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【 法螺貝 の件 】
〖 江東 雪蓮居城 練兵場 にて 〗
『ぶおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーー!!』
孫呉の練兵場で、今まで聞いた事がない音色が響き渡る!!
大きな巻き貝を加工した『法螺貝』を、武田信玄が実際に吹いて実演して見せた。
信玄の小さな左手が法螺貝の『鳴り口』を持ち、右手で『吹き口』を指で挟み顔に付けて支える。 上に向いた『鳴り口』より重厚な音が………孫呉の兵の魂を揺さぶる!!
ーーーーー
孫兵「おおぉぉ! なんだ!? この熱き血が高ぶる勇ましい音は!」
孫兵「何だか無性に───突撃したくなるぜぇ!!!」
孫兵「───滾る(たぎる)! 滾るぞ! こらぁ!!! 」
ーーーーー
信玄「これが『法螺貝』という、天の国での『銅鑼』と同じ戦の合図として使用された物です!」
謙信「吹き方は色々ある! だが、今回は難しい事は教えはせぬ! ただ音を大きく鳴らすのだ! 良いか!?」
ーーー
穏「難しい話も拝聴したいですよー!!」
道雪「そうですね。 法螺貝の音は基本『木、火、土、金、水』の五音あり、また、その中間にある音もありますので十音となります」
穏「結構あるんですね~?」
道雪「ですので……上手く吹ければ曲も奏でる事も出来ます!」
穏「そうなんですかー!!」
ーーーーーーー
ーーーー
義久「みんなぁ~! 口で吹いちゃ駄目よぉ!? お腹の中から押し出すように吹かないと!!」
孫兵「こ、これで!」 ぶお~!
義久「うん! えらいえらい!」ナデナデ
孫兵「はっ、はぁい! ありがとぉございまぁすぅぅ!!」
ーーーーー
孫兵「こ、これで……いいのでしょうか?」
謙信「うーん、歌口(法螺貝に唇を直接当てる部分)は、真ん中ではない。 左右どちらかの唇の端付近に寄せるのだ! その方が良い音が出る!」
孫兵「はいっ! 分かりました!」
ーーーーーー
ぶおおおぉ~~~!!!
穏「やったぁ! 上手く音が出るようになりましたー! うーん、面白い合図方法ですね! それに士気も上がりそうですし!!」
信玄「くっ………!」
道雪「信玄殿? どうされました?」
信玄「穏の様子を……指摘しながら見ていたのですが……揺れるのですよ…」
道雪「揺れる? 何か体調不良でも? ……至って健康そうに見えますが?」
信玄「いえ、体調ではなく………はっ! 道雪は………私と違い『ある』のですね? ………申し訳ないですが………今の言葉、忘れて下さい!!」
道雪「はぃ? よく意味が分かりませんが……納得されたのなら……えぇ」
ーーーー
ーーーーーー
こうして、孫呉では……法螺貝を扱う者が数百人、養成出来たという。
◆◇◆
【 孫呉からの同行者? の件 】
〖 江東 雪蓮居城 にて 〗
俺達は………孫呉に滞在して早くも二十日程になる。
本当は、月様の無事を一目確認したくて、十日程度の滞在で戻ろうとしていたのだが………まさか『俺』が理由で日数が伸びるとは、夢にも思わなかった。
ーーーーー
雪蓮「もっと……ここに居てくれないとヤダァ~!!」
冥琳「おいっ!! 孫呉の王たる者が、童のように駄々を捏ねてどうする!」
雪蓮「じゃあ! 王なんか辞める! 蓮華に譲位して、私は颯馬と洛陽に行く────!」
蓮華「姉様! そう簡単に王を譲られても準備が出来てないし、今が大事な時期ではないですか!? ─────今の立場を弁えて発言して下さい!!」
穏「流石──蓮華様ですぅ! ではでは~、雪蓮様の代わりに……穏が天城様に付いていきます~ねぇ!!」
冥琳「お、おいっ! 何を考えている!?」
穏「えぇ~!? 冥琳様、見て分からないんですかー? 穏が天城様に付き添って~新たな軍略を傍で教えて貰うんですよぉー!
