No.698903

真・恋姫†無双 ~孫呉千年の大計~ 第3章 21話

雪月さん

常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております

この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております
主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております
※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を! ※オリキャラ紹介は本文下記参照のこと

続きを表示

2014-07-06 16:37:56 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2974   閲覧ユーザー数:2426

 

第3章 群雄淘汰・天下三分の計編 21話 『 宿因 』

 

 

 

 

「御主人さまぁぁぁぁ~~~~~ん!」

 

建業にある玉座の間へと案内された貂蝉は、いきなり一刀へとルパ○ダイブを敢行する

 

「ええい! うっとぉしい!」

「げぶっらっ」

 

筋肉達磨が醜いたらこ唇を突き出し、刻一刻とダイブして近づいてくる状況に、吐き気を催しながらもぐっと堪えるや

せいやっっという一刀の気合の入った掛け声と共に、ピンポン玉の如く玉座の壁面へと豪快に蹴飛ばされる漢女

 

一緒に案内されてきた卑弥呼は、しょうがない奴じゃと額を押さえ溜息をついていたりする

 

一刀の近くにいる紅はというと笑顔を絶やすこともなく、まぁまぁと楽しんでいる風さえある

一方、亞莎はお客人を蹴り飛ばしていいのでしょうか?とアタフタし、一刀と貂蝉へと交互に視線を移している

また藍里に至っては、なんてうらやま・・・無礼な事をするのですか!とちょっと羨望と怒りが混じりつつも

健気にも涙を浮かべつつも、一刀を身を呈し庇っていたりする

 

今起こった状況に、衛兵は暫しの間ぽか~んと唖然とするものの、ふと我に返ったのだろう

一斉に暴行?を働いた貂蝉へと踊りかかって取り押さえに入るものの・・・

 

「今のは”いつもの挨拶”だから気にせんでいい」

 

そう一刀に促された衛兵は、渋々ながらも取り押さえていた貂蝉から離れていく

 

「びどい・・・WC期間だからって何も豪快に蹴ることないでしょ! お化粧が崩れちゃったぢゃな~い!!

 それよりご主人様 何か私に聞きたい事って一体何なのかしら?

 漢女の年齢は、ヒ・ミ・ツ! ぜぇ~~ったい!聞いても教えられないわよ? あ~それと今彼氏募集中~♪」

 

と一刀に文句を垂れ流しながらも、手鏡で化粧を直している 

鏡にヒビが入っているのは、一刀に蹴られたゆえかそれとも自身の姿を映したゆえか、そこは定かではないが

話がどんどん逸れ、大暴走する貂蝉を放置し、一刀は卑弥呼へと挨拶をする

 

「まぁ見ての通りじゃ 互いに元気そうで何より

 だぁ~りんなら今頃、そちの嫁御達を定期健診しとる頃合じゃろう」

 

華佗は?との一刀の問いにも答えつつ、卑弥呼と挨拶を交わし終えた後も

何やらブツブツ呟いている貂蝉に苦笑しつつ、卑弥呼と共に眺めていたものの

そろそろ頃合かと見計らい、貂蝉達へと呼び寄せた経緯を話し出した

 

「今日2人に来て戴いたのは他でもない

 

 この地に降り立ってからというもの、随分時は経つし、その間俺は多くの人間を殺めてもきた

 恨まれる人物とて1人や2人ではないだろうと察している

 それは己も覚悟の上での事であり、真摯に受け止めてもいるつもりだ

 

 だが反董卓連合時に月達を救出する為に邪魔した司馬懿だけならまだしも

 先程の降伏交渉の折に見せた司馬師とやらの、紅さんへ向けて放ったという敵意と憎悪の程が尋常でなかったらしい

 

 敵意や憎悪など軽く受け流す術を持つ紅さんが、暫しの間動けなかったという事実から鑑みても

 一切面識のない息子の司馬師とやらにまで、俺が恨まれるというのがどうにも解せなくてな

 

 紅さん、そして亞莎や藍里とも交え、何度も協議した結果

 もしや呉へと来る以前からの因縁なのでは?という意見も出たのでな

 それならばとこうして聞いてみようという事になって、この度呼び寄せたという経緯なのだ」

 

そう呼び寄せた理由を説明しつつも、月と詠を救出した時の司馬懿との因縁など

紅は、白蓮の降伏交渉時の司馬師の宣戦布告の時等

一刀達は知り得た限りの状況を、貂蝉と卑弥呼の2人へと語った

 

「司馬懿に司馬師・・・ねぇ? 卑弥呼は心当たりある?」

 

「ないのう? 儂は2人に会った事もないしのう、お主に心当たりは?」

 

「ぜぇ~んぜん! 私も初耳よぉ~ん

 ご主人様をこの世界へと送り込んだのは私だけど、”送り込んだ当時”に因縁めいた話なんて聞いた事ないわね

 それに私達は”世界”の成長を見届けるのが主で、”個人”を調べることなんて基本しないからね~ん」

 

(世界の成長を見届ける?)

