No.690148

義輝記 蒼穹の章 その十壱

いたさん

義輝記の続編です。 宜しければ読んで下さい。
それと、冥琳ファン、祭ファンの方……ゴメンナサイ。

2014-05-29 19:58:25 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1408   閲覧ユーザー数:1241

【 赤壁の戦いに向けて の件 】

 

〖 江東 孫伯符居城 颯馬寝室 にて 〗

 

《 赤壁の戦いまで 後6日 》

 

寝台の上で、上半身を起こし窓を眺める颯馬。

 

颯馬「…………………」

 

トントントントン ガチャ!

 

信廉「───颯馬! 起きては駄目です! まだ、安静にしていなければ!」

 

様子を覗きに来た信廉と凪が部屋を開け、颯馬を見つけ驚く!

 

颯馬「あれから、俺は…何日寝ていた? かなり寝入っていたようだが……」

 

凪「………一日ですよ……天城様!」

 

颯馬「そんなに!? 拙い!! 雪蓮達に、俺達の参加を認めてもらなくて──ぐっ!!!」 グラッ……

 

凪「───危ない!」 ガシッ!

 

信廉「──颯馬!!」 グッ!

 

急いで起きようとした颯馬だが、身体に痛みが走り、寝台で体勢を崩す。

 

慌てて近付き、颯馬を掴み落下を阻止する二人。

 

颯馬「た、頼む! この戦に参戦出来るようにしなければ、策が全部……無駄に…………!」

 

信廉「安心して下さい! 姉上と鹿介が……この戦に参加出来るよう、お願いして……許可を得たそうです!」

 

凪「ですから、安心して……お休み下さい……」

 

颯馬「……そうか…。 じゃあ……二つ程……お願いしたい………」

 

信廉「私に出来る事でしたら……」

 

颯馬「一つは………………。 もう一つは…………………」

 

信廉「……………………ですか? 一つめは分かりました。 もう一つは、二人に許可は得ているのですか? はぁ……、分かりました。 それでは実行します! もしかの時は、起こしますから……はい、お休みなさい!」

 

凪「…………どうでしたか?」

 

信廉「一つめの願い事は………………」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

〖 長江の岸部 にて 〗

 

成美「………成美ちゃんの様子を、よ───く、見ててね!」

 

シュ──ン! トッ! トットットッ……トッ ポッチャン!

 

長江の川岸で、伊達家の者と鈴々、斗詩、猪々子、季衣、流琉が並び、遊びに来ていた…………。

 

政宗「颯馬は……本当に、この者達へ『水切り遊び』を覚えさせるように言ったのか?」

 

景綱「理由は分からないが……『出来るだけ遠くへ』と注文が付いているのだ。 私達が従わない理由は無いが……こうも曖昧模糊だと……ハッキリとした理由が欲しいじゃないか?」

 

二人は………『何故』と思考を巡らすが……答えが出ない。

 

季衣「面白~い!! じゃあ、ボクの番だ! えーい!」

 

ボッチャン!!  シーン…………

 

季衣「あれっ?」

 

猪々子「ははははっ! きょっちー! こうだよ! こう────!」

 

ブン!! ヒュッ──!   ………ポッチャン

 

季衣「いっちー、ただ、投げただけじゃない………?」

 

猪々子「アレッ? ………っかしいな?」

 

流琉「季衣! 猪々子さん! これは、水平に投げて───」

 

ブ──ン! トットットッ ポッチャン!

 

季衣「すごいっ! よし! 負けずに頑張るぞ!」

 

猪子「きょっちー! 勝負だぁ!!!」

 

斗詩「はぁ……………」

 

元綱「ん? どうしたんです……顔良さん?」

 

斗詩「あっ……すみません。 実は……この『打水標』…得意なんです……」

 

ブン! シュ──ン! 

 

シュシュシュシュ……シュシュシュ……ポッ!

