No.731643

快傑ネコシエーター19

五沙彌堂さん

91、美猫と妖子の母性
92、美猫と雅の買い物
93、美猫と撫子の店番
94、美猫と銀の夢
95、美猫と雅の羞恥

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2014-10-21 13:38:35 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:656   閲覧ユーザー数:656

91、美猫と妖子の母性

 

美猫は貧乳を解消しようとありとあらゆる手を考え実行していた。

銀が美猫に変化してしかも巨乳バージョンで雅に悪戯をしようとしたこともあって、

余計に気にするようになったのだった。

撫子や妖子は美猫の破綻のない綺麗なスレンダーなボディラインと誉めるのだがこの

2人は基準にするにはマニアックな嗜好なので一般的ではない、やはり男性から見て

魅力的な体形を目指さなくてはいけないと思っていた。

当の雅がそういうことに疎いためあまり意味が無いことに気付いて居ないのが美猫に

とって最大の悲劇なのだった。

美猫にとってものすごく屈辱的だったが銀の変化した巨乳美猫がやはり目標であった。

銀の17歳バージョンの巨乳美少女が雅をかなり動揺させただろうとナイスバディの

自分を想像するととても胸がすく思いであった。

銀やさつきに相談すると絶対にバカにされるか哀れなものを見るような目で見られるのが

オチなのでこういうことに好意的に相談に乗ってくれる妖子を頼ることにした。

ただ妖子は美猫の現在の体形を理想としているため、体形を変えることにあまり積極的

ではないと思われた。

ただ、2人の食習慣嗜好は似ているため、美猫は一番妖子を理想としやすかった。

しかし、妖子の体形は自然の作りだした芸術品で特に何かした訳では無かった。

相談を受けた妖子も困惑してしまった。

「妖子ちゃんみたいな女性らしい体形になるためにはどんな努力も惜しまないよ、

だから協力して欲しいんだ。」

「でも私は特に何もしてないけどこのような体形になってしまって、むしろ美猫さん

の様なスレンダーな体形が理想的で羨ましいです。」

「私のこのような体形は思春期の終わり頃からで、男性の目を引いてどちらかと言う

といい思い出が無いのです。」

妖子は悲しげに昔を振り返って寂しそうに言った。

妖子は美猫に暗い過去を具体的に話し、なぜ美猫のような体形に憧れるかを語った。

「美猫さんの体形の方が私の好みのタイプの服がいっぱいあって羨ましいです。」

美猫は妖子に嫌な思い出を思い出させたようで申し訳ない気持ちで一杯になった。

「妖子ちゃんごめんね、あたしはただ妖子ちゃんが羨ましかっただけなんだ。」

「でも美猫さんとより深く仲良くなれたみたいで嬉しいですよ。」

妖子は美猫により自分のことを知って貰えて嬉しかった。

辛い思い出も親友と共有することで辛さを癒やすことができるからである。

妖子は美猫に自分のような体形に憧れる様になったかを聞いた。

「妖子ちゃんに抱き着かれるとなんかふかふかして癒されるからかな。」

妖子は早速この機を逃さず美猫に抱き着いてみた。

「うわぁ、妖子ちゃんってやわらかで暖かくて気持ちいい。」

美猫は思わず猫又に変化して妖子に甘えていた。

妖子も変化して化け狐になって美猫に抱きしめていた。

美猫はすやすやと眠ってしまった、妖子はその寝顔がとても愛おしかった。

「お母さん。」

と一言美猫が寝言を言った。

妖子は美猫が自分の母性に惹かれていることに気づき一層愛おしくなり、艶やかな黒髪を

梳くように撫でた。

妖子は美猫が自分を悪党の手から救い出してくれた時は老婆に変装し自分の祖母の様に

優しく癒やしたくれたことをとても大事に思っていた。

その美猫が自分に母の面影を見出して甘えているのはとても嬉しかった。

美猫が目を覚ますと妖子は優しく語りかけた。

「美猫さんが求めているのは女性らしい体形よりもその内面にある母性だと思います。」

「美猫さんが今思いを寄せている人を包み込めるだけの母性で甘えさせることが

できれば、外見体形なんか関係なく魅力的で充分ひきつけることができますよ。」

「妖子ちゃんなんだかお母さんみたいだなぁ、ありがとう大事なことを教えてもらったよ。」

妖子は内心美猫を思い切り抱きしめてキスの雨を降らせたくなる程愛おしく思った。

実は妖子は撫子と美猫の魅力について語り明かしたことがあったがやはり実際の美猫の

魅力に敵うものではないという結論だった。

妖子は今日の出来事を撫子に報告すると焼餅を焼かれる可能性があったので黙っている

ことにした。

 