 

紅が怪訝な表情をするものの・・・貂蝉と卑弥呼達漢女は首を傾げるばかりで一向に埒が明かない為

 

「すまないが暇をみつけて2人を調べてもらえないだろうか? 俺達ではこれ以上どうしようもなくてな

 それに原因も分らず敵意を剥き出しにされても、原因が特定出来ない以上どう対処していいのやら分らんしな

 

「御主人様を恨む原因を突き止めればいいのね? 判ったわ~ん」

 

「よろしく頼む」

 

「話も終わった事だし先程の続きを」

 

「「「「断る!(ダメです)」」」」

 

一刀、紅、亞莎、藍里の声が同時に重なる

 

「もぉぉ~ん いけずなんだからぁ~~~ん!」

 

筋肉質の身体をクネクネとしなやかにくねらせる気色悪い貂蝉に呆れつつも

この時は結局、司馬一族から向けられた憎悪の根本原因が判らず仕舞いに終わることとなった

 

しかし、この後、調査を終えた貂蝉と卑弥呼の口より

一刀達が、司馬師、司馬懿の憎悪に関する”因縁”めいた、驚愕の事実を知らされる事となるのは

調査を依頼したこの時より、随分経った後の事となる

 

 

 

 

因縁めいた話は何も一刀と司馬師、司馬懿だけに限ったことではなかった

それはもはや孫呉でも他人事ではなく、根深き”因縁”による妄執は、現在進行形で行われていたのである

 

貂蝉と卑弥呼に調査を依頼し、その場はお開きとなり解散となった訳なのだが

貂蝉と卑弥呼は華佗がしている定期健診の付き添いへと去り

紅、亞莎、藍里は夫々の仕事へと立ち去ったのと入れ替わりに、今度は冥琳が独り玉座の間に現れたのだった

 

「陛下・・・ 御客人はお帰りに?」

 

本来の冥琳の立場ならば、色々と質問事項を問いただしても良い所なのだろうが

奇妙な事に冥琳が一刀へと発した言葉は、なんとそれだけであったのだ

 

「ん? ああ・・・雪蓮と蓮華の定期健診の手伝いへと行ったんだろう

 結局原因は判らず仕舞いで終えたよ」

 

だが冥琳が言葉少なげに声をかけてきた事で全てを察したのか

一刀は冥琳が欲しい正確な答えを示し発してみせたのである

 

「そうですか・・・ ”委細”承知致しました」

 

一刀の答えに視線を床へと向け、静かに一礼する冥琳

以前なら、そこで遣り取りした内容や質問を聞き質した所なのだろうが、冥琳は一刀へと一切しなくなっていた

 

その代わりと言ってもいいのだろうが、最近の2人の遣り取りは上記に記したように

以前は師匠の冥琳が、弟子である一刀の答えを吟味するような内容が多かった

 

しかし、一刀が推進した天下三分の計以降、一刀が天皇に即位したという事もあるが

端から聞いていると、2人は何を吟味しているのかが実に不可解で、意味不明な点も多く見受けられた

 

一刀と冥琳の関係がギクシャクすれば、孫呉の屋台骨を揺るがしかねない大事件といえた

だがしかし、本当の所は以前よりギクシャクした訳ではなく、ここではむしろ、その逆といった方が適切なのだろう

 

冥琳と一刀2人は、深く追求するような素振りは一切見せる事無く

まるで禅問答のような、又は長年連れ添った夫婦にみられる

ちょっとした所作で感じ取る境地へと辿り着いていたといえるのだろう

 

今では阿吽の呼吸で遣り取りは行われ、互いの言うべき事を理解し合っていたようであった

 

結婚し偲蓮を生みし雪蓮もまた、最近では、必要最低限度の遣り取りしかしなくなってきているので

そういった意味において、冥琳もまた”一を聞いて十を知る”という同じ境地に達していると察する事が出来る

 

ただ雪蓮の場合、冥琳とは違いまだまだ思考より直感即行動に頼りやすいのは、以前と変らないようである・・・

蓮華の場合はというと、心配の度合いが強すぎて、どうしても本人の口から直接聞きたがる癖が抜けない

 