 

季衣、流琉「「 ─────────!! 」」

 

猪々子「と、斗詩!? 何で、そんなに上手いんだぁ!?」

 

元綱「……………!」

 

斗詩「私は昔……苛められる事が多くて……こうやって、一人で遊んでいたんです。 文ちゃん……文醜に会う……話ですよ……。 ですから……これを行うと……辛い記憶が思い出され………」

 

猪々子「斗詩……聞いたぜ!」

 

斗詩「文ちゃん……」

 

猪々子「狡いぜ! 斗詩!! 折角、皆で……どこまで飛ばせるかやろうかって言っていたのに、斗詩だけ……こんな神業持ってるなんてぇ!!」

 

斗詩「??」

 

猪々子「罰として、アタイ達の練習に付き合う事! 成美先生に負けないように鍛えてくれよ!」

 

季衣「斗詩ちゃん! ボクもお願い! いっちーや流琉になんか負けたくないんだ!」

 

流琉「私だって、季衣に負けてあげる気は、全然ないんだから!!」

 

斗詩「でも……私…………」

 

元綱「うんうん。 いい友達が持て良かったね。 今度は……誇れる思い出に変えてきなよ? ワザと空気を読まずに、話し掛けてくれた文醜達に感謝しなきゃ……ね?」

 

斗詩「あっ………はいっ!!」

 

元綱「………颯馬は、ここまで狙っていた訳じゃないと……思うけど……なんか……良い方向に動いているんだよね…………」

 

───────ドボォーン!!

 

斗詩「文ちゃん! なんで、そんな大岩を投げるの!! 近くの船に当たるでしょう!!!」

 

猪々子「重い方が……遠くに行くと思ってさ! 何事も挑戦さ! 恋も賭事もこういう物も!!!」 ブゥーン! ドボォーン!!

 

斗詩「………お願いだから、私に迷惑掛けない挑戦をしてぇぇ……」

 

◆◇◆

 

【 苦肉の策 その一 の件 】

 

〖 江東 孫伯符居城 にて 〗

 

《 赤壁の戦いまで 後5日 夜 》

 

??「───────────!」

 

??「───────────!!」

 

??「─────『杖刑 百叩き』────!」

 

??「───────────────」

 

??「────! ────! ────!」 ボキッ!

 

??「グハッ!!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

〖 荊州 鳥林付近 袁術船団 にて 〗

 

久秀「……ふぅ。 結構、手間取ったわね……?」

 

順慶「仕方ありませんわ! 私自身が情報を集めるなんて、初めての事ですから! それに、ただでさえ……私の容姿は目立つため、気付かれないように動くのは、大変だったのですよ?!」

 

久秀「───よく言うわ。 向こうに居る時は、颯馬の部屋で『髪の毛』や『使用済みの何か』を持ってきたんでしょう? 同じ事よ……同じ事!」

 

順慶「全然ちがいますわ! 颯馬様の物は……貴重な宝探し! 今回の情報収集は……退屈な仕事。 やる気からして違いますもの!!」

 

久秀「はいはい………。 それで? 何か情報はあったの?」

 

順慶「私が直接見たわけでは無いのですが……黄蓋が周瑜を罵り、周瑜が配下に命じ、黄蓋に『杖計 百叩き』を受けたそうよ?」

 

久秀「───そう! 遂に始まるのね……『赤壁の戦い』が!」

 

順慶より、その言葉を聞き……久秀は天幕の外に出て、将兵を集める!!

 

久秀「全軍! 時は満ちた! 『赤壁』の地に船団移動! 残りの者は陸路より赤壁へ移動せよ!!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

〖 江東 孫伯符居城 一室にて 〗

 

《 赤壁の戦いまで 後4日 》

 

祭「『使者』を送ったぞ! 冥琳!!」

 

冥琳「見張りは………?」

 

祭「明命、思春、百地を向かわせた……」

 

冥琳「そうですか……祭殿、あの男で良かったのですか? 私としては再考したい相手ですよ? 罪の無い民間人を殺し、反省の色など皆無! それに祭殿にも数々の暴言を吐いた無礼な奴を…………!!」

 

祭「なぁ~に、今回の使者役はアイツ程……適正な奴はおらん!! 後始末も兼ねて貰いな……クックックックッ!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

〖 荊州 鳥林付近 袁術船団 にて 〗

 

《 赤壁の戦いまで 後4日 》

 

久秀「………………お前が……黄蓋殿からの使者?」

 

久秀の前に連れてきたのは、八尺(約185㌢)の背丈を誇る筋肉隆々の大男。

 

髪も髭も伸ばしきり、衣服だけは清潔な物だったが……使者とは…とても言えない風体(ふうてい)だった。 

 

使者「そうだよ……ネエチャン! 俺は、あの『口煩いババア』に小間使いにされて来たんだよ! 敵大将に……『黄蓋』が寝返るから、その旨を記した竹簡を渡すようにってな! ケッ! 

