No.729351

快傑ネコシエーター17

五沙彌堂さん

81、雅と源さん
82、影の独裁者
83、妖子のおすすめ
84、美猫の悪夢
85、美猫の復讐するは我にあり

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2014-10-11 14:41:10 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:615   閲覧ユーザー数:615

81、雅と源さん

 

レアな組み合わせであるが雅と源さんは世代を超えて、仲が良いのである。

スレート大侯爵と意気投合する源さんであるから、当然息子の雅とも気が合うのである。

つい半年前まで普通の人間をやっていて、いきなりバンパイアハーフだと判明した所為か

自分の亜人種別がバンパイアハーフであることに充分慣れてない雅の物の考え方、発想

が普通の人間で且つ常識的な所が源さんにとって痛快でしょうがないらしく、一方の雅

も源さんの言葉の重みを理解し尊敬しており、さらに自分の奇妙な経歴に同情してくれる

源さんに常に好意をもって接しているのである。

源さんが酔っぱらっていてもちゃんと礼儀正しく年長者を立てる雅が源さんの琴線にふ

れたようで源さんの昔話を丁寧に正確に記憶して備忘録的役割も果たしている様である。

ただ、話題が銀の過去の話に及びそうになると、神出鬼没の銀が鈍器で思い切り源さん

を殴ってうやむやにするので、そこで話は中断、ダメージの程度によっては終了である。

源さんはこの珍しく腰の低いバンパイアハーフが最初は物珍しさから、話をするうちに

意気投合と御尊父スレート大侯爵と同じ経緯で親しくなって後にこの2人が父子である

ことを知ってやはり遺伝とは偉大であると感心すること頻りであった。

雅のノンポリで神父の説教嫌いなども源さんの好むところで偽善が大嫌いであった。

源さんが世の中の理不尽歪みに腹を立てて、常に酔っぱらっていたが雅と出会ってから

素面に戻ってその強力な魔力で巨悪に大鉄槌を加えるようなこともする様になった。

ただ、源さんは大谷行基の恐ろしさを知っており派手なことをしてあまり目立つこと

を避けている。

大谷行基は人間中心社会を維持し、亜人が秩序を乱すことを嫌い、亜人弾圧の元凶である。

この国唯一の真祖バンパイアとして社会のマイノリティである亜人を統制している。

慧快の盟友の竜造寺銀、慧快の弟子大和龍之介が既に大谷行基にマークされており、

緩やかに監視されていることを知っており、源さん自身はまだノーマークであるため

慧快ゆかりの2人を見守っている。

雅が最近慧快に興味を持ったようだがその話題には必ず銀が絡んでいるため話したく

ても銀に妨害されて話せないのである。

特に銀はおひぃさんと呼ばれていた幼少時からの付き合いなのでいろいろなことを

知っており、喋りたいことはたくさんあるが銀が強引に口止めするので話せないのである。

銀の執拗な妨害工作が功を奏してか、雅は銀の年齢を本当に25歳だと思っている様

である。

 

82、影の独裁者

 