そうした一刀の夫婦の有り方を基本としてみれば

夫婦でない冥琳との関係だけに、周りからみれば一種異様な光景に映るのである

 

ただ話はそれで終わった訳ではないようで、司馬師の因縁に関する事はむしろ話の前振りだったらしく

冥琳は次の話題へ淡々と移っていく

 

「それと陛下が懸案されているという荊州攻略の件なのですが

 琥珀の方から、金子並びに全ての資材の準備が整ったとの報告を受けております」

 

冥琳は、一刀が荊州攻略で練っている計画の全容を、この時点で知っている訳ではなかった

 

この作戦の全容を知るのは、現時点において一刀と琥珀だけだったのである

 

本来なら作戦の刷り合わせなど、冥琳や紅達他の軍師達と協議し、事前にすべき所でもあったのだろうが

この度の懸案に関して、冥琳から聞きもしなければ、一刀から話すというようなこともなく、ここまできていたのである

 

積年の恨みを晴らすべく動いている緋蓮を始めとした孫呉陣営において

水面下で動いている作戦の存在を知っているのは、琥珀と一刀を含めて僅かの者に限られ進められている点も

普段とは違い冥琳は実に興味深く感じてもいた

 

長年一刀の動きを傍で見てきた冥琳であっても、未だに尽きぬ未知なる一刀の発想に恐怖を抱いているほどなのだ

今回も一刀は我々をアッと言わせるような事をするに違いないと読んでいた

 

一刀がこの度の戦いで本格的に動くという事は、積年の恨みを晴らす為に動いている緋蓮や祭達が

荊州攻略に苦境に陥る事をも同時に示してもいた

 

必死に攻略する緋蓮達には、実に失敬極まりなく、噛み合っていない

むしろ一刀が懸案する計画は邪魔な存在と思えなくもないのだが

冥琳一個人、軍師としての”興味”という一点において、水面下で密かに進行する一刀の計画に対しての好奇心は

益々溢れかえり天上知らず、逆に心の底では早く見たい、一刀を応援している節さえある冥琳であった

 

冥琳の好奇心をくすぐる困った悪癖といえるのだろうが・・・

この好奇心ばかりは、己自身でも抑制する手立てが終に見つからなかったようである

 

「ありがとう助かる 琥珀によろしく頼むと伝えてくれるかな?」

 

一刀は冥琳へと作戦内容の詳細を最後まで伝えぬまま、そう返答して見せたのである

 

「ハッ 承知しました それでは」

 

僅かの会話の間に、冥琳がそうした悪癖を拗らせていたとは知らずに

一刀は気楽によろしくと、軽快に冥琳へと対応していたのであった

 

その他にも、敵視する司馬師との面識、宣戦布告に対する方策、荊州で懸案している攻略方法とは何ぞや?

そうした疑問を含めれば、普段から手厳しい冥琳だと、まだまだ色々と口をついて追求してきそうなモノなのだが・・・

 

近くに斥候など潜んでいる危険性もない訳なのだが、冥琳はそれら一切について何も問いかける事もなく

楽しみになってきたと口の端に笑いを浮かべたまま、玉座の間より元来た廊下をスタスタと歩いて出て行ってしまうのであった

 

             ・

             ・

             ・

 

「孫呉の兵士諸君! もはや忍従の時は過ぎ去った! 

 この機に荊州を制し、積年の恨みをここに果そうではないか!」

 

武陵城で居並ぶ諸将を前にして、緋蓮の檄が広場に木霊する

 

「やられたら数倍にしてやり返す それが孫呉の流儀じゃ!

 荊州の無能なる輩共のその心身に痛いほど判らせてやるのじゃ! それじゃ いくかの!」

 

「江東の虎の復帰だぁーー!! 孫堅様万歳ーーーーー!!」

「「オオォォォーーーーーーーーー!」」

 

「ふわぁぁぁぁ~~~~ 皆さん凄い気合です~」

 

緋蓮の次に祭が出陣の檄を飛ばし、その言葉に呼応して皆が武器を天高く突き上げ

広場を覆う士気は最高潮へと達するのを横目に、穏は普段通りのなんとも間の抜けた驚きの声を発する

 

緋蓮を大将とし、軍師を穏、先陣を祭が務める孫呉荊州方面第1部隊、8000名が江陵へむけて進発した同時刻

 

「忍従に耐えしのんだ日々に、漸く決着をつける事が出来る日をここに迎えられた! 

