No.702336

涼宮ハルヒの製作 第二章

ユウジさん

前回の捕捉とハルヒキャラの紹介回です。
まぁ、それくらい知ってるって人もいるけどそこはご容赦を。

2014-07-20 22:54:43 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:580   閲覧ユーザー数:574

―――――――――第二章

 

 

 

はてさて、時間は飛んで次の日の放課後、場所は文科系部活の部室棟、通称旧館にある文芸部室改めSOS団の部屋。

団長である涼宮ハルヒを除くSOS団の全員が一堂に集結していた。

肝心のハルヒはというと、放課後になると同時に一目散に教室を駆け出したっきりだ。一体何をしているんだか……。

で、俺はというと落ち着かない様子で目の前にいる柔和で穏やかなルックスを持つ同級生で副団長の古泉一樹と暇つぶしにオセロなんぞをしている。

 

「どうしました?こちらにいらしたときから心ここに非ず、といった感じですが。」

 

「ん……ちょっとな」

 

そう言いつつ白の石を置き二つほど黒を白へと裏返す。いかんな、身が入っていないのが盤上にも表れるのかいつもより勢いがない気がする。

まぁ、それでもこちらの優勢には変わりないのだが。

 

「んっふ、これは手厳しい……。」

 

ちっとも悔しそうに見えない態度でゆっくりとその細長い指で黒の石を置き、白の石が一枚、黒へと変わる。

次の手を攻めあぐねていると、横から湯飲みが差し出された。

 

「キョンくん、お茶です♪」

 

そう言ったのは、まるで女神のような微笑みを浮かべる、上級生というには少々幼い顔立ちと、男子たるもの注目してしまう豊満なバストにわずかにウェーブがかった栗色の髪を持つ愛らしい女性、朝比奈みくるさんである。

 

「どうもありがとうございます」

 

湯飲みを受け取り、注がれたお茶を冷ましながら啜る。この時間はもうなんというか、もう至福のひと時という言葉でしか言い表せられないね……。

 

「そういえば昨日妙なことがあったのですが。」

 

と藪から棒に人の至福をのひと時を小声で破る古泉。無視するのもなんなので視線をそっちに向けて、相槌の代わりとする。

 

「昨日、また閉鎖空間が現れたんですよ。最初はいつものように神人が暴れていたのですが、途中から急に大人しくなってしまいましてね……何分珍しいケースだったので心当たりはないかと思いまして。」

 

「……ないな。」

 

少しの間を開け返答する。別段隠すことでもないんだが、昨日の一件をコンパクトに一言で伝える術を持たないし、長々と報告するのも面倒なのでカットすることにした。

 

「そうですか。」

 

古泉もこれ以上追及することもなく朝比奈さんの淹れてくれたお茶を啜る。

と、その時だった、何やら廊下の方から近づいてくる重低音に気が付いたのは。

 

「だらっしゃあ!」

 

おおよそ淑女とは程遠い掛け声とともに勢いよく部室の扉を開けたのはハルヒだった。

どこぞの中華街の神様の部下じゃあるまいし、年頃の娘が発する言葉としてはどうかと思うぞ。

 

「うっさいわよ、馬鹿キョン!こっちだってね、都合があるの!」

 

どんな都合があったらそんな豪傑風な掛け声を出すようなことになるのか、ぜひとも聞きたいね。

というこみあげてきたセリフを飲み込む。生憎、わざわざ焚火にガソリンを投下するなどという目に見える自殺行為はする気にならないのでな。

 

「ところで今日は、いつもより部室に来るのが遅かったようですがどうかされましたか?」

 

と、古泉がハルヒに問いを投げかける。

それによって俺に関節技を書けようとしていたハルヒは我に返り、あからさまに膨らんだバッグを掲げる。

 

「ちょっと隠してた荷物取りに行ってたのよ、こんなあからさまに膨らんだバッグ持ってたらあからさまに所持品検査されちゃうから。」

 

隠し場所から、ここに持ってくる時に教師に見つかったらそれこそ同じことだと思うが。

と、言おうとする前にふと妙な既視感を覚えた。この膨らんだバッグ、昨日見た覚えがあるんですがねえ?