40歳を過ぎ衰えた体で夜のデミバンパイアと戦い、九死に一生を得た慧快は

一年の休養後、エクスタミネーター養成所の指導教官として勤務し後継者の

育成に力をいれていた。

夜のデミバンパイアと戦うことは死を意味することを強く心に留め、慧快自身の

教え子を前回の戦いで犬死させたことを深く反省し、デミバンパイアとの戦いは

昼間に限りそれも不意を打つことの必要性を養成所で指導していた。

またエクスタミネーター自身の生還を重要視して経験を積むことでデミバンパイアの

捕獲、抹殺のスキルを上げることを説いていた。

「そんなことあたりまえじゃねぇか、いまさらおそいよ。」

養成所の庭で酔っ払いが慧快の講義に茶々を入れていた。

その酔っ払いを職員が追い出そうとしたが、慧快はそれを止めそのままにしておいた。

講義が終わると酔っ払いはさっさと帰っていったが慧快はその酔っ払いが気になったので

後を追った。

慧快は酔っ払いに追いつくと声を掛け呼び止めた。

「もしや、あなたは高位のライカンスロープとお見受けいたしましたができれば

あなたの話をお聞きしたい。」

「流石は慧快さんじゃおひぃさんのいったとおりじゃな。」

酔っ払いは笑顔で答えた。

「儂は提灯屋の源三という化け狸じゃ、まぁみんなは源さんと呼んでる。」

「ちょっと待ってくれ今素面に戻るから。」

源さんは全身から酒気を吐出し素面に戻った。

「実は慧快さんに大事な話があるのじゃ。」

「慧快さんは大検校大谷行基をどう思っている。」

慧快は思った通りに答えた。

「大検校は私にとって大恩人で今私があるのは大検校のおかげです。」

「おひぃさんに言ったことと同じじゃなぁ。」

「おひぃさんも心配しとった、その律儀な所にのう。」

「では、爺ぃの昔話を聞いてくれるか。」

源さんは真剣な少し怖い顔で昔話を始めた。

「今から80年前のことだが儂が提灯職人になってちやほやされ始めた頃の話じゃ。」

「少しでも魔力を持つ亜人は提灯職人など見向きもしなかったんじゃ。」

「同じライカンスロープ達からは差別意識を持たずに普通の亜人の中で同じように

提灯職人になっている儂を裏切り者呼ばわりし仲間外れにした。」

「しかし、儂は元々相手にしてなかったので全く問題にせず黙殺したんじゃ。」

「プライドを傷つけられたライカンスロープ達の儂への嫌がらせが始まったんじゃ。」

「しかし、ライカンスロープ達の儂への嫌がらせが頂点に達したと思われたところで

人間が介入してきて、ライカンスロープ達を拘束し痛めつけ獄死させたんじゃ。」

「ライカンスロープ達が勝手に社会の秩序を乱したという理不尽な理由じゃ。」

「獄死したライカンスロープの家族は人間よりも儂を恨んだ。」

「儂の師匠、兄弟弟子が皆殺しにされ、このことがさらに人間の怒りを買い、

ライカンスロープの関係した全てが処刑粛清され、社会があくまで人間のもので亜人

の勝手は許さないということを亜人に示したんじゃ。」

「この処刑粛清を指揮したのが大検校大谷行基じゃ。」

「行基は亜人を統制して人間の支配下においている影の独裁者じゃ。」

「なぜ、行基がデミバンパイアを危険視するのかを考えたことがあるかね。」

「人間の安全を守るためという理由だけではない、

支配下にないというのが最大の理由じゃ。」

「実際、デミバンパイアの被害者でも亜人は無視されている。」

「この社会は人間以外の亜人にとっては差別が横行しておる。」

「慧快さん、あなたは行基の裏の顔を知らない。」

「行基は人間にはいい顔しか見せないが亜人相手だと牙をむくのじゃ。」

「なぜ、髑髏検校と揶揄されるかよく調べた方がいいぞ。」

「あまり行基に心を許すと骨までしゃぶられるぞ。」

源さんの呪詛にも似た恐ろしい話に慧快は震えが止まらず、

「まさか、あの大検校が。」

源さんは止めを刺す様に言った。

「日輪の十字架をまた作れないかと聞かれたことはないかね。」

「もしそうなら、慧快さんの命なんぞ何とも思ってない証拠じゃ、もし作ったら、

慧快さんの寿命が尽きるよ、あの1本に慧快さんの一生分の命が籠っておる。」

慧快は行基に日輪の十字架をまた作れないかと聞かれたことが何回かあり、