 今は亡き呉公の無念を!失いし傷つけられた家族を!友の無念を!今此処に晴らそうではないか!」

 

楓が鉄脊蛇矛を突き上げて檄を飛ばすが、その勢いに紅が水を差す

 

「以前のように足元を疎かにしないでよ?」

 

「「オオォォォーーーーーーーーー!」」

 

紅の水を差す言葉は、見事に沸き立った兵達の喚声によって、見事かき消されてしまう

 

「解っているつもりさ 以前のような失敗は二度と繰り返すものか!」

 

楓の檄に呼応した7000もの兵達の叫びが広場に木霊する

 

「ソコの君達、念のため”コレ”を持っていくので、運ぶの手伝ってくれないかしら?」

 

美しい笑顔に彩られた紅に命を受けた兵達は、喜色満面の笑みを浮かべ、甲斐甲斐しくせっせと荷馬車へと積み込んでゆく

準備を全て整え終え、楓と紅を先頭に隊列を組み、一路江夏を落すべく進発するのであった

 

総勢15000もの大軍勢を従え、江陵以北の荊州を制すべく、南荊州から北進を開始したのである

 

 

 

 

「ほうほう? 上庸からの使者とな? 聞こう丁重にお連れ致せ」

 

穏やかな蔡瑁の表向きの表情に騙されているのも知らず

 

「ハッ! 承知致しました!」

 

伝令を務めた部下は拱手し一礼し終えるや、元気良く答え玉座の間を飛び出していった

 

部下が部屋から去った途端、襄陽城の玉座に座る蔡瑁の表情が、途端に険しくなり違う表情をみせる

本来なら甥の劉琮が玉座に座る筈なのだが、今では蔡瑁がこの城の主として君臨し反論する者など誰もいなかった

それを良いことに、今では全ての指示を蔡瑁が出していたのである

 

「して蒯越 このくそ忙しい時期に現れた、呂布軍の使者とやらに何か心当たりは?」

 

蔡瑁は不機嫌な様子を隠そうともせず、玉座に肘をつき深く背を預けながら、蒯越へと問いかけた

 

「ふん! どうせ奴らの事じゃ食料の無心にでも参ったのであろうよ」

 

蔡瑁の問いかけに、蒯越はそうぶっきらぼうに吐き棄てたのである

 

「食料の無心だと!? こちらは孫呉が攻めてくるっていう時にか?」

 

あまつさえ、こちらが攻め込まれようとしている緊急事態の時に

のこのこと現れ食料の無心とは到底信じられん どういう神経をしているのだと蔡瑁は深い溜息をつき呆れていた 

 

「この時期だからこそ、のこのこと現れたのであろうよ

 大方食料を寄越せ又は借りる代わりに、孫呉を追い払うのに手を貸すとでも申せば

 ほいほい食料を渡すだろうと軽くみられたとみるべき」

 

蒯越の言は、ねねの策を的確に見抜いていた

だからこそ、さきほど吐き棄てるような言を蔡瑁へと放ったのだろう

 

「ハン! 孫呉といい呂布といい、何奴も此奴も舐めた真似をしてくれるな

 いいだろう そちらがその気なら、我が陣営にて存分に捨て駒として槍働きをしてもらうとするか くっくっく」

 

「最悪全滅した所で痛くも痒くもありませんしな それに呉を退けてくれれば”司馬”陣営にも実力を示すことも出来ますしな

 どちらの結果になろうとも、甘ちゃんらしい最後を飾ってくれましょうな くっくっく」

 

「違いない ここで呉を退けられたなら、曹操を挟撃し司馬一族に恩を売る好機を得ることもできよう」

 

「司馬一族が河北で勢力を拡大すれば、呉との勢力を反転させることだって可能となりましょう」

 

「夢は膨らむばかりだな 今にみておれ、孫呉の者共、今度こそ孫権を必ずや我が手中にしてみせるぞ」

 

やれやれ まだその野望を棄てきれぬのか とんだ俗物だが操り易いゆえ致し方あるまいよ

司馬一族が中原へと勢力を伸ばすまでの我慢、それまでは精々頑張ってもらわねばのう

そんな野望を蒯越が秘めている事など、全く知る由もない蔡瑁でありました

 

             ・

             ・

             ・

 

「お~お~ 呂布殿からの御使者であったか 陳宮殿、長旅大儀であった

 我が主である劉琮殿は多忙ゆえにな 代わりにこの蔡瑁が聞こう

 して此度は我々に何用であるかな?」

 

部下に案内され玉座の間へとねねが連れてこられた時には

蔡瑁も蒯越もいつもの穏やかな人の好い表情へと戻っていた

ねねに対して、にこにこと笑顔を振りまいてさえいる蔡瑁であった

 

「そうですか 今荊州南部に孫呉の軍が攻めてくるとの情報を我々でも得ましてですな」

 

