No.688794

鉄道唱歌2014・東海道の巻(東京~名古屋)

古淵工機さん

作詞:大和田建樹・古淵工機
作曲:多梅稚

おなじみの鉄道唱歌を現代流にアレンジしたらどうなるのかという実験です。
第1回は東京を出て丹那トンネル経由で名古屋まで。

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2014-05-24 00:56:56 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:839   閲覧ユーザー数:803

1.玉の宮居(みやい)御前(みまえ)より 眺むる煉瓦(れんが)停車場(ていしゃば)

 あれぞ東京(とうきょう)ステーション わが国鉄路の始点なり

 

2.帝都繁華の(かなめ)なる 銀座の柳も程近き

 有楽町(ゆうらくちょう)をうちすぎて はや新橋(しんばし)に着きにけり

 

3.汽笛一声新橋と ()まれしときも昔にて

 足元はしるトンネルは わが国はじめの地下鉄道

 

4.左に見えし庭園は 黒松 菜種の浜御殿(はまごてん)

 右は(そび)ゆる電波塔 東京湾の眺めよし

 

5.浜松町(はままつちょう)()つ道は これぞ東京単軌道(モノレール)

 至る羽田(はねだ)空港(そらみなと) ()()る翼の数多し

 

6.田町(たまち)を過ぎて品川(しながわ)の 右は高輪(たかなわ)泉岳寺(せんがくじ)

 山手線(やまのてせん)に乗りゆかば 渋谷(しぶや)新宿(しんじゅく) 遠からじ

 

7.大井(おおい)大森(おおもり)はや過ぎて キネマに名を得し蒲田(かまた)より

 ゆかば川崎大師道(だいしみち) いそげや電気の大師線(だいしせん)

 

8.右は総持寺(そうじじ)諸嶽山(しょがくさん) 眺むる鶴見(つるみ)停車場(ていしゃば)

 すぎればはやも新子安(しんこやす) 産業地帯も(まみ)えたり

 

9.横浜線(よこはません)の分かれ道 東神奈川(ひがしかながわ)あとにして

 つきし横浜停車場(ていしゃば)は 今なお列車の数(しげ)

 

10.港開きて一世半(いっせはん) さらなる繁華の横浜市

  時代(ときよ)うつりて近代の 高層ビルの建てるまで

11.横須賀線(よこすかせん)は乗り換えと 戸塚(とつか)で移り大船(おおふな)

  次は鎌倉(かまくら)いざさらば 源氏(げんじ)の古跡や訪ねみん

 

12.鎌倉駅前鶴岡(つるがおか) 八幡宮の大鴨脚樹(おおいちょう)

  別当公暁(べっとうくぎょう)の隠れしと 歴史にあるはこの(かげ)

 

13.ここに開きし頼朝(よりとも)の 幕府(ばくふ)の跡は(いず)かたぞ

  松風さむく日は暮れて 答えぬ石碑も(こけ)青し

 

14.長谷寺大仏(はせでらだいぶつ) 極楽寺(ごくらくじ) 白波すずし由比ヶ浜(ゆいがはま)

  七里ヶ浜(しちりがはま)江ノ島(えのしま)も 行くに電車の便(たよ)りよし

 

15.窓より逗子(ずし)を眺めつつ はや横須賀(よこすか)に着きにけり

  見よやドックに集まりし わが国護衛(まもり)の艦艇を

 

16.さらに進みて衣笠(きぬがさ)の 春は花咲く山桜(やまざくら)

  菖蒲(しょうぶ)に藤も薫りよし 眺め行くこそ楽しけれ

 

17.衣笠(きぬがさ)すぎて久里浜(くりはま)の 港たずねし黒船(くろふね)

  話も遠く昔にて 今は上総(かずさ)渡船(とせん)あり

 

18.また本線に立ち戻り 藤沢(ふじさわ) 茅ヶ崎(ちがさき) 平塚(ひらつか)

  すぎゆく先の大磯(おおいそ)は 海水浴のはじめの地

 

19.国府津(こうづ)降るれば旧本線 御殿場(ごてんば)まわり峠道

  挑みて進む機関車の 煙も今や夢のあと

 

20.渡る酒匂(さかわ)の鉄橋を すぎて小田原(おだわら)ステーション

  箱根八里(はこねはちり)の山道も 今は電車の登るまで

21.右に通いし新線は わが国鉄路の名誉(ほまれ)なり

  大阪までは数時半(すうじはん) 博多へゆくも四半日(しはんにち)

