No.694221

~ISD~インフィニット・ストラトス・ディメンション

プロローグ

2014-06-15 18:39:47 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2963   閲覧ユーザー数:2849

俺は家族が嫌いだ。

 

自分たちを捨ててどこかへ消えた両親と、

家の中だとこの上なくだらしのない人だが、それ以外……特に身体を動かす類のものならば化け物滲みた姉。

大抵のことは良く出来ていたが、性格的な問題で異常だった弟。

 

最初は彼女の弟として、また兄として恥じないように頑張った。勉強も、家事も、とても小学生のそれとは思えないほど必死になった。

強くなるために剣道も始めた。そこで師範の娘を圧倒できるくらいの屈指の実力をつけた。

 

……それでも、姉や弟と比べてしまうとどうしても見劣りしてしまっていた。そのせいで周囲の人や弟には散々恥曝しだのと見下されて嫌味を言われてしまっていた。

姉に相談しても、「私の弟だからできる」の一点張りでろくに話を聞いてすらしてくれない。

物心付いた時からかもしれないが、その時から家族が大嫌いになっていた。

 

そして、あの事件が起きてしまった。

 

『白騎士事件』。

 

幼馴染みの姉が造り上げたという、従来の兵器を凌駕する飛行パワードスーツ、『インフィニット・ストラトス』通称IS。

それが日本に向けられて発射された2000以上ものミサイルを撃ち落とし、一軍規模の兵力を一人の死者も出さずに無力化したのだ……

たった一人と、一機のISの力で。

まさにISは誰もが認める最強の兵器だった。

しかし、ISには兵器として致命的な欠点が存在していた。そう、女性にしか扱うことができないのだ。

『誰にでも扱える』。それが兵器として扱うことにおいて最低条件であり、故に致命的だった。

そのせいで世界は女尊男卑社会へと移り変わり、男はまるで奴隷のような……昔で言う穢多(えた)や非人のような扱いになった。

 

さらにISを使った世界大会、『モンド・グロッソ』において姉が優勝を果たしてしまったおかげで、姉や弟に見える部分が劣る俺の肩身はさらに狭くなった。

弟の態度はさらに酷くなり、姉は相変わらずの態度でますます家族が嫌いになっていた。

家出をしなかったのは、金銭面という現実の問題に、俺のことを案じてくれたもう1人の弟と妹という存在があったからだ。

金があって、あいつらが望んでさえくれれば俺はとっくにこんなところ、家出していたさ。

「……どうだ?」

 

「くっ……もう、少しだ…………よし、切れたぞ」

 

姉が二回目のIS世界大会に出場する事が決まり、弟と妹に加え、親友の五反田弾と共に嫌々ながら決勝戦が行われる会場に向かうこととなった日。

俺たち四人は、見知らぬ輩たちに誘拐されてしまった。

 

姉が助けに来てくれる可能性もあったが、あの弟、四季や政府が素直に彼女へ知らせてくれる保証はどこにもなかった。だからこうして自力で脱出することにしていたのだ。

近くに落ちていたガラスの欠片で縄を切り、まだ目が覚めていない弟の春十と妹の秋七を二人の背に背負う形で気付かれないように脱出を図る。

ただの一般人であるということが幸いして、縛りが縄の上に見張りも甘かったのが幸いだったのだ。

 

「一夏、どうだ?」

 

「何とかいけるかもしれない……何もなければ、の話だけどな」

 

どうにか建物の外に移動することは出来たが、外側に見張りが多いせいで物陰から飛び出すことさえ叶わないのだ。

 

「おい、織斑千冬が大会に出ているぞ!しかも織斑四季も会場に居やがる!」

 

すぐそばの部屋から誘拐犯の声が聞こえてくる。

 

「んなバカな!?確かに男を三人、女一人誘拐したはずだぞ!?」

 

「まさかあの赤毛……ダチか何かか!?だったらどうすんだよ!」

 

「……出場したら弟たちは殺すと伝えたんだ。赤毛のガキ共々始末しておくぞ」

 

不味い!このままだと逃げてるのがバレて皆殺されちまう!

そう思った俺は逃げ場を探そうと辺りを見渡してみたが、そこでさっきまではなかったはずの光景が見えた。

それはまるで、風に吹かれた水面のように波打っている鏡のように宙を浮いていた。

試しに手で触れてみると、鏡のようなものは波の中に消えていった。けれども、引っ込めると手は何ともなかった。

何となく、それがどこかへと続いているような気がした俺は意を決した。

 

「……これに飛び込むぞ」

 

「お、おい正気かよ!?」

 

「このままだと皆殺される」

 

「……クソ、神様仏様大魔王様!」

 

こうして俺たち四人は揃って鏡の中に飛び込んだ。

 

その数十分後。優勝を果たした織斑千冬とドイツ軍の部隊が現場に駆けつけたときには、誘拐された織斑一夏、春十、秋七、そして親友の五反田弾の姿はどこにも見つからなかった。

千冬に頼まれて篠ノ之束も総力をあげて四人の捜索に動いたのだが、結局四人の所在を掴むことは叶わなかった。

それもそのはずだ。何せ四人は……

すでにこの世界から消え去ってしまったのだから

え~、突然ですが今描いてる作品。

OOにSEEDは機体性能的な問題でアウトなんだということを知ってちょっと書き直そうと思うんですが、皆さんはどう思いますか?このままSEEDにOO機体やっちゃってもいいのなら続けますし、苦戦がないなら書き直した方がいいと思うのならそうしますし


 
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