「それはそれは耳が早いことで恐れ入った お恥ずかしい限りだが事実でしてな

 孫呉のしつこさには、此方もほとほと参っておるのですよ はっはっは」

 

ねねに痛い所を指摘されたにも関わらず、蔡瑁はそう笑い飛ばしてみせたのだった

 

「その因縁深き戦いに助力を申し出ようと思いましてな」

 

腹黒じじいめ、正体を現しやがれなのですと、ついにねねは目的である甘言を弄し始めたのである

 

「おおぉ~~~~それは有り難い!」

 

蔡瑁の細い眼が限界まで大きく見開き、ねねの申し出に対しての驚きを表現していた

ねねはここで蔡瑁の臭い芝居を悟るべきであった  

 

「ですがこちらも”タダ”では動けませぬ」

 

だがねねは、普段から胡散臭い蔡瑁であった為

芝居までは見抜けずに、まんまと条件を提示してしまうのであった

 

「してその”条件”は?」

 

蔡瑁と傍に控える蒯越は既にしてやったりである

仮にどんな条件をねねが提示しようとも、捕える気満々であった

蒯越は視線を逸らし、自身の部下へと捕える準備をするよう促していた

 

「国内で採取される食料の半年分の譲渡でいかがですかな?」

 

ねねとしては、何ヶ月分の食料を引き出せるのかが、この度の交渉での腕の見せ所と考えていた

 

「なるほどのう~~ この乞食を即刻捕えーい!!」

 

しかし、そんなねねの考えはあっさりと見抜かれており

蔡瑁の言葉により根底から崩されるのであった

 

「なんですとっ! 無礼な! 何をするのですっ!」

「はっ!? ハイッ!!」

 

蒯越の部下達が一斉にねねへと飛び掛り、逃げられるように早々にねねを縛り上げてしまう

 

「やはり”食料の盗人”だったか 陳宮 お前の行動などお見通しじゃ! 馬鹿めが!」

 

「うぬぬ かっ蒯越ぅーーーーーーーー」

 

ねねは縄で縛られ、床に這い蹲った格好で蔡瑁をキッとキツく睨みつける

 

「こやつは地下牢へでもぶち込んでおけ!」

 

「ハッ! 承知致しました!」

 

蔡瑁にそう指示された部下達は、尚も抵抗するねねを引き摺りながら、強引に玉座の間を去っていった

 

「さて、ここまでは計画通りだが・・・ 蒯越よ 本当に呂布は我らの指示に従い孫呉を攻めるかのう?」

 

そうした質問は、本来計画時点で問うべきことだろうと

蒯越は蔡瑁を小馬鹿にした目つきで睨みつけながらもグッと堪え淡々と理由を述べた

 

「それなら心配いらぬだろう 劉備が漢中へと押し寄せて来た際に

 同盟先の張徴を棄ててまで、関係のあった孫呉と”停戦”して退いたくらいだ

 一見無慈悲に見える呂布にも、今回陳宮の進言を聞き入れ食料を奪いに来る辺り

 身内には相当甘いという弱点があったのが解るというもの」

 

「うん? それならば尚更、関係の深い孫呉へと攻撃しないで、人質を取っている我らへと襲ってきやしないか?」

 

「これはあくまでも予想なのだが、漢中にて停戦をした一戦にて、孫呉への義理は果たしたとみている

 なればこそ、こちらは”人質”という最大の弱みを握っているのだ いう事を聞くのが道理というものだろう?」

 

少しは自分で考えろ小心者めが、そう心の中で蒯越は毒づきながらも

尚も我慢強く最もらしい理由を淡々と述べ続けた

 

「まぁ、蒯越の予想が真相かどうか定かではないが、呂布が我々の言う通り動けば、何の問題もないのだがな」

 

「違いない、だが油断は禁物だろう 呂布軍へとダメ押しとなる使者を送り出しておくとするか」

 

蔡瑁へと背を向け歩き出した蒯越には

眉間に深い皺が刻まれ、侮蔑に満ちた苦々しい表情が見てとれたのである

 

 

 

 

「先程参った劉琮からの文官、無礼が過ぎませんでしたか? ホント無粋な輩でしたね」

「我らも人の事は言えぬが、それにしても、奴らからの書簡とは、一体何があったというのでしょう?」

「恋様、顔色が優れぬようですが、如何なされましたか?」

 

先程、襄陽から来たという劉琮からの使者に対応し

案内した兵達の口々から、そんな不平不満が漏れていた

 

