No.73859

真・恋姫無双~魏・外史伝~3

いよいよ、魏・外史伝も本格始動!!
な感じですかね。既視感の読み方が
分からないのですが、誰か教えて下さいませんか?

2009-05-16 00:49:15 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:14705   閲覧ユーザー数:11403

第弐章~擦れ違う運命・前編~

 

 

  「北郷一刀が再びあの外史に降り立った・・・?」

  「どういう事だ!?何故そんな事になっているんだ!?」

  「・・・・・・。」

  「落ち着いて下さい、あなたがここで騒いだ所でどうにかなる事ではありませんよ。」

  「チッ・・・。」

  「・・・・・・。」

  「それで、あなたが我々の所にいらっしゃたのは、それだけを言うためだけでないの

でしょう?」

  「・・・・・・。」

  「成程、『アレ』・・・ですか?」

  「どうなっている、『アレ』は単に暴走しているだけでは無かったのか?」

  「ただの暴走では無い・・・、そういう事ですか?」

  「・・・・・・。」

  「我々にも自己が有るように、『アレ』もまたその例外では無いと?」

  「『アレ』が自己を持つようになったと言いたいのか!?馬鹿な、だとしても『アレ』

  の行動には理解出来かねるぞ?!」

  「私にいわれても、事実そうなのですから、それはそれで受け入れるしかないでしょう?」

  「ふざけやがって!・・・・だが、奴がこの外史にいるのならば、『アレ』は発動しないの

  だろ?」

  「・・・・・・。」

  「分かりました、では我々もあの外史に降りましょう。」

  「・・・・・・。」

  「ああ、彼ですか?彼はとうに降りて行きました。あそこには彼の探し物があるようですから。」

  「・・・・・・。」

  「大丈夫でしょう、術はちゃんと機能していますし、念のために『目』も埋め込みました。」

  「しかし、奴の変貌ぶりはなかなかのものだったな。あれと同一人物とは思えないほどだ。」

  「それだけ、彼の怒り・悲しみが深いのでしょう・・・。」

  「・・・・・・。」

  「・・・失礼しました、今はそんな事よりも北郷一刀を探し出す事の方が重要でしたね。」

  「・・・う、ううん・・・。」

  まどろみの中・・・、少しずつ意識が戻ってくるのが、感覚的に分かる。

  今何時だろう?

  今日の授業はなんだったけ?

  朝飯はどうしよう?

  そんな普段通りの起きた後の予定などを計画する。そして大まかにまとまったので、

 重い瞼を開く・・・。

 

  

  

