No.708743 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~soranoさん 2014-08-14 22:07:27 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1419 閲覧ユーザー数:1314 |
~アルモリカ村・入口~
「それにしても……結構ギャラリーがいるんですね。」
仲間達と共に入口に移動したロイドは入口付近にいる村人たちを見て驚いていた。
「ああ、どうやら話が広まってしまったようだ。」
「まあ、こんな田舎にとっては面白い話だしねぇ。」
ロイドの言葉に頷いたリンとエルファティシアはそれぞれ苦笑していた。
「へへっ、遊撃士は無敵だぜ。警察なんか、ちょちょいのちょい、ってな。」
「ちょちょ?ちょちょい、ってなにー?」
「えっと、つまり相手にならないってことだよ。でもどうかな。特務支援課のお兄さんたちもかなりやると思うけど。」
「おおっ、バリバリ燃えて来ただァ!なあ、村長はどっちに分があると思うだよ?」
「ふむ、そうじゃな……どちらにも普段からお世話になっておるからの。」
村人達はそれぞれ興味津々な様子で会話しながらロイド達を見つめていた。
「そ、村長さんまで……」
「やれやれ、完全に見せ物になっているな。」
「アハハ……」
村人達の様子を見たエリィとレーヴェは呆れ、プリネは苦笑していた。
「っていうか、手合わせの話は村長さんしかしてないんだけどね。」
「まあ、こういった田舎だとそういう刺激的な情報が回るのは早い証拠だな……」
エオリアは苦笑しながら村長を見つめ、メティサーナは呆れた表情で答えた。
「ふふ、まぁたまにはこんなのもいいじゃないか。さて、さっそく手合わせと行きたい所だけど。まずは形式を決めないとね。」
「う~ん、パターンは色々あると思うけど……ここはやっぱり2人一組(ツーマンセル)―――2対2の戦闘でしょ。」
「ああ、私もそれで行きたいと思ってる。そちらは大丈夫かい?」
エオリアの意見に頷いたリンはロイド達に確認を取った。
「ええ、お二人の依頼ですし問題はありませんが……誰が出るかはこちらで決めていいんですか?」
「ああ、任せるよ。ただしロイド、アンタだけは確定で頼む。」
「え……?」
リンの提案にロイドは不思議そうな表情をした。
「はは、そんなに驚く事じゃないだろう?私達は別に個人の身体能力だけを見たいわけじゃないんだ。ロイドを中心とした特務支援課の結束力……それを見せてもらいたいのさ。」
「そうそう、なのに肝心のリーダーがいないんじゃ意味がないでしょう?」
「は、はあ……とりあえず、そういうことなら了解です。」
二人の話を聞いたロイドは戸惑ったがすぐに気を取り直して頷いた。
「そういう事でしたら私とレーヴェは手を貸さない方がいいですね。」
「確かにそうだな。」
「そうなると私かエルファティシアさんのどちらかだけど……ロイドはどちらをパートナーに選ぶのかしら?」
プリネとレーヴェの会話を聞いていたエリィは考え込んだ後ロイドに視線を向け
「ああ、そうだな……―――エリィ、一緒に戦ってくれるか?」
「え、ええ。私はいいけど、エルファティシアさんじゃなくていいのかしら?実力で言えば、エルファティシアさんが上だけど。」
ロイドの答えを聞いて戸惑った後尋ねた。
「ああ。組むとしたら支援課ができた当初からずっと一緒にやってきたメンバーの方が、連携しやすいしな。」
「わかったわ。」
ロイドの説明を聞いたエリィは納得したが
「あら♪恋人だから、息ピッタリになるの間違いじゃないかしら♪」
「エ、エルファティシアさん!」
「……お願いしますから、仕事中に茶化さないで下さい。」