そう感じた事も無理からぬことであった、というのも、この時訪れた劉琮の使者とは名ばかりで

実の所は、蒯越の部下である事情を知る文官が、役目ゆえ仕方なく出向いたのが態度に如実に現れただけなのだが

ねねを捕えたという事実をまだ知らない恋の部下達は、尚も執拗に蒯越の部下がとった行動に腹をたて

抗議すべく恋の元へと歩みを進めていた

 

月や詠は元より、セキトや張々などの家族を救ってくれた

大恩ある孫呉に楯突く気など、呂布軍首脳陣である恋もねねもさらさらなかった

 

そうした事情を知る恋の部下も多く、劉琮と孫呉との対戦となるならば

心情的にはどうしても孫呉贔屓になるのも当然といえた

 

だが、ねねがこの度劉琮へと訪れていた理由を

残念な事に、部下達には一切報される事無く、実行に移されていたのだった

 

どうせ孫呉に滅亡されてしまうくらいなら、協力すると約定し食料を得れるだけ得ておき

そして滅亡の混乱に乗じ、そのままトンズラし我ら呂布軍が有意義に使ってやろう

という狡賢い計画を練ったねね

 

恋は人を騙したらめっ!と一度はねねを嗜めはしたものの・・・

恋という、ただでさえエンゲル係数の高い恋を抱えているだけに

呂布軍の食糧不足は、上庸へと来た当初より飢饉などもあって

物価の高騰など更に酷くなっており、税収の大半が物資の確保へと振り向けられ消えていった

 

今では将兵達も訓練より畑仕事に従事する割り合いの方が多いくらいなのだ

 

漢中、襄陽という堅牢な都市に挟まれ早期に落せぬ以上

このままではジリ貧、最悪兵の離散、崩壊を招きかねなかったのも事実であった

 

そうした難題に突き当たり、ねねの思いついた窮余の一策に対して

恋としても一度は咎めたものの渋々承諾し、襄陽へとねねを送り出したのだが

それが裏目に出て、恋という柱を必死に支えていたねねが、囚われの身の上となってしまった

 

正史の呂布のように、裏切りを繰り返す恋であったなら

仮にねねがこの度のように囚われようとも、何の問題もなかったのかもしれない

 

愚痴を溢しに恋の元へと訪れた部下達がみた玉座の間には、異様な光景が映り出され一様に息を呑んだ

 

恋は先程訪れた文官から手渡された竹簡を強く握り締めており、玉座の椅子に深く腰掛けたままマンジリとも動かず

逆に兵達が焦れた様子をみせ始めた頃に漸く、視線を周囲へと漂わせながら

信じられないような弱弱しい掠れた声で一言呟いたのだった

 

「ねね・・・人質にされた」

 

やっとの事で恋の口から飛び出したのは、ねねを人質にし虜囚の身の上となったという書簡の内容だった

ねねの計画が洩れて捕まったとしか思えないような、劉琮軍に実に似つかわしくもない用意周到さであった

 

ねねが捕まった今となっては、そんな後悔などいくらした所で、ねねが上庸の城へと帰って来れる筈もなく

ねねの存在感を失い、恋の後悔と悲しみは、心の中でより大きくなるばかりであった

 

「ねねを返して欲しくば、南荊州から北上してくる孫呉軍を討て・・・と」

 

呆然自失する恋へ向けて、蒯越の部下である文官は、去り際にこう言い放ち立ち去っていったのであった

 

「「「なんですって!」」」

 

将は急いで恋が落した書簡を拾い上げ、必死に目を通し始め、口々に騒ぎ出した

 

「おのれっ! 卑怯者めがっ!」

「呉と共に一緒に攻めて殺ってしまいましょう! 恋様」

 

狡賢い計画を練っていたねねにも、全く落ち度がなかったとは到底言えないものの・・・

味方の兵達の罵倒は至極最もな反応であり、恋としてもその場にねねを攫った蔡瑁や蒯越がいたなら

何の躊躇することもなく、方天画戟で即刻首を刎ね落としたことだろう

 

恋にとってねねは、大事な軍師であると共に、それ以上に大切な家族でもあった

 

ねねという大切な家族独りの為に、家族である月や詠、セキトや張々を守ってくれた

大恩ある一刀や孫呉の兵達に弓引くことなど絶対したくなかった

 

そして今も尚兵糧不足に喘ぎながらも、こうして着いて来てくれている我が兵に死んでくれとも

恋は到底口が裂けてもいえなかった

 

ならば、このままねねを放置して、劉琮達の手によりねねを殺されてもいいというのか!?

