二人の劉備と二人の御使い~咎を受けし御使いの最後の旅
夢
夢を見る。
その夢は儚い夢。
その夢は尊い夢。
その夢は・・・別れの夢。
大きな月に照らされて、私、曹孟徳は川を見つめている。
静かな川の流れ、水面には月が映し出されていた。
誰かが私の後ろに居る。
私は何を話している?
背後の人物は何を言っている?
分からない。聞こえてこない。
ただ・・・水面に映る私は泣いていた。
ただただ泣いていた。
行かないで。
消えないで。
私を・・・一人にしないで。
私は叫ぶ。
それでも背後の気配は・・・消えて行った。
ああ、なぜ消えてしまうの?
ああ、なぜ泣いてしまうの?
私にとって背後に居た人物はそんなに大事なの?
それすら分からない。
それでも私は夢を見る。
私の夢を見る。
私でない私の、悲しい夢を見る。
そして目が覚める。
それが最近の私の日常。
さあ、今日もまた始まるわ、私。
だから目覚めなさい。“彼”に会う為に。
<fp>
For華琳side
華琳「・・・う・・・ん・・・」
また・・・あの夢なのね。
華琳「・・・はあ、酷い顔ね。ぜったい。」
鏡は無い。だけど分かる。頬がカサつく辺り涙は相当流れたのだと思う。
華琳「不甲斐無いものね。たかが夢に此処まで翻弄されるなんて。」
???「華琳様。よろしいでしょうか?」
華琳「秋蘭?入りなさい。」
彼女は夏候淵妙才、真名を秋蘭。我が忠臣にして、夏候姉妹の妹である。いつもは髪の手入れをしてもらっているのだが、まだその時間には早い。
華琳「どうしたの?」
夏候淵「はい、実は城の書庫より、太平要術の書が盗まれました。」
華琳「なんですって!?」
夏候淵「今城下にて目撃者がいないか調査中です。ただ、もう街からは出ている物と思われます。」
華琳「そう・・・ならすぐに準備をしなければならないわね。」
夏候淵「は、では準備をいたしましょう。」
華琳「頼むわ。」
そのまま私は髪を整えてもらい、すぐに準備に取り掛かった。
もはや夢の事は頭には無かった。毎日見る夢よりも今は太平要術の書の件の方が大事である。
華琳「春蘭、準備はできているかしら?」
多くの騎馬と兵が居る中でひときわ目立つ存在。我が忠臣の一人、秋蘭の姉、夏候惇元譲、真名を春蘭である。
夏候惇「は、準備はできています華琳様。」
華琳「そう、それじゃあ行くわよ。」
夏候惇「御意、総員騎乗!騎乗!!」
私達はそのまま出陣した。市井の調査に出ていた兵が追いつき、盗んだのは黄色い布を巻いた15人ほどの盗賊らしいとのことだった。
華琳「それなりの人数らしいわね・・・賊がこの辺りに潜伏してる可能性があるわ。後でそこの所も調査しないとね。」
この時の私はなぜか心躍っていた。何故?どうして?
その思いはある意味裏切られる形となる。これから出会うであろう人物によって・・・
あとがき
華琳「私の出番キターー(・∀・)ーー!!」
華琳が壊れた。
華琳「壊れてないわよ。やっと私の出番じゃない。喜んで悪いって言うの?」
悪いとは言わないけど・・・自分のキャラを大事にしようよ?
華琳「知らないわよ。それに私は寂しがり屋の女の子よ?寂しかったのよ出番なくて!」
さ、さいですか・・・
華琳「さあ、私の大活躍を見せてあげるわ!!」
(どうしよう、活躍なんて一刀が味方に居ない時点で、張三姉妹が手元に来ない時点で出来る可能性が低い事は言えるわけがない。)
華琳「どうしたの?ユウヤ。」
な、なんでもないよ?さて、次回は天の御使いとの出会いです。
華琳「・・・まって、確か二人の一刀は他の所で出会っているのよね?」
いえ、この時点では鄧艾はまだ降り立ってません。劉北が劉備と劉戯に出会っているころです。
華琳「・・・それでも違うのよね?誰なの??」
さあ・・・誰でしょうねぇ?
華琳「・・・・・・・・・」
ああ、沈黙が怖いです。次回で分かりますから。ですから我慢して下さい。
華琳「分かったわよ。それじゃあまた次回会いましょう。」
ばい(・_・)ノシ
つっても連投するんだけどね?
華琳「よし、次の話まで突っ走るわよ!付いてきなさいユウヤ!!」
あいさー!
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