 

………本当は、こんな事やりたきゃねえんだが……この仕事を無事に済ませれば、死刑の俺を……無罪放免にしてくれる話になってるんだ! 竹簡にもそうやって書いてあるだろう! ──ったく、面倒くせぇ説明させんなよな?」

 

言葉使いさえも……使者として適っていない無礼者を無視して………竹簡を解き、読み始める久秀…………。

 

久秀「…………………。 ふ~ん、分かったわ!」

 

使者「じゃ! 俺の役目は終わり…『 待ちなさい! 』 ──んだよぉ?」

 

久秀「誰ぞある! この慇懃無礼な使者を『特別室』に案内して差し上げなさい! 厳重に捕縛し猿轡をはめて部屋に閉じ込めておきなさい!」

 

護衛兵「はっ!!」

 

使者「何だとぉぉぉ!? 俺は…もう…孫策達と関係なんかねぇぞ!!」

 

久秀「確かに死刑になるぐらいの者。 孫呉にも見捨てられるわね。 

 

だけど───久秀に、此処まで無作法で下品で楯突いた者を、そのまま逃がすなんてあるわけ無いじゃない! 

 

…『特別室』で……じっくり丁寧に……久秀自身が歓待してあげるわよ!!」

 

使者「ばっ、止めろ! 離せ! 離せぇ!!」

 

久秀「それにね……黄蓋の竹簡には……『使者の始末は任せる』と記してあるの。 残念だったわね……新しい『玩具』の制作のため、有り難く使わせてもらうわよ……黄蓋」

 

使者「あんのぉ───ババアがぁ──騙しやがったなぁ──!!」

 

護衛兵「大人しく来い!!」 ドゴッ!

 

元使者「────ゴフッ!!」

 

使者の役割を果たした男は……『不審者』として、今度は扱われた。

 

久秀「…………益の無い者を『死間』で送って証拠を絶つ………黄蓋に出来る策とは思えないわ? 周瑜の関与がありそうね……。 こういう想定外も仕掛けてくれないと面白みが無いわよ? 周瑜、黄蓋……諸葛亮!!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

〖 江東 孫伯符居城 にて 〗

 

《 赤壁の戦いまで 後3日 》

 

雪蓮「────連絡が来たの?」

 

祭「うむ……冥琳! 策殿にも、お見せしてくれ!」

 

冥琳「これが……………そうだ!」

 

 

 

******************

 

国を憂う真の忠臣殿へ

 

先代を懐かしみ、今の治世を憂う忠臣よ!

 

袁公路様は、昔の罪は問わず…今の実績だけ評価する者。

 

早く投降すれば、印象と褒美も倍になるだろう。

 

 

我が軍は………三日後、孫策討伐を開始する。 

 

それまでに、袁公路様の膝元に伏される事、期待して待とうではないか!

 

司馬仲達

 

******************            

 

 

 

祭「策殿! 心配されるな! 儂は不満なぞ無い!!」

 

雪蓮「大丈夫よ! 誰が疑うもんですか!! 祭は私達の『お……姉さん』みたいな者よ!? 家族にも等しい者なんだから!!」

 

祭「嬉しい事を言って下さる! しかし…言い淀んだ部分が気にかかるな?」

 

雪蓮「…………!」ブンブン!

 

冥琳「これは、祭殿が街へ向かわれていた時、子供から渡されたそうだ。 なかなか大胆な行動をしてくれる………」

 

雪蓮「その子は……大丈夫だったの?」

 

祭「知らない綺麗なお姉ちゃんが……『黄蓋様に渡して欲しい』と頼まれたと言っておったわい。 しかも、監視していたらしく……殺気がその子に向けられていてな? 急いで受け取り、相手を探したが、既に見当たらなかった…。

 

子供は家まで…………送り届けてきたわい!」

 

冥琳「私達は、明日に実行を起こす! これから颯馬達と最終の相談に入るから……呼ぶなよ……………?」

 

雪蓮「……うん、絶対呼ばないから。 え~と、冥琳、祭……『ご愁傷様』」

 

◆◇◆

 

【 司馬懿の正体 の件 】

 