 

そうした板ばさみにあった結果、本来の相談相手であるねねは囚われの身であり

恋はどうして良いのか解らず、生涯において初めて、涙をはらはらと頬を伝い、幼女の如く流したのである

 

この涙をはらはらと流す恋の様子に、怒髪天を衝く勢いだった将兵達も

望まぬ戦いに巻き込まれてしまった事実を受け止めしか、彼らに採れる術など見つかるはずもなかった

 

外交交渉と食料捻出の為という理由があるとはいえ

滅亡寸前の襄陽に不用意に訪れたねねも、捕まったという事にかなりの誤算であったのだろうが

高みの見物と洒落込んでいた呂布軍にとって、寝耳に水の出来事といえた

 

「・・・ねねを失いたくない 皆力を貸して」

 

恋は深々と皆へと頭を下げ、必死に皆に乞うのが精一杯であった

恋は着いて来ている将兵よりも、ねね独りを取ったのだと取られかねない所作といえた

 

だが将兵達はそんな罵声を恋へと浴びせるような事は一切せず

 

「恋様、我ら手で孫呉を退け、家族であるねねを奪い返しに参りましょう」

 

そう皆は恋へ向け笑顔を向けて言ってくれたのである

 

恋は涙を拭いつつ、うん・・・うん・・・とただただ頷くしかなかった

 

ここは追い込まれた劉琮という名の窮鼠が生んだ執念が結実したというべき所なのだろう

孫呉との因縁渦巻く中へと、無理やりに引き摺り放り込まれた格好となった呂布軍の面々は

今や大陸最強と謳われる孫呉軍と対峙すべく、各々出陣の用意を開始するのであった

 

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

●『真・恋姫†無双 - 真月譚・魏志倭人伝 -』を執筆中

 

※本作品は【お気に入り登録者様限定】【きまぐれ更新】となっておりますので、ご注意を

人物設定などのサンプル、詳細を http://www.tinami.com/view/604916 にて用意致しております

 

上記を御参照になられ御納得された上で、右上部にありますお気に入り追加ボタンを押し、御登録のお手続きを完了してくださいませ

お手数をおかけ致しまして申し訳ありませんが、ご理解とご了承くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします<(_ _)>

 

■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 ○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン) 

 

  春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し

  『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた

  優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた

 

  容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である

  祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか

 

 ○張紘 子綱 真名は紅(コウ) 

 

  呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程昱(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる

  張昭と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  ※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。 

   呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です

 

  容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである

  髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが

  その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである

  服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている

 

 ○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)

 

  普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う

  発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する

  このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される

 

  ※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです

 

  容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている

  背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている

 

 ○張昭 子布 真名は王林(オウリン) 

 

  呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる

  張紘と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか

 

  容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである

  眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から

  姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている

 

 ○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)

 

  緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名

  祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする

  部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている

 

  真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・

 

  容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている

  均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである

 

 ○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ) 

 

  荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると

  知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる

  以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま

  呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている

 

  容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女

  (背丈は朱里や雛里と同じくらい)武器は不撓不屈(直刀)真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます

 

  ○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)

 

  『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族

  槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす

 

  容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ  

  胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている  

 

  ○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)

 

  弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが

  一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で徐々に頭角を現し

  後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる 

 

  容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである 

  二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える 

 

  ○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)

 

  朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される

  その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される

  天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為

  未熟であった一刀の補佐にと転属させられる 

 

  初期には転属させられた事に不満であったが、一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に(わだかま)りも消え

  一刀に絶大な信頼を寄せるようになる

  後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している

 

  容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである

  服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・

  と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)  

 

  ○太史慈 子義 真名を桜(サクラ)

 

  能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者  桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し

  騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)

  本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という

  両者の良い処をとった万能型である

 

  武器:弓 不惜身命

  特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く

  隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった

   

  容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子

  眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める

  一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる

 

  真剣に話している時にはござる口調であるが、時折噛んだりして、ごじゃる口調が混ざるようである

  一時期噛む頻度が多く、話すのを控えてしまったのを不憫に思った為

  仲間内で口調を指摘したり笑ったりする者は、自然といなくなったようである

 

 ○高順

 

  「陥陣営」の異名をもつ無口で実直、百戦錬磨の青年 

  以前は恋の副将であったのだが、恋の虎牢関撤退の折、霞との友誼、命を慮って副将の高順を霞に付けた

  高順は恋の言いつけを堅く守り続け、以後昇進の話も全て断り、その生涯を通し霞の副将格に拘り続けた

 

 ○馬騰 寿成 真名を翡翠(ヒスイ)

 

  緋蓮と因縁浅からぬ仲 それもその筈で過去に韓遂の乱で応援に駆けつけた呉公に一目惚れし

  緋蓮から奪おうと迫り殺りあった経緯がある

 

