No.700225

超次元ゲイムネプテューヌmk2 希望と絶望のウロボロス

さん

約三か月の沈黙を破って遂に投稿!
ハーメルンでも投稿しています。

2014-07-12 15:44:18 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:668   閲覧ユーザー数:654

世は新しき時代に進む。

新たな法律。

新たな正義。

新たな秩序。

嘗て世界を管理と言う名目で運命すらも掌握した異世界の天使がいた世界の形はもうない。

好きな女性に逢うための犠牲を当たり前に続くだけの世界はない。夢を叶える為に産まれるその時を待つ舞台は崩壊している。

全ては、みんなが笑い合える明日を望む守護女神達、その守護女神達を支えると決意した紅き未知なる魔神、それに協力する人間達によって作り出された世界はまだ始まったばかり。

夢が始まる。モンスターの消失世界の中で人々は女神に日々感謝しながら平和な毎日が続く。

だがいいことばかりではなく、世界に適応できない者達や、それに己の糧を得るために暗躍する者達も少なくはあったが存在し、そんな時は守護女神達はお互いに協力し合いながらそれを裁き、話し合いをすることで少しずつ前に進み始めた。

 

その裏では、モンスター誕生地であり希望を正当化するためにゲイムギョウ界にモンスターを配給し続けた冥獄界と呼ばれる世界では、紅き魔神は己の力を持って世界そのものをコントロールすることで、モンスター発生を防ぐことに尽力していた。

 

 

 

 

 

 

 

全てはうまく行っているーーー。

 

紅き魔神が冥獄界に行ってから一年、誰もがそう思った時、始まったのはマジェコンと呼ばれるツールの異様な普及とモンスターが再び姿を現したことだった。

人間側の代表として女神達の傍でサポートする教祖と呼ばれる中で、女神を援助するため、そして歴史を整理するために生み出された精霊であるプラネテューヌの教祖、イストワールは直ぐに事の重大さを理解して他国にも協力を要請したのちに対処に当たった。

まずマジェコンと呼ばれるツールには、ゲイムギョウ界以外(・・)の技術が使われており、その機能はハッキング機能に優れ、瞬く間にゲイムギョウ界中に広がった。違法ダウンロードが誰でも簡単に誰にも痕跡を残さず出来る夢の様なアイテムに経済は崩れ始め、更にいなくなったはずのモンスターが押し寄せてくるこの事態。この二つはまるで繋がっているように起き、同時にマジェコンを製作したと言われる組織はマジェコンヌと名乗り、自らを信仰する神を崇めれば、更なる祝福が与えられることが噂で広まってしまう。

それは、人間にとって感染性の強い毒の様に広がり女神を信仰する者達は、徐々に少なくなってしまった。生まれたその地の女神しか信仰してはいけない暗黙の掟はなく、信仰自由化により誰もが好きな物に信仰できる世界に彼らの活動を止める者は少ない。

悪い事だけではなく、人間の中にはモンスターに対抗できる公式組織を作ろうとした動きが活発となり、生まれた大陸の女神を信仰しなければならない事を嫌った人たちが、自由な信仰を求めるために作り上げた組織である『ギルド』が注目されるようになった。元は流れ者達が自らの手で生きていくためにモンスターを討伐することで収入を得るために迅速にモンスターに対しての情報を得るための情報経路が大きく役に立ったのだ。これにより、ある程度武術を嗜んでいるのならその実力に合わせて安全なエリアでモンスターが討伐できるようになった。

 

しかし、これは同時に女神の価値を下げる事にも繋がり、今の状況は悪い方に行くばかりではあった。

イストワールは広がるマジェコンの流出先を特定するべく他の大陸と協力し、女神達はモンスターがゲイムギョウ界に一度顕現する為に姿を現す大地、同時に死んだ者の魂が集まる場所である『ギョウカイ墓場』へ調査へ向かったのであった。

 

 

 

本来ギョウカイ墓場の門番をしている女神でありモンスターである『ゼクスプロセッサ・ドラゴニス』を心配するイストワール。

そして、冥獄界への連絡する唯一の方法であった夜天 空無きゲイムギョウ界では女神達も落ちていくシェアエネジ―に焦りを隠せないでいた。

 

 

 

 

 

 

紅い雲が日の光を遮断し、その大地はまるで鮮血が万遍なく沁みた色をした大地。そこら辺には、時代の流れと共に人々の記憶から曖昧になり存在そのものを忘却された物が辺りに散らばっている。そんな目に痛い真っ赤な世界は死んだよう冷たい。なぜならばこの場は死んだ者だけが許される場所。その身が死に、魂魄となった物だけが足を踏み入れる事を許される神聖なる墓場。

 

