No.693757

ゼロのメイジと紅蓮の子 第2話『説明』

真庭銀孤さん

紅蓮の子を含め、刀祢は説明し、過去を語る。

2014-06-14 01:51:36 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1930   閲覧ユーザー数:1888

コルベール先生の案内のもと、俺とルイズ、バハムートは学園長室へ向かっていた。俺の過去やレムギア大陸、紅蓮の子など説明すべきものが多く、他の生徒にあまり知られたくないため、場所を移すことになり、学園長室がその場に選ばれたのだ。バハムート以外の使い魔はゲートに戻し、バハムートは本来の姿じゃデカすぎるから人の姿へと変化させた。レムギア大陸へトリップする要因となった女神から貰った能力があってよかったと思う。

 

 

「ねえ」

 

「ん?」

 

「バハムートを人の姿にしたのって魔法なの?」

 

「いや、魔法っつうより俺特有のアーツ、特殊な技だ。アーツも説明するから少し待ってな」

 

「ええ。じっくり話してもらうわ」

 

「着きましたよ。学園長、ミス・ヴァリエール彼女が召喚したじん……」

 

 

コルベール先生が扉を開けてすぐ閉めた。一瞬見えたのはオールド・オスマンが秘書のロングビルに踏まれてる光景だった。ルイズを見ると、首を傾げていたが、バハムートは見たのかこっちに「あれが学園長なのか?」と言いたげな目で見てきたので頷くと本日二度目のため息を吐いた。

 

 

「一回ボム飛ばすか」

 

「やめい」

 

「「ボム?」」

 

「使い魔の一体で生きた爆弾」

 

「やめなさい!!」

 

「では応接室で話しましょう」

 

 

また移動することになった。

「それじゃ、まずは紅蓮の子について…」

 

 

応接室に移動し、後から入室したオスマンを交えての説明を始めた。ちなみに俺は片側のソファーの真ん中、右側にバハムート、左側にルイズが座っており、対面にはオールド・オスマンが座っており、左斜め後ろにコルベール先生が立っていた。

 

 

「紅蓮の子は俺の故郷で暴虐の限りを尽くした紅蓮皇帝と同じ力を持つ者で、特徴としては片目に赤い瞳がある事。紅蓮の子の一人である俺も右目が赤いってわけ」

 

 

右目を指差すと、ハルゲギニア組は「成程…」と頷く。

 

 

「紅蓮皇帝と紅蓮の子には共通の力がある。それが、アルカナの力。アルカナは紅蓮の子の指導者の元いた世界を創世した神の心臓から生み出された紅蓮の石で膨大な力を持っている。たった一つだけで世界を支える程に…」

 

「ではミスタ・ヤクモはその力を使えるというのですか?」

 

「俺を含めて紅蓮の子らは不完全なものだがな。けど、バハムートみたいな星と共に生きてきた存在を使い魔として使役することはできる」

 

「星と共に生きた竜……。韻竜とは比べ物にならんのぅ…。その存在を使い魔にすることができるお主も規格外じゃがの……」

 

 

スケールのデカさには流石の大魔法使いも顔を引きつらせる。ルイズを見ると、理解はしているが召喚したのがそんな存在だったのに驚愕していて動揺していると思わせる顔をしていた。一方、コルベール先生は過去の出来事を思い出したのか、やや暗かった。

 

 

「紅蓮の子についての説明は以上だ。次はルイズのリクエストでアーツとアビリティの説明だ」

 

「…ハッ。そういえば、移動中に言ってたわね。アーツって何なの? あとアビリティも」

 

「アーツもアビリティもマナを使って初めて使える特殊な技と能力。アーツは時間を掛ければ何度も使える技。アビリティは一種の潜在能力ってとこだ。俺はアーツが強化系でアビリティは相手の弱体化と召喚に必要なマナの使用量の軽減。バハムートは移動の速さが上がるアビリティを持っている」

 

「あの巨体が速く移動するのですか……」

 

「口を開くだけで巨大な土地一つを丸々喰うことができる神殺しの狼とかに比べればマシだと思うが……」

 

「貴方はどんな世界にいたのですか…?」

 

「二年前までは戦争ばっかだった世界さ」

 

 

その一言で室内の空気が重くなる。それを感じ取りながらも俺は話を続けた。

 

 

「ここからは血生臭い話が主になる。ルイズ、聞く覚悟はできてるか?」

 

「…できてるわ。でなきゃ、ここにいる意味がないもの」

 

「…そうか」

 

 

俺はレムギア大陸での出来事を話した。

元々普通の学生だったはずの俺がレムギア大陸にトリップし、紅蓮の子としての力を覚醒して第二の故郷を守るために戦ったこと。反乱軍に入り、紅蓮皇帝の刺客から無力な人々を守り、手先を殺したこと。敵だった紅蓮の子を助け、仲間に引き入れる為に無茶をしたこと。紅蓮皇帝の外道っぷりにキレて使い魔達と共にフルボッコしたこと。復興を手伝っていたこと。

全てを話した後、息を吐いた。

三人(と言うかルイズ)は表情を何度も変えたが、フルボッコの件のみドン引きだった。

 

 

「この事は他言無用にしよう。王宮に報告したら戦の道具として扱われるだけじゃ」

 

「そうですね。ミス・ヴァリエールも注意してください」

 

「はい」

 

「あとは契約だよな…」

 

「そうね…、ッ!?」

 

「ルイズ? ッ!」

 

「刀祢!」

 

「ああ。この気配、ロードだ!」

 

「「なんですと!?(なんじゃと!?)」

 

 

契約についての問題をどうしようかと話題を振ろうとした瞬間、ルイズが右目を抑えた。俺は俺でロードの力を感じ取り、応接室の窓から飛び出した。着地して顔を上げると…

 

 

「オイオイ、冗談キツ過ぎだろ?」

 

 

騎士の姿をした竜と足の途中から顔のない四足の怪物となっている女性のような化物と言えるもの。

レムギア大陸で色々とお世話になったドゥクス-リシアと紅蓮皇帝―ニドがロード・オブ・ヴァーミリオンとなる前に戦ったロード。【混沌の竜騎士 グレンデル】と【混沌の女神 ティアマト】。原作のⅠとⅡのラスボスたる2体がそこにいた。


 
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