No.688159

三国同盟 第壱話 ~戦の前触れ~

とうとう長編に手を出すと言う愚行を行ってしまいました…。
雪蓮、冥琳が生存してる場合の蜀エンド後にアレンジなどを加えて書いて行こうかなと思っていますが、どれくらい続けるかは未定です。

オリキャラは当分は敵役だけを出そうかなと思ってます。後々はどうするかは検討中…

2014-05-20 22:39:15 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2696   閲覧ユーザー数:2173

蜀・魏・呉の三国で同盟を結んでからは周囲からの侵攻などはほとんどなく平和な時間が流れていたのだが、ここ最近不穏な動きを見せるところがあるとして緊急の集会を蜀で開いていた。

 

 

「それじゃあ明命、偵察に行った結果を聞かせてもらえるかしら?」

 

 

呉の雪蓮はいち早く明命を偵察に向かわせていてその結果をこの場で報告しようと思っていた。

 

 

「はい…結果から言いますとおそらくこちらに侵攻してくると思われます。兵糧や武器を運び入れるだけでなく、その量や人員にも尋常ではない数が割かれています…そのうえ、何やら見慣れぬ姿をして武器を持っている者や猛獣…そして見たこともない武器も見られたことから、恐らくどこかを攻めると思われます。」

 

 

明命からの報告を聞いた愛紗は…

 

 

「では、雪蓮殿はその軍団がこちらに攻めてくると思っているのですね?」

 

 

「えぇ~もちろん、間違いなく来るでしょうね」

 

 

「そうなると地理的に魏が攻め込まれる可能性が高いですね」

 

 

雪蓮の後に同じく報告を聞いていた冥琳が続けて言う。

確かに敵軍は魏の国境付近に集結しており、華琳たち魏の軍勢が一番攻め込まれやすいと危惧していた場所だった。

 

 

「そうね…そちらの軍師さんの言うとおりでしょうね。そうなると私は早速戻って支度をさせてもらうわ。問題ないわよね?一刀?」

 

 

「………仕方ないか~分かった。後の事はこっちで決めておくよ」

 

 

「頼むわね。連絡要員として秋蘭を置いて行くわ。一刀のもとで励むように言ってあるから、あの子を有効に活用しなさい。」

 

 

そう言い残すと春蘭と桂花、凪たちを連れてその場から立ち去って行った。

 

三国同盟の立役者の1人として一刀は現在は調停者、または使者のような立場になったことでどこの国にも属していないために一刀には軍隊などは一切いなかった。

 

 

それを前から心配していた桃香はこれを機にと言わんばかりに切り出した。

 

 

「やっぱり、これを機にご主人様も護衛隊みたいなのでも良いから持てばいいのにぃ~」

 

 

「そうよ~一刀、いつまでも1人だといつかホントに困るわよ~」

 

 

「ご主人様、私も桃香様や雪蓮殿のおっしゃる通りだと思います。とりあえずの形だけでも良いので、護衛隊の様なものを作るべきだと私も思います。」

 

 

「ん~そう言われてもなぁ~今はそれどころじゃないだろうし…」

 

 

桃香、雪蓮、愛紗など他にも以前から声をあげていた者たちが一斉に一刀に詰め寄って行き、ドンドン追い詰められていく一刀。

 

 

「と、とりあえず!今は眼前の敵に対処しないと…ね…」

 

 

助け船を出すかのように朱里が話し始める。

 

 

「ご主人様のおっしゃる通り、今は目の前の問題に対処することは先です。その話はこれが片付くか一段落してからでも遅くはないはずです」

 

 

「ふむ…そうだな。では、蜀の軍師殿はこれからどうするべきだと思う?」

 

 

一刀の後ろに控えていた秋蘭が朱里に問いかける。

 

 

「華琳さんが魏に戻ったので初動で遅れることはないと思いますが、いざという時に備え魏に援軍を送る手配をしていた方が良いと思います。」

 

 

「そうだね。確かにその方が良いかも…人選はどういう風にするべきかな?」

 

 

「あ、あわわわ~ご主人様、それでしたら蜀からは翠さんを呉からは思春さんを中心に考えています。」

 

 

あらかじめ考えていたかのように一刀の問いに雛里がすぐに答える。

 

 

「と言うことらしいけど、穏に冥琳…それで良いかな?」

 

 

2人に一刀が聞くと2人は首を縦に振って応えた。

 

 

「じゃあ、それぞれが翠と思春を筆頭とした魏への援軍の編成を考えてもらってしばらくは華琳に様子を見てもらうと言うことで良いかな?秋蘭も華琳から何かあったら俺だけじゃなくて桃香や雪蓮たちにすぐに伝えると言うことで良いよね?」

 

 

一刀が出した結論にそこにいた全員が首を縦に振り、秋蘭も「わかった」と短く答えるに留まった。

 

 

「それじゃあ今すべきことはここまでとして…少し休憩してから今後のことについての詳細を決めよう!」

 

 

それぞれが部屋を出て自分たちの部屋に戻り始めると一刀のもとに秋蘭が声をかけに来た。

 

 

「それでさっきの護衛隊の様なものを作る件はどうするつもりなんだ?さっきは有耶無耶のままになったが私はしっかり覚えているぞ?」

 

 

「まだ何も考えてないよ。護衛隊と言っても武力には変わりないから…そう簡単には言えないし、中立の立場の俺はそういうところは慎重に行かないと。それよりも今は目の前の問題に集中しないと…秋蘭は今回の敵は五胡だと思う?」