源さんの言葉通りであった。

「行基が慧快さんの命を大事にするのは日輪の十字架が目当てじゃ。」

源さんはさらにいった、

「日輪の十字架で真祖バンパイアを倒せるかと聞かれたことはないかね。」

慧快は行基に同じことを尋ねられ理屈の上では可能ですと答えたことを思い出した。

「もし倒せると答えたらば、日輪の十字架の存在を真祖バンパイアに知られたら

破棄されると言ったんじゃないか。」

やはり源さんの言葉通りだった。

「日輪の十字架は慧快さんの切り札じゃ、絶対にを行基に渡してはいけないよ。」

「慧快さんにはちょっと難しいかもしれないがうまくはぐらかしておきなさい。」

「慧快さん嫌な話を聞かせたが巧言令色少なし仁とは行基のためにある言葉じゃ

くれぐれも自分の身の安全に注意しなされ。」

それだけ言って源さんは風に吹かれるように姿を消した。

慧快は深く苦悩した。

今まで信じていた大恩人の裏の顔があり、残酷で薄情な一面、特に亜人に対する対応の

冷たさは今まで強く意識していなかったが、いちいち思い当たることがあり源さんの話は

慧快にとって非常に重いものであった。

養成所の亜人たちも行基から見れば使い捨ての道具であった。

慧快はこれからの養成所での自分の役割を見つけた。

エクスタミネーター自身の生還を説き、より安全な方法でデミバンパイアと戦うことを

勧めることが大事であることを強く感じていた。

 

83、妖子のおすすめ

 

妖子は最近トラフグに凝っていた。

フグの刺身の薄造りに限界に挑戦し自らの包丁捌きの腕を上げていた。

アラはふぐチリ、最後の仕上げはフグ雑炊とコースになっていた。

ちなみに本来廃棄すべき猛毒の卵巣と肝臓は銀がコレクションにしていた。

居酒屋銀猫の目玉がこのふぐ料理で鮟鱇、蟹、鼈と鍋コースがメインであった。

一品料理では鯨の尾の身の刺身、馬刺し、鹿刺しが人気メニューであった。

美猫専用の料理としてチキンライス玉葱抜きがあったが通常メニューでは無かった。

普通の酒の肴としては刺身の盛り合わせ、鰤の照り焼き、各種青魚の姿焼きがあった。

これらのメニューは妖子の市場での仕入れで決まっていた。

妖子はしっかり者の値切り上手で予算を必ず残して銀に返していた。

銀は飲み物酒類の仕入れのみを担当し料理食材の仕入れは全て妖子に任せていた。

妖子はトラフグの天然養殖に限らず生きの良さで選んでいたがやはり一匹当たりの単価

が高いのでなるべく薄く刺身を切って一人前の原価を下げようとしていた。

フグの刺身は薄ければ薄いほど調理人の評価が上がるので好都合であった。

フグの白子は1品料理として出してやはり薄く切って原価を下げているのであった。

妖子が調理場を任されるまでは銀が出来る範囲でやっていたが妖子が始めてからは

とても倹約して経費を削減し店の収支がより改善したのであった。

妖子は店の経理全般を任されいた、節税対策も万全で、猫又ハーフの娘たちの生活費

銀の趣味の薬代を全て店の経費で処理していた。

妖子は紀美の元で経理の基礎とその応用をを学んで店の経理に反映していた。

ただ妖子は必ず大事な所の判断を銀に仰ぎ、銀の知らない事の無い様にしていた。

銀はとても妖子が気に入っていた。

とことん尽くすタイプの娘なので雅争奪戦線に正式に参戦させたかった。

銀はどう見ても、妖子が美猫大好きで美猫に遠慮している様に見えていた。

妖子が暗い過去を背負っていることで雅争奪戦線から一歩引いたところにいるのが

銀には歯がゆかった、もっと図々しい位でないと雅争奪戦線には勝ち残れないのである。

 

ふと銀は妖子に調べさせたいことを思いついた。

「妖子ちゃん、ちょっといいかしら、雅さんの好物て知ってる?」

「いえ、存じませんが、雅さん出された物は何でも美味しく頂いているようで特定が難しいですね。」

「雅さん自身料理好きで自分で作られるから好物を聞いてみないと判らないと思います。」

「妖子ちゃん、興味ない?」

「面白そうですね、玉葱、大蒜が苦手という以外特に情報がないですが薬膳料理を美味

しく召し上がってましたからその辺にヒントがありそうですね。」

「妖子ちゃんのお任せメニューって言う感じで探ってみましょう。」

 