 

「おやおやそれは穏やかではありませんね、一体そのバッグに何が入っているのやら。」

 

 

と何やら意味ありげに笑う古泉の問いに答えるかのように団長席にそのバッグを逆さにして中身を出し始めた。

 

まずは薄刃ニッパー、そしてデザインナイフ、タミヤセメント二種etc.etc……。

昨日イオリ模型店で購入したものを次から次へと机の上に置き始めたのだった。これにはさすがの俺も固まるしかなかったね、まさか学校に持ってくるとは夢にも思わなかったのだから。

そして最後に……これがメインディッシュよ!と言わんばかりに大きな長方形の箱をバックから出し、大きく両手で天へと掲げる。

 

「お、おお、おおおおおお、おままま、な、何考えて……!?」

 

などとパニックで呂律の回らない俺を無視して箱を団長席へ置き、ハルヒは高らかに叫んだ。

 

「いまより我がSOS団は、ガンプラビルダーとしての活動も開始します!!

そうね……最低でも全員模型店に飾ってもらえるくらいになってちょうだい!」

 

……世界が静寂に包まれたかのような錯覚に襲われた。

というのは嘘だ、昨日ガンプラバトルで世界を盛り上げるなんてことをほざいたのをこの耳でしかと聞いたからな。それにハルヒのことだから、周りを巻き込む事を常に念頭に置くくらいには付き合い長いつもりだ。

 

ところがほかの三人……朝比奈さんと古泉、そして紹介が遅れてしまったが窓際の椅子で無表情で本を読んでいる細身でショートカットの神秘的な雰囲気を醸し出している少女、

長門有希はそうはいかなかったようで、ハルヒの発言を受けてから微動だにしていない。

当の本人は右手の親指と人差し指だけを立てながら天井に突き上げ、恍惚としたポーズを取ってやがる。しょうがない、ここは俺がアクションを起こさざるを得ないようだ。

 

「おい、ハルヒ。」

 

「なによ?」

 

「お前がいきなりこんなこといいだすから全員固まったじゃねーか。それにだな、ガンプラビルダーとして活動するのはいいが今までの活動はどうする?

宇宙人や未来人、超能力者は捜さなくていいのか?」

 

まぁ、実はすでに全員揃っているんだがな。

このSOS団、俺を除いて全員が全員理(ことわり)の外の存在なのである。

 

まず宇宙人だが、長門がそうである。

正式名称は確か……対有機体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース……だったかな?

初めて打ち明けられた時にはさすがに理解は追いつかなかったが、数々の苦難を共に乗り越え、今ではなくてはならない頼りになる存在となった。

長門にはいったい何度助けてもらったことか……。以前、同じような存在の朝倉涼子に異空間に閉じ込められ、危うくナイフで刺殺されそうなところを間一髪のところで救出してもらい、朝倉を返り討ちにしてもらったのだ。

そして先ほど無表情といったが……まったくの無表情というわけではなく、注意して見ればわずかに動向やしぐさに感情が表れているのだ。

 

次に未来人だが、これは朝比奈さん。

あれは桜の季節だっただろうか……桜の花びら舞い散るベンチに座って、まるで青春ドラマのワンシーンのような中で自分は未来人という告白を受けた。

その勢いで小難しいことを言うもんだから頭が追い付かなかったが、実際に未来から大人になった朝比奈さんとコンタクトしたため信じざるを得ない。

しかし、あの大人になった朝比奈さんはとても見目麗しかった……。

 

……ハッ!?続けよう。

そして超能力者だが、これは俺とオセロをしていた古泉一樹が該当する。

超能力と言っても皆が想像するような、念力でスプーンを曲げるというサイコキネシスやテレポートというものではなく、『閉鎖空間』というところでしか使えない限定的な超能力なのだ。

そう、先ほどの古泉との会話で出てきた閉鎖空間という聞きなれない言葉について説明しよう。

半径約5キロメートルほどの薄暗く、人間だけがいなくなってしまった気味が悪い静寂な世界、これが閉鎖空間である。

古泉曰く、発生は全くのランダムで一日おきに出ることもあれば何ヶ月も発生しないときもある。ただ一つ言えるのはあれはハルヒの精神がひどく不安定な時に現れる空間なんだそうだ。

