No.710015

魔法少女リリカルなのは Extreme

Blazさん

地下から誰が?そして地上は!?


Strikers編 イメージソング

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2014-08-20 13:47:20 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1558   閲覧ユーザー数:1494

Strikers編 第七十四話 「地下からの来訪者」

 

 

 

 

A.M 7:40

 

- レジアスの屋敷 -

 

 

レジアスの許に逃げ込んだフェイトとリィン。元はクロノの提案でココに来る事となったのだが実際彼が何故レジアスの許に行くと提案したのかは解らなかった。

二人はほぼ流されるままにやって来たので全てをこれから知る事になるのだ。

 

オーリス「で、改めて問うが・・・どうしてココに来た、ハラオウン提督。」

 

無言のまま袴の袖の中で腕を組むレジアス。オーリスも片足に片腕を置いてと言う女性らしからぬ姿勢だったがそれでも威圧感は変わらない。寧ろ服がマズイ気がするが。

 

リィン(・・・エロいです・・・)

 

バル(今は関係ないのでは。)

 

 

 

 

クロノは二人のプレッシャーに押されていた。しかし何も話さずでは来た意味が無い。

圧するプレッシャーを一心に受け、それでも尚、クロノは何時もよりも重く感じる口を開き全てを話し始めたのだ。

 

クロノ「・・・・・・自分が・・・ココに来た理由は唯一つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本局の汚職行為を全て白日の元に晒していただきたいのです。」

 

 

 

 

 

「「「「ッーーー!?」」」」

 

 

裏切りの一言だった。クロノが告げた理由は自分の属する本局を完全に裏切る行為の他に何事でもなかったのだ。本局の汚職全てを曝け出させる。それは本局の完全崩壊を意味する行為だ。

 

それを堂々と言い放ったクロノに付いて来た二人も聞いていた二人も動揺を隠せなかった。

 

 

 

オーリス「・・・ハラオウン提督・・・いやクロノ・ハラオウン。自分が何を言ってるのか・・・解ってるのか?」

 

クロノ「・・・ええ。俺のさっきの言葉。管理局本局への裏切り行為。全ては承知の上です。」

 

フェイト「クロノ・・・」

 

オーリス「冗談ではない・・・いや・・・お前正気か?今までの管理局の全ての罪を曝け出せばどうなるか・・・!!」

 

クロノ「解っています。組織は崩壊する。つまり本局の最期となる。」

 

リィン「そんな・・・なんで・・・」

 

 

 

誰もが信じられない。嘘だと言ってくれと願う。

だがクロノは。彼の心を知る使い魔達は。

 

彼の心がこの上なく冷静な事を知っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロノ「・・・俺の父は管理局に居ました。父が管理局に入っていなかったら、今俺はこうして座って貴方と話していないでしょう。」

 

オーリス「・・・ハラオウン・・・あの男か。」

 

クロノ「父は昔・・・俺にこう言いました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「前に行った世界で出会った彼に言われたよ。『下の者が更に下の者を守る。』弱き者が更に弱き者を守る。俺はそんな彼の理念がすばらしいと思った。俺がこうして管理局にいるのはその為だって改めて理解した。

 

そして・・・思ったよ。弱き者を守る為の礎・・・俺もそうなって見たいって・・・」

 

 

 

 

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オーリス「・・・。」

 

クロノ「父が結局その目的を果たせたかどうかは・・・解りません。けど、俺は・・・少なくとも・・・・・・それは実らなかった・・・潰されてしまったと思っています。」

 

ノノ「・・・。」

 

カム「・・・。」

 

 

フェイト「クロノ・・・」

 

 

 

クロノ「そんな願いを持つ者達が・・・守りたいと願う者達が・・・こうやって力で圧され人を蹂躙していく・・・そんなの、誰も望んではいない。望むのは、自分の力と権力に酔ってしまった一握りの者達だ。」

 

オーリス「・・・・・・。」

 

 

クロノ「だから・・・俺は破壊する。んな間違った力を持つ者たちを・・・!」

 

 

 

 