銀は定休日の土曜の昼に雅の好物を突き止めようと妖子の新作メニュー試食会を開いた。

「銀さん、僕たちだけ美味しいものを頂いて悪いみたいだけど。」

「妖子ちゃんの発っての希望で雅さんと美猫を選んだのよ気にしないで味わってね。」

小さな皿に小盛でいろいろな料理が出されていった。

雅は試食会と言うことでじっくりと味わって食べていた。

しかし、美猫はがつがつとかき込んでいた。

そして、「お代わり。」

と元気よく声を上げた。

「美猫、試食会の意味わかっているの。」

銀が呆れる様に言った。

ふと雅が箸を止めじっくり味わっていた。

「銀さん、これフグの刺身とフグの白子の和え物ですがこんな高級な料理を試食してもいいんですか。」

「雅さんフグはお好きですか。」

「好物ですけど、難しい料理でいくらでも味が変化しますし、料理人の力量がものをいう料理ですよ、

妖子ちゃんほどの腕前なら本当に美味しく頂けます。」

「フグの卵巣の糠漬けみたいな珍味を昔食べたことがあるんですがあれは最高に美味しかったなあ、

ただ毒抜きに2年位掛かるって聞いたから製法が難しそうですね。」

「ふぐチリの後のフグ雑炊もおいしいです、妖子ちゃんの下味の匙加減がいいんだと思います。」

「雅さん、妖子ちゃんの料理が好きなんですか。」

「はい、春に食べた薬膳料理がとても美味しかったですね。」

「精進料理も美味しかったなあ、特に味噌だれの胡麻豆腐なんか最高に美味しかったです。」

「自分が美味しかったと思う料理は自分でも作ってみようとするんです、

でも妖子ちゃんの料理は真似できないですね。」

雅は妖子の料理の腕をベタ褒めだった。

美猫も思わず頷いているのを見て銀は少し美猫にがっかりしたが

相手が妖子じゃ仕方がないかとも思っていた。

妖子が試食会の最後にデザートを持って現れた。

野苺のシャーベットだった。

「どうでしたか、お気に召しましたか。」

「妖子ちゃんとっても美味しかったよ。」

美猫は猫又になって妖子に抱き着くぐらい喜んでいた。

銀は美猫が恋のライバルどころか妖子に餌付けされているようで溜息が出そうだった。

肝心の妖子も美猫が喜んでいることで大満足の様だった。

「妖子ちゃん御馳走様、美味しかったよ。」

雅は真面目に新作メニューのことを考えていた。

「妖子ちゃんフグ刺しと白子の和え物は新作メニューの白眉だと思うよ。」

「春に作ってもらった薬膳料理と精進料理から何品か選んでもいいと思うなあ。」

妖子はふむふむと頷いて

「では正式にメニューに追加しようと思います。」

居酒屋銀猫にのメニューに妖子のおすすめが加えられ、常連の通の客の舌を満足させた。

 

84、美猫の悪夢

 

