少年は生きてきた。純白の正義の道というわけでもなく、漆黒の悪の道というわけでもない、灰色の道を進んでいた。
それは少年が生まれたときからの宿命であった。時代の状況によっては正義にもなれば悪にもなる。そうやってバランスをとってきた。
「そんな生き方、辛くないか?」
いろんな人間にそう言われてきた。するといつも少年はこう答える。
「辛いとか辛くないとか、そういうものじゃないんだ。これが僕の宿命、灰色の宿命なのだから」
そうして少年は生きていく。白い宿命でもなければ黒い宿命でもない。
ただただ、灰色の宿命を……
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