今なら何故零人が管理局を嫌っていたかハッキリと解る。

そんな者達がいる世界を嫌っていたからだ。少なくとも零人とクロノの理念はずれてはいる。しかし、今の管理局に疑念と敵意を持っているのは確かだった。

 

その目を見て、レジアスは一人でに語り始めた。

 

誰も言っていない。聞いていない。しかし、話したくなったのだ。

 

 

 

レジアス「・・・かつてそう言った男がもう一人・・・居たな。」

 

オーリス「っ・・・」

 

 

クロノ「もう一人・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

レジアス「名は・・・『ティーダ・ランスター』。」

 

フェイト「えっ・・・ランスターって・・・」

 

リィン「ティアナさんの・・・お兄さん!?」

 

リィンはランスターの名を聞き驚きを隠せなかった。

しかしフェイトはティアナの裏をある程度調べていたので彼に兄がいる事。そして既に彼が故人である事は知っていた。が、ココで彼の名が出るのに驚いていたのだ。

 

 

オーリス「・・・公式では公表されてないが、奴は本局に殺されたと言ってもいい。」

 

フェイト「ッ!?」

 

オーリス「ランスターが出ていた最期の任務。火災現場の救助活動で彼は上官の命令を無視、独断で行動して事故死したと地上本部に対し本局が公表した。

 

しかしそれは偽り。

実際彼は確かに独断行動はしていたが事故死ではなかったのだ。」

 

リィン「事故死ではない・・・?」

 

オーリス「此方の捜査と元同僚に聞いた話しと合わせた結果、ランスターは子供の泣き声がすると言う方向に単独で向かい、後を追おうとした同じ部隊の隊員達だったが頑丈だった建物の一部が落下して『意図的に』道が塞がれた。」

 

リィン「意図的にって・・・まさか!」

 

オーリス「・・・・・・その二分後。一発の銃発砲音が響き、隊員達が付いた頃には・・・」

 

 

フェイト「・・・」

 

 

 

オーリス「ランスターは心臓を撃ち抜かれて死亡。しかも救助を待っていたとされる子供も居なかった。」

 

 

 

フェイト「・・・質量兵器・・・いや・・・・・・銃での射殺・・・?」

 

オーリス「ああ。現場を目撃した隊員達はその後何者かによって記憶を封印されていた。その為、誰もティーダが殺害されたという事は犯人しか知らなかった。だが何かの拍子で封印を掛けられた隊員の記憶が戻ってな。無断での死体解剖と照らし合わせ・・・彼が殺害されたという事がわかった。」

 

 

 

オーリスの言葉にフェイトとリィンは言葉を失っていた。

この調子だと恐らくこの様な事件はまだまだゴロゴロと出るだろう。

たったそれだけの理由で殺されたり失脚に追いやられた人達の末路が・・・

 

 

オーリス「・・・クロノ。君がしようとしているのは一部の者から見れば正義なのかもしれない。だが同時に組織としては悪と言うこと・・・解っているな?」

 

クロノ「勿論です。その為に・・・俺はココに来たのですから。」

 

だからクロノはこのカードを切った。

この状況全てを打開する起死回生のカード。

だが同時に失敗すれば何もかもが瓦解する諸刃の剣。

 

それでも、この混乱した状況を打開する唯一のカードだ。

そのカードをレジアスは切るか否か。

 

クロノは後は彼の答え方次第となったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃。別室ではヴィータはシグナムとの戦いで負傷。寝かされて絶対安静の状態だった。

しかし意識だけはしっかりとしていたのでヴィータはアイゼンを経由して通信を行っていた。念話でアイゼンに繋ぎ通信の回線を開く。会話は全て念話だがアイゼンがそれを通信用の電波に変換して送信しているのだ。

 

 

『・・・そうか。すまねぇなお前をそんな目に合わせて・・・』

 

ヴィータ『気にすんな。アタシが・・・あそこに居た局員達がしたくてした事だ。』

 

『・・・で、フェイト達は其処に?』

 

ヴィータ『ああ。アタシを回収してな。多分今頃は・・・』

 

『レジアスの大将と謁見中か・・・』

 

ヴィータ『・・・ところで、今お前何処に居んだよ。』

 

『何処って・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウゼェ自称天下無敵の時空管理局本局様を・・・拝みにってな。」