それに……華琳さんが、あ~んなに執着していた愛紗ちゃんを、わざわざ手離した理由ぅ。 別の思惑がある事をご存知じゃないんですか~!?」
冥琳「………元自分の配下を送り込み、洛陽との縁を作りだすのが目的だな。 既に凪が天城の側近で付いているから、ここで、更に愛紗を送り出せば………盤石の体制になるのだろう!」
亞莎「そ、それって! 独立を目指している事では!!!」
冥琳「あぁ、このまま行けば……華琳は独立するだろう! この孫呉の下に置いても大人しく働くような将ではないし、客将としての条件で置いて居ただけだしな! だが……あんな自信家でも、恩義も恥辱も知ってるようだ。
それに……反乱など起こせば、洛陽勢と孫呉の挟撃で、今度こそ終わりだ! ………よほど馬鹿な奴じゃないとやらないがな!」
亞莎「成る程……………!!」
穏「──そんな訳でぇ! 穏が行こうと思いましてぇ~! エヘッ!」
冥琳「何を言っている! ───お前は残れ! 代わりには私が行く!!」
穏「えっ~~っ!?」
亞莎「め、冥琳様ぁ!?」
冥琳「颯馬の謀……松永を除けば対抗馬はいないだろう。 ………それに、アイツは策では非情になれるのに、普段は味方を案じてばかり!
味方を案じるのは良いとしても、物にも限度がある! ………これでは、いつ倒れるか不安で……仕方がないではないか!
だから、私が付き添い……謀の勉強と恩返しの世話をさせて貰うつもりだ!」
蓮華「駄目よ! 冥琳が居なくなったら、誰が姉様を抑えてくれるの!! 穏も居て頂戴! 冥琳の補佐をして貰わなけば、負担が増えて……また病気になってしまうわよ!?」
冥琳、穏「……………………」
蓮華「だから! 私が行くわ!!」
『はぁ──────いぃ!?』
雪蓮「ちょっと! どういう事!? 蓮華は颯馬を嫌っていたんじゃ……?」
蓮華「えぇ……姉様の言う通り。 だけど………物事の筋を通す誠実さ、策の失敗を自分の責任として取れる責任感! も、勿論、軍略の凄さもありますが、そんな……颯馬の様子を間近で見たい……そう思ったのです」
雪蓮「ふふっ! 私達……ホント姉妹よね………」
蓮華「じゃあ………姉様!!」
雪蓮「だけど………断る!! って、いうか駄目! 颯馬には私が付いて行くの!!! 例え妹達でも譲る気なんて、全然、これっポッチも無いわ!!」
亞莎「わ、私が───行きます!!!」
祭「なら、儂も──!」
『祭(様)は、留守番(です)!!!』
祭「くっ────!」
ダダダダダダッ!! ────バァン!!!
小蓮「ちょっっと!! そんな面白そうな話ー! シャオも混ぜなさいよぉ!!!? 部屋に閉じ込められるからーつまんないじゃない!!!」
蓮華「────駄目! シャオが入ると余計紛糾しちゃう!!!」
ーーーーー
と、まぁ………そんな話し合いが続くので戻れない。
仕方がないないので、先日……何進殿達に兵を預けて洛陽へ向かって貰った。 勿論将達……え~と『桔梗』殿、『紫苑』殿、『焔耶』殿か。
それと南蛮大王孟獲も居たな………あんまり喋らなかったけど。
勿論『瑠々』ちゃんも、しっかり同行しているぞ!
四人には『真名』を全員預けて貰った。 『──はっはっはっ! 何進大将軍の信頼厚い殿方なら大丈夫ですな!』と……いとも簡単に…………。
それだけ……何進殿が重く見られているのか? それとも、俺の『天の御遣い』の虚名が広まっているためなのか…………?
いや……深く考えるのは止めよう……………。
ーーーーー
まずは、こっちの事を、何とかして貰わなくては………。
……早く………終わらないのだろうか………。
………………………………
───えっ? 俺の事だから………口出しして指名すれば終わるって?