その中で飛び交う四つの閃光とそれを叩き落とす漆黒の影。

また、小さな体で巨大な戦斧を振り回す少女が、闇夜より更に黒い常闇の一撃にひれ伏す。

 

「ブラン!!」

「このぉ!!」

 

仲間を呼び心配している者、逆上して更なる攻撃を仕掛ける者。

感情が入り過ぎ、その動きは大降りとなる。

しかし、その一撃は人智を超えた女神の一撃、並の人間であるのなら木端微塵に吹き飛ぶであろう守護するための破壊の力。

美しい黒の軌跡を描いた斬撃は、対極である雪白の色をした美しき大剣にとって妨げられる。

 

「んー、いいアングル。ってか、お前らそんな体のラインがくっきりしている服装でよく戦えるよな?脱げば脱ぐほど速くなる魔法少女もびっくりだぜ。いや、俺にとってはいいご褒美だから全く問題ないけどな」

「ぐっ……、減らず口を!」

「おっと、女が男に力比べってか?いや、時間稼ぎか」

 

黒白の双大剣を構えた青年から大人へと変わっていく頃のそんな若々しい声を発する影のようなコートを羽織ったそれは一人で四女神を圧倒していた(・・・・・・・・・・・・・)。その服装は絶対なる存在感を醸し出す黒。星の煌くこと無き夜の天空より真っ黒なコートに顔は深いフードによって隠されているので分からないが、二十歳ぐらいの印象を受ける背丈だ。

 

「喰らいなさい!」

 

空間に展開された緑色の魔法陣。

黒の女神は口元を鋭くさせた。鍔迫り合い状態で動けないそして計算された角度からの石槍の攻撃は、この青年がどう動こうと最低一発は当たる。その隙に強引に押しのけるそんな計算が合った。更に後ろには紫の女神の斬撃が待ち構えている。相手の全ては未知数であるが、幾度も重ねる斬撃の感触からしてあのコートの防御機能は限りなくない。その上から斬撃を加えれれば奴の体が鋼鉄でないかぎり確か女神の刃は容赦なく奴の体を切り裂く。だが、目の前の闇は戦いを楽しんでいる笑い声と共に力を抜かせた。

 

「マジックに頼まれた砂糖たっぷり染み込ませたリンゴたっぷりのアップルパイより甘いぜ!!」

 

力を込めていた黒の大剣はそのまま押し切るように見えたが、素早く体を低くして、そのまま地面に滑らせるような回し蹴りは、黒の女神を態勢を崩しには十分すぎた。緑の女神は一瞬、判断に迷った。思いもしなかった黒の女神の軌道によって配置した魔法陣を全て使ってしまえば黒の女神に当たる可能性が合ったのだ。直ぐに先読みをして目標を定めようとするがあまりに遅すぎだ。

次の瞬間には、もう片方に握っていた深い闇色の大剣を体を回した勢いで殴り上げるように振り上げられる一撃によって、見た目では想像も出来ない力を出すことは出来る女神は宙に舞う。

 

「一瞬剣を盾にしたか。ま、ちょっと遅かったけどな」

「「はあぁぁぁぁ!!」」

 

剣先に付着した紅い血を見た瞬間、薄い紫色と緑色をした光の推進剤を莫大に噴出しながら突貫する二つの閃光。戦闘中に余所見をするという、致命的な隙に全てを込めた二人の刺穿は彼の足元から螺旋を描く様に高速回転する紙片ページによって防がれた。それに紫の女神は信じられないように目を開く。

 

「これは---」

「詠唱は面倒から破棄っと、霊刃天成・海魔(アームズ・コネクト・クトゥルフ)!!」

 

その言霊を合図に紙片ページが爆ぜる。次の瞬間、どこからともなく溢れた水色の液体は彼の手によって生きている様に操作され、土石流の如く強烈な波に二人は成すすべなく距離を強制的に開かされ、人為的に生み出された津波に吞み込まれ捕縛された。オマケとばかりに上空で体制を整えていた黒き女神は液体で造られた触手は彼女の足を掴み地面に叩き落とされ、立ち上がろうとしていた白き女神も共々容赦なく呑みこんだ。四女神を喰らった操作された水禍は壁の形を作り、四女神達は口から気泡を零しながら、信じられないと言わんばかりに声を出すが、ケラケラと彼はそんな四女神の姿を面白おかしく笑う。

 

「んー?聞こえない?あ、違った分からないー。まぁ口の動きと表情から大体察することはできるけどさ、一々解読するのは面倒なんだよ。確か、読唇術って言ったよな?あいつには教えてもらったけど、あれだよなもう殴り込んで吐かせた方がいいってタイプなんだよ。ミ=ゴの技術を応用すれば生物なら大体の情報が抜きだせるし」

