No.694528

小説12

H@さん

過去の出来事や思い出を小説にして見ました。また多少アレンジもあります。教養とたしなみで小説を勉強しています。><

2014-06-16 19:48:59 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:311   閲覧ユーザー数:311

「お腹すいたね」澄がそう言った時時刻は既にお昼を回って夕方の晩御飯時に近づいていた。「じゃあ、どこで食べようか?」と一緒に行動を共にしていた友人が尋ねると、「いつもファーストフードばかりじゃ飽きちゃったね」と澄が言うので、「じゃあ、何が食べたいの?何処で食べようか?」と友人が聞き返すと、いつも澄は決まってこう言っていた。「じゃあ、あそこに見えるスーパーマーケットに行って食べたいもの何でもいいから取ってきてよ」とそう言っていたのだ。

 

つまり、それはもしかして、取ってきてと言うことは買うと言う意味とは違うのだから、スーパーの中に置いてあるものを買わないで取ってくることだから言うなれば万引きということに結びつくのではないか?とっさに頼まれた友人の方がそう感づいて、サッと身を引きかけたのだが、既に時は遅かった。

 

「何もたもたしてんの早く取ってきてよ!」と澄が騒ぎ出したのだ。状況がこうなるともうどうすることもできなくなっていた。うるさいしギャンギャン騒ぐし、まともに正常に話し合える状況ではとてもなかったのだ。

 

「でも・・・それって万引きじゃ・・・」と友人が思わず言い返しても「お金がないんだから仕方ないじゃん、大丈夫だよ何も言われないって」と絶対的自信に満ちた表情で言い返してきたから空恐ろしかった。そういった態度はいつものことだった、殆ど毎日そうだった。そして、不思議と毎日のように京都のある場所にあるスーパーマーケットに行って必要な食材を取る時に一度もそこの定員に声をかけられたことがなかったのも妙に不思議だった。

 

そうかと思えば、ある時は、万引きなんて絶対によくない、どんなに貧しくとも―と言っても澄はこの時期に既に貯金額が一千万は軽く超えていたのだ、貧乏と言う訳では絶対になかったのだ―人の道に外れたことはしてはいけない、そう思ったのか、そうではなくて単に開き直ったかのようにそそくさとパソコンでメール出会い系をして男を誘い出してスーパー前まで呼び出すと(なんだか知らないけどすごく反応が良いのだ、呼べばすぐ飛ぶように男が飛んできたのだ、実は友人と行く前にも京都に行ったことがあるに違いないと思う)あれもこれも、それもといった感じで欲しいものを全部今来たばかりの男に買い物させていた。

 

買い物が終了すると、その後はすぐに京都の南座の近くにある澄と同行している友人の住処であるコーポに買い物をした男も買い物袋と一緒にかけこんで具材で作れる範囲の好きな料理を作ってみんなで食事したり男がそのまま帰ってしまったら友人と二人で食べていた。正直言って、買い物だけ終わって住処に運ぶとそのまま帰ってしまう男も多くて、二人だけで食べることも多かったのだが、そういう時に限って何故か澄の機嫌はすこぶる悪かった常に大勢でタムロしてパーティーみたいな状況やムードが大好きな澄にとってせっかくみんなで集まれたのに用が終わると帰られてしまうのがとても面白くなかったのだろう。


 
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