No.708336 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~soranoさん 2014-08-13 09:32:49 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1610 閲覧ユーザー数:1474 |
~月の僧院~
ロイド達が行動を始めたその頃、七耀教会のシスター―――リース・アルジェントはセリカ達と共に僧院を見つめていた。
「………………」
「……おかしい、どうして……?」
リースが見つめている中、聖なる気配を纏わせた幽霊の少女―――リタ・セミフは驚きの表情で呟き
「?どういう事じゃ、リタ。」
リタの言葉を聞いたセリカの”使徒”の一人であり、”女神”でもある”第五使徒”レシェンテは不思議そうな表情で尋ねた。
「はい。以前ここに訪れた事があるのですが……以前のように”冥界”の気配がするのです。………ちゃんと”冥界”の気配の元となる鐘の力は封印したはずなのに……」
「……という事はアルタイルロッジのような現象になっているという事か……」
リタの答えを聞いたセリカは重々しい様子を纏って呟いた。するとその時鐘の音が鳴った!
「!!皆さん、気を付けて下さい!」
鐘の音を聞いたリタが警告したその時
「この匂いは…………!」
「―――来るわ。」
リースは表情を厳しくし、アイドスは静かに答えた。するとセリカ達を包囲するかのように霊体や不死者、さらには首の無い鎧騎士や異形の魔物の軍団が召喚された!
「こいつらは”影の国”で現れた魔物達……!」
「これは一体どういう事じゃ……!?」
周囲を囲まれたセリカは剣を構えて表情を厳しくし、レシェンテは驚き
「どうやら先程の鐘の音に異界の者達を呼び寄せる効果があるようです……!この様子ですと上位三属性も働いているかもしれません……!」
「なっ!?あの鐘は封印したのに……!一体誰が封印を解いたのでしょうか…………?」
「もしかして”ローエングリン城”の件と関係あるのかしら?」
法剣を構えたリースの推測を聞いたリタは驚いた後戸惑い、アイドスは真剣な表情で考え込んだ。
「来るぞっ!」
セリカは今にも襲い掛かってきそうな敵達の様子を見て警告した!そしてセリカ達は戦闘を開始した!
「貴方達の居場所はここではありません!冥き途へと還りなさい!!」
リタは襲い掛かって来た敵達に神槍でクラフト――――豪薙ぎ払いを放って一度に滅し
「エニグマ駆動じゃ!………………」
レシェンテはオーブメントを駆動させた後魔術の詠唱を開始した。
「オオオオオオオオ………………」
「沙綾―――紅燐剣!!」
「星光―――紅燐剣!!」
自分達に襲い掛かってきた敵達にはセリカとアイドスがそれぞれの高速剣技で多くの魔物達を滅し
「行きます……!ホーリースパロー!!」
そして歌い終わったリースは敵達の弱点である光の力を纏った刃を周囲に舞わせて攻撃し
「死者共はとっとと浄化されるがよいっ!メルカーナの轟炎!!ゴールドハイロゥ!!」
詠唱や駆動を終えたレシェンテは敵達の弱点である炎や光の魔術やアーツを放って多くの敵達を滅した!そしてセリカ達が少しの間戦っていると
「光よ!邪悪なる者達を焼き払え!贖罪の聖炎!!」
セリカ達にとって聞き覚えのある声がした後多くの敵達が光の炎によって焼き尽くされた!
「!この声は……!」
「リフィア殿下!?何故、こんな所に……!」
声を聞いたセリカは目を見開き、リースは驚きの表情で呟いた。
「フハハハハ――――ッ!相変わらずトラブルに巻き込まれやすい体質のようじゃな、セリカよ!」
なんとリフィア皇女が高笑いをしながらセリカ達に走って近づいて杖を構えて魔物達と対峙した。
「何でお主がこんな所にいるのじゃ!」
(というかリフィア嬢ちゃんに言われる筋合いはないと思うだの。)
リフィアを見たレシェンテとハイシェラは突込み
「とりあえずこいつらを片付けるぞ!」
セリカは剣を構えて言い、リフィアを加えた後再び戦闘を開始した!