  この時、緋蓮は韓遂の傭兵だった華雄にも、何度と絡まれる因縁もオマケで洩れなくついて回ることとなるのだが・・・  

  正直な処、緋蓮としては馬騰との事が気がかりで、ムシャクシャした気持ちを華雄を散々に打ちのめして

  気分を晴らしていた経緯もあったのだが・・・当の本人は、当時の気持ちをすっかり忘れてしまっているが

 

  この事情を孫呉の皆が仮に知っていたのならば、きっと華雄に絡まれる緋蓮の事を自業自得と言いきったことだろう・・・

 

 ○孫紹 伯畿 真名を偲蓮(しれん)

 

  一刀と雪蓮の間に生まれた長女で、真名の由来は、心を強く持つ=折れない心という意味あいを持つ『偲』

  ”人”を”思”いやる心を常に持ち続けて欲しい、持つ大人へと成長して欲しいと2人が強く願い名付けられた

  また、偲という漢字には、1に倦まず休まず努力すること、2に賢い、思慮深い、才知があるという意味もある

 

  緋蓮、珊瑚、狼をお供に従え?呉中を旅した各地で、大陸版・水戸黄門ならぬ

  ”偲”が変じて”江東の獅子姫様”と呼ばれる

 

 ○孫登 子高 真名を桜華(おうか)

 

  一刀と蓮華の間に生まれた次女で、子供の扱いが分らぬ蓮華の犠牲者1号となり

  早々に侍従長の咲と思春の手により育てられることとなる

 

  そんなエピソードがあるのにも関わらず、聡明な娘で人望も厚く育ち、王となってからは自身の才能をいかんなく発揮させる

  一刀や蓮華に似ているというより、姉である雪蓮に似ているとの蓮華談有り

  後年孫呉の王として、天皇となりし姉・偲蓮を支えることとなる

 

 ●その他武将

 

  蒋欽ー祭の副将、董襲ー楓の副将

  歩シツー珊瑚の副将、朱然ー昔は瑠璃、現在子虎の副将、丁奉ー昔は子虎、現在は桜の副将 周魴ー瑠璃の副将

 

 ○青(アオ)

  白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前 

 

  白蓮から譲られる前から非常に気位が高いので、一刀以外の騎乗を誰1人として認めない 

  他人が乗ろうとしたりすれば、容赦なく暴れ振り落とすし蹴飛ばす、手綱を引っ張ろうとも梃子でも動かない

  食事ですら・・・一刀が用意したモノでないと、いつまで経っても食事をしようとすらしないほどの一刀好き

 

  雪蓮とは馬と人という種族を超え、一刀を巡るライバル同士の関係にある模様

 

 ○狼(ラン)

  珊瑚の相棒の狼 銀色の毛並みと狼と思えぬ大きな体躯であるが

  子供が大好きでお腹を見せたり乗せたりする狼犬と化す

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 

 

【あとがき】

 

常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは 雪月でございます

いつも大変お待たせし、お世話になっております 

 

話の制作速度によっては、外伝をもう1話挟むか悩む流れだったのですけど

どうにか区切りまで進められると踏んで、夏休みが控える前でありますが、本編の内容を進めることに致しました

 

9月終わりにちょっと避けられぬ仕事の締め切りが立て込んでいるので

そこで8月分の夏休みを戴こうかと思っております 

 

なので9月に入ると更新が滞りがちとなりますが、何卒御了承くださいますよう、よろしく御願い致します<(_ _)>

 

この度の話なのですが、荊州編の”触り”だけで、流れを掴んで思い出してもらうだけの予定の筈ががが

とても最初からダークな内容となり、始まったばかりというのに、どんよりとした曇り空といった雪月の心境であります

 

という事で、話は一旦河北で対峙する華琳、司馬懿達から離れまして

漸く孫呉中心の荊州攻めの話へと大きく戻す流れとなりました

 

そしてねねを虜囚とした呂布軍も因縁の戦いに無理やり巻き込まれる結果に

緋蓮率いる北上を開始する孫呉軍と対峙することとなりました

 

はてさて、どういった経緯を辿り完結することになるのやら・・・益々目が離せない状況に陥った感が拭えません

 

これからも、皆様の忌憚のない御意見・御感想、ご要望、なんでしたらご批判でも!と何でも結構です

今後の制作の糧にすべく、コメント等で皆様のご意見を是非ともお聞かせ下さいませ 

 

それでは完結の日を目指して、次回更新まで(´;ω;`)ノシ マタネ~♪

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
13
3

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択