一刀達が白蓮の陣営に入り、半年が経過した
その間に幽州は、一刀の新しい制度を取り入れ続け目覚しい発展を遂げ続けた
天の御遣いが幽州に居るという噂は幽州を飛び出し、大陸全土に響き渡るほどにまで至る
税金が安くなり、更には治安もいいということもあって商売がやり易いと噂が噂を呼び、この幽州にはかなりの人が集まっていた
そんな中で事件は起こる
一刀「・・・・・・・・・・」
カカカカカカカカ!
鈴々「なぁなぁお兄ちゃん、それ何しているのだ?」
一刀「ん?市場の税収の計算だよ」
机に向かって左手で筆を走らせながら、右指で机を叩く一刀
ちなみに一刀は、この幽州で文官を始めてから執務をする時は文官達と同じ服装をしている
よって、見た目は他の文官達と変わらない
桃香「そんな指で叩くだけで計算できちゃうなんて、一刀さん本当にすごいね♪」
一刀「俺の頭の中には計算機があって、それを机を指で叩くことによって動かしているんだ」
愛紗「計算機?そんなものがあるのですか?」
一刀「あくまで俺の想像の中の代物だよ・・・・・よし、これで終わり」
その計算機とは算盤のことだが、この時代にはそんなものはないので説明は難しいだろう
実際、幽州の職人を訪ねて作ってもらおうとしているのだが、技術的な問題で制作には至っていない
菖蒲「失礼します、一刀様」
扉のノックと共に菖蒲が一刀の執務室に入ってくる
一刀「お疲れ様、部隊の訓練はどんな感じだ?」
菖蒲「はい、幽州の治安は日に日に良くなっていますので、かなり充実しています」
愛紗「しかし、よろしいのですか?一刀殿の部隊は訓練の仕方を見直した方がよろしいのではありませんか?」
一刀「いいんだよ、俺の部隊は戦う為の部隊じゃないからな」
そう、一刀の部隊は主に治安維持の為の部隊であり戦うことを目的として訓練を施されていない
美花「その代わり、菖蒲さんの部隊は攻撃と守備となんでもござれな部隊に仕上がっていますからね」
鈴々「鈴々の部隊も菖蒲の部隊に負けっぱなしなのだ・・・・・」
愛紗「鈴々の部隊は、攻撃に重きを置き過ぎているからな」
美花「はい、そんな偏った部隊では、一度策にはまれば強いでしょうけど、攻略の仕方を見抜かれてしまえば終わりですからね」
鈴々「うぅ~~~~・・・・・」
菖蒲「そ、そんなことはありませんよ、鈴々さんの部隊の攻撃力は、私も驚かされることがありますから」
そんなお互いの部隊の批評をし合っていると
星「皆!ここにいたか!」
いきなり扉が開いたと思いきや星が雪崩込んできた
美花「星さん、一刀様の部屋に入る時はノックでしょう?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
星「うっ!?・・・・・これは失礼した・・・・・」
桃香「あうう、美花ちゃん怖い・・・・・」
普段おしとやかで、礼儀正しく優しい侍従長といったイメージがある美花だが、一度決められたルールは厳格に守るところがあるので、こうして他人がそのルールを破ると厳しい目を向ける
そのため、例え星でも美花には頭が上がらない時があった
星「それより、白蓮殿が呼んでいる、全員玉座の間に来てくれ」
桃香「白蓮ちゃんが?どうして?」
星「来ればわかります、とにかく至急お願いします」
一刀「わかった、こっちの仕事も一段落しているからな、すぐに行く」
そして、一刀の執務室を出た一同は、玉座の間へと向かうのだった
一刀「・・・・・(そろそろ来る頃なのか)」
白蓮「おお皆、急に呼び出してすまない」
桃香「ううん、そんなこといいよ」
鈴々「何があったのだ?面白いことか?」
白蓮「面白いかどうかは分からないが、最近妙な連中が世間を騒がせているんだ、それについて皆の意見を聞きたい」
一刀「もしかして、黄色い頭巾を被った一団の事か?」
白蓮「え!?なんで知っているんだ!?」
一刀「前に報告書にそういった一団のことが記載されていたからな」
桃香「あは♪流石一刀さん♪そういった情報はすぐに一刀さんの耳に入るんだね♪」
本当のところは違うのだが、そういうことにしておこう
白蓮「そう、その黄色い頭巾を被った一団なんだが、最近になって冀州や青州で勢力を拡大しているらしいんだ」
星「その矛先は、この幽州にまで伸びようとしている、実際我が国の部隊が関所沿いに数度その黄色い一団と衝突していますからな」
