「まあまあ。黙っていればわからないと思いますよ?」

「ア、アハハ……さすがに婆様に誤魔化すわけにはいきませんし、それ以前に勘付かれるかと思います。」

「というかアンタ、女神の癖に誤魔化す事を推奨する事に何とも思わないの?」

エイドスの答えにエマは苦笑し、セリーヌは呆れた表情で指摘したが

「フウ、何度も言っているように私は”ただの新妻”ですよ?」

エイドスは溜息を吐いた後不思議そうな表情で首を傾げて答えてその場にいる全員を脱力させ

「…………ああ、そうね。どうせその答えしか返ってこないとわかっていて聞いたアタシが馬鹿だったわ……ハア……もうこうなったら、全部エイドスの独断専行って事で押し通すしかないわね…………」

「お願いですから、いい加減認めて下さいよ~!」

セリーヌは遠い目で呟いて溜息を吐いた後小声でブツブツ呟き始め、アリサは疲れた表情で指摘した。

 

「それと―――ラウラさんにはこれを。」

そしてエイドスは異空間から膨大な聖なる霊力(マナ)を纏わせ、白銀に輝いている美しい長剣を取りだしてラウラに手渡した。

 

 

 

 

と言う訳でエイドス、またもややらかしてエマに3rdのラスボスが使ったSクラフトもどきを習得させましたwwまあ、次回ラウラが受け取る剣と比べれば大した事ないかもしれませんがww


 
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