No.706503 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~soranoさん 2014-08-06 00:18:44 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1976 閲覧ユーザー数:1773 |
~ローエングリン城~
「これが”ローエングリン城”……」
「救国の聖女が本拠地とし、歴戦の勇士たちが集まったとされる伝説の古城か……間近で見ると一際美しいが、これは……」
「な、なんかボ~ッと、青白く光ってない!?」
「私も以前から何度か訪れたことはあるが、こんな状況は初めてだ。」
「……何か、妙な”風”を感じる気がするな。魔獣ではなさそうだが……」
青白く光る城を見つめて呟いたガイウスの言葉が気になったリィン達はガイウスに視線を向けた。
「ふむ……?」
「……俺もだ。”何か”が蠢いているような……そんな気配がする。」
「な、何かってナニ~!?」
「もしかして幽霊か悪魔ですか……?」
リィンの推測を聞いたミリアムは怖がり、セレーネは不安そうな表情をした。
「この気配は”冥き途”の気配と似ていませんか、ご主人様?」
「ああ。霊体や不死者達の気配もする。」
「……しかし今までこんな気配は感じなかったのに、何故だ?」
シュリに尋ねられたセリカは頷き、メティサーナは考え込んだ。
「れ、霊体や不死者って事は……」
セリカ達の会話を聞いていたリィンは驚き
「ん。その城の中に確実に”いる”ね。霊体や不死者どころか、下級魔族の気配もするから、”魔”に属する奴等がうろついているよ。」
「…………………」
エヴリーヌは静かに答え、エマは真剣な表情で城を見つめ
「クッ、一体何が起こっているのかわからんが、子供達を一刻も早く見つけ出さないと子供達の身が危ない……!」
「ああ……細心の注意を払いながら進もう。」
唇を噛みしめたラウラの意見にリィンは頷いた後仲間達と共に城の中に入ると、突如背後の扉が音を立てて閉まった!
「ひゃあっ!?」
「きゃあっ!?」
扉が閉まる音にミリアムとセレーネは声を上げ、扉が閉まった事に気付いたリィンは振り向いて扉を開けようとしたが、扉は硬く閉ざされていた。
「くっ……開かない!」
「勝手に閉まったのか!?」
「こ、このぉ~っ!!」
扉が突如閉まり、開かない事に慌てたミリアムはアガートラムを召喚し
「やっちゃえ、ガーちゃん!!」
「―――」
アガートラムに強力な一撃を叩き込んだが何かの魔方陣に阻まれた!
「……まったく効いていないようだな。」
「そんな……一体どんな強固にできているんですか?」
その様子を見守っていたユーシスは呆れ、セレーネは驚き
「な、なんで~!?」
ミリアムは信じられない表情で声を上げた後地面に蹲った。
「アガートラムでも破壊できないなんて……」
「……どうやら”結界”が動いているみたいですね。」
「”結界”……さっき一瞬だけ見えた不思議な文様の事か?」
シュリが呟いた言葉を聞いたガイウスは目を丸くしてシュリを見つめた。
「ああ。恐らくこの城のどこかに侵入者を逃がさない為の結界の作動装置があり、それが作動したのだろう。」
「……ただ、もし子供達がこの城の中に入っていたら、先に作動しているはずですから、私達は中に入れないはずですから、何故私達が入った時に作動したのかが気になっているのですが……」
「――――まるで俺達を待ち構えていたかのようなタイミングと言った所か。」
(クク、”神殺し”の膨大な魔力に惹かれた何者かの仕業かもしれんな。)
メティサーナの説明を捕捉して不安そうな表情をしているシュリの言葉を聞いたセリカは静かな表情で答え、ハイシェラは口元に笑みを浮かべた。
「それは……」
「……………確かにセリカさんの推測も一理ありますね。」
「くふっ♪エヴリーヌに加えて”神殺し”もいるのに、こんな真似をするなんて、誰だか知らないけどいい度胸をしているね♪」
セリカの言葉を聞いたリィンとエマは真剣な表情になり、エヴリーヌは凶悪な笑みを浮かべた。するとその時鐘の音が聞こえて来た!
「ひっ!」
「これは……?」
「さっきの鐘の音……!?」
「何でしょう……?異世界で幽霊の方達と戦った時に感じたおぞましい気配が強く感じてきました……!」
鐘の音を聞いたミリアムは悲鳴を上げ、ガイウスとリィンは驚き、何かの気配を感じたセレーネは不安そうな表情をし
「――左右から来ます……!!」
エマが前方を見つめて警告したその時、突如得体の知れない魔獣が現れた!
