No.689132

機動戦士ガンダムSEEDDESTINY 失われた記憶を追い求める白き騎士

PHASE 2 出会い

2014-05-25 11:45:03 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:4024   閲覧ユーザー数:3917

C.E.73年8月27日。

 

織斑一夏がデュランダルたちに拾われ、刹那・F・セイエイと名乗るようになり、ザフト軍へ入隊を希望してから一年が経っていた。本来ならばアカデミーに通うべきだったのだが、時期的に入隊は厳しいだろうと思ったデュランダルがハイネにアカデミー教官変わりとしてマンツーマンでモビルスーツの操縦技術・機体の整備技術・対人戦における体術を学ばせておいた。

そんな刹那は現在、ハイネ宅からデュランダルの住む屋敷に来ていた。今朝正式にザフト軍への入隊が認められた刹那はその証に赤服を授与されていたのだ。気分は完全に有頂天になっていた刹那は、舞い上がる気持ちを抑えてると、デュランダルの仕事部屋の扉を開ける。

 

「議長!」

 

「おお、刹那かよく似合ってるじゃないか」

 

これから仕事を始めようとしていたところだったのを見て、少し後悔した刹那だったがデュランダルの柔和な笑みに喜びが高まった。

 

「ありがとうございます。それもこれも、議長とハイネのおかげです」

 

「構わないよ刹那。私たちはただ君の守りたいという気持ちを尊重しただけに過ぎない。さあ、今日は君の晴れ舞台にしてパートナーとなる機体とのご対面だ。ハイネは先に行ってるよ」

 

「はい!失礼します」

 

まだ慣れていないザフト軍式の敬礼をならってから、刹那はデュランダルの部屋を後にして、それからハイネが一足先に向かったというモビルスーツの格納庫に向かったのであった。

刹那が向かった先のモビルスーツ格納庫。そこにはハイネが乗ってきたエレカとはまた別のエレカが足を停めているところだった。乗っているのは三人。

運転しているのはザフト軍赤服、刹那やハイネとの交流を持つレイ・ザ・バレル。

次に赤服と同じ赤の髪を持った少女、ルナマリア・ホーク。そして三人目は、黒い髪に赤服を身に纏った少女、シン・アスカだった。

シンはコーディネイターだが、オーブの出身であり、二年前のオーブ防衛戦にて味方機であるはずのフリーダムによる砲撃で巻き添えを喰らって両親を失っていた。

親戚もいなかった彼女はオーブ軍人の伝手でここプラントに上がり、一人で生活していた。それから数ヶ月後、世界はユニウス条約を結んだことで戦争は停戦となったのだが、シンはオーブを焼いた連合軍のいる地球にも家族を守ってくれなかったオーブにも帰る機にはなれず、結果彼女はザフト軍に身を投じることにした。

アカデミーを赤で卒業し、ロールアウト間近の新造艦に配属されるだけでなく、他の皆とは違う特殊な新型モビルスーツのパイロットに選ばれたのは素直に嬉しかった。

 

(マユがこれを知ったらどう思うのかな……モビルスーツなんて怖い、嫌いだって言うかもしれない……でも、私は)

 

レイ、ルナマリアと別れたシンは、配属される新造艦の副長を務めるという男性に導かれる形で格納庫へと入っていった。中に入ると、そこには暗い空間の中でライトアップされた四機のモビルスーツがまるで主を待つかのように鎮座していた。

 

「お、来たか。これで残りは一人だな」

 

「え?」

 

突如、隣の方から聞こえた声に振り抜くとオレンジ色の短髪をなびかせた青年がシンを見ていた。しかしその彼の襟元にフェイスであることを示す銀色の羽をしたバッジに気付くとシンは素早く敬礼をした。さすがのシンも、議長直属の部下であるフェイスには礼儀を弁える。それ以外の偉そうな士官などならわからないが……

 

「おいおいそんな畏まるなって。何のためにザフトに階級がないと思ってるんだ」

 

「は、はあ……」

 

目の前の青年はかなりフランクな態度で接してくる人物だなと素直に感心しているとシンが来た扉の向こうから一人の少年がやってきた。年はシンとはそう違いがなさそうに見える。

 

「すみません。遅れました」

 

「おせーぞ刹那。軍人たるもの時間厳守だぞ」

 

