No.697176

バンドを組んだぜ!1

noraさん

MSSP二次創作小説です。

元々、きっくんドリ小説「きっくん+」として考えていたものを普通の乙女向け二次創作小説として小説化しました!!
特徴として

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2014-06-28 17:12:41 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:529   閲覧ユーザー数:526

季節は新緑の季節

窓辺に映る桜の木々もすっかり緑に染まり爽やかな風を、開いている窓から感じられる。

この場所からは、町が一望することが出来るな、と他愛もない事を思いながら、張り詰めた空気をやり

 

すごそうとした。

 

「まったく、彼らは何を考えているのか!」

 

メガネのいかにも教師然とした老人がイライラとした空気を発している。

仕方がない、彼らは何せ自由だから

もしかしたら、今日今ここに来なければいけない煩わしい用事の事なんてすっかり忘れて、異世界で怪

 

獣を一狩りしに行っているのかもしれないのだから。

 

この部屋は、エレキギター部室。

たった2人の二回生部員と顧問だけを残して

数十人いた部員たちは去年さっさと卒業してしまった。・・・はずだった。

 

まさか、幽霊部員がいたなんて

 

それも、有名人の幽霊部員が2人も居たなんて。

 

 

 

1話 出会いのワルツ

 

 

「や、わりーわりー遅れちまったー!!」

ガラッと会議室の扉を開けて登場したのは、軽薄そうな長髪の美青年だった。

注意をしようとした教師の台詞を遮って、青年は部屋に入るなり、わめき始めた

「いやー、今日この部活棟に向かう途中で声掛けられちゃってさあーやっぱり人気者としての宿命には

 

あがら得ないっていうかー、もう行かないで待っての大合唱でもう一歩も進めないって状態になっちゃ

 

って、今ここに居るのも奇跡っていうか、判ります?え、わかんない?」

 へらっと憎めない笑顔で青年が笑いかける。

 部員二人と目が合うと、パチンとウィンクした。

「もう一人の人はどうしたのかね!」

 あきれた様にゴホンとセキをすると、教師は眉間に皺を寄せ言った。

 青年は、手を大きく広げて「やれやれ」のポーズをすると

「FBは、別の打ち合わせで遅れるってきーてまーすっ」

 と、首をフルフル震わせると、部員たちの席の隣に座った。

「まあ、これからよろしくたのむわ、あ、俺きっくんって呼んでくれればいーから」

「あ、あの・・リーダーさんは」

 部員の一人が、青年におどおどと尋ねる。

「あ?FB?もうすぐ来るんじゃね?」

「そうですか・・・」

「君たちはルーズでかなわん。本来なら同好会メンバー全員出席してもらいたいのだがね!」

「しーましぇーん」

 降参のポーズをとり、おどけたポーズで教師に向かって青年は言った。

 部員二人は呆れた様に青年を見て、顔を見合わせた。

 ああ、この人たちは一体どういう人たちなんだろう・・・?

 

 

「いやーもうしわけない!」

 少し間があって、青年に説明のプリントを配布していたその時に、校舎だというのにサングラスをし

 

た青年が会議室の扉を開けて入室してきた。

「遅い!!理由を述べたまえ!!」

「おっせーよFB~」

 教師と青年がサングラスの青年を責めると、サングラスの青年は、すまなそうな顔をして

「いえ、たまたま他のライブハウスの予約と打ち合わせにバッティングしてしまいまして!!本当に申

 

し訳ない!!」

 と言って教師に頭を下げた。

 部員の一人がどういった声を掛けるべきか迷った。

「えっと・・」

「あ、あいつがFB。リーダーなんだぜあれで」

 間をおかず、青年はニヤニヤと笑いながら部員二人に教えた。

 

 


 
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