一刀「・・・・・黄巾党か」
愛紗「?・・・・・黄巾党?何ですかそれは?」
美花「また天の知識ですか?」
一刀「まあそんなところだ、俺のいた世界でも同じようなことは起きていたしな」
桃香「一刀さんの世界でも、戦争はあったんだね・・・・・」
一刀「俺のいた国でも昔はあったんだけど、俺が生きていた頃は戦争は無かったからな」
星「だから一刀殿は、人を殺すことを極端に嫌がるのですな」
一刀「俺の国では、それは紛れもない犯罪だからな」
鈴々「でも、そんなこと言っていられないのだ」
愛紗「その通りです、我々も黙って死ぬ訳にはいかないのですから」
一刀「・・・・・・・・・・」
黄巾党が出てきたということは、今までやってきたような賊を捕まえ憲兵に突き出すというやり方は難しくなってくる、なにせ数が違い過ぎるのだ
なんとしてもこれ以上勢力が拡大する前に手を打たねばならない
せめて大元を絶つことが出来れば一気に解決の糸口が見つかるのだが
星「ふむ、いつまでも黄色い集団と言っていても仕方がありませんので、黄巾党という名は覚えておきましょうか」
愛紗「では、その黄巾党の指導者は誰なのですか?」
白蓮「いきなりそれが分かれば苦労しない、なにせかなりの数という情報だからな」
一刀「指導者は3人、張角、張宝、張梁の三人だ」
桃香「すっご~~い!そんな事までもう知っているんだ!」
一刀「兄弟か姉妹かまでは分からないけどな」
この世界だと十中八九姉妹でありそうだが
一刀「とりあえず、この黄巾党について説明しよう・・・・・黄巾党は、朝廷の圧政に耐え切れず決起した民達だ」
桃香「ええ!!?」
愛紗「民が反乱を起こしたのですか!!?」
星「まぁ、遅かれ早かれいつかはそうなると予想していましたがな・・・・・」
一刀「本来なら彼らは、漢王朝のみを攻撃するつもりだったんだが・・・・・悲しいことに、混乱のどさくさに紛れ彼らの中に山賊やら盗賊やらが紛れ込んでしまう事になる」
白蓮「なるほど、そうなってしまえば彼らは漢王朝とは関係無い人間まで襲うようになってしまうか」
一刀「ああ、当然彼らを殲滅するために諸侯が動き出すだろう」
桃香「そんなの駄目!!一刀さん、なにか止める方法はないの!!?」
一刀「・・・・・一度始まってしまった闘争を止めることは難しい、だからさっき言っていた張三兄弟か姉妹を捕まえる事が出来ればいいんだが」
美花「難しいですね・・・・・」
菖蒲「ええ、どこに敵の本陣があるか分かりませんから」
鈴々「簡単なのだ、全員ぶっ飛ばしてやればいいのだ♪」
華佗「そんなことをしていると、こっちの被害もでかいぞ」
桃香「漢王朝を攻撃するということは、洛陽の天子様が心配だよぅ・・・・・」
一刀「今の帝は、霊帝だったな」
白蓮「ああ・・・・・それがどうしたんだ?」
一刀「一応聞いておくけど、どんな帝なんだ?」
白蓮「そんなこと知るはずがないだろう!一つの州の太守である私でも、帝とお会いできる機会なんてそうそうあるものじゃないんだ!」
一刀「それじゃあ女性か?男性か?」
白蓮「女性だ・・・・・って、一刀って時々おかしなことを聞くよな」
愛紗「ええ、我々が思いもしないような知識を数え切れない程持っているにも関わらず、こういった当たり前な事も知らない事が多い」
鈴々「桃香お姉ちゃんと同じで世間知らずなのだ♪」
桃香「も~~鈴々ちゃん!私そこまで天然じゃないもん!ぷんぷん!」
美花「文官の試験を受けなくてよかったですね♪」
一刀「うっ・・・・・それもそうだな・・・・・」
仕方ないといえば仕方ない、なにせ主要な武将や軍師の性別が逆転しているのだ
こういったことも聞いておかなければ今後の行動を決める上でも支障が出る
星「ふむ、帝が女性でなければならないことでもありましたか?」
一刀「いや、そんなことはないけど」
星「なんだつまらない、てっきり洛陽の禁中に侵入して帝を懐柔してしまおうという魂胆かと思いましたがな♪」
桃香「ええええええええ!!!?」
鈴々「お兄ちゃんそんなこと考えていたのか!!!?」
白蓮「いくら一刀でもやっていい事と悪いことがあるぞ!!!」
愛紗「天誅ーーーーーーーー!!!!!」
一刀「うおっ!!?いきなりなにするんだ!!?」
不意打ち気味に飛来する冷艶鋸の斬刃を白刃取りで受け止める
桃香「いくら一刀さんでも許せないよ!!」
愛紗「今のうちにその首撥ねてくれる!!」