 

 

「五胡では無いだろうな。戦略的だ…五胡にはそんなものは感じられなかったし…動きも読めない。まぁ~だからこそ恐ろしいと言うのもあるし、そうでなくば、一刀の護衛隊の件を蒸し返したりせんさ。」

 

 

「護衛隊を作るのもやむなし…か…わかったよ。これが終わったら考えておく」

 

 

「すまないな。では、私はさっき決まった事を華琳様に伝えてくるとしよう」

 

 

そう言った後に秋蘭も一旦、一刀から離れて行った。

 

一方の敵国の城内では…

 

 

1人は王族の衣服を身にまとった男、もう1人はその側近で衣服から身分の高さが見て取れる2人だった。

その2人が王の間でこれからの事に着いて話し合っていた。

 

 

「やはり魏、呉、蜀の三国は迎撃の態勢を取るようですな。おそらくこちらの動きを察知したのでしょう、王よ…いかがなさいますか?」

 

 

「ふん!あれほど睨み合っていた三国が今では同盟とはな。むろん、みな叩き潰すまでよ!そのために我らはこれまで雌伏の時を過ごしていたのだぞ。まとめて叩き潰して我らがこの大陸を制覇するのだ!」

 

 

王と呼ばれた男は玉座に座ったまま持っていた盃を握りつぶし、地図の上に破片を散らばらせているが、その姿は年齢は40代後半でどこか王としての風格や威厳を漂わせていた。

 

 

「それでは、今回は誰を使いますか?前哨戦に我が将を使うのはまだ時期尚早なため、捕虜として捕縛している者から選んだほうがよろしいかと…」

 

 

側近を務めるこの男は捕虜の数や名前、捕虜の能力などをまとめた書類を目の前に差し出し、王の判断を仰ごうとしていた。

 

 

「ふむ…ならば、この男でよかろう。あとは500人ほどの兵を適当に選抜し、魏に向けて進軍させよ。それでまずは魏を含む三国の様子を見るのだ、よいな?臨禅」

 

 

差し出された書類から適当な人間を選び出すと

 

 

「かしこまりました。焔王様」

 

 

側近に焔王と呼ばれた男は自国ではそのように呼ばれており、焔王に臨禅と呼ばれた側近は焔王よりも少し歳が若く焔王が即位する前から仕えていた忠臣であった。

 

 

そして、臨禅が選抜したたった500人の捕虜部隊とそのお目付け役の部隊が魏に向かって進軍を始めた。

 

そして、蜀での会議を終えたその日の夜に華琳は魏の城に戻り、そのすぐ翌日に敵は進軍を始めた。

 

 

「華琳様!敵がこちらへ向けて進軍しているとの報告が入りました!!!」

 

 

「なんですって!戻ってきてすぐに動き始めるなんて…一体何が目的で今仕掛けてきたのかしら?敵の規模は?」

 

 

駆け込んできた桂花の言葉に驚きを隠せない華琳。

 

 

「偵察の報告では1000にも満たないとの事です。華琳様…いかがしますか?」

 

 

「凪、沙和、美桜の部隊を迎撃に向かわせなさい!それとこの事を蜀と呉、一刀にも伝えなさい!」

 

 

「わかりました!」と、言って桂花は王の間から退室していった。

 

 

「1000以下の兵力で攻めてくるなんて…一体何を考えている…」

 

 

時間は少し遡り、休憩を終え華琳を抜いた状態で会議を再開した蜀では…

 

話はかなり進み…

「このままだとこっちが後手に回ることになるね…やっぱり、危険だけど誰かに偵察に行ってもらった方が良いと思うんだ」

 

 

一刀の提案に雪蓮が答える。

 

 

「そうねぇ~受け身に回ってても勝てないわ。こっちから攻めるためにも相手をもう少し知っておきたいわね」

 

 

そこに穏が割って入る。

 

 

「それなら、もう1度明命ちゃんを行かせますか~?まだ正体は知られてないみたいですし、仮に知られたとしても彼女なら無事に戻ってこれると思いますよ~?」

 

 

少し考えるそぶりを見せてから、一刀がこれまでの実績をふまえ了承する事にした。

 

 

「じゃあ、あとはそれぞれが準備をしてもらって敵に備えましょう。それとこんな時間だから今日は泊らせてもらうわねぇ~」

 

 

そう言い残して雪蓮は会議室を後にして、全員が部屋で思い思いの時間を過ごした。

そして、雪蓮たちを見送ろうと蜀の面々が集まったところに雛里が駆け込んできた。

 

 

「あ、あわわわ~!!ご主人様~!敵が魏に進軍を始めたと華琳さんから報告が入りました~!」

 

 

その場にいた全員が声をそろえて「なんだって!」と答えていた。

 

 

こうして、今まさに新たな戦いの火ぶたが切って落とされようとしていた。

 

 

あとがき

 

 

ご無沙汰しております…初長編の1話目ということでいきなり突込みどころ満載の様な気もしますが…そこは置いておいて…

 

 

時間の有り余るニートだと変に内容に凝ってしまって中々うまくいかないッス。

そして1話書くだけでものすごい疲れました(泣)

 

 

初長編と言うことで頑張って行きたいと思いますが、気に入らないところがあればよっぽどのことでない限りスルーしてもらえればいいかなと思います…(そうでないと心が折れる)

 

 

これからも細々と書いて行こうと思うのでよろしくお願いします。

 


 
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