92、美猫と雅の買い物

 

「なぁネコ下着は自分で選んでくれないか、いくらなんでもランジェリーショップで下着

を見立てるのはかなりの羞恥プレイだから僕一人で女性用下着を買うのは勘弁して欲しいんだ。」

「でもあたしランジェリーショップにどこに何があるのか全く分からないし一人じゃ

何も選べないよ。」

「2人でランジェリーショップへ行こうよ、あたしが一緒ならおかしく思われないよ。」

「それはそうだけどなんかやっぱり恥ずかしいよ、なんか2人は特別な関係みたいに

思われたりするんじゃないかな。」

「別にカップルと思われてもいいと思うけどそれともみやちゃんあたしじゃいやなの。」

「そんなことはないよ。」

「では問題なしと。」

雅は何か丸め込まれてしまったような気がしたが美猫の機嫌が良い時に前例を作って

置かないと全く改善されず、一人で美猫の下着を買いにランジェリーショップで

恥かしい思いをし続けなければならないのでここで手を打つことにした。

 

ランジェリーショップは中央公園の東側の繁華街のちょっとおしゃれなショッピング

モールの中に有った、いつも女性用下着を買っている店でこの際これまでの誤解を

解いておきたかった。

「みやちゃん結構おしゃれな店で買ってくれていたんだね。」

美猫はランジェリーショップに初めて来てもの珍しそうに眺めていた。

「これで本当に年頃の可愛い娘のために下着を買っていることが証明され店員さんと

話しやすくなるよ、ネコは成長期だから店員さんに質問しなきゃいけないことがたくさん

有ったけど、本人がいないと聞けないことが全部解決するよ。」

雅は店員に美猫を紹介してこの娘のために下着を買っていたことを説明した。

店員も雅が気にしているほど気には止めていなかったようで、別に変質者扱いは

していなかった。

美猫のスリーサイズをきちんと測ってスポーツブラショーツのようなあっさりしたものに

少し装飾の付いたものを選んで雅と美猫に勧めていた。いつものように少し装飾の違う物

を2,3種類見繕って、買い揃えて2人は家路についた。

「みやちゃん二人の関係はどういう風に店員さんに思われたのかな。」

「少なくても夫婦には見られなかったし、援助交際にも見られなかったようだね。」

「仲の良い兄妹がいい線じゃないかな。」

「なんか当たり前すぎてつまらないなぁ。」

「逆に変な関係に思われたらあの店に行けなくなるよ。」

「じゃ家に着いたら今日買った下着のファッションショーをみやちゃんに特別に公開。」

「下着はやたらに人に見せるものではありません自重して下さい。」

「そうでなくても風呂上りにタオル一枚で部屋の中をうろちょろするのをやめて欲しい。」

「突然の来客があった時に対処に困るから。」

「大丈夫その時は猫又に変化するから。」

「大丈夫じゃない猫なら問題ないが猫又は充分問題だから。」

「ネコは自分が年頃の美少女であることを自覚すること。」

「えっ、みやちゃんあたしのこと美少女って。」

雅はつい心の中で思ったことをそのまま言ってしまってはっとした。

隣の美猫が真っ赤になって照れて下を向いてしまった。

「いや、初めて会った時から可愛い子だと思っていたけどそんなに照れないで欲しいなぁ。」

雅がなんか言うたびに美猫が照れてしまい収拾がつかなくなってしまい困惑してしまった。

美猫がそっと雅の手を握ってきた。

「このまま、家に帰るまで2人切りで居たいなぁ。」

美猫はぼそっと呟いた。

 

93、美猫と撫子の店番

 