一刀「いちいち星の言うことを真に受けるなよ!!そういったからかいは今後しないでくれ星!!冗談が通じない連中がここに約四名いるんだから!!」
星「くくくく♪分かりましたとも♪」
どうやら止める気はないようだ
桃香「あうぅ・・・・・ごめんね一刀さん・・・・・」
愛紗「一刀殿の人柄は知っていたのに・・・・・申し訳ありません・・・・・」
白蓮「本っ・・・・・当にすまん一刀!今まで散々世話になっているのにこんな仕打ちをして・・・・・」
鈴々「三人共早とちりし過ぎなのだ♪」
菖蒲「それは、鈴々さんが言うことではないかと・・・・・」
美花「私は、いつでも懐柔される準備は万端ですよ♥♥♥//////////」
華佗「一刀もある意味苦労人だな・・・・・」
そんなこんなで会議とは言えない会議をしていると
「申し上げます!」
いきなり白蓮の兵が玉座の間に入ってきた
白蓮「なんだ!?」
「ただいま冀州より使者が参られています!」
白蓮「冀州って・・・・・麗羽の所からか?」
鈴々「にゃ?誰なのだ?それ」
白蓮「袁紹本初、昔からの腐れ縁だ・・・・・嫌な意味でのな・・・・・」
愛紗「あの漢王朝の名家と名高い袁家か」
菖蒲「嫌な意味での・・・・・ですか?」
白蓮「ああ、あらゆる面でのな・・・・・」
一刀「(そりゃあ公孫賛は袁紹に滅ぼされているんだ、あらゆるどころか全ての面で嫌な意味だろう)」
そういった歴史を知っていて、かつこの幽州に仕官している一刀からすれば、余りにくだらなく迷惑千万な話である
白蓮「分かった、通してくれ」
そうして、兵に通され入ってきたのは
???「お久しぶりです、白蓮様」
白蓮「久しぶりだな、斗詩」
入ってきたのは、金色の鎧を着た短髪の少女だった
星「こちらは何者でしょうか?」
白蓮「彼女は顔良、袁紹の側近の一人だ」
一刀「(彼女が顔良か・・・・・)」
こんな可愛い女の子が歴史に名を残す武将だとはとても信じがたいが、今までのことや回りにいる娘達のことを考えると、これも受け入れなければならない事と思い知らされる
白蓮「真直は、あいつも相変わらず苦労しているのか?」
斗詩「ええ・・・・・なんとか袁家のために頑張っています・・・・・」
白蓮「本当にお前達の気苦労には泣かされるよ・・・・・」
星「ほう、それ程袁紹というのは手のかかる人物のようですな」
斗詩「あの、白蓮様、この人達は新しく入った人達ですか?」
星「ああ、趙雲という、よろしく頼む」
愛紗「関雲長だ」
鈴々「鈴々は、張翼徳なのだ」
桃香「劉玄徳です」
美花「孫公祐ですよ♪」
菖蒲「私は、徐公明です」
華佗「俺は華佗だ」
一刀「よろしく、北郷一刀だ」
斗詩「ええ!!?あなたが今大変噂になっている天の御遣い様ですか!!?」
白蓮「やっぱり、一刀は噂になっているのか」
斗詩「それはもう大変な噂ですよ!あまりに画期的かつ大胆な方策で、幽州なんていう異民族にいつも狙われている舵取りの凄く難しい土地を僅か一ヶ月で纏め上げている大天使様がいると評判です!」
一刀「なんだ、その無駄に拡張された噂は・・・・・」
美花「でも、大体合っているじゃないですか、ね~~♪」
桃香「うんうん、殆ど正解だよ♪」
鈴々「自慢のお兄ちゃんなのだ♪」
愛紗「私達も鼻が高いです♪」
菖蒲「はい、このお方こそ稀代の名君主様です♪」
華佗「よかったな~一刀、こんなにお前を慕ってくれる人達がいるのはいい事だぞ♪」
一刀「悪い気はしないけど、あまり噂が大袈裟に成り過ぎるのは勘弁だぞ・・・・・」
基本的に恥ずかしがり屋な一刀は、こういった賞賛の声を浴びせられることにはいつまで経っても慣れない
白蓮「で、今日はどうしたんだ?また麗羽の我侭の相談か?」
斗詩「あそうでした!!白蓮様、直ぐに冀州に来ていただけませんか!!?」
白蓮「な、なんだよ突然、一体何があったんだ!?」
斗詩「麗羽様が黄巾党と名乗る集団に襲われているんです!」
白蓮「なに!!!?あの麗羽が私に援軍を要請したっていうのか!!!?」
斗詩「いえ、麗羽様ではなく、真直ちゃんが・・・・・」
白蓮「ああなるほど・・・・・そうだよな、あの無駄に見栄っ張りな麗羽が私に助けを求めるはずがないよな・・・・・」
桃香「・・・・・なんだか話が見えてこないんだけど」
星「ふむ、どうやら冀州の袁紹と白蓮殿は、相当な腐れ縁のようですな」