ここまで聞くと何ら害が無いように思えるが、そう判断するのは少し待ってほしい。あの閉鎖空間の中には『神人』と呼ばれる青い光の巨人が表れ、鈍重な動きで周りのビルを破壊して回る。

そうして神人を放っておくとどんどん閉鎖空間は広がり、いずれはこの世界を覆い尽くしてしまうそうだ。まったく恐ろしい話だぜ。そしてその閉鎖空間で神人と闘う超能力を与えられた数少ない戦士、それが古泉である。

 

最後に我らがSOS団団長涼宮ハルヒ。

ちなみにSOS団の意味は『世界を・大いに盛り上げる・涼宮ハルヒの団』と本人の口から述べられた。

まぁ今ガンプラは世界規模で盛り上がってるから、わざわざ俺達が出るまでもないと思うがね……。

と、話がそれたな、当然ハルヒの奴も不思議な能力を持っている。古泉曰く「願望を実現する能力がある」だそうだ。こう聞けば誰しも欲しがるような能力なのだが、いかんせん本人が気づいていないのだ。

しかし、本人が知らなくてもその能力は発動するから困ったものである。古泉に超能力が目覚めたのも、花が咲かない季節に花が咲いた樹も、何の変哲もない普通の鳩が一夜にして真っ白い鳩になったのも、ハルヒが無意識に願ったからだという。

ひゅー、恐ろしい話だ。その上ハルヒは一回世界に絶望し、世界をを崩壊させかけたことがある。そのときははSOS団全員が一致団結し協力して事に当たったため、無事解決した。どのようにして解決したかだが、これは黙秘させてもらおう。

 

「そんなもの一緒にやるに決まってるじゃない!……っていうか、宇宙人や未来人、超能力者にもガンプラの道に引き込んじゃおうかしら!」

 

OK,分かった落ち着いてくれ、まぁ予想通りだな。というかだ、ハルヒ、お前がガンプラをやりたいと言ってからまだ24時間もたってないのにひきこんじゃう発言はどうかと思うぞ?

という心のセリフをぐっと喉奥に飲みこむ。口は災いの元っていうしな。

 

ふと、妙な空気を感じ取り、周りを見ると皆の様子がおかしい。

朝比奈さんは口を少々開けて目を丸くし、ポカーンという擬音がついてもおかしくない状態のまま棒立ち。古泉に至っては、あからさまな苦笑いを浮かべ俺とハルヒを交互に見ている。

長門は長門でこちらの顔をその目で凝視したまま固まってしまっている。

 

「いいですね、涼宮さん。ぜひガンプラビルダーとして活動し、大いに世界を盛り上げようではありませんか。」

「涼宮さん、とてもいいことだと思います!」

「奨励する。」

 

次に空気が動いたのは、三人同時にハルヒの案に食いつきながら賛成するという、異様な盛り上がりを見せたところだった。

うん、ちょっと待ってくれ、まさかお前ら……。

 

「おやおや、これはこれは……」

 

「もしかして……」

 

「……。」

 

「えーっと、まさかとは思うが、ここにいる全員がガンプラビルダー……?」

 

まぁハルヒはまだ作ってないからビルダーとは言い難いが。

 

「お察しの通りです」

 

「私も、作るんです……。」

 

「単純に見えて複雑。製作過程で様々なイメージが浮かぶ。とても興味深い。」

 

もうすでに引き込まれてたー!!

宇宙人と未来人、超能力者がガンプラ道にもう入ってたよ!!なにこれ、これもハルヒの能力のせいじゃないだろうな!?

 

「あら、だったら話が早いじゃない!!早速今日からリニューアル活動していくわよ!!」

 

何がリニューアルだ、やることが全然変わってないに等しいじゃないか!

それより、今日急に活動すると言ってもお前以外誰も活動できないだろ!!