「「枢孔――――紅燐剣!!」」
セリカとアイドスは最高位の”飛燕剣”を放って周囲にいる多くの魔物達を一斉に薙ぎ払い
「無駄ですっ!!」
リースは詠唱をするリタ達に襲い掛かって来た敵達にクラフト―――アークフェンサーを放って怯ませると共にダメージを与え
「行け!………インフィニティスパロー!!」
さらに法剣の刃を飛び回らせて周囲の敵達にダメージを与え
「殲鋼!双肢乱!!雷光よ、行け!雷光!紅燐剣!!」
「枢孔―――円舞剣!!星の光よ、お願い!星光―――地烈斬!!」
セリカとアイドスはそれぞれ遠距離攻撃を放つ剣技で凄まじい勢いで魔物達を滅し続け
「光よ、世を彷徨いし哀れなる者達に救いを!贖罪の光霞!!」
「爆散せよっ!エル=アウエラ!!」
「我が手に顕れよ、烈輝の陣!レイ=ルーン!!」
詠唱を終えたリタ、リフィア、レシェンテは次々と高火力の魔術を放って敵を滅した!そしてセリカ達が協力して戦うと敵の軍団は全て滅された!
「……終わったか。」
戦闘終了後武器を仕舞ったセリカは呟き
「リースさん、どうするつもりですか?」
「…………今からあの鐘の音が止めに行きます。このまま放っておけば冥界の者達が現世に溢れ出て来てしまいますし。―――皆さん、早速力を貸して頂いてもよろしいでしょうか?」
リタに尋ねられたリースは真剣な表情で答えた後セリカ達に尋ね
「ああ。」
「わかったわ。」
「うむ。」
「ええ、構いませんよ。」
「よし!早速行こうではないか!」
尋ねられたセリカ達は頷いた。
「「「「「……………………」」」」」
しかしリフィアが頷くとセリカやリース達はリフィアに注目した。
「?なんじゃ、全員で余に注目して。」
「いえ…………リフィア殿下がどうしてここに来たかはこの際置いておくとして、私達と共に付いて行くのは止めておいた方がいいかと。殿下は私達に関わるより、もっと重要な事があるのですから。」
「そうじゃぞ!お主、皇女の癖に何をやっとるのじゃ!」
「確かリフィアさんは大切な会議の為に来たのですよね?そちらに参加しなくていいのですか?」
首を傾げるリフィアにリースは静かな表情で言い、レシェンテはリフィアを睨んで言い、リタは尋ねた。
「『西ゼムリア通商会議』の件なら気にしなくていいぞ。会議は明日だからな。ぐずぐずしていたらエリゼの奴が余を連れ戻しに来る!奴が来る前にさっさと鐘の音とやらを止めに行くぞ!―――イオ=ルーン!!」
そしてリフィアはセリカ達に言った後魔術で僧院まで行く道のりを封鎖しているバリケードを魔術で破壊し
「さあ!再会ついでに冒険じゃ!我が戦友達よ!……ん?なぬ!?お主はアストライ―――いや、サティア!何故お主が生きてこの場にいるのじゃ!?」
セリカ達の前に出て高々と言ったリフィアはアイドスに気付いて驚きの表情で尋ねた。
「フフ、私の名はアイドス。アストライアお姉様の妹神―――”慈悲の大女神”よ。」
「なぬ?……待て、確かその名の女神は”影の国”の”試練”によってセリカ達に滅せられたと聞いたが……ええい、細かい話は進みながら聞くとしよう!―――行くぞっ!」
アイドスの名を聞いたリフィアは眉を顰めたがすぐに気を取り直して僧院へと向かった。
「フフ、今の話を聞いて”細かい話”ですますなんて、変わった人ね。」
リフィアの言葉を聞いたアイドスは苦笑した後リフィアについて行き
「…………おい、どうする?あの様子だとクロスベル市に戻るように言っても絶対に聞かないぞ。」
リフィアが僧院に向かっているのを見たセリカはリースに尋ね
「……仕方ありません。速やかに殿下と共に用事を終わらせてから殿下を”グロリアス”に送り届けましょう。」
尋ねられたリースは溜息を吐いて答え
「フフ、リフィアさんの性格を考えたらそれが一番妥当ですね。」
「ま、足手纏いにはならんから別にいいじゃろ。」
リースの提案を聞いたリタは微笑み、レシェンテは頷いた。その後セリカ達はリフィアと共に僧院内に入った。セリカ達が僧院内に入って少し時間が経つと今度はロイド達が来た。
「これは一体……」
「確か僧院への道のりはバリケードで封鎖していたはずよね?一体誰が壊したのかしら……?」
「……破壊されたバリケードから魔力が感じられるわ。この魔力の属性は純粋…………という事は恐らく純粋魔術で破壊したのでしょうね。」
ロイドは破壊されたバリケードを見て驚き、エリィはバリケードを破壊した犯人が誰なのかを考え込み、エルファティシアは考え込んだ後言い
「―――十中八九殿下の魔術による仕業でしょうね。ハア…………」
「状況から考えるとエリゼさんの推測通りでしょうね……ハア……」
「やれやれ。よく今まで国際問題が起きなかったな。」
エリゼとプリネは疲れた表情で溜息を吐き、レーヴェは呆れた表情で言った。
「―――それより気を引き締めなさい。あの”僧院”から再びあの時――――”僧院”に幽霊や不死者達が現れた時と一緒の気配がするわよ。」
「へ……」
「エ、エルファティシアさん!じょ、冗談はやめてくださいよ!」
エルファティシアの警告を聞いたロイドは呆け、エリィは必死の表情で言った。しかしエリィの希望を打ち砕くかのように、鐘の音が鳴った!