愛紗「しかしどうするのですか、援軍を出すのであれば白蓮殿の決断がなければ我々も動くに動けません」
白蓮「・・・・・・・・・」
斗詩「お願いします白蓮様!!真直さんも麗羽様を必死に説得していますから、すぐにでも援軍を派遣してあげてください!!」
白蓮「・・・・・分かった、麗羽とは長い付き合いだからな、それにいずれにしてもこのまま黄巾党を野放しにしていたら、この幽州もただでは済まないだろうし」
斗詩「ありがとうございます白蓮様!!本当にありがとうございます!!」
頭を何度も下げ斗詩は、感謝の言葉を繰り返した
白蓮「それじゃあ、私と一緒についてきてくれる者はいるか?」
桃香「そんな水臭いこと言ってないで、全員で行けばいいじゃん♪」
鈴々「そうなのだ♪鈴々もその袁紹に会ってみたいのだ♪」
白蓮「無茶なこと言うなよ!それじゃあこの幽州はもぬけの殻になってしまう!私達が留守にしている間に黄巾党が攻めてきたら落ちてしまうぞ!」
一刀「それについては心配ない、俺の部隊がしっかり治安を守っているし、幽州の関所にも俺の隊の人間が配置されているからちょっとやそっとの人数なら返り討ちにできるさ」
菖蒲「そうですね、そう何日もかかるものでもないでしょうし、多少留守にしても影響はないと思いますよ」
美花「一刀様の部隊の人達は皆優秀ですから、問題はないでしょう」
白蓮「そ、そんなに一刀の部隊は優秀なのか?」
愛紗「そうですね、北郷隊は治安維持と堅守防衛に関しては群を抜いていますから」
白蓮「・・・・・分かった、愛紗が言うんなら間違いないだろう・・・・・斗詩、すぐに向かおう、案内してくれ」
斗詩「本当にありがとうございます、真直さんも喜びます」
???「・・・・・まったく、数しか能のない黄色い猪共ですね」
冀州河間、ここで袁紹軍が謎の黄色い頭巾の集団と戦闘状態に陥っていた
そして、袁紹軍の本陣にて黄巾党の大群を見据えるメガネをかけたお団子頭の背の低い少女が戦場を見渡していた
???「ふふふ♪袁家にその人有りと言われる元皓が策、とくと味わ・・・・・って、ちょ、ちょっと猪々子、動くなって言ったでしょう!!!悠も何突っ走ってるの!!!ああああ、麗羽様もどうして前進するんですか!!!?その場を動かないでって伝えてたのにいいいーーー!!!」
猪々子「きゃっほーーーーーーーー♪斬山刀、斬山斬山斬山♪♪」
悠「だれもあたしの速さに追いつけない♪やっほ~~~~~~~~♪」
麗羽「お~~~~っほっほっほっほっほ♪さあこの麗しき袁本初の前に跪きなさい♪」
???「あーーーもう!!黄色の数が多過ぎるから援軍を待つって言っておいたのにーーーーー!!」
まずは防御に徹して時間を稼ぎ、援軍と共に挟み撃ちにし一気に殲滅してしまおうという作戦だったのに、おバカ三人組の独断専行で全てがオジャンになっていく
???「早く帰ってきて斗詩ーーーーー!!!」
麗羽「な~~~~にを言っていますの真直さん、こんな黄色い油虫など白蓮さんの手など借りなくとも我が華麗なる袁紹軍の敵ではありませんわ♪お~~~~っほっほっほっほ♪」
真直「だからその華麗なる袁紹軍が押されてるって見ればわかるでしょーーーー!!私だって白蓮殿に援軍の要請なんてするつもりなかったのにーーーー!!」
袁紹軍の兵の練度は大陸全体から見てもかなり悪い方だ
なにせトラブルギャンブラー猪々子、最速ゴーインクマイウェイ悠、おまけに彼女達を率いている麗羽が筋金入りの中華思想万歳娘
これでは統率力にムラがありすぎて軍として機能しない
真直「うちの陣営でまともなのは斗詩だけなのーーーー!!!?」
総大将を筆頭に部隊を指揮する将達が勝手な行動をとり、無駄に被害が拡大していく袁紹軍
白蓮「公孫の勇者達よ、今こそ功名の好機ぞ、各自存分に手柄を立てい!!!」
その時、大地を揺るがす鬨の声とともに幽州方面から一団が現れた
真直「よかった~~~、もうちょっとかかると思っていたけど早くて助かったわ~~~」
愛紗「行くぞ!!我に続けえええええええ!!!」
星「頭数を揃えて弱い者を叩く野盗共よ、我が神速の槍を受けよ!!」
鈴々「突撃!!粉砕!!勝利なのだ!!」
斗詩「麗羽様!!今参ります!!」
関羽隊、趙雲隊、張飛隊、顔良隊が先頭に立ち袁紹軍を襲う黄巾党の背後を突く
一刀「うおおおおおおおおおおお!!!」
バキボキバキバキボキバキバキバキ!!!!