 

 

 

 

 

ヴィータ『・・・戻って来たんなら、さっさとケリつけて来い、零人ッ!』

 

零人「言われなくても。用意は出来たしな。」

 

 

舞い戻った転生者達。零人は朝日を浴び高々とそびえる本局を見ながら通信機を持ち立っていた。

零人達がこの状況でどう出るか。それによって全ては変わる。

なのはとの決着。管理局の行く末。そして影に潜む者達。

その全てと零人は相対する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- ??? -

 

時を同じくして何処かにある研究所では一人の男性と女性。そしてコダール、つまりゲイツが居ており、ゲイツは男から聞かされた事を復唱した。

 

ゲイツ「『サンプル』が逃げ出したぁ?」

 

「そう。まさか僕等の警備システムのチェック時に掻い潜るとは・・・僕も正直恐れ入ったよ。」

 

ゲイツ「おいおい。そんなのんびりしてて良いのかよ。あのちびっ子一応大切なサンプルなんだろ?」

 

「無論だ。このままサンプルをほって置く気は無い。たがら君にはルーと、彼女についてるユニゾンデバイスと共に回収に向ってほしい。」

 

淡々と話す男性に対しゲイツは簡単に言うと内心で唾を吐き捨てていた。

しかし彼も自分の立場を理解しているので其処までを口に出せばどうなるかはわかっていた。その為、それ以上は何も口に出さなかったのだ。

 

ゲイツ「・・・ま、別にいいケド。場所は?」

 

「現在旧工場地帯の地下を移動中。速度は速くないから転移後五分以内で見つかる筈だ。」

 

ゲイツ「あらま、意外と頑張ってる子だねぇ。」

 

「敵わない敵と出くわした結果、全力を振り絞り逃走する・・・別に不思議でも無かろうに。」

 

ゲイツ「へいへい。んじゃ行くとしますかね。」

 

ゲイツはそう言うとその場を後にし、男性からの任務を受けて向った。

それを見届けた男性か通信ディスプレイを出し、誰かに通信を行った。その相手は年端もいかない少女だった。

その少女が彼の言うルー、『ルーテシア・アルビアノ』だ。

 

 

「ご機嫌よう、ルー」

 

ルー『・・・御機嫌よう、ドクター。』

 

「すまないね突然に。実は頼みたい事があって・・・」

 

ルー『・・・何?』

 

「今、ゲイツ君が逃げ出したある物を追っている。それを手伝って欲しい。」

 

ルー『・・・・・・私だけで?』

 

「いや、無論此方からも援軍を出す。クアットロとチンクの二人だ。チンクとは地下で合流して欲しい。その後は彼女とゲイツとで対象の回収をだ。」

 

ルー『・・・大掛かり過ぎない?』

 

「保険だよ。アクシデントの時の・・・ね。」

 

ルー『・・・解ったわ。』

 

「頼むよ。」

 

ルー『・・・ええ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く・・・いい歳して幼女にセクハラして仲間に引き込むとは・・・ロリコンですか?」

 

「・・・おや、まさか君とは。博士は一緒では?」

 

「いえ、博士は別件で今は不在です。」

 

「そうかい。残念だなぁ・・・『先生』に、僕の完成品を見てもらいたかったよ・・・」

 

「大丈夫ですよ、その内・・・あの人は絶対に来ますから・・・ね?」

 

 

 

 

不協和音がミッドに響く。不適な笑みを浮かべ、彼らは己が野望を成就させんと暗躍するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- ミッド・旧工業地帯 -

 

リュウガ「・・・。」

 

時間はそろそろ朝から昼に動き始める。

リュウガは七課での『出来事』を終え、一人で工場地帯をパトロールしていた。

何故彼が一人なのかは不明だがどうやら故意で一人で来たらしい。

 

リュウガ「・・・随分と広い工場跡地だな。」

 

アネサ『広さからして数十キロ。ミッド急発展時代の名残らしいですね。』

 

リュウガ「・・・栄華の跡か・・・」

 

アネサ『・・・マスター?』

 