《 赤壁の戦いまで 3日 》

 

〖 江東 孫伯符居城 颯馬室 にて 〗

 

俺は、今……一通の竹簡を覗いている。

 

冥琳から渡された、祭殿の寝返り承諾の竹簡だ。 

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

《 赤壁の戦いまで 後5日 昼 》

 

信廉殿達に寝かし付けられた/////………俺は、あれから数刻してから起き上がり、雪蓮や北郷殿、関羽殿に挨拶に行った。 

 

城外に居る姫武将達も、城に収容をお願いしようと思い、頼みに行ったついでだ。 ちょうど、皆集まっていると聞いて。

 

そうしたら、歓迎会始まって……呑んでた。 外の将も……既に収容済みで部屋もあてがわれていると聞いて………力が少し抜けたよ。

 

挨拶だけに来たつもりだったのに、多くの将より真名を預けられたり、道雪殿達には拗ねられるやら、心配されるやら大変!!

 

そのどさくさ紛れに、軍師としての指揮権まで預かり……びっくり!!

 

冥琳「………悔しいが、あの司馬仲達に勝てそうなのは、お前しか考えられない!! 将も……お前の軍略の凄さを身を持ってわかっているしな。 

 

────────だから頼む!!!」

 

冥琳に頭まで下げられば………仕方がない。

 

それに、その方が都合が良かったのもある。 俺が全軍の指揮権を持てば、策発動時期に、命令系統の時間差が無くなる!!

 

俺は、承諾して……我が策の手助けを………お願いした!!

 

ーーーーーーーーーーー

 

雪蓮には『折角、私達のために苦労かけたのに、また荷を背負わせてごめんなさい』と……深々と謝られた。 

 

『勘違いして貰って困るが、これが俺の目標だ!! 平和な大陸にして、俺達の世界に皆で戻る!! そのために力を尽くしているのだ。 雪蓮だけの為じゃないよ!!』

 

と………説明したら、頬を可愛く膨らませた。 ………わからん。

 

 

北郷殿は、俺と共に戦えるのが……とても嬉しいようで、質問や何か話題があれば、すぐに話掛けてくる………。 

 

俺は、反董卓連合で貴方達の仲間を殺した男ですよ! 仇を討たないのですかと言ったが……

 

『確かに悔しい気持ちもあるが、尊敬の気持ちの方が大きい! 出来れば…その知謀を学び、今後の平和に役立たせたい!』

 

と言うので、時間の許す限り教えている。

 

………で、肝心の関羽殿が…………謝罪をするが、何故か目を合わせない。

頬が赤く、指をこねてモジモジしている。

 

まぁ、協力してくれるからいいな……と思いそのままだ。

 

ーーーーーーーーーーー

 

この世界で真名は大切な物。 

 

そう……月様から教わり、気を付けていたが……ここで、一挙に真名を預かる事になり困惑状態。 他の姫武将も差はあるが…似たり寄ったりで大変!

 

雪蓮達は……ほぼ全員が預けてくれた。 主君である雪蓮の真名を預かり、冥琳の命を救い、孫呉建国に影で手助けしてくれたからだという。 断るのも失礼、俺を信用してくれた事もあるため預かった。 

 

華琳達も……一部を除き預かった状態だ。 

 

この風習に不慣れな俺達でも、言葉で信頼を託してくれるのは、非常に分かり易くていいじゃないかと思う。 だが、誤って呼んだら、有無を言わさず首切って良し……と言うのは、改善して欲しい。

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

颯馬「この字………どう見ても……久秀殿の字だ…………」

 

洛陽に攻め込んだ軍勢を囮に、月様、詠、姉さんを襲い、貂蝉のおかげで撃退できた魔の手。 それが……久秀殿だったと聞いている。

 

その後の行方は……杳として知れなかった。

 

でも、今回………この竹簡と言う物証を得た。

 

もしかすると………司馬仲達…………は………

 

バタン!!

 

三太夫「だ、旦那! 大変だぁ────!」

 

余程………慌てていたようだな。 

 

いつもなら、急に出てくる奴が……普通にドアから入って来たよ……。 大きな音立てながら……………。

 

三太夫「使者の野郎を捕まえる様を見ていたら、司馬仲達が出てきたんだけど………アイツは『 松永久秀 』だったんだ!!」

 

そうか……………貴女………だったのですか! 順慶殿と共に、この世界に渡りし姫武将とは………!