 

「まぁまぁ、いいじゃありませんか、『思い立ったが吉日』という言葉もありますし。」

 

「悪いが古泉、俺はその言葉で昨日痛い目を見たから信用しないことにしてるんだ。」

 

「おやおや、これは難儀なことですね。ところで涼宮さん、まだこちらの道具は開封していないのですね。」

 

「ホントはね、みんなでガンプラの作り方を覚えながらワイワイやって作ろうと思ってたから、わざと開けなかったの。目論見は外れちゃったけど……。」

 

まて、みんな経験者だったからよかったものの、もし全員がガンプラ未経験だったら俺の負担がとんでもないことになるじゃないか!

 

「どうせ作るのアタシだけなんだからいいの!そこまで負担じゃないでしょ、説明くらい!昨日もあんなにノリノリで説明してたくせに!!」

 

ぐぬぬ……。確かに道具の使い方はあとで説明するといった以上、これ以上言い返せん……。

 

「あれ、ということはこの道具選んだのキョンくんなんですか?」

 

「そうなのよ、まぁ話せば長くなるんだけどね……。」

 

ハルヒは昨日の経緯を全員に話し始めた。

 

 

時間は戻って昨日イオリ模型店。

 

「―――――これにするわ。」

 

ハルヒの目に止まったガンプラはというと、『GUNDAM Mk-Ⅱ+FLYNG ARMOR』だった。

なんというか、反応に困るチョイスである。もうちょっと簡単そうなやつとか、派手でかっこいい奴とかあるだろうに……。

 

「なかなかいいチョイスだと思います。」

 

そうなのか?

 

「えぇ、複雑そうに見えますがそんなに複雑ではないですし、初心者でもとっつきやすいと思います。

それにフライングアーマーが付属することによって、ボリュームがでて作りごたえが出てきますし。」

 

「そうだったのか、俺なんて主人公機とかはもうちょっと腕が上がってから作ろうと思って敬遠してたぜ。」

 

「時々そういう主人公機だからって気おくれして避けてる人、いるみたいですね。

でもそれはもったいないです、主人公機だからこそとっつきやすくできてるはずなんですから。

ガンプラバトルするならなおさらですよ、マークⅡの癖のない武装や操作性は初心者から上級者にまでオススメです、僕だってカスタムしてますし。」

 

つくづく自分の矮小さと自信の無さが不甲斐ないぜ、イオリ君にすべて見透かされてしまった。

ま、こういう思い切りの良さもハルヒのいいところなんだろうな……後ろでいつの間にかラル大尉もうなずいていたし。そして、そのまま塗料を選択する。

 

「んじゃ、必要なものもそろったみたいだし、お会計お願いするわね!」

 

「わかりました、じゃあこっちでお会計しますね。」

 

テキパキと品物をレジへ通すイオリ少年、品物が通るたびにどんどんハルヒの顔から笑みが消えていく。

そーなんだよ、一品一品買う分には大したことがないが、始めるとき一気に買う時に大きい出費になってしまうんだ……。

 

「お、おまたせー。」

 

かなりひきつった顔を晒しこちらへ戻ってきた。まぁ俺も気持ちはわかる、だからそうやって落ち込むな。

 

「ありがとうございましたー。」

 

イオリ君に見送られながら、イオリ模型店を後にする。

 

「はー、これでアタシもついにガンプラデビューできるのね……!!」

 

ふむ、あそこまで高い買い物をしたのにもう立ち直ろうとしているとは、さらにできるようになったガンダム!

しかしだな、まだ終わっちゃいないんだよハルヒ。これから他のもの買わなきゃならん。

 

「いや、まだだ。」

 

「えっ?」

 

「ハルヒ、俺達は確かに模型店でキットや道具を買った、だがそれで終わりではないんだよ!」

 

「な、なんですってー!?」

 

そう、他に必要なもの……次に俺達はそれを購入するためホームセンターへと向かう。

 

「ねぇキョン、そこでは何を買うの?」

 

「そうだな、自分の健康に係るものを買いに行く」

 

「健康?」

 

「あぁ、詳しい話は中でしよう」

 

そういうと俺たちは、ホームセンターの一角に来た。

 

「これが、目的の物?」

 

「その通りだ。」

 

そこに所狭しと並んでいるのは防塵マスクやゴーグルである。

 

「これ、何に使うのよ……」

 

うむ、やはりというかなんというか察しが悪いな!