アネサを腰に刺し、一人工場跡地を歩くリュウガ。彼がココに居るのはここ等が色々な事に使用される可能性があると思っていたからだ。反体制組織、本局、挙げればキリは無い。

培った経験を元に周囲を警戒し一歩一歩歩くリュウガ。

 

すると、アネサが何かを感知しリュウガに伝えた。

 

アネサ『・・・!マスター、ココから南東に五メートルに魔力反応を察知しました。数は一つ。』

 

リュウガ「っ!本局か?」

 

アネサ『・・・いえ、パターンからその反応はありません。』

 

リュウガ「ならどうしてココまでの接近を許した。お前ならもっと遠くを・・・」

 

アネサ『どうやら地下を移動していたらしく、反応も微弱でとてもではないですが反応が遅れてしまいました・・・』

 

リュウガ「っ・・・反応が微弱!?」

 

反応が微弱と言う事は命に関わると言う事。アネサの言葉を聞き、リュウガは一目散にその現場に向った。

ここ等で一人と言うのも何か変だったからだ。

もしかしたら地上本部の者か。まさか・・・と可能性を考え、段々と距離を詰めていく。

その距離がもう直ぐとなり、リュウガは一気に走り抜ける。

 

 

 

 

 

リュウガ「ッ!!」

 

 

すると、其処にはマンホールから一人の少女が這い上がってきていたのだ。

足には鉄の足かせが付いており、先には一つだけだがアタッシュらしきものがある。

しかしそれ以上に驚くのは少女の歳だ。見た目からしてまだ一桁の歳だろう。

 

アネサ『彼女です!反応微弱、間違いありませんッ!』

 

リュウガ「っ・・・しっかりしろ!」

 

リュウガは急いで少女を引き上げると、アタッシュをアネサで斬り、少女を抱きかかえたのだ。表情はぐったりとしており息も荒い。更に身体も冷たいのでもうあまり体力などが残ってないのだろう。

彼女の容態を見てリュウガは急いで救援をと思い、アネサに連絡を頼んだ。

 

リュウガ「アネサ、急いで本部に連絡。それと救護要請もだ。」

 

アネサ『了解です・・・・・・ッ!マスター!そのアタッシュ・・・』

 

リュウガ「このアタッシュ・・・そういえば・・・これがどうした?」

 

アネサ『そのアタッシュの中身は・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那。リュウガは向かいの一本道から誰かが突っ込んでくるのを感じ、間一髪でサイドステップで回避した。

 

リュウガ「何っ?!」

 

「・・・!!」

 

アネサ『その顔・・・機動六課!!』

 

リュウガ「六課のフォワード!」

 

 

赤い髪をもつ少年。六課の隊員の一人、エリオ・モンディアルだ。

リュウガはアタッシュと共に少女を抱えて後退すると彼の前にはライトニングの二人であるエリオとキャロ・ル・ルシエが姿を見せていた。

 

キャロ「っ!レリックの反応を確認しました!それと少女が一人・・・それと・・・・・・地上本部の局員さんが一人・・・」

 

エリオ「貴方は・・・ココで何をした!!」

 

 

アネサ『やれやれ。私達が確信犯だと思われていますね。』

 

リュウガ「・・・俺はこの子の反応を辿ってココに来た。この子も偶然見つけて保護しただけだ。何もしていない。」

 

エリオ「・・・・・・。」

 

リュウガ「根拠はある。俺はこのアタッシュの中身も知らないし、彼女の身元も知らない。さっき見つけたばかりだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そう言って・・・悪い人はそう嘘つくんだよ。』

 

 

リュウガ「っ・・・!?」

 

 

キャロ「なのは・・・さん?」

 

 

 

なのは『その子が言っているのは嘘。多分張っていたんだろうね。中身がロストロギア・・・レリックだと知ってて。』

 

アネサ『レリック・・・!』

 

リュウガ(しまった・・・六課の専門は・・・!)

