「そうか・・・・・みんなもうすぐ、生まれるのか」
「あぁ、一刀と私のそして皆の子供が生まれる」
「子供も大事だけど、冥琳も気を付けてくれよ、子供も冥琳も居なくなったら俺はどうすればいいか分からなくなるから」
「いつも心配性だな、安心してくれ、私たちは元気な子たちを産んで、みんなで子育てするのだから」
部屋には甘い空気が流れている、一刀の膝の上にいる冥琳と一刀の顔が近づくのは、自然なことであった。
「一刀~!」
ノックもせずに扉を開けたのは、やはりというか、雪蓮であった。
「あ~!二人でなにしてるの!冥琳また抜け駆けして!」
「抜け駆け?なんのことだ?私はただ自らの夫に会いに来て口づけをしようとしただけだ、何か問題があるのか?」
「問題はないけど・・・・・・・」
「なら良いではないか、それに雪蓮と違いちゃんと政務をこなしてからここに来ている、政務を終わらせずに来ているのは、雪蓮と祭様くらいだ」
「うっ・・・・・・」
「む・・・・・・思わず長居をしてしまったな、邪魔になるから、行くぞ雪蓮」
「ちょっ!ちょっとぉ!」
問答無用で冥琳が雪蓮を部屋から引き摺り連れて行った。
「それじゃあ、政務を・・・・・・ん?」
目に入ったのは、一刀が考案した暦表簡単に言うとカレンダーである。
「そうか・・・・・もうすぐ、母の日か・・・・・」
何かを思いついたのか、紙に何かを書き始める。
すでに陽は傾いて、山にかかり始めている。
「よし!できた・・・・・・あとは・・・・・・」
こっそりと部屋を出て、だいぶ前に見つけた秘密の通路を使い市の方へ出る。
「おやっさん」
「これはこれは御遣い様」
「これを、4日後までに仕上げてほしいんだけど・・・・・できる?」
「何をおっしゃられるのか、これくらいなら簡単ですよ」
「無理ばかり言って申し訳ないな」
「何を言ってらっしゃるんですか、御遣い様のでざいん?でしたっけ、服が飛ぶように売れていて、こちらとしては感謝してもしきれませんよ」
「そう言ってくれると、こっちもありがたいよ」
「それじゃあ、よろしく頼むよ」
「任せてください、期限道理にしっかりと仕上げて見せましょう」
心強い言葉を聞くと、そのまま、城に戻る。
「一刀、どこへ行っていたのかしら?」
「れ、蓮華?」
「政務はどうしたのかしら?」
「そ、それは・・・・・・」
逃げ道を探そうとしたときに、首にひんやりとした感触がした。
「蓮華様がお聞きになっている、答えろ一刀」
案の定、思春が剣を首筋にあてていた。
「い、いやあ・・・・・・気分転換に市を見に行こうかなって思って・・・・・・」
「へぇ、どうして正門からでなかったのかしら?」
「いや、バレると強引に部屋に連れて行かれるんじゃないかと・・・・・」
「もう・・・・・・言ってくれれば・・・・一緒に行ったのに」
「つ、次から気をつけるよ・・・・・そろそろ、思春の剣を離してくれるとありがたいんだけど・・・・・」
「思春」
「はっ!」
「それに、二人ともお腹が大きくなって来てるんだから、激しい運動をしちゃだめだ、特に思春、この前走ってただろ」
「うっ・・・・・き、貴様に言われる筋合いは・・・・・」
「あるだろ?俺がその子の父親だから」
指差したのは思春の大きくなっている腹であった。
「も、申し訳ありません・・・・・・」
「そ、それじゃあ、政務をしないといけないから・・・・・」
「そうね、次は誘ってね」
「あぁ、約束するよ」
そう言うと足早にその場を立ち去った。
「危ない危ない・・・」
「北郷、まだ酒を飲んでは行かんのか?」
「ダメだよ、せめて子供が生まれるまで待って欲しいな」
「いや、しかし・・・・・」
「じゃあ、祭さんがお酒を飲んだせいで、子供に悪影響が出て・・・・・・」
「分かった!分かった!酒は飲まんよ」
「祭さん、ありがとう」
頬を少し赤くすると、そのまま去って行った。
「さてと・・・・・」
椅子に座ると、やりかけだった政務をこなし始めた。
後篇に続く!
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え~本当に申し訳ないです、次は蜀をお届けするといいながら、母の日で思いついてしまったので、つい書いてしまいました・・・・・前篇はそんなに取り合いをしていませんが後篇は激しい取り合い(口論ではありますが)をお届けします。
ちなみに蜀編第一弾は愛紗VS桃華にしました