市内電車の西北町の名物猫駅長がやっと療養を終え職場に復帰し

駅の利用客に暖かく迎え入れられた。

提灯屋の源さんが持ってきた駅長代理の招き猫も

猫駅長がいつでも休みを取れる様に裏で待機していた。

最大の功労者である大和撫子は駅員に感謝され、猫駅長の様子も見るようになった。

撫子は猫駅長がストレスを溜め、過労にならないように猫駅長をつれて散歩するよう

になり、定期的に獣医に見せ、他の地域猫同様に健康管理に気を配る様になった。

撫子が猫駅長と一緒に新しい首輪と鈴を買いにカオスな古着屋に行くと美猫とキジコが

いて、古着屋の最長老猫と何か大事な話をしていた。

「こんにちは、美猫さん。」

「いらっしゃい、撫子ちゃん。」

「どうしたんですか、何か困っているようなご様子ですが。」

「実は古着屋の親父さんぎっくり腰で今おかみさんと一緒に病院に行っているんだ。」

「今日中にはおかみさんが戻ってくるけどそれまで店番を頼まれたんだ。」

「ただ品物によっては値札がついていなかったりして,おかみさんは適当に値段を

つけて売っていいって言っていたけど、見当のつかないものもあって困っているんだ。」

「では、私も店番を手伝いましょう、大体フリーマーケットなんかで古着を売った経験

がありますから大丈夫ですよ。」

店の奥では最長老、猫駅長、キジコが何やら猫会議のようなことを始めていた。

撫子は美猫と一緒に過ごせることことが嬉しくてしょうがないらしくウキウキして

店番を手伝っていた。

 