刹那、と呼ばれた少年は青年と親しい仲なのか、シンとは違って仲のよい兄弟のようにも見えていた。と、そこで妹のマユのことを思いだし、シンはどうしようもない気持ちに襲われた。

 

「さて、それじゃあ全員揃ったことだし自己紹介といこうか。俺はフェイス特務隊、ハイネ・ヴェステンフルスだ」

 

「刹那・F・セイエイだ。よろしく頼む」

 

「し、シン・アスカです。よろしくお願いします……」

 

フェイスという高い位に位置するパイロットとの自己紹介という緊張しないはずのない場面に遭遇したシンは、どうにか気持ちを落ち着かせながら無事に紹介を終えた。

 

「では、まずはこれらを見て貰おうか」

 

そこへ、副長が声をかけて三人の視線を格納庫内のモビルスーツへと移させた。

 

「まずは左からシン・アスカが搭乗することにかるZGMF-X105 インパルス。従来の概念を覆した斬新な喚装システムを搭載したザフトの最新鋭モビルスーツだ」

 

これが、私のモビルスーツ……

ハンガーにかかっている灰色のモビルスーツがシンを見下ろしている。もう力がないがために、誰かを失うことなど無いのだと、この時はそればかり思っていた。

 

「次に、ハイネ・ヴェステンフルス君の機体、GN-003 ガンダムキュリオス。一年前にカーペンタリア基地付近の深海に沈んでいたモビルスーツで、その機体性能は現行モビルスーツでもトップクラスに踊りたち、機動力に関しては群を抜いてるといっても良いだろう」

 

過去に製造されたという謎のモビルスーツ。

噂では聞いていたが、まさか本当に実在していて、しかも目の前にそれが存在しているのだと知ったシンは、驚きを隠せずにキュリオスとハイネを何度も見往復した。

 

「そして最後はキュリオスと同じくカーペンタリアにて発見されたGN-001 ガンダムエクシアとGN-002 ガンダムデュナメス。近接格闘戦に特化したエクシアと、その逆で遠距離射撃に突出しているデュナメス。この二機は刹那・F・セイエイ。君の機体だ」

 

「えっ!?」

 

キュリオスの存在には大いに驚かされた。が、この刹那・F・セイエイがそれを二機授与されるということには、もっと大きく驚かされた。普通モビルスーツというのは宇宙と地球を行き来しているパイロットでもない限りは複数の機体を持つことなどあり得ない。にもかかわらず、彼は二機のモビルスーツを所持するという異例をどうどうと突き破ったのだ。

 

「早速だが明日からは実機訓練だ。君たちには議長も期待しているとのことだから頑張りたまえ」

 

「「はっ!」」

 

「は、はいっ!」

 

とにもかくにも、こうしてザフトに新たな期待の新生が生まれたことには変わりなかった。

 

 

 

その後、三人はシンの友人たちが待っているという喫茶店に足を運ぶことにした。理由としては三人の所属、そしてシンの友人たちも含めて全員が新造艦『プトレマイオス』通称トレミーに所属することになっていると知ったからである。

 

「あっ、来た来た。おーいシン~!」

 

と、そこにルナマリアの妹、メイリン・ホークが、シンの姿を見つけるや大きく手を振った。

喫茶店には彼女やルナマリアの他にも整備士のヴィーノ・デュプレ、ヨウラン・ケント、ショーン・スクレイヤ、ゲイル・バロックス。そして━━

 

「ハイネ!それに刹那もっ!」

 

「レイ!お前もトレミーの配属だったのか」

 

刹那たちと友人でもあったレイが普段見せない笑顔で駆け寄ってきた。

そんなレイを見てアカデミー組は驚きを隠せずにいたのはご愛嬌である。

 

「レイと知り合いだったんですか?」

 

シンがハイネに尋ねる。

 

「ああ、まあな。それと敬語は無しな。せっかくこれから一緒に戦う仲間なんだ。そこにフェイスも赤も緑も関係ないだろ?」

 

「は、はあ……」

 

最近ようやく敬語というものになれてきたシンからすれば、もう少し早く会えてればよかったなと半分残念に思いながら、ルナマリアたちのいる喫茶室に入った。

そこで改めて自己紹介をした各々はそれぞれの期待について語り出した。

ルナマリアは赤色のザクウォーリア。砲撃戦をメインにしたガナーウィザードが主になるらしいが、アカデミーで『誤射マリア』という不愉快な異名をつけられた身としては近接戦が出来るスラッシュウィザードを優先的に使いたいと愚痴っていた。

