No.692190

真・恋姫†無双 裏√SG 第1話

桐生キラさん

どうも、二週間振りです!
Second Generations 夏候覇伝其一になります

2014-06-07 13:08:34 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2675   閲覧ユーザー数:2270

 

 

 

 

 

私の名は夏侯覇。真名は秋菜という。東零士を父に持ち、夏侯妙才を母に持つ者だ。

今日語るのは、そんな私の職場での一日だ

 

私の職場は許昌の城内にある治安維持部隊、通称警邏隊であり、

私はそこの隊長を務めさせてもらっている。

この地位に来るまで、かなりの努力を費やしたものの、師に恵まれていたこともあり、

15と言う若さで今の地位まで上り詰めた

 

凪紗「おはようございます、隊長!」

 

隊舎にやって来ると、私の妹であり、補佐官である楽綝こと凪紗が挨拶してきた。

凪紗は普段、秋菜姉さんと呼んで来るのだが、仕事中は隊長と呼んで来る。

公私を分ける事は良いのだが、少しだけ惜しいという気持ちも、無きにしもあらずだった

 

秋菜「おはよう、凪紗。早速、今日の予定を確認しよう」

 

凪紗「はい。あ、ですが、まだ王異さんが来ておりません」

 

秋菜「それはいつもの事だろう…」

 

凪紗「それもそうですね」

 

私は凪紗と共に自室に行き、お互い手帳を開いて予定の確認を執り行う。

これが、私の最初の仕事だ

 

凪紗「大まかな流れですと、本日は1番隊の半数と2番隊が午前に訓練が入っており、

午後から街の巡回。1番隊の残り半数と3番隊がその逆の予定となっていますね」

 

許昌の警邏隊は母の代から三つの部隊に分けられており、

現在は私の1番隊、凪紗の2番隊、王異の3番隊という三つの部隊で構成されている。

ちなみに、隊長と言うこともあり、1番隊の構成人数は他の隊の1.5倍になっている。

故に平時は半数に分けて行動する事が多い

 

秋菜「今日の訓練担当は凪さんだったな」

 

凪紗「はい!母さ…いえ、凪様です!」

 

凪紗は少し嬉しそうにしていた。どうやら訓練が楽しみのようだ

 

 

 

 

「おくれましたー」

 

予定を確認していると、一人の女性が入ってくる。

かなりの美人なのに、常にダルそうな表情、

肩に付くくらいの長さの金髪が特徴の私の補佐官、王異だ

 

秋菜「あぁ、遅いな友紀〈ゆき〉」

 

友紀「うっ…真名で呼ぶなよ…」

 

王異の真名、友紀というのだが、友紀は真名で呼ばれる事に苦手意識があるらしく、

曰く「なんか恥ずかしくなる」とのこと。ちなみに友紀、私より2つ年上だったりする

 

凪紗「遅れた罰ですよ、友紀さん」

 

友紀「お前まで…あー、はいはい、すみませんでしたー。以後気をつけます」

 

全く誠意を感じられないこの謝罪も、今日で何百回目だろうな

 

秋菜「はぁ…そんな感じだから、友紀より先に私が隊長になるんだぞ」

 

友紀は私の先輩ではあるが、朝が弱くて毎日寝坊すると言うことで副官止まりだったりする。

本人の能力はかなり高いはずなんだが

 

友紀「いいよ別に。私は適当にやって、金貰えて、あんたらの店で一杯やれりゃ幸せなの」

 

そして向上心もあまりない

 

凪紗「凄い人なはずなのに、どうして普段はこうなんでしょう?」

 

秋菜「残念美人とは、こいつの為にある言葉だな」

 

 

 

 

友紀「んだよ、今日は妹に付かないで、こっちに来たのかよ」

 

秋菜「あぁ、悪かったか?」

 

私は友紀と共に警邏にやって来た。凪紗一人に任せるのは心配ではあったが、

今日の訓練担当は凪さんだし、なんとかなると判断したのだ。それに…

 

友紀「チッ、サボれねぇ」

 

秋菜「だと思ったよ…」

 

今日は友紀の監視だ

 

友紀「はぁ…めんどくせぇが、仕方ない。3番隊!半分は西区、半分は南区を担当しろ!

常に三人一組で行動。住人を威圧しないように友好的に接する事を忘れずに!」

 

こういう、きっちりした指示を与える事も出来るはずなんだがなぁ…

 

秋菜「1番隊は東区と北区を担当!武具の携帯は許可しない。

必要であれば詰所から持ち出せ!そして、我らの仕事は傷つける事に非ず、

民を助ける事にある!それを常に意識し、行動するように!では、各自持ち場につけ!」

 

兵士s「ハ!」

 

兵士はそれぞれ、キビキビとした動きで各自の持ち場について行った。

それぞれが使命感を持って話し合い、考え、三人一組を作っていく。

許昌警邏隊は厳格ではあるが、構成員全員の仲が良い事もあり、とても雰囲気は良い。

これにより、父が言うところのチームワークはかなり高い組織となっている

 

友紀「なぁ、中央区に人を割かなかったのって…」

 

秋菜「もちろん、私とお前で行く為に決まっているではないか」

 

友紀「ちくしょう…逃げられねぇか」

 

こいつは最後まで真面目に仕事してくれないのだろうか…

 

 

 

 

民1「あら、こんにちは夏侯覇ちゃんと……あらやだ、どうしましょう。

王異ちゃんが仕事してるのに、洗濯物干して来ちゃった」

 

民2「なに!?そりゃまずい!俺も今日、魚の干物作るつもりで仕込んでいたのに!」

 

民3「おいおい勘弁してくれよー。今日は遠出するってのに」

 

街に出てすぐ、住人から信じられないものを見たという目で見られてしまった

 

秋菜「おい、お前どれだけサボっていた?」

 

友紀「おいおい、とても先輩に使うような言葉使いじゃあないなぁ」

 

秋菜「元先輩だろ。今は私の部下だ。それで、どれだけサボっていた?」

 

友紀「バッカ、サボってねぇよ。街の皆さんと仲良くなる事も大切だろ?