…………『火中の栗を拾う』ような物だよ。
それに、連れて行ったで……月様の機嫌がまた悪くなるし……。 それに客将が客将を連れてくるのは、肩身が狭いものだな……と、今更ながら思う。
『ホントに早く騒動が終わらないかな………』と呟きながら、全壊したという謎の戦闘があった庭園を………ボンヤリ見ていた。
◇◆◇
【 仲違い…… の件 】
〖 洛陽 宮廷内 にて 〗
稟「そうですね……松永の事です! 予想外の謀を持って……私達を倒そうと画策してくるでしょう!」クイッ!
詠「今のところは、向こうから攻め寄せてくる気配は無いわ。 ………だけど、水面下で何かしら謀を企んでいるの確実なのよ!!」
風「んんん~~~!!」ジタバタジタバタ!
風が口に布で猿轡をされ、縄で拘束された状態で座っている。
稟「これ以上! おかしな真似はしませんか!! ───風!!」
猿轡を外すと、風が大きく息をして……ぷうたれた。
風「ぷはあぁぁぁ──!! 稟ちゃん、非道いですぅ! 酷いですぅ! あんまりですよぉぉぉ!!! 風が……お仕置きの旅に出掛けるところを、なんでぇぇ───止めるのですかぁぁあああ!!」
稟「そもそも……この大事な時期に、そんな些細な事で!?」
風「些細~ぃ? 風の存在自体と『真名』が危ぶまれそうな……そんな事態なのに!? もう風は─────怒髪天状態『激オコ』ですよぉぉぉ!!」
稟「だって……風の存在が薄『違いますー!』────えっ?」
風「いいですかー!? 風の方が圧倒的に仕事してるじゃないるじゃないですか! だいたい稟ちゃんと会話してたのも風の筈ですよ?!
それに、翠さんへ『わざわざ』指示までして、存在感を現しているのにぃ……なんでぇ! 忘却されなきゃならないんですかぁー!!! 」
詠「─────? 稟、一体どういう………」
風「月様に張り付くツンデレ腰巾袋は……黙ってればいいんですよぉ!!!」
詠「な───っ!? ア、アンタねえぇぇ!!! 急に、何言い出すかと思えばぁ────!!!」
風「ツーンですぅ!!! 黙秘権を行使しますぅ!!!」
稟「────いい加減になさい!!! 今は松永の策を防ぎ、洛陽……大陸の民を守るのが役目!! 仲違いするなど筋違いにも程があります!!!」
風「風は悪くないんですぅ!! 悪いのは風を止めて鼻血を止めない──稟ちゃんの策なんですよぉだぁ!!!」
詠「なんで! なんで……私に八つ当たりされなきゃならないの!!! 稟! 説明なさい! 説明ぃぃ!!!」 バンッ! バンッ!
稟「………ぐすっ。 颯馬殿ぉ~!! 早く戻って来て下さいぃぃぃ!!」
◇◆◇
【 大陸の情勢 の件 】
〖 江東 雪蓮居城 にて 〗
まる一日経ったんだが──まだ決着が付かないだと!?
いくら何でもかかり過ぎだと呆れ果て、文句を言いに行こうとした!
義輝「待て待てっ! 自分で『火中の栗を拾う』と申していたであろう! わざわざ争いの火勢を強めて………どうするのじゃ!? 」
颯馬「しかし………………」
歳久「颯馬が行けば……新たな火種を、油と一緒に注ぎ込むようなものです。 今日も遅いですし、原因を作った此方で一晩過ごさせて貰い……早朝に置き手紙を残し………黙って出発しましょう!」
颯馬「だけど……孫呉で、誰か洛陽へ同行して貰わないと、余計な恨みを買う事になるよ。 う~ん、だけど……どう説得すれば納得するんだろう?」
光秀「悩む事などありません! 籤(くじ)を引かせれば?」
信長「駄目だ! 一人、異様に勘が優れた奴がいる! すぐに当てられて、颯馬に付き添ってくるぞ!!」
結局、明日までに決まらなければ、愛紗だけ連れて行くと伝えたよ。
その後の議論が白熱したと言うが…………俺もそれどころじゃない!