「貧乳、ド貧乳、75㎝以下は乳とは呼べないよね。」

「絶壁、まっ平ら、つるぺた・・・。」

ありとあらゆる自分の小さいサイズの胸に対する罵詈雑言。

美猫は魘されていた。

目を覚ますと普段の普通の朝だった。

「いやな夢だった。」

美猫が着替えて洗面所に向かって行った。

雅とキジコが居間のソファーの上でまだ寝ていた。

キジコが目を覚ましたので猫族の朝の挨拶をした。

キジコは美猫が朝からテンションが低いので心配そうにみゃーと鳴いた。

「キジコちゃん大丈夫だから心配しなくてもいいから。」

「ありがとう、キジコちゃんは優しいね。」

雅も目を覚ましたので美猫は軽く猫族の朝の挨拶をした。

「みやちゃん、おはよう。」

雅はまだ寝ぼけていた。

「おはようネコ。」

「ネコ、なんか元気無いけど具合が悪いのか。」

「ありがとう、みやちゃん大丈夫だよ。」

美猫はただの夢だと思って気にしないことにした。

しかし次の夜も同じ夢だった。

目を覚ますと普段の普通の朝だった。

美猫はたくさん嫌な汗をかいていた。

「また、いやな夢だった。」

「こんな夢が続いたら堪らないどうにかしないと。」

そして雅とキジコに添い寝してもらうことにした。

さすがに夢の内容については固く口を閉ざしていたが。

雅は美猫が2晩続けて同じ悪夢見たというのが気になったので寝ずの番をして様子を

見ていた。

特に何も起こらず美猫も悪夢に悩まされることが無かった。

しかし、美猫が一人で寝るとまた同じ夢を見た。

美猫は朝から半泣きだった。

雅は心配してまたキジコと一緒に美猫の添い寝をした。

今度は寝たふりをして様子を見ていた。

すると朝方美猫の耳元に何かを囁いている人物がいた、予想通りだった。

銀が美猫の耳元で何かを囁くたび美猫は苦悶の表情を浮かべ脂汗をかいていた。

雅は気づかれないようにそっと起きて銀の後ろに回り肩をそっと叩いた。

銀は吃驚して悲鳴を上げそうになったがこの状況では言い訳できなくなるので

黙って、雅と一緒に寝室を出た。

「銀さん悪戯も程ほどにしてくださいね。」

雅は美猫とキジコを起こさないように小声で注意した。

銀は黙って深くお辞儀をすると雅の部屋を出て行った。

「銀さん何を囁いていたんだろう。」

雅は寝室に戻りベッドに入り美猫の添い寝をした。

優しく髪を梳くように撫でて美猫の表情が安らぐようになるまで見つめていた。

 

85、美猫の復讐するは我にあり

 

「あの年齢不詳の妖怪ババァなんて言うことしやがるんだ。」

美猫は激怒していた、雅は美猫の夢の内容を知らなかったので正直に銀の悪戯である事を明かした。

しかし、それが間違いであることに気付いてはいなかった。

美猫は銀に復讐を企てようとしていた。

ただ、正面からぶつかっても返り討ちに会うことは目に見えていたので奸計を練っていた。

そこで提灯屋の源さんを仲間に引き込んで銀を痛い目に合わせようという魂胆だった。

源さんが雅に昔話を聞かせるだけで良かった、銀の妨害を妨害する作戦であった。

雅が秘密基地で源さんの昔話を聞いているのだが銀にはどこで行われているか全く

分らなかった。

音声のみが銀の元に聞こえる様になっていた。

美猫は安全な場所から銀の様子を観察していた。

銀は冷静さを装っているものの怒り心頭で部屋の温度が下がっていた。

お茶を飲んで気を静めようとしたが茶碗を握りつぶしてしまった。

般若の形相の猫又が怒りを抑えていた。

美猫が銀の前に姿を現した。

銀は美猫に襲い掛からんばかりだったがひたすら耐えていた。

「銀ねぇ、酒蔵を覗いてごらん多分そこに2人はいるはずだから。」

主犯の美猫のことを忘れて銀はどこから持ってきたのかわからない台秤を持って

酒蔵に向かった。

酒蔵の扉を開けたら中に雅と源さんがいた。

銀は雅の目も気にせずに台秤で源さんを徹底的に繰り返し殴り続けた。

源さんは殴られながらも満足のいく話が雅と出来たので満足だった。

雅は前から気になっていた話が聞けたので満足だった。

銀は怒りと興奮で冷静さを失っていた、ただひたすら源さんを殴り続けた。

美猫は雅を修羅場となった酒蔵から連れ出して扉を閉めた。

「美猫、何がどうなっているのかさっぱりわからないが。」

「いいの、これであたしの復讐は済んだから。」

 

 


 
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