No.703531

外史を駆ける鬼・戦国†恋姫編 第001話

こんばんは。
眠る前に投稿しに来ました。

ちょっとした最近の出来事を聞いてください。
私は『パンプキン・シザーズ』っという漫画が大好きなのですが、つい先日紀伊国屋に行けば最新の18巻は売っていたのですけど、同時発売の外伝の1巻が売ってなかったということがありました。

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2014-07-25 01:35:40 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:1470   閲覧ユーザー数:1397

外史を駆ける鬼・戦国†恋姫編 第001話「忘れなくてもいい記憶」

夜に星が光る空に、一つの流星が光る。

「またですのぉぉぉぉぉぉっ!!」

上空71580フィート(21.8km)にてノンパラシュートスカイダイビングを(断定的に)絶叫しながら楽しみ……いや、味合わされている黒の着物に身を包んだ金色の目の男の名は、シゲマサ・T・カゲムラ。

日本名、影村重昌。

何故夜空にてノンパラシュートダイビング(No Parachute Diving)、もといNPDを行っているかというと、彼はとある使命を帯びて外史を回っている。

外史とは、誰かが「こんな物語があればいいな」などという発想から作り出されてしまうパラレルワールドであり、今彼がいるこの世界も、そのパラレルワールドの一つなのだろう。

【……何故外史に着くたびに、俺はいつもパラシュート無しダイビングを味わう羽目になるんだ?】

一つ断っておくが、彼の一人称は『私』。

しかし、それは彼が普段使っている一人称であり、感情の昂ぶりが目立つと『俺』へと変化をしてしまう。

仕方なく彼は右腕より鬼の篭手を出現させ、自らの武器である鉄扇を、”鬼の武器”の一つである上下に薙刀の様な長い刃を持った獲物を出現させる。

今言った『鬼の篭手』とは、彼が外史の探求者として、初めて訪れた外史にて、その世界に住む『鬼の一族』と呼ばれるものによって譲り受けた力である。

彼が出した武器は『風』の力が込められた武器であり、その武器は文字通り『風』の力を借りて、敵を振り払うっと言った形である。

だが使い方によっては、今みたいな状況なら風の力を借りて、自身が竜巻となって地面に無事着地することも容易だ。

毎回新たな外史にNPDで召喚さる時、よく有効活用している。

何時もの様に体を捻らせて風を起こそうとした時、下から何か女性の声が聞こえてきたのだ。

その声の方向に目をやると、案の定女性が得体の何かに襲われており、重昌は着地する方向を変えて、そのまま化物めがけて竜巻の矢となりて、女性を囲んでいる化物の首を切り落とし、さらに女性を真っ先に犯そうかと、とでも考えている化物のナニも、一緒に切り落としてやった。

「……大丈夫ですか?」

首なしの化物がバタバタと倒れていってる中、重昌は手を差し伸ばして女性を助けようとしたが、手を差し伸ばそうとした女性は緊張の糸が切れたのか、そのまま気絶してしまう。

