ラブライ×ブレード
~設定書暫定版~
雨泉 洋悠
~にことまき~
私の頭上に枝葉を広げる桜の木、もう今は咲いていなくて、季節外れなのは解っているけれども、この学園での私達の新たな門出に、桜の花があったなら、最高だったのにと思った。
その桜の木の向こう、白を身に着け、青のイメージを纏わせた、真面目そうな子が、一人、放心したように、こちらを見ている。
「さくら……」
その子の口から、私の頭上に、葉を茂らせる、桜の木の名が発せられる。
「慎さん」
そこに、彼女の後方からやってきた二人のうち、眼鏡の子の方が、私が何時も聞き慣れている名前と、そこに付随するものとしては聞き慣れない響きを漏らす。
まきさん。
「先輩、ここに居たんですね」
もう一人、同じように白を身につけた子が、そう言う。
これもまた、その聞き慣れた名前を表すには、聞きなれない響き。
せんぱい。
「ああ、ゆかり、無道さん」
ゆかり、むどうさん。
名前を呼ばれた、先輩とやらが、二人の名前を呼び返す。
私は、その名を冠する、新たな誰かとの出会いに、少し胸が踊る。
「貴女、まきって言うんだ」
思わず、そう声を掛けていた。
「はい、上条槙と言います」
彼女は、そんな唐突な言葉にも余り驚いた様子は見せずに、淡々と答える。
爽やか過ぎて、感じていた違和感が、別な一つの個人としての認識に変わっていく。
ああ、私の真姫では無く、新しい、まきなんだ。
「にこちゃん」
何時もの、聞き慣れた声が響く。
「真姫」
私の真姫が、私の傍まで、走ってきてくれる。
「にこちゃん、この後全員で申請出しに行くって、にこちゃんどっちにする?」
私は、その真姫の言葉を受けて、もう一人のまきに向き直る。
「貴女、どっち?」
多分私的には、解っているんだけれども、一応確認する。
直ぐに察してくれたようだ。
「私は天、こっちは地のゆかりです。こっちは別の地の無道さん」
紹介された二人は、正体不明の私と真姫に困惑気に頭を下げ、真姫も下げ返す。
「私は矢澤にこ、こっちは私の刃友の西木野真姫」
私と真姫、二人の未来への期待感が高まっていく、答えは決まった。
「私が天、真姫が地よ」
真姫は、私の思いを悟ってか、何も言わずにゆかりと呼ばれた方の子に、静かに視線を向けている。
「上条さん、ゆかりさん、その時が来たら、よろしく。無道さんも」
真姫と二人で、頭を下げる。
まきとゆかり、二人の着ている色を考えれば、その時に辿り着くのはまだまだ先。
「ええ、待っているわ、矢澤さん」
その少しだけ強気な笑みと、裏のない期待感を貰い受けて、笑顔で翻って真姫と歩き出す。
アイドルは、何時いかなる時も笑顔は忘れずに、それはこの学園でも同じ。
二人並んで歩きながら、隣の真姫にだけ、聞こえる声で呟く。
「闘いたい相手、早速見つかっちゃった」
自然と頬が緩む、真姫が少しだけ呆れた顔で、それでも隠し切れない期待感を込めて、呟き返す。
「私がにこちゃんを守る、何だか新鮮」
私達の、この学園での生活、思っていた以上に、楽しいものになりそう。
呟きあった後に、二人視線を合わせて、これからの未来に向けて、微笑みあった。
次回
初戦
~設定書~
二世界並立型完全パラレル
FBGM(First Battle Ground Music)
Listen to my heart!!/にこりんぱな
LBGM(Last Battle Ground Music)
after school NAVIGATORS/にこりんぱな
天の剣 矢澤にこ 大剣
地の剣 西木野真姫 短剣
⇔
天の剣 上条槙 西洋剣
地の剣 染谷ゆかり 通常剣
地の剣 東條希 長刀
天の剣 絢瀬絵里 西洋剣
⇔
天の剣 神門玲 通常剣
地の剣 祈紗枝 長刀
天の剣 星空凛 通常剣
地の剣 小泉花陽 通常剣
⇔
天の剣 朱炎雪 通常剣
地の剣 氷室瞑子 通常剣
地の剣 南ことり 通常剣
天の剣 高坂穂乃果 通常剣
天の剣 園田海未 通常剣
⇔
天の剣 静馬夕歩 通常剣
地の剣 久我順 通常剣
天の剣 綺羅ツバサ 通常剣
地の剣 統堂英玲奈 西洋剣
地の剣 優木あんじゅ 西洋剣
⇔
天の剣 黒鉄はやて 通常剣
地の剣 無道綾那 通常剣
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山手線円環物語(仮)に続く、設定書第二弾。
ラブライブとはやて×ブレードの親和性が高すぎるので、
クロスオーバーしてみようと思います。
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