だからちょーっとだけ、いろんな人の相談に乗ってあげたんだよ」

 

こいつが許昌の住人と仲が良い事は知っている。知ってはいるのだが…

 

民4「あ、王異ちゃん!今日はこの後どうする?いつもの雀荘にしとく?」

 

友紀「うえ!?あ、いや!今日はこれから仕事なんだ…」

 

民5「めっずらしー!最近はいつも私達に付き合ってくれたのにー。

まぁいいや、またね王異ちゃん!」

 

秋菜「………なにか、言うことは?」

 

友紀「…楽しかった!」

 

秋菜「減給」

 

友紀「ヒデェ!」

 

当たり前だ、馬鹿

 

 

 

 

民6「あ!夏侯覇さん!ちょうどよかった!ちょっと助けてくれ!」

 

秋菜「どうかしましたか?」

 

街を歩いていると、住人の一人に呼び止められる。どうやら事件らしい

 

民6「うちの店で飲んでる人が手の付けられない人でして…」

 

酔っ払いか。昼間っから良いご身分だ

 

友紀「なんて羨ましい!とっちめてやる!」

 

そんな私情の入った理由でとっちめるのも、どうかと思うがな

 

民6「こちらです!」

 

案内されたのは、ちょっとした酒屋だった。私と友紀は中に入り確認する。

そこには、まぁなんというか、頭が痛くなる光景が広がっていた…

 

秋菜「何をしているんですか、張遼将軍…」

 

霞「お!アッキー!それにユッキーも!こんなとこでなにしとるん?」

 

手が付けられないって、こういうことか…

 

秋菜「それはこちらの台詞です。こんな昼間から、どんだけ飲んでいるんですか?」

 

辺りには、空になった酒の容器が散らばっている。いったい何升飲んだというのだ

 

霞「いやぁ、今日は非番やし、朝から飲もかなぁ思ててん。

アッキーとユッキーも飲もうよー!」

 

友紀「あ、じゃあお言葉に甘えて…」

 

 

バシッ

 

 

友紀「いった〜!殴る事ねぇだろ!」

 

私は席に着こうとする友紀を殴り止める。

全く、こいつまで飲み始めたら、この店を潰しかねない

 

秋菜「我々は仕事中ですので。友紀も何誘いに乗っているのだ」

 

友紀「いや、せっかく張遼将軍に誘われたから、断るのはいけないかなって」

 

霞「せやでー、上にはウチから言うとくから、飲もうよー」

 

友紀「ほら?」

 

秋菜「ほら?じゃないわバカ!それと張遼将軍、あまりこいつを甘やかさないで下さい。

ダメになるので」

 

霞「ちぇー、アッキーはお堅いなぁ」

 

友紀「お前は私のオカンか」

 

秋菜「私より年上の子どもが居てたまるか!」

 

まったく、こいつは…

 

秋菜「それと張遼将軍、お酒はほどほどに。店から苦情が出ています。

あまり酷いようなら、父上に頼み『晋』の出入りを制限させていただきます」

 

霞「げ!?そ、それだけは堪忍してや!」

 

友紀「うっへぇー、そりゃ、ヒデェや」

 

秋菜「お前もだ友紀」

 

友紀「よっし、今日もお仕事楽しいなぁ。張遼将軍!お酒はほどほどにしましょう!」

 

この二人がちょろいのか、『晋』が凄いのか、わからないところだな

 

 

 

 

凪紗「へぇー、霞さんがいたんだ」

 

昼食時、私と友紀は凪紗と合流し、凪紗行きつけのとある飯店にやって来て居た

 

友紀「お前、相変わらず毒々しい程赤い麻婆豆腐を食うんだな」

 

凪紗は凪さんに似て、辛い物が大好きなようで、ここの麻婆も凪紗仕様に工夫されていた。

私達のは普通の料理だ

 

凪紗「辛い物こそ至高!これが母さんとの家訓です」

 

友紀「楽進将軍か。お前ら親子の味覚が狂ってるってのはわかった」

 

姉妹である私ですら、友紀の言には同意だった

 

秋菜「そういえば、今日の訓練は何をやったのだ?」

 

凪紗「はい、今日は母さんが担当したこともあり、

素手による格闘術及び将軍相手の模擬戦が中心でした。

また、今日は季衣さんも訓練に参加してくれたので、なかなか密度のある内容でした」

 

ほう、季衣さんがいるのか。それはまたなんとも

 

友紀「マジかよぉー、許褚将軍かよぉー、ダリィなぁー」

 

秋菜「お前なぁ…やれば出来るのだから、もう少しやる気を出してくれ」

 

友紀「私がやらないってのは、それだけ平和だって証拠なんだよ。

私が真面目に仕事してみろ、きっと街の皆は不安になるだろうよ。

私でも働かなきゃいけない事態なのかってな」

 

秋菜「それは…」

 

確かに、そうかもしれないが…

 

秋菜「街の人達にそんな印象抱かせてしまうほど、仕事をしていないっておかしいだろ…」

 

やはり頭が痛くなりそうだった

 

 

 


 
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