「ぐぎゃあああああ!!!」
「う、腕がああああああ!!!」
「骨が折れたあああああああ!!!」
それに対し、一刀は全身に波動を纏い一人で黄巾党に突撃し打撃技ではなく、殆ど極め技で無力化していく
一瞬で極めては折り、極めては折り、北郷流無刀術の柔術技が光る
しかし
一刀「ぐぅぅぅ!!(人の骨を折る感触ってのは嫌なものだぜ)」
自身の手から伝わって来る骨が拉げる感触に加え、関節の筋が千切れる音が自身の耳にまるでテレビの雑音のように刻まれていく
桃香「ご主人様、いくらなんでも無茶だよ!!」
華佗「大丈夫だ、俺が補助に回る!!桃香と美花はここにいろ!!」
菖蒲「私も一刀様を援護します!」
美花「はい、一刀様をお願いします!!華佗様、菖蒲様!!」
一人で黄巾党に突っ込み、殺さずに敵をねじ伏せていく一刀
そして、一刀が打ち取った黄巾党員を次々と捕まえていく北郷隊
北郷隊の主武装は盾で、敵の攻撃をわざと受け疲れさせたところをひっ捕らえていく
または、後方から大きな網を投げることによって敵を絡め取り、その自由を奪っていく
徐晃隊も北郷隊の援護をする形で、黄巾党を次々と捕まえていった
白蓮「おいおい!!一刀の奴本当に素手で戦っているが、大丈夫なのか!!?」
桃香「うん・・・・・ご主人様は凄く強いけど、代わりに凄く危なっかしいの・・・・・」
白蓮「それにしては、凄い勢いで敵を倒していないか!!?これはもはや一騎当千だぞ!!」
美花「そうですね、素手であそこまで強かったら同じ条件であの方に勝てる人はいないかもしれませんね♪」
真直「今よ猪々子、悠、公孫軍と連携して奴らを挟み撃ちにしなさい!!」
猪々子「よ~~~~しゃっ!!斬山刀の威力を思い知りやがれ!!!」
悠「あたしの風月の錆になりたい奴はどいつだ~~~~♪」
麗羽「お~~~~っほっほっほっほっほ♪私も行きますわよ~~~♪」
真直「あーーーもう!!だから麗羽様は本陣で大人しくしていてくださいってばーーーーーー!!!」
「おい!!!後ろから敵の増援が来たぞ!!!」
「何いいい!!!?この見た目だけ金色共だけでも精一杯なんだぞ!!!どうすんだ!!!?」
「なんとか前の袁紹軍を蹴散らせ!!!そうすれば何とかなぐはああああああ!!!!」
白蓮「麗羽!!助けに来てやったぞ!!」
そして、公孫軍は目の前の大量の黄巾党を蹴散らし袁紹軍と合流する
麗羽「ふん、いいですこと白蓮さん、あなたの助けなどなくともあんな奴ら私の軍だけで十分でしたのよ、要するに余計なお世話でしたのよ」
白蓮「おいおい!!それが加勢に来た者への態度なのかよ!!?」
斗詩「麗羽様~~~、今回は白蓮様に感謝するべきですよ~~~」
真直「これで手駒は十分に揃ったわね、後は・・・・・」
麗羽「お~~~~っほっほっほっほ♪雄々しく勇ましく華麗に進軍ですわ~~~♪」
猪々子「人生、常に勝つか負けるかのどっちなんだから、賭けるっきゃないっしょ♪」
悠「他人に運命を左右されるとは、意思を譲ったということだ!!意志無き者は文化なし、文化無くしてあたし無し、あたしを無くしてあたしじゃないのは当たり前!!だから!!あたしは自分の道を行くのだ~~~~!!」
真直「だから先走らないでくださいってばーーーー!!!」
斗詩「ああ~~、麗羽様~~、これ以上真直ちゃんを困らせないであげてください~~・・・・・」
白蓮「本っ・・・・・当にお前達の苦労には泣かされるよ・・・・・」
一刀「(なんか、この世界に来て始めて軍師やら武将やらに哀れみを感じたな)」
歴史の偉人は嫌いだが、その偉人も所詮は人間であり、こうして君主に振り回される者もいるようだ
まるで会社経営者の方針にいつも振り回されるサラリーマンのようである
白蓮「完全なる勝利だったな♪いやぁ良かった良かった♪」
その後、袁紹軍と連携する形となって黄巾党を見事討ち果たした幽州軍は袁紹軍の上層部と会談していた
麗羽「お~~~~っほっほっほっほ♪やはりこの袁本初の軍は無敵なのですわ~~~~♪」
猪々子「いや~~、久し振りに暴れたぜ♪」
悠「ああ、いい運動にはなったが、もうちっと歯ごたえのある奴が欲しかったぜ♪」
真直「うう~~~、私の謀が~~~、元皓が策が~~~・・・・・」
猪々子「真直もそのうち分かるようになるって、力と力のぶつかり合いの爽快感がさ♪」
悠「いいか、あたしはこう考えているんだ、人間は自由だと・・・・・無理な命令や願いには拒否権を発動することができる!!嫌なことは嫌だと言い切る!!悩んでいる時間は無駄以外の何ものでもない!!即決・即納・即効・即急・即時・即座・即答!!それが残りの時間を有意義に使う為の最適なる方法!!そう速さは力なのだ!!」
真直「ウチの陣営でまともに動いてくれる人間は斗詩だけなのーーーー!!!??」
お気楽な猪々子と悠の超絶早口に若干キレかけの真直がいた
一刀「はぁ!・・・・はぁ!・・・・・はぁ!・・・・・はぁ!・・・・・」
そして、その隣で完全に息を切らしその場で膝をつく一刀
華佗「大丈夫か一刀!?いくらなんでも無茶が過ぎるぞ!」
菖蒲「一刀様、お水です、どうぞ!!」
一刀「ああ・・・・・すまない・・・・・」
麗羽「な~~~んですのこのお方は?あんな黄色い油虫ごときにこんなにへばっちゃって、だらしないにも程がありますわ」
猪々子「いや麗羽様、こいつ凄いっすよ!」
悠「ああ、この中で一番多く倒したのは間違いなくこいつだぜ」
白蓮「それにしても、一刀のやつ噂通り素手でしか戦わないんだな」
桃香「うん・・・・・おまけに人は絶対に殺さないから、今回みたいに人数が多い時はこんな感じでヘトヘトになっちゃうの・・・・・」
猪々子「殺さないって・・・・・あ、本当だ、あいつらまだ生きてるぜ!!」
戦場で一刀が請け負った面の黄巾党は、骨を折られたり関節を脱臼したり打撲を受けたりはしていたが、ただの一人も死者が出ていなかった
悠「おいおい、何ふざけてるんだ?戦はママゴトじゃないんだぞ」
麗羽「まったく、殺さなければ討ち取ったことにはなりませんわよ・・・・・悠さん、やっておあげなさい」
悠「よっし♪あたしが代わりに止めを刺してやるよ♪」
風月を装備し直し、怪我をした黄巾党に近づく悠だが
ガシッ!
