~鞘華視点~
劉協陛下の旗が掲げられたことにより戦いは終わった
諸侯は謁見の為、虎牢関に入って来た
「さて、皆 顔を上げよ
此度、袁紹を発起人として諸侯が連合軍を結成し洛陽を目指していたと聞く
袁紹、何故そのような事をした」
劉協陛下が袁紹に問いかける
「それは董卓さんが陛下を傀儡にして洛陽で暴政を行っていると聞きまして
陛下と洛陽の民を救出するためで御座います」
袁紹の答えに陛下は
「馬鹿者!
董卓は暴政など行っておらぬわ!
むしろ、洛陽の復興の功労者であるぞ
更に朕を十常侍と何進の手の者から救い出してくれた恩人ともいえる者
それを傀儡にしているなどふざけるにも程がある!」
普段、温厚な美人が怒ると本当に怖い
「そんな、何進将軍の使いの人が確かに・・・」
「袁紹、お主は領土に戻って謹慎しておれ
本来なら死罪が相当なれど、騙されておったことを考慮しての処罰
しかと申しつけたぞ」
袁紹はうなだれている
「さて、ほかの諸侯は不問と致すが董卓 お主は相国の任を解く」
え、月は功労者でしょ 何で?
「相国を置いたばかりに、諸侯の妬みを買い今回のようなことが起こった
このままだと、再び同じことが起こるやもしれん
済まぬが受け入れてくれ
代わりと言っては何だがお主には戦死した劉表に代わり荊州の州牧を命ずる」
あと、陶謙に代わり劉備が徐州の州牧に任じられ陛下は退出して行った
「月、詠、華雄、間に合ってくれてありがとう
もう少し遅かったら危なかったわ」
「お礼を言うのはこっちです
よく、持ちこたえてくれました」
月とそんな話をしていたら
「ちょっといいかしら」
孫策がやって来た
「今回の件は悪かったわね
でも乱世では起こり得る事だし勘弁してよ
で、一姫 しつこい様だけど私達の所にこない?
貴方の力、ますます欲しくなったわ」
「私の答えは『断る』よ」
「ま、しょうがないか
私達が独立を果たしたらまた会いましょう」
後半は小声だったが聞こえた
「それと私の真名は雪蓮よ
私の真名を貴方に預けるわ」
「私の真名は鞘華よ」
雪蓮は手を振って去ってゆく
次会うのはどんな場面だろう
「次は私でいいかしら」
曹操がやって来た
「今回は貴方にしてやられたわ
張遼を捕えようとしたのは防がれるし、虎牢関を落とすことで得ようとした風評は得られないし
全部貴方に阻止されたわ
でも、私は覇道も、貴方を私の者にするのも諦めていない
覚悟しておきなさい」
あの覇道は兎も角、私は諦めて欲しいんだけど そっちの気はないから
「ところで荊州は祭夫人と弟の祭帽が好き勝手やっていた為、かなり荒れているらしいわ
それに勅命とは言え大人しく董卓に従うとも思えないし
ただ、長女の劉埼は比較的まともらしいわ
この助言は以前共に戦った時の礼よ」
曹操孟徳 本当に誇り高い
「あと、私の真名は華琳よ」
「鞘華よ」
「また会いましょう」
曹操は去って行く
あっちの趣味さえなければ評価を上げたいんだけどね
「鞘姉」
一君が劉備達とやって来た
「なんで、初めに本当の事を言ってくれなかったんですか!
そうすれば、こんなに人が死なずに済んだのに」
劉備が詰め寄ってくる
心底呆れた
「言っていたら貴方は信じたの?
敵が言ったことを素直に信じるの?
そんな事を言うのなら初めから自分で調べなさい
挙句の果てには、自分たちが間違っていたら責任転嫁
そんな人が徐州の州牧なんて務まるわけないわ
今からでも辞退してきなさい 徐州の民の為に」
私の辛辣な言葉に劉備は俯いている
「一姫殿、それ以上桃香様を愚弄するなら・・・」
関羽が乗り出してくる
「愚弄するなら何?
自分達の間違いを棚に上げて責任転嫁しているのは事実でしょ
更に善悪は自分達が決め、ほかの意見は聞かない 逆らえば脅す
そんな人がよく〈みんなが笑って暮らせる世の中を作りたい〉なんて言えたわね」
関羽も押し黙る
「少しよろしいか」
白い色を基調にした服を着た女性が話しかけてくる
「貴方は?」
「私の名は趙雲子龍
今は桃香殿の所で客将をしている
一姫殿はどのような理想をお持ちなのかお聞かせ願いたい」
この人が趙雲か
「私はこの乱世を少しでも早く終わらせたい
その後は民が自分で未来を切り開ける、そんな世の中にしたい
夢物語じゃないのは一君が証明してくれるわ」
一君、民主主義や私達の世界の知識を使えば可能なのはわかるでしょ
「なるほど
では近いうちに、また会いましょう」
私は月達と共に退出して行く
関羽が後ろで何か騒いでいたが関係ない
荊州に行ったら忙しくなりそうだ
~あとがき~
反董卓連合はこれで完結です
桃香の扱いですが一度叩き壊してからの方がいいと思うのでこうなりました
関羽は、桃香教の信者なのでこうなりました
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
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反董卓連合の終幕です