実side
残り25分を切り、実と一刀はA僚の校舎の玄関に身を潜めていた。その理由は…
「何だよあのロボット…」
下駄箱の後ろの廊下のど真ん中に立っている丸い二足歩行型のロボットが立っていて左手に砲身があり、右手には何故かドリルが装備されていた。
「あれは機械科学部が作った『コウブ君』というロボット…」
「マシンガンならまだしも何故ドリル?」
会話しながら玄関のドアに潜める2人。
「隠れても無駄やで!」
コウブ君の横から2人の少女が現れた。髪を三つ編みしている子と胸が三つ編み少女より大きい少女とボーイッシュな雰囲気を出している少女と眼鏡をかけてポニーテールの少女が変なゴーグルを装着していて、実と一刀が隠れているドアに向かって叫んだ。
「ウチと真桜の2人で作った『みえるんです君』がある限り、あんたらの行動は筒抜けや!」
「さっさと降参するの!豚野郎!!」
眼鏡をかけている2人が実と一刀がいる扉に向かって言い放つ。
「バレてるなら言うけど…そのネーミングは流石にねえよ…コウブ君ならまだしもみてるんです君って…」
実が紅蘭のみてるんです君のネーミングをバカにした。
「何やてぇ!!けっ!!転入生は科学のロマンがわかっとらんな?」
「ネーミングセンスゼロのロマン何か知りたくないし聞きたくもねえよ!!」
そう言う実の言葉に紅蘭の何かのスイッチが入った。
「そうかそうか…真桜、沙和、北郷の方は任せましたわ…」
そう言ってダブレットを取り出して操作し始める紅蘭。
「これ…で、完了や…」
「せ…先輩?」
眼鏡がキラーンと光を放ち、紅蘭が悪魔のような笑みを浮かべた。
「凪はワイとコウブ君で転入生の真々田実を完膚無きまでにシバく…ええな?本気で行くんやでぇ?」
「は…はい…」
紅蘭の言葉に凪は冷や汗をかきながら返事をする。
「どうやら…別れた方がいいみたいだ」
「そう…なるのか…」
「確実に狙いは俺だ…このまま一緒に行けば巻き添えをくらう…」
「わかった…捕まるなよ」
「お前もな」
一刀は実と別れて2人はすぐに走り出した。
「2人同時に動いた…行くで沙和」
「よーし、頑張るの!」
「ほんなら行くで~コウブ君!凪!」
「はい!!」
真桜と沙和は一刀を、紅蘭と凪とコウブ君は実を追いかけ始めた。
「待てやぁ-!!大人しく捕まってウチの実験台になれや!!」
「ふざけんな!!転入初日で実験台なんか洒落にならん!」
実は開けっ放しの窓に向かってジャンプして入って窓を閉めてカギをかけた。そして階段を上り、中段を登り切った実は後ろを向いた。
『ドカシャーーン!!』
爆発音に近い音と衝撃な光景に実は驚いた。煙の中から紅蘭とコウブ君がゆっくりと入ってきた。
『あれ…さっきの子は?』
実は凪がいない事に気づいたその瞬間、紅蘭とコウブ君の間から空を切って凪が飛び出してきた。
「ハァァッ!!」
おもいっきりジャンプして実に向けて殴ろうとするも、実は瞬時に手の平を前に出してこれを防いだ。
「イテテ…凄い拳…でも!」
実はそのまま凪に向けて蹴りを食らわそうとするが、凪は察知して蹴りを防ぐもバランスを崩して辛くも階段の手すりに捕まり難を逃れた。
「大和の拳に比べたらまだ軽いほうだな…」
そう言って実が階段を登り始めようとした時、コウブ君が一気に階段を一段ずつだが凄い速さで登ってきた。
「うわっ!マジかよ!!」
驚いた実は一気に階段を登り、3階に到着し廊下を走った。
「こうなったら射程内に入った瞬間、弾が尽きるまで撃つ!」
廊下の真ん中に立って実は銃の弾倉を変えて満タンの弾倉に変える。
「見つけた!」
自分とは反対側にある階段に赤い髪色をした女の子を筆頭に黒人の女の子と右手に扇子を持っている如何にも男という雰囲気を持った少女達に見つかった実。
「ラッキー!2000pointの転入生か」
「昴は思った。油断せずに捕まえよう」
「よし!行くよー!!」
3人が一斉に実を捕まえに走り出して真ん中の階段の前に来た時、階段からコウブ君が3人の前に現れた。
「うわっ!ナニ!ナニ?」
「ロボット…か?」
「昴は思った。ビックリしたと…」
3人(昴を除いて)はビックリした様子でコウブ君を見る。だがコウブ君は実を見つけると脚の底から戦車やガ○タンクのようなキャタピラが出現した。
「行けぇー!!コウブ君!!科学研究部の力をあのクソ野郎に見せつけたれ!!!」
紅蘭の言葉にコウブ君が反応し実に向かってもの凄い勢いで動き出した。
紅蘭や他の女子達はもの凄い勢いで動くコウブ君を見れば誰であろうと逃げ出すはず。だが!彼、真々田実は…逃げない!!左手に木刀を持ち、右手には特殊ゴム弾が装填している銃を構えていた。
すると、実はコウブ君に向けて木刀を思いっきり投げた。回転する木刀をドリルで防いだが、実はこれを狙っていた。
そして実は瞬時に銃を二発、コウブ君に向けて発砲した。
実の銃が放ったゴム弾はコウブ君の赤と緑のレンズらしき物体に直撃してガラスのように割れた。その直後、コウブ君の動きが止まった。
『す…凄い…マリアさんの射撃を見てきたけど、この人の射撃も凄い…』
赤い髪の少女、ジェミニが実の射撃の腕に惚れ惚れしていた。
「よし…何とか止まった」
そう言って実が銃を胸のガンポケットに入れようとした時だった。
『ウィィィィン!!!』
止まっていたコウブ君の右手のドリルが突然もの凄い勢いで回り始め、コウブ君のボディーから白い煙が出始めた。
「アカン!オーバーヒートして制御が出来ん!!」
『えぇー!!』
紅蘭の言葉に凪やジェミニ達、そして実をも驚いた。
そしてコウブ君は実ではなく窓側の壁に向かってドリルを突き出し、突っ込んでそのまま落下した。
実や紅蘭達が落下地点を上から見て見ると驚く光景だった。
そこには実がよく知る人物が一人の少女を守るかのように抱いて倒れていた。
「輝ァ!!」
実はその人物の、自分の弟の名を叫んだ。
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お久しぶりです。Minosawaです。
久しぶりの更新です。いやー時間がなくて中々執筆に専念できなくて・・・
今回は前後編でお送りいたします。