重昌はそんな女性を直ぐにでも助け起こそうとしたが、彼が倒した化物はそれだけでは無かったようで、続々と2、30の化物が重昌を取り囲もうとしていた。

体長200m以上はあろう人型の化物であるが、よく見ると何匹か人間らしき者が混じっている。

だが次に重昌の目に飛び込んできたのは、人間らしきものが見る見るうちに変化して、周りの化物と同じような化物になっていくのだ。

肩から一層大きな骨が浮き上がり、胸は張り裂けんばかりに膨らんでいき筋肉をつけていく。

指は人の腕ほどに大きくなり、そこから伸びい出た爪は、切り裂けば全ての物を破壊しかねない凶器へと変貌を遂げる。

「……造魔?」

彼はそう呟いた。

造魔とはその名のとおり『造られた魔獣』。

彼の探求者としての始まりの外史では、鬼一族と敵対していたとある物怪がいた。

その物怪は人を喰らい、知あるものは人を改造し自分たちの仲間とした。

それが”造魔”である。

「貴様ら、この私を喰らい、さらにはこの女性を犯そうというのか?」

その問いかけに対して、化物はただの鳴き声でしか返事をせず、しかもその鳴き声的にとても通じている反応とは思えなかった。

重昌は倒れた女性を見下ろすと、女性の服ははだけて乳房や女性の秘所が見えてしまった状態だ。

状況から察するに、彼女はこの化物達に犯される寸前であり、そこに自分が現れたと言ったところであろうか。

何故なら、破かれた服は辺りに散らばり、女性の秘所である雌蕊(めしべ)はしっかりと閉じ、まだ何もナニも入れられた状況では無いからだ。

重昌は着物の上を一枚脱ぐと、その女性の体の上に被せてやる。

そんな背中を見せた重昌に、一匹の化物が彼に襲いかかるが、そんな油断を見せる重昌では無く、後ろ向きながらも左手で化物の腹部を刺して、化物は嗚咽を漏らす。

腹部を刺され腹を抱えて前かがみ状態になった化物は、ちょうど身長が170後半の重昌と目線が並ぶ形になり、化物が重昌に向き直る頃には、既に彼の顔は化物の顔の真ん前にあった。