「チッ……魔獣か!?」
「いや、普通の魔獣ではなさそうだ……!」
「―――迎え撃つぞ!」
その後リィン達は協力して襲い掛かってきた得体の知れない魔獣を倒した。
「……やったか。」
「何とか終わりましたね……」
「弱すぎ。拍子抜けだね。」
敵の消滅を確認したリィンとセレーネは安堵の表情をし、エヴリーヌはつまらなそうな表情をし
「あわわ……」
ミリアムは地面に跪いた。
「ミリアムちゃん、大丈夫ですか?」
「うう、今のなんだったの~……?」
「不可解な魔獣……いや”魔物”というべきか。一筋縄ではいかない相手だったな。」
「上位属性も働いていたみたいです。おそらくこの古城全体に作用しているんだと思います。」
「ああ……確かにそのように感じたな。さっきの鐘の音はよくはわからないが……」
エマの推測にガイウスは静かに頷いて考え込んだ。
「フン、想像以上に厄介な場所のようだ。”結界”とやらのせいで閉じ込められたことだし、脱出方法も探さなくてはな。」
「……セリカ殿、シュリさん、メティサーナさん、エヴリーヌさん。こう言った魔術的要素が絡んだ仕掛けの知識は貴方達の方が詳しいと思いますので、頼りにさせて頂いてもよろしいでしょうか?」
リィンは魔術が盛んなディル・リフィーナ出身のセリカ達に視線を向け
「ああ。」
「はい、私の知識でよろしければ、存分にお貸しします……!」
「メティに任せておけ!」
「エヴリーヌはめんどくさいから、セリカ達に任せておくね。」
「エ、エヴリーヌさん……」
セリカ達がそれぞれ答える中、セリカ達に丸投げしたエヴリーヌの発言を聞いたエマは冷や汗をかいた。
「ならば急いだ方がいいだろう。あんな魔物が徘徊している以上、子供達の安否も心配だ。」
「そうだな……行くとしよう。」
「う~、もう出発するの~?もうちょっと休憩していこうよ~……」
「ふむ……」
「もしかして腰が抜けちゃったのか?」
未だに立ち上がらず、疲れた表情で文句を言ったミリアムの様子を不思議に思ったリィン達は興味ありげな表情でミリアムを見つめた。
「べ、別にそんなんじゃないケド。」
リィン達に見つめられたミリアムは視線を逸らして答えたが
「フン、なんだったらお前だけここで待っていても構わんぞ。」
「ひとりの方がヤダッ!」
ユーシスの言葉を聞いて慌てて立ち上がった。
「はは……とにかく探索を開始しよう。」
そしてリィン達が探索を開始し、リィン達と共に探索しているセリカはハイシェラに話しかけられた。
(セリカよ、気付いているな?この城に相当の力が持つ者がいる事を。)
(ああ。この城に漂う冥界の気配に混じっている凄まじい”聖気”。しかもこの圧倒的な気配は―――”神”だ。)
(……私も僅かですが感じています。それに何となくですがこの”神気”……どこかで感じた覚えがあるのです。)
ハイシェラとセリカの念話を聞いていたシュリは静かな表情で答え
(俺もだ。この懐かしくも感じる気配……一体誰だ?)
(何にしても油断せずに進む事だの。)
考え込みながら先へと進むセリカにハイシェラは忠告した。
1年半前――――
~???~
「サティアさん、セリカ!」
「決着の時だの!」
リィン達がトールズ士官学院に入学する1年半前、謎の空間で仲間達と共に激しい激闘を繰り広げていたエステルとハイシェラはセリカと”セリカの容姿と瓜二つの女性”に視線を向け
「サティア………今こそ全ての決着をつけるぞ!」
「うん!」
呼びかけられた2人はお互いを見つめた後それぞれが持つ”神剣”を構え
「俺達は!必ず果たす!」
「”約束”を!」
セリカの神剣には凄まじい神気が、女性の神剣には神々しい炎が宿り、二人は同時に神剣に宿りし神々しき力を解き放った!
「「永遠なる約束(エターナルロード)――――――――――――!!」」
「「ナゼ!ナゼお前達(貴女)バカリ!アアアアアア―――――――――――ッ!!??………………」」
二人が解き放った世界をも浄化する膨大な力をまともに受けた”敵”は身体が崩壊し始めた。
ああ…………私は”また”消えるのね……ようやくわかったわ……お姉様が正しかったのね……私も……お姉様のように……心から信頼できる人達がいれば……違った道を歩んでいたかもしれない……わね…………お姉様……セリカ…………二人の人生を狂わせた私が願うのは間違っているけど……どうか幸せに”生きて”……
崩壊し始める”敵”に宿る狂気に満ちた意志の一つは消滅する寸前に正気に戻った後セリカと女性を見つめて二人の幸せを願いながら消滅した。
世界の争いを失くそうとして、犠牲になった貴女も救われるべきだよ………………
敵が消滅する瞬間、少女の声が聞こえたが、消滅の際の轟音にかき消され、その場にいる全員は気付く事はなかった……………
……え~……今回の話の最後の部分を見て、どっかの誰かさんの仕業によってとんでもない人物が登場する事がもうわかったかと思います(汗)なおこのキャラがリィンと契約した際、リィンの装備が鬼強化される上、とんでもないスキルまで追加されます(汗)え?何でそんな事になるかって?そんなの言わなくてもわかるでしょう?(遠い目)最初はそんなに強くする気はなかったのに、気付いたら軌跡シリーズキャラだとエステルに次ぐ最強キャラになりかけていますよ。アハハハハハ(冷や汗)つくづく思いますが因果を変える能力ってチートすぎますね(遠い目)
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第181話