どれここはひとつ説明してやろうとするか。

 

「ハルヒ、プラスチックは何で溶ける?」

 

「なによ急に、そんなの熱に決まってるじゃない。」

 

「うむ、優等生みたいな答えだな、だがここでは違う。

答えは『シンナー』だ。プラスチックはシンナーで溶ける。そしてそのシンナーが人体に有害なのは当然知っているよな?」

 

「あぁ、そういうこと……つまりシンナーをできるだけ摂取しないようマスクやゴーグルで防ぐのね!」

 

その通りだ、流石ハルヒ、察しが早くて助かる。それにシンナーだけじゃなくほかの溶剤、薄め液etc……、それらすべて人体に有害だ。

肯定するや否や、買い物籠にゴーグルやマスク、ゴム手袋を入れてゆく。さっすがに健康がかかると本気になるか。

 

「若いうちから身体壊したくないもんね……それで、買うのはこれだけ?」

 

「いや、まだだ、ちょっとした工夫で便利になる道具を教えよう。」

 

そう言って俺たちの足は100円均一のコーナーへ向かった。

 

「ここ100均じゃない、ここで何を買うの?」

 

「これだ!」

 

その手に持っているのは竹串、結束バンド、クリップを二つだ。

 

「いいかハルヒ、この竹串や結束バンドやクリップをうまく使えば、これも立派な道具になる。

特に接着のときや塗装の乾燥に使える優れものだ。あと大きめな発泡スチロールがあればいうことなしだな。」

 

「むむ……いまいち何に使うかわからないけれど、買わなきゃいけないっていうなら買いましょ。」

 

「それと中くらいの発泡スチロールはあるか?」

 

「確か最近家電買ったからあると思うけど……それが何?」

 

「いや、あるならいいんだ、もう買い物はないからレジって大丈夫だぞ。」

 

「仕方ないわねー、あとでちゃんと使い方教えなさいよ!」

 

「あーわかった解った、ちゃんと教えるから安心しろ!」

 

そう言い残しハルヒは本日二回目のレジへと向かって行った、いや、二回目じゃないかもしれんが。

レジから帰ってきたハルヒは若干微妙な顔をしていた。まぁ女子高生がこんなもん買ったら妙に思われるわな。

 

「お待たせ!」

 

と、こんどこそ買い物が終り、ハルヒと駅につくまでこれからの展望や雑談をしながら歩いたというわけだ。

 

―――――

 

 

それが昨日の経緯のすべてである。

 

「おやおや、アナタがきっかけでしたか。」

 

「でも涼宮さぁん、飾ってもらえるレベルになるのってすごっく大変ですよぉ?」

 

「大丈夫よ、その時はミクルちゃんの色仕掛けで何とかしてもらうから!!」

「ひぃぃっ!?」

 

本気なのか冗談なのか判断に困ることを平気でするハルヒ。朝比奈さんもたまには嫌って言っていいんですよ……。

まぁ確かにどうやったら飾ってもらえるのだろうな、俺にもわからん……。

 

「でも目標を大きく持つことはいいことですし、それに……楽しいですよきっと。」

 

ここにいる全員がビルダーであることを知り、流石の古泉もうれしさもひとしおといったところだろう。

そして俺はちらりと……無表情に見える、窓際で椅子に座っている長門を見た。

少し雰囲気がなんとなーくだが柔らかい気がする、同好の士が増えたのがうれしかったのだろうか。

 

「で、ちゃんと教えてくれるのよね?」

 

「あーもう、わかったわかった!!ちゃんと教えるから!」

 

半ばやけくそ気味に応答する。

 

「大丈夫ですよ、僕も説明のフォローをさせていただきますので……」

 

正直フォローはありがたい、うまく説明できるかどうか心配だからな……なんてったってほとんどが聞きかじりの生半可な知識だからだ。

 

「じゃあ、早速作っていくわよ!!」

 


 
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