「……お前たちが何処の誰だろうと、私には関係ない。だがしかしお前たちの行いは私の感に触れてしまった」

彼の目の前の化物が聞いた台詞はこれで最後であり、重昌が腰から毘沙門剣・妖を抜くのを化物が見た頃には、奴らの首と胴体は彼の一閃によって分かれる形に陥った。

「何故なら……この俺の前で女性を痛み付けたのだからな!!」

森の中は、化物の阿鼻叫喚に包まれた。

いくら常人以上の力を持った化物でも、怒れる『神殺しの鬼』の前では全くの無意味であった。

段蔵が目を覚めるとそこは何も無い小屋であり、自身には誰かがかけてくれたであろう大きな着物。

体を起こし、頭を触ってみると、被っていた布は外されていて、その正体は黒髪の短髪で、整った顔の女性であった。

その女性の胸にはサラシが巻かれているが、彼女自信下着にサラシを巻く習慣を行っていた記憶はない。

恐らく下着的な意味ではなく、誰かが行った治療的な意味らしい。

何故なら見たところ胸からは血が滲んだ跡がある為、応急手当の包帯なのだろう。

右足は折れているのか、しっかりと木の枝と布で固定されている。

一体自分がどういう状況にいるのかわからなかったが、とりあえずは昨夜の物怪達から、誰かが助けてくれたのは記憶にある。

しかしそれ以上のことは思い出せず、彼女はもう一つの最悪の状態を想定する。

自分は化物に犯されそうになった時に気を失った。

自らの股をまさぐっても、あの時物怪に何かされたことはないだろうと確信を獲れた。

では彼女の思う最悪のこととは、気絶した女を犯しても面白くない。

なれば、自らの拠点に持ち帰り、目を覚ました時に犯すという考えだ。

もしその考えが正しければ、自分は一刻も早くこの場から離れなければならない。

だが足の怪我もあるので遠くにいけないため、最低でも音を出さなければ見つかることはほとんどない屋根裏でも隠れなければならない。

段蔵は手持ちの武器を探すと、彼女の枕元の上に用意してきた装備一式は整えてあった。

その装備に手を伸ばそうとした時、玄関より何か音が聞こえてきたのだ。

恐らくはこの小屋の主である誰かが戻ってきたのだが、今の状態で屋根裏に隠れるのは難しく感じたらしく、段蔵はクナイだけを抜き取り、自らの懐に隠した。

扉が開かれると同時に、彼女は目を瞑り寝たふりを決め込んだ。

その間、扉より入ってきた者の状況を『音』で観察すると、何やらその者は台所らしき所で何かを作っているらしい。

何故なら包丁とまな板がぶつかり合う音が聞こえてくるからだ。

しばらくして足音が段蔵の所に近寄って来ると、彼女はクナイを胸に備えて待つ。

その者の足音が枕元で止まり、その者は何か隣に置くと、段蔵の耳元で何かを呟いた。

「……私を殺す気なら、殺気を抑えないとな」

そう言われると、段蔵はその者が敵なのか味方なのかの確認もせず、直ぐにクナイ片手にその者の頚動脈めがけて刃を突き立てようとした。

勿論、その者が本当に味方であるならば、寸止めにする自信はあり、また声を聞く限り男である。

男はその攻撃を避けず、彼の首元にはクナイが当たった状態となる。

「……私の殺気に気づきながら……何故避けようとしないのかしら?」

段蔵は男の首に自分の腕をまわして頚動脈にクナイを当てながらも、先程の仕返しとばかりに彼の耳元そう呟いたが、彼は言った。

「殺気の篭っていない”攻撃”を、避ける必要が何処にある?」っと。

段蔵は少なくともこの者は敵ではないと確信し、クナイを腰にしまい謝罪した。

「……ごめんなさい。助けてもらったのにも関わらず、貴方を脅すような真似を……して……」

頭を下げて謝罪をし、彼女がその者の顔を見直したとき、段蔵はつい呟いてしまった。

「……あなた?」っと。

 

それからしばらくして、段蔵は男の用意した粥を口にして落ち着きを取り戻し、正座をして改めて男に向き直り感謝の意を込めて頭を下げた。

「危ないところを助けて頂き、誠に感謝致します。私の名は加藤段蔵と申します」

『加藤段蔵』、男はその名に聞き覚えがあったが、果たして自分の知る『加藤段蔵』かどうか確信が欲しかった。

「これはこれは、私の名前はシゲマサ・T・カゲムラと申します」

「……?姓がしげまさ?名前がて…ぃ……あれ?」

現代でこそ、この様な名乗り方で姓と名が通じるであろうが、時代は戦国時代。

段蔵は訳がわからないと言わんばかりに首を傾げた。

「あぁ、これは失礼。Tとはタナトス。キリスト教の礼拝を受けたときに付いた名であって、日の本での本名は影村重昌と申します」

「キリスト教?……あの南蛮のですか?そういえば南蛮では姓と名が逆と聞きますが、そのことでしょうか。……しかし、私は浪人忍者をしていますので、日の本での手練の者は大体耳に入ってきます。私がこうして無事ということは、あの”鬼”共を貴方様が退けたということ。そんな手練の者が、何故日の本の国にて噂の一つも立っていないのでしょうか?」

「私はこれまで日の本以外の”国”を見るために、南蛮に赴いていました。だからでしょう。……それにしてもそうですか。あの有名な『鳶加藤』が浪人忍者とは……」

重昌はカマをかけるつもりでそう発言したが、彼女は案外それをあっさりと肯定する。

「そうですね……私にもそれなりなことがありましたので――」

そう何か体をモジモジさせながら彼女は重昌とはあまり目を合わさずに、少し俯く感じで話しているが、そんな彼女に重昌は自分の隣より桶を取り出した。

「……さて、そしたら早速申し訳ないのですが、裸になってもらえますか?」

「………へっ?」

前者の重昌以上に間を置いてしまった段蔵は、ついそんな間の抜けた声を出してしまった。

「おっと失礼。他意は無いのですよ。しかしながら貴女は三日間眠りパ無しで、包帯を付けた頃から背中の垢が溜まっているのです。それでは治療に支障をきたすので、出来れば背中を拭かせてもらいたい。それとも、自分でお拭きになられますか?その間私は小屋の外で待っていますけども」

