昴と霞の約束を守る決意を更に固めた北郷軍。
それから少しの時間が流れた。
袁紹の命令書を受け取った諸侯達の動きは様々だった。
ほどんどの諸侯が北郷と同じような解釈をしているようであった。
例えば、曹操軍の動きはというとある時は虎牢関の守備隊を攻撃し。
ある時は下がっていた。ようはヒット・アンド・アウェイの戦法を取っていた。
まるで、一番の手柄を狙っているように・・・・・
一方の孫策軍は徹底的に虎牢関の守備隊を攻撃していた。
まぁ――――これは孫策の性格を考えれば当然のことなのかもしれない。
ちなみに、袁紹の従姉妹の袁術は後方に待機していた。
待機と言っても袁術は何かあった時の準備はまるでしておらず。完全にやる気なしである。
それに際して北郷軍はと言うと・・・・・虎牢関に向かって進軍していた。
最初に愛紗・鈴々・星の三人に兵士六千人を預けて先に進軍させた。
この時北郷は“俺も行く”と言ったのが・・みんなに“駄目です!!”と言われ渋々、
後に下がることにしたのである。
ちなみに北郷軍の軍師朱里・雛里が考えた策は・・・・・
最初に愛紗・鈴々・星の三人を先に先行させて敵と戦っている間に残りの兵で虎牢関をこじ開けてしまおうと言うのが朱里・雛里が考えた策である。
一見単純な策に見えるが、今現在虎牢関の守備隊は曹操軍と孫策軍が虎牢関の両翼を攻撃しているため、今一番守りが薄いのは虎牢関のど真ん中なのである。
北郷「みんな――――さっさとこの門をこじ開けるぞ―――!!!!!」
北郷軍兵士全員「「「「「「「オォォォォォォォォォォォ!!!!!!」」」」」」」」」」
今、北郷・桃香・朱里・雛里・昴・霞の五人は今虎牢関の門の目の前にいた。
思ったより、戦場は混乱していたため、あっさりと目的地まで行くことができた。
桃香「ご主人様!城門が開いたよ!!」
北郷「よし!・・・全軍突げ・・・・・」
城門が開いたので全軍突撃と言おうとしたのだが・・・・・・北郷は後ろを振り向き。
愛紗達が闘っているところへ眼を向けた。
霞「ん?カズッちどないしたんや?」
朱里・雛里「「??・・ご主人様?」」
北郷「(なんだ・・・今何か妙なものを感じたんだが・・・
まさか!?愛紗達になにかあったのか!それとも、これから何か起こるのか・・・・)」
北郷「みんな!すまないが虎牢関の制圧はみんなに任せる・・・・・俺は愛紗達の様子を見てくる!!」
桃香・朱里・雛里・霞・昴「「「「「「「「「「えっ!!!!!?????」」」」」」」」
桃香たちが驚いているのを無視し、北郷は急ぎ愛紗達の所へ神速の速さで向かっていった。
愛紗「はぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
敵を震え上がらせる戦人の声が戦場に幾度となく響き渡る。
一撃、二撃と繰り出される度に愛紗の気合いの声が響いた。
目の前にいる敵を月々と倒す愛紗の姿はまさに戦神である。
鈴々「うりゃりゃりゃりゃりゃ――――――!!!」
戦場に響く幼き声とは裏腹に敵を愛用の蛇矛を操り。
力強く敵を倒していく鈴々。
星「はぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
北郷の神速に負けずとも劣らぬ速さで敵を倒す星。
星の愛用の槍で敵を突き、敵を斬り裂く。
その姿にはなぜか美がありまるで蝶のようだった。
彼女たち三人の戦う姿を見た北郷軍の兵士たちの士気も自然と上がってくる。
星「愛紗!主達が城門を開けたようだ!・・・我らも主と合流しよう!!」
愛紗「そうだな!・・・・急いでご主人様の所へ向かおう!・・・・鈴々!!」
鈴々「うにゃ?・・・なんなのだ愛紗!」
愛紗「鈴々!ご主人様たちが城門を開けたようだ!私たちもご主人様達の所へ向かうぞ!」
鈴々「わかったのだ!」
愛紗達が兵をまとめ虎牢関に向かおうとしたとき・・・・
北郷軍兵士A「ギャアーッ!」
北郷軍兵士B「ヒ、ヒィ! 助け・・・・助けてくれッ!」
北郷軍兵士C「ギャッ!?」
北郷軍兵士D「い、嫌だ! 死にたくない! 誰か・・・誰か助けてくれぇーッ!!」
突然、兵士たちの悲鳴が聞こえた。その声は完全に恐怖と言う色に染まっていた。
愛紗達が悲鳴のした所へ向かうと・・・そこには、方天戟を持った赤髪の女の子が北郷軍の兵士を自分の持つ圧倒的な武力で次々に殺していた。
その少女こそ狂気の武将と呼ばれている呂布である。
これ以上自分達の兵が殺されえないために愛紗達はその少女と対峙する。
愛紗「貴様!これ以上我らの兵を傷つけることは許さん!!!」
鈴々「鈴々が相手になるのだ!!!」
星「いざ!尋常に勝負!!」
呂布「・・・・・また弱いのが来た」
挑発的な呂布の言葉に愛紗達は・・・・・・
愛紗「なに!私たちが弱いだと!!」
鈴々「うにゃ―――――!!鈴々達は弱くないのだ――――――!!!!」
星「・・・・そこまでの大言を吐くなら我ら三人で行かせてもらおう!!」
愛紗・鈴々「「星!!??」」
星の発言に驚く二人・・・だが星にも何か考えがあるようだった。
星「愛紗・鈴々・・・はっきり言っておそらく我ら三人で戦わないと恐らくこの者には勝てないだろう・・・・」
星は呂布の強さを肌で感じ三人バラバラに戦っても勝てないと思ったのである。
愛紗「しかし、星!・・・それはいささか卑怯でないか!」
鈴々「そうなのだ!星!!」
自分の武に絶対の誇りを持っている二人から不満の声が上がる。
だが・・・・・・それは愛紗・鈴々も分かっていたことである
呂布「・・・・・・いいだろう・・三人まとめてかかってこい・・・どうせ負けない」
呂布のこの言葉で愛紗達はどうにか踏ん切りがついたような感じである。
愛紗達の武器を持つ手もより一層力が入る。
呂布「・・・・・来い・・・・」
この言葉が合図となったのかまず最初に愛紗が呂布に襲いかかる。
愛紗「行くぞっ!!!!!」
愛紗が一気に呂布との間合いを詰め、青龍刀での連撃を浴びせ掛ける。
ガキンッガキンッガキンッ――――――――!!!!!!!!