悠「っ!?」
いきなり腕を捕まれ振り向かされる
一刀「おい、なに勝手なことをしてやがる!」
悠「はぁ?お前が中途半端な事をしてるから、あたしが尻拭いをしてやるんだ、感謝しろよな」
一刀「ふざけるな!!!」
悠「なっ!!?」
麗羽「何を言い出しますの、この人!!?」
一刀「何の為に俺がこいつらを生かしたと思ってるんだ!!?」
悠をその場から後ろに下げ、一刀は黄巾党に近付く
一刀「おいお前ら!!!お前らにも事情というものがあるんだろう、それは痛いほどよく理解できる!!!だがな、だからといってこんな人様に大迷惑をかける闘争を起こしていい理由にはならないんだよ!!!」
そして、麗羽達が見ている前にも関わらず説教をし始めた
星「まったく、相変わらずであるな、一刀殿・・・・・」
愛紗「このお方のこの癖は、なんとかならないものでしょうか・・・・・」
華佗「いいじゃないか♪これが一刀のいいところなんだからな♪」
「うるさい!!!お前に俺達の気持ちが解ってたまるか!!!」
「俺達は、今の王朝の重税にもう耐えられないんだよ!!!」
「どんなに働いても全く裕福になれないし、手元には雀の涙も残らない!!!」
「このままじゃ俺達は、一族総出で死ぬしかないんだ!!!」
「そうだ!!!漢を、蒼天を立て直す為に、黄天、今こそ立ち上がるべし!!!」
「蒼天正為、黄天當立!!!蒼天正為、黄天當立!!!」
桃香「・・・・・・・・・・」
愛紗「・・・・・・・・・・」
鈴々「・・・・・・・・・・」
麗羽「な~~~にを言っていますの!!?我々は、国の平穏を守る大義の軍勢!!何処の馬の骨とも解らない下賎民の集まり風情は、その我々に税を納めるのは当然のこと!!それを拒否するような行いは、国に対する反逆行為が如き蛮行、許されるものではありませんわよ!!」
この麗羽の言葉に黄巾党の顔は見る見る真っ赤に染まっていき、頭の血管が本当に切れるのではないかというくらいに憤怒する
しかし
ゴカッ!!!
麗羽「きゃうっ!!!?」
猪々子「あ!!姫!!」
斗詩「麗羽様!!?」
悠「うおっ!!?速いな!!」
真直「え!!?」
いきなり一刀が麗羽の後ろに一瞬で回り込み、後頭部に踵落としを食らわし気絶させた
「・・・・・・・・・・」
あまりのことに黄巾党を含め公孫軍も袁紹軍も、言葉を失ってしまっていた
一刀「・・・・・あんた達の気持ちはよ~~~~く分かった、今の漢王朝は天の御遣いである俺がきっと変えてみせる・・・・・だから今は、大人しく自分達の郷里に帰ってくれ・・・・・頼む」
黄巾の集団に深々と頭を下げる一刀に、ここにいる全員が戸惑う
「・・・・・そ、そんなの信用できるか!!」
「そうだ、俺達を言いくるめるためのハッタリに決まってる!!」
「天の御遣いだって言うなら証拠を見せやがれ!!」
一刀「分かった・・・・・ふっ!」
氣のリミッターを外し、薄皮一枚まで波動を絞込み、羽のような氣の粒子が舞い落ちる
猪々子「うおっ!!?なんだこれ!!?」
悠「凄い氣だな!!」
斗詩「・・・・・綺麗」
真直「・・・・・・・・・・」
白蓮「本当にお前は、天の御遣いなんだな、一刀・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
その神々しい姿は、見る者全てを納得させてしまう、彼が、北郷一刀が天の御遣いであることを
一刀「・・・・・これで、納得してくれたか?」
回天丹田を解除し、羽のような気の粒子は消えていった
「・・・・・それじゃあ、いつ漢王朝を打倒してくださるんですか!?御遣い様!」
一刀「俺は王朝を打倒する気なんてない、今の腐りきった王朝は内側から変えていく」
「それじゃあすぐに、今すぐ変えてください!!お願いします、御遣い様!!」
一刀「もちろん今すぐという訳には行かない、時間は掛かるだろう・・・・・だがきっと、きっと俺が皆を漢王朝の圧政から解き放ってみせる!!皆の子や孫が気持ちよく暮らせる国にきっとしてみせる!!この俺の名、北郷一刀の名にかけて!!!だから今は、帰ってくれ・・・・・」
「・・・・・分かりました、御遣い様のお言葉を信じます」
そして、黄巾党の人々は次々と腰を上げて去ろうとするが
一刀「その前に、やらないといけないことがあるだろう」
「え?」
一刀「まずは皆の怪我を治す・・・・・華佗、手伝ってくれ」
華佗「応、俺の出番が来たぜ!」
一刀「怪我を治した後は、全員で今回死んでしまった人達を手厚く葬るんだ」
「・・・・・・・・・・」
そしてその後、怪我をした人達は一刀と華佗に治され、死んでしまった袁紹軍及び黄巾党員を全て丁重に葬った
黄巾党員は解散していき、その場には公孫軍と袁紹軍が残っていた