彼が包帯を巻いたと言うことは、少なくとも自分の大事な”あの人”以外に裸を見られた。

そんなこと思い段蔵の女としても羞恥心は最高潮に達し、重昌に怒りを覚えそうになったが、しかしそれは直ぐに収まった。

段蔵は自分の腕を擦ってみると、腕より大量の垢が溢れ出して来て、大量の汗も掻いたのか、若干塩も混じっているような気がした。

ボロボロと落ちていくところ見る限り、自身はその三日間相当の量の汗をかいていたのを確認する。

また恐らく垢と塩の量から察するに、自分は胸の傷と足の骨折から来る痛みと疲労感のせいで高熱でうなされていたのだろう。

その間、目の前の彼は傷の手当てと熱の看病を同時に行い、面倒を見てくれたのだ。

感謝をせども嫌悪感を表わす理由などあろうはずがない。

それにもしそういった他意があるのであれば、今こうして話してなどいない。

段蔵は背中を向けて彼に「お願いします」と頼んだ。

それからしばらくは、段蔵は乳房を手で覆いながらも、背中を重昌に任せて、自身の体に溜まった垢を落としてもらった。

自身の愛しい人、その者以外に肌を大きく見せるなど今まで無かった為、恥ずかしさで顔が赤くなっているのが自分でも判っていた。

「――それ程似ていますか?貴女の愛しき人に」

その一言に彼女は戸惑い「え?」と言葉を漏らすが、直ぐにその彼を思い出すように、一つ笑って答えた。

「……そうですね、瞳の色以外は本当にあの人が戻ってきたかの様です」

「……失礼ですが……旦那さんはひょっとして――」

「えぇ、亡くなりました」

重昌が次の台詞を言うより前に、段蔵はそう答えた。

「流行病でそのまま眠るように……もう二年は経つのですが、いけませんね。いい加減忘れないといけませんのに――」

小屋に静寂の時が流れ、辺りには重昌が段蔵の背中を擦る音しか聞こえない。

そんな中で重昌は口を開いた。

「忘れる必要などないですよ。貴女は覚えていればいいのです。旦那さんが生きた証を、貴女を愛してくれたという真実を。そうすれば、旦那さんはずっと貴女の中で生き続けるでしょう。例え貴女がこれからまた恋をして、素敵な男性と巡り合ってもね……おっと失礼、これではまるで私が、貴女を口説いている様ですね。訂正します。忘れてください」

重昌はそう笑って頭をかきむしり、そんなおどけた姿の彼を振り返って見る段蔵は、頬に涙を流しながらも、クスッと笑った。

「本当におかしな人ですね」

「そうですか?私的には精一杯の励ましのつもりだったのですが」

「あら、励ましの言葉を『励まし』と言ってしまえば、それはもう励ましではなくただの”同情”になり相手に不快な気持ちを与えかねますよ」

「……これは、一本取られました」

二人は共に高らかに笑ったが、段蔵は急に重昌の胸に飛び込んで来た。

「段蔵さん?」

「お願い……しばらく………このままで――」

そんな弱々しい彼女の様子を見て、重昌は左手を床に付けて斜めに背中を落としながらも、右手で段蔵の頭を撫でた。

「こんな私の胸で良ければ、いくらでもお貸し致しますよ」

そう答えると、段蔵は重昌の胸の中で、今はもういない自分の愛しの”あの人”のことを思いながら、しばらくすすり泣いた。

翌朝、段蔵は何かスッキリしたような顔で、重昌におぶられて共に山道を歩いた。

「それじゃあ重昌さん。相模まで宜しく♪」

「……それはいいが、先程から背中に柔らかい物が当たっているのだが?」

「重昌さん、これは当たっているのでは無く、当てているのよ」

「………全く、”友人”を弄るのがそんなに楽しいのか?」

「”友人”だからこそ、弄るのが楽しいんじゃないですか」

重昌は思った。

【ダメだ。これは私の苦手なタイプ】だと。

素の重昌は、実の娘の雪の様な破天荒が”過ぎる”女性が、どうも苦手らしいのだ。

「さぁ重昌さん、相模に向かって全速先進」

「はいはい分かりましたよ……霧翼(むよく)

こうして、探求者重昌とくノ一霧羽の外史の物語が始まった。

 


 
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