だが呂布は簡単にその攻撃を見切り、全てを弾き返した。
愛紗「くっ・・・・・」
呂布「・・・・・・ぬるい」
愛紗の攻撃を交わした呂布は愛紗に襲いかかろうとするが・・・・
星「せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぃぃぃ!!!!!!!!!」
今度は星の神槍による連続突きが呂布に向かっていく・・・・
シュッシュッシュッ――――――!!!!!
星「なっ!!??」
呂布「・・・・・遅い」
星の連続突きもいとも簡単に避けられてしまう。
鈴々「てぇぇぇぇぇりゃぁぁぁぁぁ―――――!!!!!」
速さが駄目なら力でどうにかしようと力を込め大振りに蛇矛を振るうが。
呂布「・・・・・甘い」
鈴々「うにゃっ!!!???」
いつ間にか呂布が自分の目の前にいたので焦る鈴々。
大振り状態の鈴々は今、隙だらけであるそこに呂布の方天戟が襲いかかる。
ガキンッ!!
愛紗「くっ!!!」
呂布「・・・・邪魔」
妹の鈴々を助けようと二人の間に入って呂布の攻撃を受け止めた愛紗・・・だが
愛紗「なっ・・・なに!!??」
呂布「・・・・・鬱陶しい」
呂布の攻撃を受け止めた愛紗を力でふっ飛ばす呂布。
これによって、愛紗は後ろにいる鈴々とぶつかってしまう。
愛紗「きゃぁっ!」
鈴々「うにゃっ!」
隙の出来た愛紗たちに物凄い速さで襲いかかろうとする呂布。
星「やらせるかっ!!」
やらさせまいと星が呂布を追いかける・・・・が間に合わない。
呂布「・・・終わり」
愛紗・鈴々の目の前まできた呂布は愛紗・鈴々目がけて方天戟を振るう。
ブンッッッッッッ!!!!!!
ガキンッ!!!!!
だがその攻撃は愛紗・鈴々に当たることはなかった。・・なぜなら
北郷「俺の勘も捨てたたもんじゃないなっ!!!」
二人の間に神速の速さで入り呂布の攻撃を受け止めた北郷は呂布を押し返す。
愛紗・鈴々・星「「「ご主人様!(お兄ちゃん!)(主!)」」」
呂布「・・・・・お前は」
北郷「俺の名前は北郷一刀!」
呂布に自己紹介をした北郷は後ろを振り向き愛紗・鈴々の所へ向かった。
北郷「二人とも大丈夫か?」
愛紗「わ、私は大丈夫です・・・・」
鈴々「鈴々も大丈夫なのだ!」
愛紗・鈴々の無事を再確認し、ほっとした北郷は再び呂布の方へ向き直る。
北郷「愛紗・鈴々・星すまないが・・・三人は手を出さないでくれ・・・」
愛紗・鈴々・星「「「えっっっっっ!!!!????」」」」
北郷の言葉に驚く三人それも無理はない自分達が闘ってもかなり苦戦したのに一人で戦うなんて無茶以外の何物でもなかった。
愛紗「おやめください、ご主人様!」
鈴々「お兄ちゃん!無茶なのだ!!」
星「主っ!!」
三人が不安と心配が入り混じった声でそう言うが・・・
北郷「俺を誰だと思っていやがるっ!!!!!!」
北郷がそう叫んだ三人はハッとした顔になった。
自分達の前に立っているこの人は今まで絶対無事に帰ってきたと・・・・
どうして、この人を信じることができなかったのかと・・・・
三人を力押しで納得させた北郷は呂布と対峙する。
霞と戦った時と同じく覇気を発散させながら・・・・
狂気の武将呂布と対峙する北郷この戦いが何を生むのか・・・
今、新たな外史の扉が開かれる。
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今日レッドクリフパート2を見てきました。面白かったのでぜひ皆さんも見てください。