………借りていた部屋に再度戻り、新たな情報を加えた大陸情勢の地図を広げる。 幾つか忍び達より情報を受けていたので、地図と睨めっこしながら修正しつつ、戦術戦略を練っていた。
▽▼▽ ▽▼▽ ▽▼▽ ▽▼▽
漢王朝──洛陽側は『司隷』を治め、『益州』を直轄領に編入。
涼州、幽州の太守は漢王朝に馳せ参じて恭順を誓う。
ーーー
孫伯符──孫呉側は『揚州』を掌握、徐州を併呑するため、曹孟徳の名代『北郷一刀』率いる旧曹操軍を送り込み………徐州を手に入れた!
ーーー
旧袁術軍─袁術側は、君主と側近失踪の激震が走る! しかも、大陸に恐れられた司馬懿も、この度の遠征で洛陽側と交戦、戦死の報が入った!
だが……司馬懿に後事を託されたと言う『松永久秀』なる謎の人物が台頭。
動揺する『冀州』『豫州』『青州』三州を、瞬く間に沈静化!
天下への覇権を握るべし………様子を伺う。
▽▼▽ ▽▼▽ ▽▼▽ ▽▼▽
颯馬「んんんっ───と、こんなところ………かな?」
忍び達からの情報を記載した竹簡を片手に、地図を少しずつ修正する。 こうすると、頭の中で考えるより整理出来る利点があるからだ。
今のところ、洛陽勢が八万、孫呉側が三十五万動員数の試算が出ている。 対する久秀殿達は、前年の三州分の台帳を確認した時は……約三十万程。
先の敗戦でかなりの被害を与えたから……幾分差し引いても、我が方が圧倒的有利なのは分かる。
しかし、公文書である台帳が信用できるかと言えば………無理。 あの十常侍の管轄していた物だぞ?
偽作、水増し、賄賂で削減したのでは……? と思われる数字が多数見える。
それに………あの道士達の事だ。 何らかの手助けを仕掛けてくるのは間違いない! こちらも、倒されるわけには行かないからな!!
俺は三太夫に頼み、五胡の動きを調査に行かせた!!
赤壁の戦い後に聞いた冥琳の報告。
『我々周辺の五胡が……一人の道師により……煽動されている!』
あれが……奴らの策を見破る鍵になるかもしれない!!
◇◆◇
【 外史初!? の件 】
〖 兗州 鳥巣 鳥巣砦 にて 〗
于吉「おぉ───っ! くっくくくく!! いやぁ~! これは素晴らしい! 久秀殿の手際……見事しか言えません! あーっはっはっはっ!!!」
左慈「────な、なんだとお! どうやってこんな事を!? 幾たびの外史を廻ったが……こんな策が出来る奴など、一人も居なかったのに!?」
順慶「…………いつの間に……このような手を…………?」
三人が三人……于吉の水晶球を見て………驚嘆の声を上げる!!
映し出すのは洛陽内の三軍師の様子…………。
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風「風は悪くないんですぅ!! 悪いのは風を止めて鼻血を止めない──稟ちゃんの策なんですよぉだぁ!!!」
詠「なんで! なんで……私に八つ当たりされなきゃならないの!!! 稟! 説明なさい! 説明ぃぃ!!!」 バンッ! バンッ!
稟「………ぐすっ。 颯馬殿ぉ~!! 早く戻って来て下さいぃぃぃ!!」
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久秀「うふふふっ! 久秀如きの策『超越離間の計』に掛かるなんて、程昱も大した事ありませんわね? 『外のお二人』にお願いして、『こめんと欄』に『おふざけ』を書き入れて貰っただけなのに………」
左慈「例え『管理者』といえど、外の世界に接触して助勢を請うなんて、このような行為は出来ないぞ? ………一体どうやって?」
于吉「私も教えて下さい! 『外』に行ければ色々な事が………! 恋姫の人気投票があれば、傀儡兵を使用して、左慈に二万票ぐらい入れてあげたり、左慈と外で、二人きりのデートとか…………ああぁっ!」
久秀「ふふっ! 簡単よ? 久秀は、普通に『外のお二人』へ『めーる』で指示をお願いしただけ………」
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『ねぇ………久秀からの……《 お願い 》……聞いてくれる?