そこへ紀美が買い物にやって来た。

「いらっしゃいませ。」

美猫と撫子は声を重ねて紀美を迎え入れた。

しかし、美猫はいきなり憎まれ口を叩き喧嘩腰だった。

「乳眼鏡の糞ババァに似合う服なんておいてないからさっさと帰れ。」

しかし撫子は美猫を制して宥める様に言った。

「だめですよ、美猫さんお客様に失礼なこと言ったら、

あくまで私情は抜きにして接客しないといけませんよ。」

「すいません紀美さん、いつも父がお世話になっております、大和龍之介の娘の撫子です。」

撫子は古着屋の親父さんがぎっくり腰で病院に行っていて代わりに

美猫と2人で店番をしていることを説明した。

紀美は撫子の手前もあって大人の対応をして美猫との一戦を控えることにした。

紀美は清楚な感じのブラウスを数枚とソフトな生地のロングスカートを2着選んで、

「撫子ちゃんこれなんか私に似合うかな。」

「とても清楚な感じでよくお似合いですよ。」

「美猫ちゃんもそう思うでしょ。」

「うん、そうだね。」

紀美は撫子に見立ててもらい選んでいた。

紀美もいきなり美猫に振ると絶対喧嘩になって大人げない態度を撫子に見られたく

なかった、しかし美猫を無視すると厄介なので美猫に相槌を打たせるように機嫌を取った。

「じゃ、これ買って帰るね、おいくらかしら。」

撫子はブラウスの内2枚とスカート1着に値札がついて居なかったが値札のついている

ものと比べて特に状態品質に差は無かったので同じ値段をつけて何事も無かった様に

計算して値段を言った。

「はい、合計で19800円になります。」

紀美は代金を支払うと撫子と美猫に

「じゃ店番がんばってね。」

あくまでも爽やかに去っていった。

美猫は感心したように撫子にいった。

「撫子ちゃんすごいよ、値札の無いのまでちゃんと一瞬で判断して合計金額を出すなんて。」

「生地の品質、サイズ、状態が値札の付いたものと同じだったので同じ値段で合計金額を

出しただけです。」

「フリーマーケットなんか値札が無いのが殆どですし、お客さんによっては値切ったり

したりとか結構複雑なんで、普通に店番する方がまだ楽ですよ。」

美猫はフリーマーケットに興味を持ち詳しく撫子に説明してもらった。

「もしよろしかったら、今度の休みの日にでも一緒にフリーマーケットにいきませんか。」

撫子はこの際とばかりに美猫を誘って一緒に2人きりの休日を過ごそうと思った。

「うんいいよ、一緒に行こう。」

撫子は美猫のいい返事を貰い心の中でガッツポーズをとった。

猫駅長が首輪を咥えて撫子の所へやって来た。

撫子はすっかり当初の目的を忘れていたのであった。

「駅長さんごめんなさい、すっかり忘れていましたわ。」

「美猫さん、猫さんの首輪はおいくらですか。」

「600円だけど撫子ちゃんのバイト代代わりにいくつか持って行っていいよ。」

撫子は猫駅長の首輪を咥えてきた新しいものに付け替えた。

さらに美猫に頼んで猫駅長に他にも気に入った首輪があったら選ぶように伝えて貰った。

猫駅長はいくつかの内から2つを選んで撫子の元に持ってきた。

撫子は膝の上に乗ってきた猫駅長を慈しむ様に優しく撫でた。

ゴロゴロと喉を鳴らして猫駅長は満足そうに居眠りを始めた。

「撫子ちゃんほんとに猫さんを撫でるのが上手だね、キジコちゃんも撫子ちゃんに

撫でられるのが好きだって言っているし。」

みゃー

キジコが同意するように鳴き声をあげた。

「私とても美猫さんが羨ましいんですよ、猫さんとキチンと意思の疎通が図れるなんて。」

「でも撫子ちゃんは言葉は通じなくともこの辺の地域猫さん達の健康状態を把握したり、

猫さん達に気持ちは通じているよ。」

ひゃー

最長老がいつの間にか撫子にすり寄って同意するように鳴き声を上げた。

「これもみんなお父さんのおかげなんです。」

「私、物心がつくころには実の父が亡くなっていて写真でしか見たことが無いです。」

「そんな私の元へ新しく今のお父さんが来たときはとても嬉しかったんです。」

「お父さんもとても優しくてたまに大きな黒猫に変化してくれてとても暖かでお母さん

の見よう見まねで変化したお父さんを撫でていたので撫でるのが上手になったのです。」

「その所為かお母さんと同じくらい猫さんが大好きになったんです。」

「大和さんみたいなお父さんってとても羨ましいな。」

美猫は大和警部補を思い浮かべていた。

雅以外の男性では大和警部補はどちらかと言うと尊敬できる仕事仲間だった。

美猫にとって今の父親代わりは実質雅であった、そして母親代わりでもあり

全ての面で保護者であった。

雅は優しくいつでも思いっきり甘えさせてくれる存在であった。

最近は保護者のみに止まらず恋人的な少し恋愛的なものを雅に求めているような

気がしていたが意識するととても恥ずかしくなってくるのであった。

銀は続き柄では伯母であったがもっと近い本当の姉のような存在で

事実姉の様に思って居た。

銀自身も伯母ではなくもっと身近な姉として振舞っていた。

美猫は普通に父親がいて母親がいるような家庭がうらやましかった。

撫子のような子はやはりそういう家庭に育った子であった。

亜人である限りはこの国ではそういう生活環境で育つことができないのであった。

ただ美猫は運よく雅と言う保護者のおかげで普通の生活が少し早く営めるようになった。

文句を言ったら罰が当たるくらい恵まれているのである。

こうして撫子のような普通の友達も出来充分幸せであった。

「今度の休日、楽しみだね。」

美猫は撫子と過ごす今度の休日が待ち遠しかった。

 

94、美猫と銀の夢

 