  「・・・ここ、どこ?」

  少なくとも、俺の部屋じゃない・・・。360度見渡す。左右、森に挟まれるアスファルトではない、

 土の地面、よく舗装された広い1本道のど真ん中に、俺一人がぽつんと立っていた・・・。

  「どうなっているんだ?俺・・・こんな所知らないぞ。」

  自分の置かれた状況を整理するためにも、今までの事を振り返る。資料館の手伝いを終えて、寮に

 帰る途中・・・フードを被った男?が立っていて・・・それで銅鏡の光を浴びて・・・。

  「!! くそ、あいつ・・・!」

  辺りをもう1度見渡すが・・・当然、奴はいなかった。いきり立っていても仕方がないので、深呼吸

 して落ち着く。一通り落ち着くと、今まで気付かなかった事が分かる。来た事は一度もない場所・・・

 しかし、どこか懐かしいような・・・まるで生まれ故郷に久しぶりに帰って来たような、そんな感覚。

 ハッと、自分のポケットにしまってある携帯を取り出す。

  「やっぱり圏外か・・・。」

  画面には「圏外」の二文字が映っている。もしかしたらというその可能性が確信に変わった瞬間だった。

  「ここは・・・あの世界。華琳達がいる三国志を舞台にした世界・・・!」

  困惑していた顔は、次第に喜びに変わる。やっと戻って来れたんだ。もう一度会いたい、そう何度も

 何度も何度も・・・願っても決して叶わなかった。でも、それがようやく現実になったんだ。いつしか

 フードを被った男?の事はそっちのけで、ただただその喜びに浸る。

  「・・・って、こんな事してる場合じゃないな。」

  浮かれていた気分から戻ってきた俺は、まず携帯をポケットに仕舞い、これからどうするかを考える。

 あの世界だからといってここがどこか分からない以上、どこに向かっていけばいいのか分からない。

 今の目の前には、ずーっと続く一本道、前に進むか、それとも後ろに進むか・・・。

  「まぁ・・・、今の俺がどっちに進もうがあまり違いは無いか。」

  そう思った俺は、近くに落ちている木の枝にでも行き先を決めてもらおうと近くに落ちていないか

 探していると・・・、

  「おう、兄ちゃん。珍しい服着てんじゃねえか」

  声が掛けられた方に目をやると、

  「・・・・・・。」

  そこには3人組の男が立っていた。左にはチビ。右にはデブの巨漢。真中にはちょび髭のリーダー格。

 頭に黄色い布を巻き、鎧より軽そうな防具を身につけていた。と、言うよりも。

  「・・・あの、一つ聞いてもいいですか?」

  「あん、何だよ?」

  「以前どこかでお会いしませんでしたっけ?」

  「はあ・・・?何言ってんだ、お前。今時、そんな口説き文句は流行らねえよ!」

  「そうですか・・・。」

  そう言いつつも、やっぱり見覚えのある顔なんだが・・・。そう思うと同時に、この既視感・デジャヴ

 というのか?前にこんな場面に立ち会ったような気がする。確かあの時は・・・。

  「まあ、そんな事はどうでもいい。それより兄ちゃん、金出してもらおうか?」

  その言葉と共に俺の頬に触れたのは、冷たい鉄の感覚だった。それは正真正銘、剣・・・しかも蛮刀に近い

 ものだろう。それを頬に押しつけながら・・・。

  「てめぇの持っている金全部・・・、後そのキラキラした服もだ。」

  やっぱりこういう展開になるのか・・・。そう心の中でつぶやく。あの時は、恐怖のあまりただ言う通りに

 金を出して、それでチビ助に蹴飛ばされたんだったけ。でも今は不思議と恐怖が湧いてこない。むしろ冷静に

 、全ての感覚が研ぎ澄まされていく・・・。

  「あの・・・いま俺が持っているのこれだけなんですけど。」

  そういって尻ポケットから財布を取り出し、それを真ん中の男に渡す。

  「・・・なんだこりゃ?」

  チビの男がそうつぶやく。分かっている、俺が持っているお金は連中の言っているそれとは違う事は。

  「何ってお金ですけど・・・、もしかして違ってましたか?」

  「ふざけんなーーーー!!!!」

  チビの男は俺に向かって、蹴りを放った。

  「あの~、一つだけいいですか?」

  「な、何だ!」

  分かり切っている事だが、あえて言ってみた。

  「もうやめませんか?俺が言うのもなんですが、勝ち目無いですよそっちに。」

  「な・・・、ふ、ふざけるな!!ここで引き下がったら情けなくて外を歩けねぇだろーが!」

  「人から金品巻き上げてる方が人として情けないと思うんですけど・・・。」

  「うるせー!おい、おめー等、さっさと立て!!」

  そう言って、ちょび髭の男は股間を押さえ悶絶するデブの男と、尻を高くあげて突っ伏す

 チビの男をたたき起こす。俺だって、華琳達と一緒に戦場を駆け抜けて来たんだ。春蘭や凪

 達が相手ならともかく、この程度の賊に後れを取るような鍛練はして来てはいない。

  「ぐ、くそ~、世間知らずのお坊ちゃんと思って油断したぜ・・・!」

  「ううぅぅ・・・、よくもおデの息子を~・・・・。」

  うーん・・・、まだやる気のようだ。俺はもう先を急ぎたいのに。でも、だからってさらに

 やっちゃうと逆に俺がいじめている気分になるし・・・。そんな事を考えていると、いつしか

 俺は3人に囲まれていた。

  「へへ・・・、さすがのてめぇでも3人同時に相手することはできねえだろ?」

  まぁ、同時にかかってきてもそれほど違わない気もするけど。仕方がない・・・。そう思って

 再び構えようとした。

  「待てぃ!!!」

  「「「「???」」」」

  どこからともなく声が聞こえた。

  「だ、誰だ!」

  ちょび髭の男が叫ぶが、その姿が見えない・・・。

  「・・・あ、あそこ。」

  そういって、おれはある方向に指をさす。指をさすはこの辺り一番高いだろう、杉の木の先端に

 その声の主はいた。女の子かな?というかなんでそんな所にいるの?

  「たった一人の庶人相手に、三人掛かりで襲いかかるなどと・・・その所業、言語道断!!!

   そんな外道の貴様らに名乗る名前など、ない!!」

  それを言うためにわざわざ木を登ったと・・・?!

  「ぐふっ・・・!」

  そう思っているといつの間にかデブの男は膝を折り、そして地面とキスをした。あれ、確かまだあそこに

 いたはずなんだけど・・・。そこを深く突っ込んではいけないのかな・・・?

  「なっ・・・!何だこのおん、ぐはぁっ!」

  言い終わる前に、チビの男は吹っ飛ばされた。というかこれ、あの時と全く同じなんじゃないか?

  「なんだ他愛のない・・・、所詮は弱者しか相手にできんという事か。」

  「いやぁ・・・あのぅ・・・。」

  「く、くそ・・・、おい、お前ら、逃げんぞ!!」

  「へ、へい!」

  「だな~!」

  「逃がすものか!!」

  「あ、ちょ・・・、待っ。」

  言い終わる頃には、すで3人組と少女の姿は無かった・・・。

  「あの~・・・・・。」

  その場に俺一人が残る・・・。

  「全く、あの3人組と言い、あの子といい、この世界の人達はどうして人の話を聞かないんだ・・・。」

  そう言って、深いため息をつく。それにしても、さっきの女の子・・・、きっとあの時の子だな。

  となると・・・、ひょっとして?

  「大丈夫ですか~?」

  おっとりとした間延びのある、特徴的なしゃべり方。

  「怪我は・・・していないようだな。」

  しっかりとした口調ではきはきしたしゃべり方。

  その声を主たちの方に顔を向ける。

  「「「あ・・・。」」」

  3人の声が重なる。

  意外な場所で、意外な人物と再会した3人。

  3人の間に、少しの間が生じる。

  そして、その間はすぐに切れた。

  「お久し振りなのです~、お兄さん。」

「またお会い出るとは思いもしませんでしたよ、一刀殿。」

  「うん、ほんと・・・久し振りだね。風、稟。」

  あの時も、最初に会ったのはこの2人だった。


 
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