返事は《 はい 》か《 いえす 》のみを示して貰えばいいの。
だけど……もし《 ……だが断る! 》なーんて言ったり、返事の前後に……この文句付けたら……どうなるか? どう扱われるか?
聡明な貴方なら………分かってるでしょう?』………ニッコリ
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久秀「……………こんな具合よ?」
順慶「それは『肯定』以外の選択がない『脅迫』ではないですの───!?」
久秀「久秀の『お願い』を断るのは……颯馬だけでいいのよ。 断ったら、颯馬への罰以上のやり方で、『お礼』してあげたいんだけど………。 でもねぇ………今の久秀じゃ残念なんだけどぉ……それ以上が思いつかないのよねぇ?」クスクス
左慈「ったく………とんでもない奴らを、この世界に送りこんでしまったようだ。
大体…………この離間の策、俺や于吉でも無理だぞ!?
外の協力者に《コメント欄》へ《挑発文》を書き入れて貰い、敵軍師の仲をこじらせて、軍略の進行を阻むとは………ん? 水晶球の画像が消えた?」
于吉「エネルギー切れですね!」
久秀「ねぇ? これを使って颯馬の様子を探れば、気付かれる事なく、全ての情報が筒抜けになるんじゃないの!?」
順慶「颯馬様の……全ての情報…………」ゴクリ
于吉「そんな事をすれば、話の展開が面白くな……コホン! この法具は燃費がかなり悪いので、直ぐに充電しなくてはいけないのです! それに、先が読めた戦い……久秀殿は、そんな戦いの勝利を得て……満足ですか?」
久秀「…………………」
順慶「確かに……困難あってこそ、得られた勝利は嬉しいものですから、一理ありますわ。
………颯馬様の全情報……未練はありますけど………」
于吉「ふふふっ! 分かって頂いて───喜ばしい限りですよ!」
左慈「………そんな燃費の悪い物か? まぁ、あまり使用しているところは……見ていないが………?」
于吉「とんでもない! かなり酷使してますよ!?
そうですねぇ ───例えば……左慈がお風呂に入っている時とか 『ガゴッ! メキョッ!!』 ぶべらぁぁぁ────────!!!」
ゴロゴロゴロゴロ ドン! ───バタンッ!!
左慈「くそぉぉ!! どうして俺の周囲には、こんな変な性癖の奴ばかり集まるんだぁ!!!!」
久秀「………自分が『普通だ』と過信している発言のようね? この戦闘狂は?」ふぅー
順慶「……老師、申し訳ありません。 久秀の言葉、余りにも的確過ぎて……つくろう事も補う事も出来ませんわ………」
左慈「俺は……お前らより、遥かにまともだぁ─────!!!」
久秀「……『基準』は何? 左慈……貴方自身を基準とするなら……洛陽の三軍師や公孫さえ普通以下だわよ!?」
◇◆◇
【 驚愕な知らせ と 対応策 の件 】
〖 江東 雪蓮居城 にて 〗
──────────スッスッスッ!!!
三太夫「───だ、旦那! 今、俺の配下より情報を得たんだが!!」
小太郎「颯馬様──! た、大変ですよ!!!」
姜伯約「颯馬様! 至急お耳に入れたい事が────!!」
颯馬「うおっ───っ!!!」 バタンッ!!!
机の上で情勢を纏めていたら、いきなり背後に……忍びの三人が現れた!!
き、緊急の用件だと分かるが───驚かせないでくれぇ!!!
ーーーーー
三太夫、小太郎、伯約の話は……内容的には同じだった!
『百万の五胡達が………攻め寄せてくる!』
違うのは、攻め寄せてくる場所が……『涼州』『交州』『益州』の三カ所!
つまり………合計三百万の軍勢が三方から進行してくるとの情報だった!