一刀「・・・・・・・・・・」
そんな中で、一刀は一人、今回の戦の犠牲となってしまった人々の墓の前で手を合わせていた
その頬には、一筋の水線が伝っていた
桃香「・・・・・ご主人様、大丈夫?」
一刀「・・・・・何度も言っているだろう、俺をそんな風に呼ぶなって」
桃香「・・・・・・・・・・」
一刀「・・・・・俺はもう大丈夫だ・・・・・それより、今回の被害はどれくらいだ?」
白蓮「ああ、一刀と華佗のおかげもあって、内の軍の犠牲者はかなりは少ない方だ、麗羽の軍は結構被害が出たみたいだけど、黄巾党程じゃない」
一刀「犠牲になったのは、殆ど黄巾党か・・・・・くそっ!!無駄な犠牲この上ないぜ!!」
「・・・・・・・・・・」
勝ったにも拘らず、悔しそうに地面を蹴る一刀
その姿を見て、ある者は理解し、ある者は全く理解できず、ある者は不思議に思う
しかし、これまで出会ったことのない種類の人間であるため、一同は興味深そうに一刀を見ていた
麗羽「う~~~ん・・・・・」
その時、一刀に気絶させられた麗羽がようやく起きる
猪々子「あ、姫、起きたのか?」
麗羽「猪々子さん・・・・・何があったんですの?」
斗詩「何でもありませんよ、麗羽様」
悠「そうそう、麗羽はいきなりすっ転んでそのまま頭を激しく打っちまって気を失ってたのさ」
一刀「・・・・・・・・・・」
麗羽「そうなんですの?それは随分とかっこ悪いところを見られてしまったものですわね・・・・・」
悠「・・・・・そういえば、お互い自己紹介をしていなかったな、あたしの名は張郃儁乂だ」
猪々子「あたいは文醜ってんだ、よろしくな♪」
愛紗「関雲長だ」
鈴々「張飛翼徳なのだ♪」
星「趙雲子龍と申す」
美花「孫公祐です、以後お見知りおきを」
菖蒲「徐晃公明と申します」
一刀「俺は、北郷一刀だ」
真直「袁紹軍が筆頭軍師の田豊、字は元皓です」
一刀「っ!!!??(田豊だって!!?)」
三国志の中で、ある意味これほど可哀想な軍師は他にいないのではないかと思えるくらい名君に恵まれなかった人物
曹操が劉備と戦って許都を留守にしていた時、その背後を襲撃するよう進言したが、袁紹は息子の病気を理由に出撃しなかったため、田豊は杖で地面を叩いて悔しがったという
同年2月、今度は出撃しようとした袁紹に対し、持久戦を主張して懸命に諫止したが、袁紹の怒りを買って投獄されてしまった
田豊が危ぶんだ通り、同年10月に、袁紹は官渡の戦いで曹操に大敗してしまう
その後、袁紹は田豊が自分を笑い者にすることだろうと猜疑し、これを殺害してしまった
麗羽「そして、このわ・た・く・しが、華麗にして美麗、大陸にその名を轟かせる袁家が頭首、袁本初ですわ♪出会えたことを光栄に思うことですわね♪お~~~~っほっほっほっほ♪」
「・・・・・・・・・・」
麗羽「・・・・・あら?なぜにだんまりですの?」
白蓮「いやだって、さっき盛大に名乗っていただろう、なあ」
斗詩「ええ、麗羽様気付いていなかったんですか?」
麗羽「あら、そうでしたっけ?ならいいですわ・・・・・それとそこのあなた」
一刀「?・・・・・俺か?」
麗羽「そうですわ・・・・・あなた、北郷一刀と言いましたわね、噂によるとあなたが幽州を華麗かつ流麗に発展させたと聞いていますが、相違ありません?」
一刀「なんだそれは?」
白蓮「華麗か流麗かは分からないが、幽州が発展したのは一刀おかげであることは間違いないぞ」
麗羽「そうですの・・・・・北郷一刀、今すぐこの袁本初に仕えなさい」
桃香「ええええ!!?」
白蓮「おいおい!!何勝手なことを言ってるんだ!!?」
麗羽「あなたのような優秀な人材は白蓮さんにはもったいないですわ♪この全大陸に知れ渡る袁家があなたに活躍の場を与えて差し上げあげましょう♪感謝しなさいな、お~~~~~っほっほっほっほっほ♪」
一刀「断る」
麗羽「お~~~~~っほっほっほっほ・・・・・は?」
一刀「断ると言ったんだ」
麗羽「な、なんということでしょう!!?この袁本初の誘いを断るなんて、身の程知らずにも程がありますわ!!」
一刀「身の程知らずはどっちだ、誰に仕えるかなんて仕えるその人が決める事だ」
麗羽「この袁本初の命令が聞けないというの!!?猪々子さん、悠さん!!このブ男をふん縛ってしまいなさい!!」
猪々子「いや、本人が嫌だって言ってるんだから、無理強いは良くないっしょ」
悠「あたしはこう思っているぞ、人々の出会いは先手必勝だと!どんな魅力的な人物であろうとも出会いが遅ければ他の人間と仲良くなっている可能性がある!なら出会った瞬間に自分から相手に興味があることを即座に伝えた方がいい!速さは力だ!興味を持った人物には近付く、好きな相手には好きだという!相手に自分を知ってもらうことから人間関係は成立するのだから!しかし今回はそれが遅すぎた!それがこのように寂しい結果を招く事になってしまったのだ!」