美猫と銀は共に辛苦を味わってきた仲であった。

アバルー収容所での生活、収容所の叛乱に巻き込まれて後の中央公園での

ホームレス生活と極限状態を潜り抜けてきた他の猫又ハーフの娘達も同様であったが

お互い唯一の血の繋がった親族の生き残りであり、格別のものであった。

当然生活が安定してくるとじゃれ合ったりふざけ合ったりし始めるのであった。

「銀ねぇ、いきなり人の胸を揉むな。」

「あら、あんまり平らだから背中と区別がつかなかったわ。」

「なんだと妖怪ババァ歳のせいで惚けたんじゃないのか。」

「そんな憎たらしいことを言うのはこの口かしら。」

「ひんねぇ、ほんなにふねったらひたいひょ。」

「いったい何を言っているのかしらこの子。」

「ひょめん、ひゅるひてひたいひたいひょ。」

美猫は銀の手を払って頬を抑えながら言った。

「銀ねぇ、そんなに本気で人の頬を抓らないでよ顔が戻らなくなったらどうすんだよ。」

「もとはと言えば銀ねぇがあたしの胸を揉むから悪いんだろ。」

「美猫、胸は揉むと大きくなるのよ、あんた自分で揉まないし揉んでくれる人もいないし。」

「大きなお世話だよ、成長期だからそのうち自然に大きくなるよ。」

「そんな保証はどこにあるの。」

美猫は銀の胸を指差して、

「血筋。」

自慢げに言った。

「多分来年の今頃は17歳バージョンの銀ねぇ程までは無理だとしてもさつきぐらい

には成長しているのと思うよ。」

「ほー。」

「そんな保証はあてにならないわよ、あんたは一族の中でも突然変異の貧乳だったりして。」

美猫の顔が青ざめていった

「大体、おひぃさんは歳がかなり往っているから外見を自由自在に変えられるから本当は・・・」

突然提灯屋の源さんが一言空気を読まない発言をしようとして、

銀にどこから持ってきたのかわからない南部鉄瓶で思いっきり何回も記憶が無くなるまで

殴られていた。

銀は源さんを殴って気が晴れたのか明るい声で、

「美猫、冗談よちゃんと胸は成長するからあまり深刻に悩まないで、

雅さんに恥ずかしがらずにきちんと相談しなさい。」

「うん、ありがとう銀ねぇ。」

美猫は早速雅の下に相談に行ったようだ。

「おひぃさんや、美猫ちゃんになにかみやちゃんと深い仲になる様な切っ掛けを作った

のかい、いいとこあるじゃないか。」

「あの子あれでかなりの奥手だから雅さんを驚かせるようなことでもさせないと中々

2人の関係が近くならなくてこっちがやきもきするくらいだからね。」

「いっそのこと私のものにしたい位いい人よ、雅さんは。」

「正直まだ私自身迷っているんだけどね。」

「でも悲しいけど私よりも美猫と結ばれた方が雅さんは幸せになると思うの。」

「だから、ちょっと悔しいけど美猫を後押ししてあげないと

私とすら対等になれないのよね。」

「おひぃさんや、あまり無理せず自分に正直に生きてもいいと思うぞ。」

「おひぃさんだって、自分の幸せを考えてもいいと思うし

みんなも祝福してくれると思うぞ。」

「ありがとう源さん。」

銀はすっきりした顔で美猫の後姿を眩しそうに見つめていた。

 

95、美猫と雅の羞恥

 

「と言うわけであたしの悩みの相談にのってくれる、みやちゃん。」

美猫が軽いノリで自分の胸の成長について真面目に雅に相談した。

「女性の肉体の悩みは僕に相談されても本当に困るのだけど。」

雅は耳まで赤くしてややうつむいて答えた。

「どうして、みやちゃんそんなに恥ずかしがるのあたしにとって大事な問題だよ。」

美猫は雅がどうして恥ずかしがるのかわからなかった。

「ネコ、そんなにストレートに言われるとやはり耐性が無いから恥ずかしいんだよ。」

美猫は少し切り口を変えて相談してみた。

「じゃ、あたしにみやちゃんを包み込めるだけの母性があるかな。」

雅は少し考えて美猫じっと見つめていった。

「それは、これから育んでいくものだけど、やっぱり僕を時々驚かせるほどの

母性はあると思うよ。」

美猫は雅が時々驚くというのがいつなのかを知りたかった。

「みやちゃんが驚くときってどんな時なの、例えばこんな時かな。」

美猫は雅に思い切り抱き着き額と額をくっ付けた。

「わわっ、ネコいきなり不意打ちは心の準備が出来てないから驚くけどちょっと違うよ。」

「どちらかと言うと僕よりずっと大人の言動をされた時の方が驚きは大きいよ。」

「あたしそんなこと意識して言った記憶が無いなあ。」

「意識してないからこそ大人なんだと思うよ。」

「ネコ、背伸びして早く成長するより、童心を大事にした方がいいと思うよ。」

「銀さんが子供っぽいことをするのってすごくかわいく感じるじゃない。」

「25歳になっても童心を忘れないことの方が大事だと思うよ。」

「みやちゃんはあたしの子供っぽい所に魅力を感じるの。」

「まだ16歳なんだから子供っぽいのが普通で逆に年齢以上に分別がついたら

なんか悲しい経験をしたんじゃないかって心配になるよ。」

「歳を取れば失われていくものなんだから年相応でいいと思うよ。」

美猫は雅にさらっと大事なことを聞いてみた。

「みやちゃんは今のあたしのこと好きかな。」

雅は思ったことをそのまま言ってみた。

「ネコのことは初めてここに来たときから好きだよ。」

美猫は思っていた以上の返事が返って来たので嬉しくて雅にキスの雨を降らせた。

「ネコ、頼むからそういうことをするときは猫又に変化して欲しいなあ、

僕の心の準備もあるから。」

雅は美猫の黒髪を梳くように撫でて美猫の気持ちを落ち着かせた。

「ネコ、落ち着いたか、お昼ご飯何が食べたい。」

「チキンライス玉葱抜き。」

美猫は元気よく答えた。

 

 


 
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