友達のいない少年が、ひとり。
家族のいない老婆が、ひとり。
老婆と少年。
昼下がりの公園で、彼らは出会った。
老婆は少年に昔話を語った。
それは少年の知らない、彼女の物語の続き。
それは彼らにとって、とても充実した時間となったのだった。
毎日のように彼らは公園のベンチに座った。
空はとても晴れていて、雲ひとつない。
夏が過ぎ、秋になり、やがて冬がきた。
それはとても寒い冬の日だった。
老婆は公園に現れなかった。
それでも少年は老婆を待ち続けた。
やがて夜になって、朝が来た。
ついに老婆は現れなかった。
それは彼らが出会ってから、初めてのことだった。
その日、老婆は命のぬくもりを失ったのだった。
そうして老婆は少年に再び出会った。
老婆のその姿は、少女になっていた。
「ずいぶん待たせてしまったわね?」
「君の遅刻にはなれてるよ」
少年は少女を見て笑った。
少女は少年の姿に涙を浮かべた。
彼らの時間は、今、再び動き出した。
彼らは再び出会ったのだ。
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最高の俺は他人は同然、俺自身も超えられない