麗羽「そ、そうなんですの?・・・・・」
最後の悠の早口で麗羽は何故か納得気味だった
一刀「(・・・・・この人は面白いな)」
こういったキャラが濃い人物は、一刀は嫌いではなかった
麗羽「それなら仕方ありませんわね・・・・・では皆さん、帰りますわよ」
そして、馬に跨り麗羽は自分の根城へと一目散に帰っていってしまった
愛紗「あれが袁紹か、あれで名門とは、情けないにも程がある」
鈴々「ただの礼儀知らずなのだ」
星「名家ではなく、迷家の間違いではないか?」
美花「ある意味凄い人でしたね」
白蓮「麗羽の奴、とうとう礼の言葉無しで行きやがった・・・・・まぁ麗羽らしいっちゃらしいか・・・・・」
一刀「・・・・・それにしても、どういうことなんだ?」
猪々子「は?何がだ?アニキ」
一刀「さっき、どうして袁紹に嘘をついたんだ?」
猪々子「ああ、あれか・・・・・正直アニキが姫を蹴った時、胸がすっとしたんだ♪」
悠「あたしも猪々子に一票♪」
斗詩「麗羽様には悪いですけど・・・・・私も」
真直「あのお方にはには、多少のお灸が必要なんですよ、いつもいつも人に迷惑をかけて、はぁ~~~、憂鬱です・・・・・」
一刀「そうか・・・・・ありがとう」
ナデナデナデナデ
斗詩「え?・・・・・」
真直「な、何をしているんですか・・・・・」
おもむろに一刀に頭を撫でられ、斗詩と真直は困惑する
一刀「君達は、いつも苦労しているみたいだからね、俺は君達みたいな人間はどうしても憎めないんだ」
ナデナデナデナデ
斗詩「・・・・・//////////」
真直「・・・・・//////////」
まるで今までの苦労を全て労ってくれるかのような優しい手つきで撫でられ、二人はその場を一歩も動けなかった
桃香「(うぅ~~~、羨ましいよ~~~、私にもナデナデして~~~)」
鈴々「(鈴々もお兄ちゃんにナデナデしてもらいたいのだ~~~)」
菖蒲「・・・・・///////」(モジモジモジモジ)
その光景を志望の眼差しで見つめる三人がいた
悠「なんだか面白いやつだな・・・・・あたしの真名は悠だ、預けるぜ♪」
猪々こ「あたいも♪猪々子って呼んでくれな、アニキ♪」
斗詩「わ、私は斗詩です!そう呼んで下さい、御遣い様!///////////」
真直「・・・・・私の真名は真直です、呼んで下さい//////////」
一刀「俺は、北郷一刀、一刀が真名に当たるからそう呼んでくれ」
そして、袁紹陣営の帰り道
猪々子「いや~~~♪なんだか面白いアニキだったな、悠姉♪」
悠「ああ♪今後の楽しみが増えたぜ♪」
斗詩「///////////」
真直「///////////」
猪々子「?・・・・・どうした?斗詩、真直」
斗詩「え?何が?文ちゃん?」
猪々子「いや、ずっと俯いてるし、どうしたのかな~~~て」
真直「な、なんでもないわよ/////////」
言えない、さっき頭を撫でられた余韻に浸っていたなんて
悠「ほほう、堕ちたか?」
斗詩「別に堕ちてないです!////////」
真直「何言ってるのよ、悠!////////」
麗羽「みなさ~~~~~ん!!遅いですわよ~~~~~!!」
斗詩「ああ!!ごめんなさい麗羽様!!」
猪々子「あれ?姫、ここで待っていてくれたのか?」
麗羽「何を言っていますの?部下を常に傍に置いておくのは、一頭首として当然の事ですわ」
斗詩「・・・・・それもそうですね♪」
猪々子「さあ一緒に帰ろうぜ♪」
麗羽「当然ですわ♪お~~~~っほっほっほっほっほ♪」
悠「よっしゃ、誰が一番に帰れるか競争だ♪」
猪々子「よ~~~し負けないぞ~~~~♪」
麗羽「ちょっとお二人共!!頭首を差し置いて先に行くんじゃありません!!お待ちなさ~~~~~い!!!」
斗詩「(一刀様、またお会いできますよね)///////////」
真直「(北郷一刀・・・・・覚えておきましょう)//////////」
こうして、一刀達の最初の黄巾党討伐は終わったのだった
はいどうも、Seigouです
今度は袁紹陣営新キャラ、真直(マァチ)が出てきました
こうして物語を紡いで行くのはいいんですけど、英雄譚の新キャラは今更新されているので全てなのでしょうか?
もしそうじゃなかったら、後から新しいキャラを追加するかもしれませんから皆さんも注意していてください
もし、また新キャラが増えるという情報があれば教えていただけると非常に助かります
待て!!!次回!!!
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労いの修羅