レイは一年前ハイネが乗っていたのと同じ指揮官用のザク、ザクファントムの高機動型のブレイズウィザードを装備したバージョン。

ショーンとゲイルはゲイツR。ただしどちらも専用のカスタマイズを受けており、ショーンはレールガンとビームライフルを外し、代わりにフリーダムのラケルタ・ビームサーベル二本とルプス・ビームライフルに脚部ミサイルを装備した近接戦よりの強化をされている。

そんなショーンに対してゲイルは、武装を一度全部取り外して新たに新作のリニアライフル、プラズマソード、カーボンブレイド、ディフェンスロッドに変えたまさにゲイツRの名を冠した全くの別機へとなっていた。

シン、ハイネ、刹那は先述の通りそれぞれガンダムタイプの機体であることを伝える。もっとも、そのうちの三機はザフトが造ったモビルスーツではないのだが……

 

「そういえばミネルバの方はどうなるのかな?」

 

ふと、ルナマリアがトレミーとは別の、もう一つの新造艦の名を口にしながら呟いた。ミネルバはトレミーと違って、正真正銘ザフトが造り上げた新造艦で、ヴェサリウスのようなこれまでの代表的な戦艦とは全く別次元の構造で出来ている。着目すべきは連合の足付きと呼ばれていた戦艦、アークエンジェルと同じ陽電子砲『タンホイザー』が艦首に搭載しているところである。

 

「議長の話だと、そっちはジュール隊が使うらしいよ」

 

その疑問に答えたのは刹那だった。

ハイネを通じて、刹那はザフトのあらゆるエースパイロットと交流をしており、その中でもイザーク・ジュールとディアッカ・エルスマンには特にお世話になっていたのだ。

ルナマリアはふーん、と空を眺めながら返すと注文してあったジュースを飲み干した。

 

「俺、この前一度生で見たんだけどさ、ミネルバもトレミーも凄かったぜ?なんつーか、迫力が違うね!」

 

そう言いだしたのは先ほども説明した整備士のヴィーノだ。確かに、デュランダルに連れられてアーモリーワンの軍事工廠で二つの戦艦を見た時にはそれまで見たガモフやヴェサリウスとは比べることすら馬鹿らしく思えてしまうほどの存在感は、今でも覚えていた。

 

「そうだ。せっかくこれから一緒にやってく仲だ。一つ、やりたいとがあるんだが」

 

「やりたいこと?」

 

不敵な笑みを漏らすハイネが珍しくて思わず好奇心で聞いた刹那を含むパイロット五名と整備士二名は、ハイネの説明を受けて、ある者は驚き、ある者は『なるほど』と納得し、またある者は困惑した。

その中でも、シンと刹那だけは酷くやる気に満ちた目をしていたとだけ記述しておこう。

最近リアルでデュエマやろうかなと考えてる決闘者、アインハルトです。

 

刹那「主人公の刹那です」

 

シン「シンです。ところで今回も短いけど、本編に何時頃いけそうなの?」

 

次にハイネの提案をやったら行こうと考えてます。

 

刹那「もう一つのDESTINYも頑張らないとね」

 

うごごご……_| ̄|○

 

シン「ところでなんで私、女になってるの?」

 

刹那「女体化シンに目覚めたとか?」

 

ち、違う!ハーメルンの[IS]運命の翼の少女を読んでたらクリボーが勝手に……

 

刹那「はぁ……?」

 

と、とにかくだな!悪いのは俺じゃない!クリボーなんだ!

 

シン「関係ないクリボーに罪を着せるなんて最低。あんなに可愛いのに」

 

刹那「シンメトリーだしな」

 

それはあなたの名前の元となった人の中の人つながりの人です。あと可愛さならウィンは誰にも負けないぞ。

 

刹那「……そもそもなんで遊戯王の話を……?」

 

次回をやったら次こそ本編!みんな、楽しみにしててね~!

 

シン「あっ、逃げた……」

 

刹那「いいんじゃないかな。尺も丁度無くなってきたところだし」

 

シン「それもそうだね」


 
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