 

 

 

なのは『エリオ・キャロ。彼を確保して。それと彼が捕まえた子は此方で保護するから。』

 

キャロ「っ・・・・・・り、了解ッ!」

 

リュウガ「お前達!少しは自分の頭で考えろ!!」

 

エリオ「考えたさ!!僕等だって!!」

 

リュウガ「・・・!」

 

 

 

 

エリオ「けど、フェイトさんが・・・あの人が僕等の許から離れたのは他でもない・・・お前達の隊長の所為だろ!!」

 

アネサ『・・・・・・。』

 

リュウガ「・・・。」

 

エリオ「お前らの隊長の所為でフェイトさんは変わってしまった!!僕等とずっと一緒に居るって約束したのに・・・!!」

 

リュウガ「違う・・・多分違う・・・恐らく、彼女は・・・」

 

 

エリオ「お前の言う事なんか聞くか!!」

 

 

 

 

刹那。エリオは槍を構え、リュウガに向って突き刺した。

それを片手でアネサを抜刀し攻撃を防ぐリュウガ。そのまま押し返すとアタッシュと少女を担いでさらに下がった。

 

リュウガ「チッ・・・!」

 

アネサ『・・・彼らの気持ちも解らなくはない・・・ですね、マスター。』

 

リュウガ「・・・大切な人が居なくなる・・・俺はそんな感情・・・感じた事も無いさ。」

 

アネサ『・・・。』

 

リュウガ「だが・・・何か大切な物を失うというのは・・・痛いほど解る。だから・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人だった。ずっと。誰も居ない。居たとしても助けてくれない。それどころか、ゴミの様に自分を蹴る。そんな奴等が許せなかった。

だからといってずっとそのままではなかった。拠り所はあった。

自分と一緒に居た小さな命たち。ある者は助けられ、またある者は命を全うしていった。

しかし。そのどちらもが出来ない者達が多く居た。居ないところで、一斉にだ。

 

だから殺した。そう言って自分を態の良い当り散らしの物だといっていた奴等を。

元の状態が無いほど殺した。何度も何度もそうしてだ。

 

 

 

 

リュウガ「・・・・・・。」

 

アネサを納刀し、リュウガか身構える。

といってもフォームなどは無くただ立っているだけだ。

それでも神経は集中し、全身に力を入れていたのだ。

 

 

 

 

リュウガ「・・・アネサ。行くぞ。」

 

アネサ『・・・はい。』

 

 

エリオ「ッ!」

 

キャロ「っ・・・!」

 

 

 

リュウガ「君達が先に仕掛けた。それだけで理由は成り立つ。だから・・・倒させてもらう。」

 

 

二対一の戦い。数は此方に利がある。エリオの予想では紙一重の勝利となっていた。

しかし、それは彼の予想。実際にそうなるとは必ずしもいかないものだ。

特に、『本気を出していない者』には。

 

 

 

エリオ「ストラーダッ!!」

 

 

エリオがカートリッジを二つ消費し魔力強化を行う。其処から一気に突進して先制攻撃を仕掛けるつもりなのだ。気が立っているエリオは脇目もくれずにリュウガに向う。誰でも解る予想だ。

 

キャロ「っ!!エリオく・・・」

 

キャロの静止を聞かず、エリオは一直線にリュウガに突撃する。

その行動は迂闊だとキャロは言いたかった。だが、彼にはその言葉も届かない。

攻撃を仕掛けられたリュウガはアネサを構え、エリオを迎え撃つ。

しかしリュウガと突如目を閉じてエリオの攻撃を見るのを止めた。

何をする気だ。キャロも信じられない行動だと驚いていたが、それはそれで意味があったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

精神を研ぎ澄まし、一撃に集中する。

 

 

その攻撃。それがリュウガのバトルスタイル。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リュウガ「・・・居合い・・・疾風一閃。」

 

 

 

刹那。静かに目を開け、冷静な感情と共に刀を抜いた。

その一閃は滑らかに風を切り、やがてストラーダにゆっくりと抉り込むのだった。

 

 

 

 

 

次回予告ッ!!

 

レイ「って先にリュウガが戦いおっ始めている!?」

 

レヴィ『いそがねぇとアタシ等遅れるぞ!!』

 

霊太「って言うか・・・絶対六課も来るよな・・・」

 

ルカ「しちめんどくさくなるのは決定的に明らか!!」

 

霊太「だまっとれぃ!!」

 

リィン「じ、次回『再来の悪魔達』ってええ!?」

 


 
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