No.729119 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~soranoさん 2014-10-10 14:30:07 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1797 閲覧ユーザー数:1666 |
リィンが名前を叫んだ瞬間、旧校舎の最下層に地面に膝をついて微動だにしなかった謎の人形兵器は突如立ち上がった後、エレベーターまで移動した。そしてエレベーターは上へと上がり、人形兵器は跳躍して飛びあがった!
~トリスタ~
一方その頃、リィンは謎の結界に包み込まれていた。
「クッ、なんだ……?」
「結界……?」
「リィン……動かなくなっちゃったけど……」
リィンの様子を見たユーシスやセレーネ、エリオットは戸惑い
「セリーヌ……!どうなってるの!?」
エマはリィンの足元にいるセリーヌに視線を向けた。
「しっ……集中させなさい!」
「ほえっ……!?」
「セ、セリーヌ……」
「猫が喋ったあっ!?」
そしてセリーヌが喋った事に仲間達は驚いた!
「……何をやっているのかしら。まあいいわ、そろそろケリを付けるとしますか。」
一方リィンの様子を伺っていたスカーレットは機甲兵を操縦して再び戦いの構えをした。
「さあ、お遊びは終わりよ!死にたくなかったらとっととそこを退きなさ―――」
スカーレットがリィン達に警告したその時、何かの音が聞こえて来た!
「今のは……領邦軍の砲撃?あ、あれは……まさか……”C”が言っていた……!」
スカーレットがふと空を見上げると何と旧校舎にいた謎の人形兵器が空を飛んでリィン達の元へと向かっていた!
「ふええええっ!?」
「な、なんだぁ!?」
正門でリィン達を待っていたトワとジョルジュは飛び去って行く人形兵器を見て驚いた。
「来た―――」
そしてリィンを包んでいた結界が消えるとリィンは空を見上げた。するとその時人形兵器―――”灰の機神”ヴァリマールがリィン達の目の前に現れた!
「なっ!?あれは一体……!?」
「うふふ、何だか面白い展開になってきたわね♪」
ヴァリマールを見たサフィナは驚き、レンは小悪魔な笑みを浮かべた。
「あ……」
「……これは……」
「機甲兵ではありませんよね……?」
「帝国に伝わる巨大な騎士の伝承……」
「その正体というわけか……」
「……巨いなる力を体現する”器”の一つ……灰色の機神”ヴァリマール”……」
ヴァリマールの存在に仲間達が戸惑っている中、エマは真剣な表情で呟いた。
「くっ……話が違うじゃない!まだ動かないんじゃなかったの!?」
ヴァリマールの登場にスカーレットが狼狽えている中、リィンとセリーヌはヴァリマールに近づき、何と光に包まれてヴァリマールの中へと入って行った!
リィンがセリーヌと共に操縦席に現れるとリィンは目の前にある端末を操作した。
「な、なんで解かるんだ……?まるで身体が覚えてるみたいに……」
「”起動者(ライザー)”となった時点で基礎知識は入ってくるからね。―――それより備えなさい!この”騎神”はまだ武器を持っていないんだから!」
「……!」
そしてセリーヌの警告を聞いたリィンは一気に詰め寄ったシュピーゲルを見て真剣な表情をした。
「ハッ、貰ったわ……!」
一気にヴァリマールに詰め寄ったシュピーゲルは強烈な突きを放ったが何とヴァリマールは回避した!
「……!?」
攻撃が回避された事に驚いたシュピーゲルは慌ててヴァリマールから距離を取った。
「剣の体捌き……!」
「リィンと同じ動き……!」
その様子を見たガイウスとフィーは驚き
「よし……やれそうだな。」
「リィン……!」
「こ、この人形を動かしているのか……!」
「凄いです、お兄様……!」
「はは……凄いや……!」
ヴァリマールからリィンの声が聞こえてくるとアリサとマキアスは驚き、セレーネとエリオットは明るい表情をした。
シュピーゲルと対峙したヴァリマールは格闘技の構えをし
「八葉一刀流”無手”の型……」
「フッ……味なマネを。」
ヴァリマールの構えを見たラウラは驚き、ユーシスは静かな笑みを浮かべた。
「へえ、何かイケそうね?」
「剣を失くした時に使う”第八の型”……ユン老師に徹底的に叩き込まれたもんだよ。」
「せいぜいその先生に感謝しときなさい―――って、くるわよ……!」
「わかってる……!」
そしてリィンが操るヴァリマールはシュピーゲルとの戦闘を開始し、リィンは初めて操縦するにも関わらずシュピーゲルを圧して行き、シュピーゲルを戦闘不能にした!