からかいの表情で言ったエルファティシアの言葉にエリィは顔を赤らめて慌て、ロイドは呆れた表情で指摘した。
「フフ、どうやら決まったようね!」
「二人とも、武器を構えな。」
リンの言葉を合図にそれぞれのペアは武器を構え
「メティちゃん、合図をお願い。」
「わかった。―――――始め!」
メティサーナの号令を合図にロイドとエリィはリンとエオリアとの戦闘を開始した。カルバード共和国のある流派の武道―――”泰斗流”の技を修めているリンと様々な医療技術を駆使してリンの援護とロイドとエリィに対する攪乱攻撃をするエオリアのコンビは厄介だったが、ロイドとエリィは二人で協力して苦戦しつつ、二人を戦闘不能にした。
「―――そこまで!勝者、ロイド&エリィ!」
戦闘不能になった二人を見たメティサーナは終了の号令をかけ
「ふう……やったか?」
「ええ……でも、まだまだ余力を残しているみたいね。」
ロイドは安堵の表情をし、エリィが呟いたその時二人は立ち上がった。
「ふふ、驚いた。結構やるじゃないか。」
「うんうん、思っていた以上に息が合っててビックリしたわ。」
「あはは……余裕そうですね。」
自分達に感心するリンとエオリアを見たロイドは苦笑し
「二人ともクロスベルに所属している遊撃士だけあって、中々の腕前よね。」
「ああ。”嵐の銀閃”や”重剣”よりは腕は立つな。」
プリネとレーヴェは興味ありげな表情でリンとエオリアを見つめていた。
「ふふ、手を抜いたのは事実だがそんなに余裕ではないさ。ま、とにかくいいものを見せてもらったよ。」
「えっと……ではこれで訓練終了でいいんですよね?」
「ふふ、まあそう焦らないでおくれよ。」
「そうね。本当なら支援課のみんなと対戦する事も考えていたけど……”剣帝”が一緒なら話は別だわ。」
「へ……」
エオリアの答えにロイドが呆けたその時
「せっかくこうしてかの”剣帝”とも手合わせをする機会が巡ってきたんだ。”執行者”の中でも相当の腕前を持つアンタと手合わせできる絶好の機会を逃す訳にはいかないよ。」
リンは不敵な笑みを浮かべてレーヴェを見つめた。
「え、えっと、もしかして次の相手は……」
「うふっ♪指名されちゃったみたいね♪」
「ア、アハハ……」
「正気か?そいつはかなり強いぞ?」
冷や汗をかいているエリィと共にエルファティシアはからかいの表情になってレーヴェを見つめ、プリネは苦笑し、メティサーナは不思議そうな表情をし
「ああ、次の対戦相手は私とエオリアのペアと”剣帝”。アンタとの対決でお願いするよ。」
「数は私達が上だけど、貴方ほどの使い手が自分が不利だとは言わないわよね?」
リンは頷いて答え、エオリアはレーヴェを挑発した。
「ほう?消耗している状態でこの俺とやり合おうとは……―――随分と舐められたものだな。」
一方レーヴェは興味ありげな表情をした後目を細めて二人と対峙し
「ふふ、別にアンタの事を舐めてはいないよ。―――破(は)!」
リンは苦笑した後全身に闘気を纏った!
「凄い……力が迸ってる!」
「東方武術の”気功”か。……まあ、”不動”や”痩せ狼”ほどではないが。」
リンが纏っている闘気を見たエリィは驚き、レーヴェは静かに呟いた。
「ハハ、さすがにあの二人と比べれば私はまだまだだけど……そう簡単にはやられないよ?―――エオリア!」
「了解!」
リンの言葉に頷いたエオリアは治癒アーツで自分達の傷を完全回復した。
「メティちゃん、もう一回合図をお願い!」
「わかった。――両者、構え!」
メティサーナの号令によってそれぞれ武器を構えて対峙し
「―――始め!」
そしてメティサーナの号令を合図に模擬戦を開始した!
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外伝〜遊撃士訓練への参加要請〜中篇