 

22.小田原城を眺めつつ 早川(はやかわ)いでて相模湾

  根府川(ねぶかわ) 真鶴(まなづる) 湯河原(ゆがわら)も 飛ぶがごとくに走りゆく

 

23.はるかに見えし初島(はつしま)の 眺めもゆかし熱海駅(あたみえき)

  伊東線路(いとうせんろ)に乗り継がば 河津(かわづ) 白田(しらた)もほど近し

 

24.丹那(たんな)の山を切り抜きて 函南(かんなみ)いたるトンネルの

  工事は難航(なんこう)十五年 苦難のあとぞ(しの)ばるる

 

25.三島駅(みしまえき)には官幣(かんぺい)の 三島大社の宮居あり

  駿豆(すんず)線路に乗り換えて 一夜泊まらん修善寺(しゅぜんじ)

 

26.みなと沼津の市場にて ()げたる(うお)は何魚ぞ

  白波みえて田子(たご)(うら) 今や製紙(せいし)(かなめ)なり

 

27.昔は船で(かよ)いたる 日蓮(にちれん)祖山(そざん)身延山(みのぶさん)

  今は富士(ふじ)よりのりかえて 身延線路の至るべし

 

28.鳥の羽音(はおと)に驚きし 平家(へいけ)の話も昔にて

  富士川(ふじかわ)渡る鉄橋の 下ゆく水のおもしろさ

 

29.由比(ゆい)正雪(まさゆき)生家(せいか)なる 紺屋(こうや)も近き漁港より

  出で発つ漁船の(いさ)りしは 世にも名高き桜海老(さくらえび)

 

30.つぎの興津(おきつ)の名物も これも名だたる興津鯛(おきつだい)

  鐘の音響く清見寺(せいけんじ) すぎればはやも清水駅(しみずえき)

31.日本武尊(やまとたける)()つるぎの その名を受けし草薙(くさなぎ)

  すぎてつきたる静岡(しずおか)は 駿州(すんしゅう)一の大都会

 

32.安倍川(あべかわ)渡りて宇津ノ谷(うつのや)の トンネルすぎて焼津(やいづ)

  (まぐろ)(かつお)()に乗せて 帰りし漁船の(いさ)ましや

 

33.春咲く花の藤枝(ふじえだ)も すぎて島田(しまだ)大井川(おおいがわ)

  むかしは人を肩にのせ わたりし話も夢のあと

 

34.いつしかまたも闇となる 世界は夜かトンネルか

  小夜(さよ)中山(なかやま)夜泣石(よなきいし) 問えども知らぬ よその空

 

35.掛川(かけがわ)袋井(ふくろい)磐田(いわた)駅 いつしかあとに早なりて

  さかまき(きた)天竜(てんりゅう)の 川瀬(かわせ)の波に雪ぞちる

 

36.この水上(みなかみ)にありと聞く 諏訪(すわ)湖水(こすい)の冬げしき

  雪と氷の()け橋を わたるは神か里人(さとびと)

 

37.遠州(えんしゅう)一の大都会 物の()ひびく浜松(はままつ)

  (うなぎ)白子(しらす)舞阪(まいさか)も すぎて浜名(はまな)の橋の上

 

38.右は入海(いりうみ)しずかにて 空には富士の雪しろし

  左は遠州灘(えんしゅうなだ)ちかく 山なす波ぞ砕けちる

 

39.豊橋(とよはし)おりて乗る汽車は 豊川(とよかわ)伊那路(いなじ)飯田線(いいだせん)

  東海道にてすぐれたる 海のながめは蒲郡(がまごおり)

 

40.見よや徳川家康(とくがわいえやす)の おこりし土地の岡崎(おかざき)

  矢矧(やはぎ)の橋に残れるは 藤吉郎(とうきちろう)のものがたり

 

41.安城(あんじょう)刈谷(かりや)うちすぎて 大府(おおぶ)の次の大高(おおだか)

  降りて昔の桶狭間(おけはざま) (たず)ねて(いくさ)のあととわん

 

42.熱田(あつた)の宮に(ふし)おがむ その草薙の神つるぎ

  名高き金の(しゃちほこ)は 名古屋(なごや)の城の光なり


 
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