颯馬「三人に頼みたい! 早急に──敵の移動経路、進軍速度、部隊編成を調べ上げてくれ! 出来れば、敵指揮官の長所短所、何か分かれば収集を頼みたい!!」
『はっ!!』 ─────スッ!
俺は………竹簡を一つ取り上げ、そこに文字を書き込む。
颯馬「孫呉の支配地域は河川が多い。 それならば……必ず○○○がいる筈だ。 それと法螺貝を利用すれば…………………と」
竹簡に『驚音偽敵の計』の策を纏めて机へ置く。
明朝、冥琳と会って……掴んだ情報を教え、対処方法を論じる為だ。
この竹簡に詳細を記載しておいたが……問われ事があるかも知れない。
成功すれば………無傷で敵を敗走させる事も可能だ!
颯馬「冥琳なら……必ず成功させてくれる! 」
俺は、竹簡をもう一度読み直して確認し、机に置いた。
孫呉の勝利と将兵達の無事を祈りつつ────────。
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
あとがき
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
久秀での使用した『こめんと欄』の『おふざけ』は、『義輝記 蒼穹の章 その二十八』のコメント欄を利用させて頂いております。
かの『お二人』には、風弄りに参加されていたので、久秀に相談したところ、目を輝かせ「……面白い試みだわ……」と嗤いながら賛同しましたので、行った次第です。
もし、『お二人』様……お気に入りませんでしたら、御免なさいね。
また、宜しければ読んで下さい!
それと、途中で思いついて書きましたが、載せる間がしっくり来ないため、こちらに載せました。
◆◇◆
【 悲しき叫び の件 】
〖 江東 雪蓮居城 にて 〗
数日前に起きた『謎の戦闘』…………。
俺としては、詳細を聞きたいが……何故か該当して将達は、全員口を噤む。
あの人懐っこい恋や忠勝殿でさえも………。
恋「ごめん……」
忠勝「あはっ! あはははは………はぁー」
一体理由は何なのか………全く教えてくれない。
これだけ激しい戦いがあったのに、軽傷者多数。
だけど………二日間……関係者全員寝込んだ………。 精神的破壊を受けたのが原因だと……一生懸命に看病する宗茂が教えてくれた。
偶々、夜の練習に行っていた時に爆音が聞こえ、慌てて駆けつけたら倒れる将達と無残な有り様になった庭園の姿だったそうだ。
颯馬「あれ? 確か貂蝉が珍しい格好で居たけど…………?」
宗茂「私が駆けつけた際には、見かけませんでしたが……」
颯馬「???」
★☆☆
〖 江東 雪蓮居城 付近の民家 にて〗
貂蝉「ヒドオォォイイーーーーー!! 酷いと思わない──っ! 果心ちゃんんんんん!!!」
果心「………ふすふす。 此方が申せるのは、被害多数、肉体的精神的に見ても………彼方の将達だと言わざる得ないのですが………」
貂蝉「私のぉ! 生まれたままの姿を見られたのよぉん! コッチの精神的ダメージが大きいのが………普通じゃないのおぉぉぉ!?」
果心「………此方も……そのような事態……想定したくないのですが。 しかし……『下半身』は死守したのでしょう?」
貂蝉「当たり前じゃないのぉぉお─────!!!
それを喜ぶような露出狂じゃないわあょおお!? 私の全てを見せるのは……生涯を共にする愛しい人だけ……」ウットリ
果心「ふすふす、それなら……普段と何ら変わりが無い……のでは?」
貂蝉「精神的な問題なのぉ!! 例えばぁ、水着姿で彷徨くのと、服を強制脱衣されて下着姿で彷徨くのと……羞恥心が違うでしょぉぉう!?」
果心「────今度から『れおたーど』禁止です。 此方が近くに居たため、幻術を掛け服を着ているように見せましたが………。 もう、このような事……二度と御免にして……頂きたいですので……くつくつ!!」
貂蝉「そんなあぁ────ん!! お気に入りの物が多いのにぃぃぃ!!」
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義輝記の続編です。 宜しければ読んで下さい。