「……………………」
鐘の音を聞いたエリィは表情を引き攣らせ
「―――この気配は……!」
「―――早速来たか。」
敵の気配を感じ取ったプリネとレーヴェがそれぞれ武器を構えると、人魂のような姿をした異様な姿の魔物が現れた!
「キャアアアアアアアアアアアアアアッ!!な、なんでまた現れるのよ!?」
「ちょ、エリィ!?は、離れてくれ!このままだと戦闘ができない……!」
するとエリィは悲鳴を上げた後ロイドの背中に強く抱き付いて身体を震わせ、抱き付かれたロイドは驚いた後言い
(くかかかかっ!役得だからいいじゃねえか!)
ギレゼルは陽気に笑い
「クッ……!エリゼさん!一端下がって下さい!」
ロイドはエリゼに警告をした。
「――――いえ、必要ありません。」
しかしエリゼは静かな表情で答えた後太刀を構え
「へ―――」
エリゼが構えた太刀を見たロイドが呆けたその時
「秘技―――――裏疾風!!」
エリゼは自身が持つ聖なる力が込められた白銀の太刀を一瞬で詰め寄って電光石火の速さで魔物達に叩き込み
「―――斬!!」
止めに斬撃波を放って止めを刺した!
「…………………」
エリゼの強さにロイドは口をパクパクさせ
「フッ、あれからまた腕を上げたようだな。」
「フフ、さすがはエクリア様とカシウス准将の教え子ですね。…………――――それよりロイドさん。これからどうしますか?」
レーヴェと共に感心したプリネはロイドに視線を向けた。
「……殿下を保護する為や鐘の音も止める必要がある為、遺跡内を探索するしかないよ。――――って事だけど……エリィ、大丈夫か?」
プリネに尋ねられたロイドは既に離れているエリィに尋ね
「も、もう。心配はいらないわ。さっきはいきなりだったからビックリしただけだし……次からはしっかりと心の準備を整えれば……」
(それってあまり大丈夫じゃないんじゃ……)
エリィの答えを聞いて苦笑していた。
「え、えっと、それよりエリゼさんをどうしようかしら?さすがに同行してもらうにしても危険な場所だし、いっそ、誰かと一緒に車で待っててもらった方がよさそうな気がするけど。」
「うふっ♪そう言いつつ、幽霊や不死者に会いたくないからエリゼを守るという名目で待機メンバーに名乗り上げようと思っているんじゃないのかしら♪」
エリィの提案を聞いてある事を察したエルファティシアはからかいの表情でエリィを見つめ
「うっ……!そ、そんなつもりはありません!」
(ハハ……一瞬答えを濁した所を見ると、ちょっとは考えてたみたいだな……)
一瞬答えを濁した後必死の表情で答えたエリィの様子をロイドは苦笑しながら見守っていた。
「お気持ちは嬉しいのですが、できればこのまま一緒に付いて行かせてください。自分の身は守れますし、魔術もある程度扱える上、エニグマⅡも持っていますから後方からの援護は可能ですので皆さんの戦闘のお手伝いはできると思います。」
「ちなみにエリゼさんはリフィアお姉様の護衛も兼ねていますから、少なくとも親衛隊の小隊長クラスの腕前がある事は私が保障します。」
「”剣聖”直伝の八葉の技も収めているから、前衛としても戦えるぞ。」
「そ、そうですか。そう言う事でしたら、頼りにさせて頂きます。―――それじゃあ、行こうか。」
プリネとレーヴェの説明を聞いて冷や汗をかいたロイドは仲間達に促し
「ううっ、リフィア殿下を探す依頼のはずが、どうしてこんな事に……」
エリィは疲れた表情で溜息を吐いた。
その後ロイド達は僧院の探索を開始した…………
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