 

三太夫「天城の旦那! あんまり……驚かないな! 予想していたのかい?」

 

俺は、黙って竹簡を三太夫に見せた。

 

これは……気合いを入れないと………………

 

トントン! 

 

冥琳「……颯馬、私だ! 入らせて貰うぞ!!」

 

前代未聞の『赤壁の戦い』が始まった……………!!

 

◆◇◆

 

【 苦肉の計 の件 】

 

〖 荊州 鳥林付近 袁術船団 にて 〗

 

《 赤壁の戦いまで 当日 朝 》 

 

ドタバタ ドタバタ ドタバタ!!

 

兵「し、し、司馬様! 申し上げます!! こちらに……こ、『黄蓋』を名乗る者が………到着致しました!」

 

久秀「……投降するのは……分かっていたはずだけど………何をそんなに慌てているの?」

 

兵「黄蓋が………『周瑜』を捕らえて……投降致しました!!」

 

久秀「──!?」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

黄蓋?「ガハハハハ────ッ!! 黄公覆! 約定通り、投降をしてきたぞ!! うぬらの主、司馬仲達に会わせいぃぃぃ!!!」

 

周瑜?「私ぃぃとした事が………不覚なのねぇぇぇん!! 黄公覆殿の寝返りぃを防ぐ事が出来ずぅぅ──こんなぁ恥ずかしめを受けるなんてぇぇん!」

 

久秀「………………………………」

 

そこには、祭と冥琳の服を着用した……漢女が二人……。

 

久秀「………………………………」

 

黄蓋?「司馬仲達ぅぅぅ!! 孫呉を裏切り『杖刑 百叩き』を食らい、更にダーリンより離れた心身共に傷だらけの儂に向かい───何を呆けておるうぅぅぅ!!」

 

周瑜??「ダメよぉぉ~卑弥……ゲフン! 黄蓋殿ぉ! 別の心情を漏らしちゃいけないわよぉぉん! それに、司馬仲達が固まっているのは、も・ち・ろ・ん! 私の艶姿のために、決まっているでしょぉぉぉう!! 」

 

黄蓋?「何をいうかぁぁ! まだまだ、この黄蓋……老いても魅惑的な肢体はますます輝いているぞぉぉぉぉ!!」

 

久秀「──何をしているのよ!! 変質的な偽者達!!」

 

黄蓋?「──待てぇぇいい!! 何を証拠に可憐な儂を疑う! この白髪、この服装! 正に瓜二つでないかぁぁ!!」

 

周瑜?「私ぃも、この艶やかな黒髪、この服装……どう見ても………あらぁ~ん!! 貂蝉ちゃん一生の大ふ・か・くぅ♡  アレを忘れていたわぁぁぁん!」

 

黄蓋?「うぬは一体……何をおぉぉぉ忘れているのだぁぁ!!」

 

周瑜?「───孫呉の軍師必須アイテム『眼鏡』を忘れていたわぁぁん!!」

 

黄蓋?「うぬ~~っ!! そのような些細な事に気付いた司馬仲達を誉めるべきか、眼鏡と言うアイテムが無いため、隠し切れなかった貂蝉の麗しい美を褒めるべきか…………悩むではないかぁぁぁ!!!」

 

久秀「…………その前に色々露見しているのに、気付かないの? 

 

はぁ…………期待した……久秀が馬鹿みたい…………。 兵達よ! 偽黄蓋、偽周瑜共々牢屋に突っ込んでおきなさい!!」

 

兵「はっ、はい!!」

 

偽黄蓋「ええぇい! 気安く触るでない!!」

 

偽周瑜「ダメよぉぉん! そこは感じるからぁぁぁん!!」

 

二人は捕まり………牢屋に直行。

 

そして、颯馬の策は……第二策目を発動していた。

 

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

 

あとがき

 

まずは一言。

 

冥琳ファン、祭ファンの方……申し訳ありません!!

 

青州攻略戦を執筆中に……急に思いついた話が元です。

 

こんな、とんでもない策は、多分考える人は居ないでしょうね……。 

 

颯馬の策は……勿論これだけではありません。

 

第三、第四の策が久秀に襲いかかります。

 

次回も宜しければ、読んでください。

 


 
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