 

これは別の世界、彼の言霊によって召喚されたのは定まった星辰が揃うまで暗き海淵で眠る邪神の寝殿から溢れる冒涜的な魔水。不快で不気味な緑色に濁った水の中でもがく女神達、シェアエナジーによって構成されたプロセッサユニットは邪神の気に汚染されその光を失い停止する。寧ろ水の中にいるのに手足はまるで触手のような物で縛られているような感触に女神達は鳥肌が立つ。暗黒を見ているような黒いコートは召喚された汚濁の魔水のような緑化した汚水を被ったような深緑色へと変化していた。

 

「流石に寝殿の中の水は無理か、出来たらできたでこいつらのSAN値がヤバかっただろうけどな」

 

なんとか抜け出そうともがくが、縛る力は強くなるばかりで更に呼吸困難によって生み出される焦心は冷静な判断を狂わせる。この世で頂点とも言える存在である女神達はあっさりと捕まっていた。

それを口を鳴らし、大剣に地面を突き刺して空いた手で顎を擦りながら卑猥な目で観察をする。

 

「改めてみるけど、あれだな。若々しくて初々しくて綺麗だな。是非ともぐちゃぐちゃに汚してみたい。俺が会ったことがある女神ってどうも性に対してオープン的な奴が多いからこういうタイプは本当に久しぶりなんだよな。俺はロリコンだか約一名はノータッチで行くけど」

 

うんうんと頷く彼に対して、女神達は気持ち悪いと気持ちを一つにした。

 

「さてと、ごちそうさまでした。それじゃお仕事だ」

 

ありがたや、ありがたやと仏に感謝するように両手を擦るように崇め、荒々しく地面に突き刺していた大剣を抜き取り、コードの中の闇の中で刀の様に目を細めた。既に女神達は指一本も動かせないほどまでに体を動かせない。そればかりではなくプロセッサユニットもドロドロに溶かされていく。

 

「薄い本ならここから濡れ場だろが、残念。止めタイムだぜーーー、霊刃天成・壊地(アームズ・コネクト・ツァトゥグア)!!」

 

今度は焦土とされた大地のような色に変化する。闇の中で蠢く邪神の中でも賢者の力を得た事によって女神達が自分が拘束されていることすら忘却するほどの強烈な不快感と恐怖が肌を指すほどの禍禍しい魔力に震える。

 

「問題だ。基魔砲少女は拘束した相手にする次なる一手は---?」

 

両手に握りしめた大剣は紙片ページへと戻り、彼の手で再構築する。

幾つもの装甲が鋭利に積み重なった鋼鉄の手甲、それにはぶっしりと宇宙的外道な知識によって描かれた狂気の呪法が描かれており、持ち主の魔力を更に増幅することが出来る。この世のものではない明らかな異物。激しい紫電を散らしながら彼の中心には抑止力のない魔力が螺旋を描いている。

 

「答えは聞いてないけどな」

 

フードの奥で愉快に笑いながら嵐の様に狂い回る魔力を一瞬で掌握させ、放った。

両手、両足を構築され動きを完全に停止され、回避する手立てを最初から殺された女神達は遊ばれ倒されたという屈辱すら感じぬ間すら許されず、邪神の力を得て撃ちだされた砲撃に成すすべなく意識を刈り取られた。轟音と共に地面を削り、女神の抵抗に難なく対抗できていた拘束はいとも簡単に引き千切れるほどの威力であり、魔力の光が晴れたその先には咄嗟にシェアエネルギーで防御璧を貼った女神達しか残っていない。

 

「よし、任務完了ってな。いやーあっちから来てくれた助かった。一人一人倒して拉致ってくるのは面倒だったし……あっちも終わったな」

 

無残に倒れ、動かない女神達を確認して霊刃天成(アームズ・コネクト)を解除して、コートの色は元の闇色へと戻る。掃除が終わったように手をパンパンと叩いたところで後ろから気配を感じた所で、無造作に地面に投げられる二つの音。振り向くとそこに転がっていたのは、体中が傷だらけで女神達の様に意識がない二人の女神候補生の憐れな姿だった。

 

「ふん…、やられなかったか」

「マジック、言ったろ?買い物出る時は出来るだけ予定を入れるなって」

「そんなことは知らん」

 

ゴミを捨てる様に放り投げたのは、黒い眼帯を付けた濃い死臭を放つ美女だ。

女神だけに許された象徴とも言えるプロセッサユニットを展開しているが、それは女神の様な、誰もが見て美しいと賞賛、崇める物ではなく、墓場で死体の血を啜って美しく花を咲かせる彼岸花のような恐ろしさがあった。そんな異形の存在を前に彼は少しも動揺せず、むしろ人混みの中から知り合いを見つけたような反応だ。