「くっ……しまった……!せめてラインフォルトの連中が”法剣”を完成させていれば……!」
地面に膝をついたシュピーゲルの中にいるスカーレットは悔しそうな表情で唇を噛みしめた。
「これ以上の戦いは無意味だ!西口を攻めている連中とまとめて撤退してもらうぞ!」
そしてリィンはスカーレット達に撤退するように指示した。
「リィンさん……」
「そうだそうだー!とっとと行っちゃえー!」
「よし、この調子で行けば西口の方も……!」
その様子を見ていた仲間達は明るい表情をした。
「ちっ……」
そしてスカーレットが舌打ちをしたその時!
「オイオイ……何か忘れちゃいねえか?」
聞き覚えのある青年の声が聞こえて来た!
「……!」
「こ、この声は……」
「クロウさん……!」
「来るぞ―――!」
そして仲間達が声が聞こえた方向を見つめると空から飛んできた蒼の人形兵器―――”蒼の騎神”オルディーネがヴァリマールと対峙した!
「あ……」
「蒼い騎士人形……」
「ま、まさかもう一体目覚めていたなんて……」
「”C”―――いいタイミングじゃない!」
オルディーネの登場に仲間達が青ざめている中、スカーレットは明るい表情で声を上げた。
「”蒼の騎神”……あいつが”起動者(ライザー)”だったなんて。くっ、”あの女”が導き手を務めたわけか……」
「クロウ……クロウなのか!?」
セリーヌが舌打ちをしている中、リィンはオルディーネを睨んで叫んだ。
「ああ、久しぶりだな―――って昨日の夜、一緒にメシを喰ったばかりだったか。だが、ずいぶん遠くに来ちまった気がするぜ。」
「くっ……どうして………何故こんな事を!?宰相を撃ったのもクロウなのか!?それに………その人形は一体どこで……!?」
「そもそも士官学院に入ったのは”帝国解放戦線”の計画のためでな。いずれ”鉄血”の首を狙う時の足場にするつもりだったわけだ。まあ予想以上に楽しんじまって、失った青春を謳歌しちまったが……俺の本分は”C”―――学院生クロウ・アームブラストはただの”フェイク”さ。」
リィンの問いかけに対し、クロウは苦笑した後冷めた表情で答えた。
「ッ―――ふざけるな!俺達と一緒に過ごした時間も!トワ会長やアンゼリカ先輩、ジョルジュ先輩との関係も!ぜんぶ偽物だって言うのかよ!?あの学院祭のステージも―――嘘だったって本気で言うのかよ!?」
「それは……ああ―――その通りだ。」
リィンの怒声を聞いたクロウは一瞬言いよどんだが冷めた目つきで答えた。
「リィン……」
「お兄様……」
「……クロウもどうして……」
二人の会話を聞いた仲間達が悲痛そうな表情をしているとオルディーネは近くに刺さっていたシュピーゲルの武器である剣を抜いてヴァリマールに投げ渡した。
「ラインフォルト製の機甲兵用ブレード……お前の刀に比べりゃナマクラだが我慢してもらうぜ。そろそろケリを付けようじゃねぇか?」
そしてオルディーネはダブルセイバーを取り出した!
「”C”の得物……」
「本当に……先輩が”C”なのか……」
オルディーネの得物を見た仲間達はそれぞれ辛そうな表情をした。
「悪いが、その”灰の騎神”に粘られると後々面倒なんでな。士官学院共々、ここでブッ壊させてもらう。お前らを含めた学院関係者はまあ、全員軟禁ってトコか。メンフィルの貴族のお前やセレーネを軟禁すればそれを口実にメンフィルが戦争を仕掛けてくるかもしれねぇが……こいつや機甲兵の前では勝てねぇよ。」
「そうか―――だったら……俺が勝ったらどうするつもりだ?」
「っ……!クク……お前が勝ったら50ミラの利子を耳を揃えて返してやるよ。何だったら、今度はお前の後輩になってやってもいいぜ?」
「わかった、それで行こう。言っておくけど利子は莫大だからな?そして後輩は先輩の言う事に従うのが筋だ……戻ってきてもらうぞ―――クロウ。」
「クク……ナマ言いやがって。だがまあ―――そのあたりが落とし所ってヤツだな。」
互いに武器を構えて対峙した2体から凄まじい霊圧がさらけ出された!
「こ、これは……」
「二人の闘気に連動した膨大な霊力(マナ)……」
「ッ―――おおおおおおおおおっ!!」
「らああああああああッ!!」
そして2体の騎神は一騎打ちを開始した!
クロウ操るオルディーネは手強く、ヴァリマールは一進一退の戦いを続けていたがようやくオルディーネに膝をつかせた!
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第295話