 

「えっと……こいつとこいつは、パープルシスターとブラックシスターていう名前だっけ、ぶっちゃけどうだった?」

「話にならん。貴様がやられた場合は全員まとめて相手にしても私だけで殲滅できる」

「なんとも、自信たっぷりな発言なことで」

「事実だ」

 

当たり前の事を当たり前のように冷酷な声で語るマジック・ザ・ハードに彼は気づかれないようにため息を吐く。ここはゲイムギョウ界と冥獄界の境目となる場所であり、負が流れやすい場所だ。同時にここはマジェコンヌを崇める人々の意志が集まる場所であり、ここはマジェコンヌを信仰する者の意志により生み出されたマジック・ザ・ハードにとってここは自分の庭の様な物。

そして相手は女神であり、地の利や流出している負によって弱体化、こちらはそもそも人の闇から来るシェアが多いのでこの地特有の女神弱体化は緩和できるので、こちら側が、圧倒的に有利に戦えるのは目に見えている。とは言え、そんなことを目の前の彼女に言えば無表情で得物が振り下ろされるのが安易に想像が出来るので、彼は思った事を胸に閉じ込めた。

 

「とりあえず俺は帰っていいか?これからまたマジェコン製造の基地に行って支持を出さないといけないし、今日の事も実務記録として残して、明日の部下達のスケジュール組み換えとか考えた上で伝えて勝手な事をしないように釘を刺さないといけない。あと、自炊できる奴が少なすぎ、インスタントや外食に頼ったら体に悪いし」

「この女神達を運べ、まずはそれからだ」

「俺はこれから女神達よりヤバイ特売セールの主婦達の相手しないといけないんだが」

「命令だ」

「今日のセールはリンゴが安いぞ。アップルパイ一杯作れるぞ」

「行って来い」

「サー・イェッサー!---霊刃天成・禍風(アームズ・コネクト・ハスター)!!!」

 

禍々しい黄金色に染まったコート。マジック・ザ・ハードでさえ目で追い切れない程の速さでギョウカイ墓場を駆け抜けていくその後ろに姿に忌々しいと口を尖らせた。

彼の姿が完全に見えなくなった所で、地面に倒れている女神達が本当に意識がないのか再度痛めつけて確認する。女神としてのプライドか、誰一人として最後まで女神化が解除されなかったが、マジック・ザ・ハードは気にせず空を仰いだ。この世界を見渡す機械的な瞳、我らが信仰するマジェコンヌ様が眠っている神聖なる寝床である歪な形をした建造物。まるで世界の歪みが具現化したような異物な形をしたそれを武器を解除してマジック・ザ・ハードは膝を地面に付け、腕を胸に、頭を垂れた。それは高貴なる存在に絶対なる信仰と崇高を約束した信者が良いことを報告する姿である。

 

 

 

「---全ては犯罪神マジェコンヌ様の為に」

 

闇にとっての希望が、光にとっての絶望が始まる。

それは誰にも止められなく事無く、歯車が回り始めた。

破壊した世界の果てに作り出された世界は、破滅への一歩を進み始めた。

 

 

 

ここからは後書きです。

未知なる魔神から三か月という長い間が空いて申し訳ありません。ハーメルンの方でも書いていましたが、修正等や暇が思うように取れなかった事からここまで遅くなってしまいました。

全開の反省点も含めて自分でも納得できるように物語を綴っていきたいです。

 

キャッチコピーは『不完全なる世界を再構築せよ』

妄想OPはBACK‐ONの『flyaeay』

妄想EDはpigstarの『永遠の存在者』です。

 

 

 

 

揺れない天秤のような安定して永続させるために世界を破壊した守護女神。

その裏で絶望を背負うことを決意した冥獄神。

それぞれは理想の為に尽力しようと女神同士は争いを辞め、人々の脅威であったモンスターはゲイムギョウ界から姿を消した。

 

全てはうまくいっているそんな女神達を襲う闇。

 

彼らは夢に溺れすぎた。

世界を変えたその代償に。

新たな形で進み始めたゲイムギョウ界に危機が迫る。

守護女神達は敵の手に囚われ、冥獄神の姿は未だに見えない。

そんな絶望的な状況下で立ち上がったのは次世代を担う女神候補生。

 

今宵始まるのは暴虐なる創造と破壊。

勇気を振り絞れ、殺意を研ぎ澄ませ。

希望を離すな、絶望に屈するな。

決断せよその未来への代償に。

苦悩せよそして成長せよ可能性。

 

 

 

---さぁ、今宵の劇場は聖史劇(ミステール)で決まりだ。

 

※なんとなく思いついたプロローグもどき。


 
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