No.685944

仮面ライダーディケイド ~Road Of Precure~ 6.5話

rairai345さん

pixivで投降している作品です。

あまり出番のない昭和ライダー編

2014-05-11 19:21:39 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2468   閲覧ユーザー数:2446

 

6話外伝「仮面ライダー集結!」

 

 -MAXIMUM HYPER TYPHOON-

 -ROYAL STRAIGHT FLUSH-

「はぁぁ……でぇやぁあああああ!」

 

 ハイパーカブトのパーフェクトゼクターから超エネルギーを圧縮したエネルギーソードへ、ブレイドキングフォームのキングラウザーに五つのカードの力が宿りまばゆい光を放ち、そして響鬼装甲のアームドセイバ-の刃から炎が吹き上がり刃の形を成す。それぞれが持つ最強の技が、一点へと叩き込まれる。巨大なエネルギーが一点に叩き込まれたことにより、爆炎が上がる。

 

「やったか?!」

「いや、この手ごたえ……まだだ!」

 

 ブレイドの言葉をカブトが即座に否定する。その言葉に答えるように、炎の中から彼は現れた。

 

「ふふふ、今のはちょっと……楽しかったかな」

 

 ン・ダグバ・ゼバは、最強の技を三つも暗いながらも、まるでそれが涼しい風のように彼は平然と立っている。その姿に、驚愕するライダーたち。

 

「なるほど、一筋縄じゃいかないってわけね」

 

 響鬼が思わずつぶやいた。

 

 ダグバと互角の戦いを繰り広げたアルティメットクウガ。そのパンチ力たるや今もなおライダートップクラスの80t。そしてキック力は100t。その連撃を受けながらも立ち続けたという驚異的なタフネフ。それがダグバの耐久力である。

 

 -EXCEED CHARGE-

「ウェイクアップ、フィーバー!」

「はぁぁ……はぁああああっ!」

 

 だが、それに畳み掛けるように三方向から、大量のフォトンエネルギーを右足に込めたファイズブラスターの強化クリムゾンスマッシュ、エンペラーキバの両足から蝙蝠の羽のような刃が敵を切り裂くエンペラームーンブレイク、そして居合いぬきの様な独特のフォームから放たれるシャインニングアギトのシャイニングライダーキックがそれぞれダグバへと襲い掛かる。

 

「……無駄だよ」

 

 ファイズブラスターの足を掴むと、まるで棍棒のように振り回し投げ飛ばし、エンペラーキバへと叩き付ける。同時に吹き飛ばされる間を縫って切り込むシャイニングアギトの必殺キックを、真正面から蹴りで受け止める。互いの蹴りがぶつかり合い、衝撃波があたりを薙ぎ払う。

 

「ぐあっ!」

 

 だが、吹き飛ばされたのはアギトのみ。地面を転がるアギトを、ダグバは涼しい瞳で見つめている。そんな彼を、汽笛と共に電車のレールが捕らえる。振り返る彼の視界に入ったのは、デンライナーのオーラを纏いながら突進してくる電王ライナー。その手に持っているデンカメンソードをダグバの腹部に叩きつける。

 

 が、

 

「まだ、甘いね」

 

 その刃は手で受け止められ、強烈なパンチが電王ライナーの胸部へと叩きつけられる。デンカメンソードと共に吹き飛ばされる。

 

 -FINAL VENT-

 

 ダグバに息をつかせることもせずに今度は巨大な火球があたりへと打ち込まれる。見つめてみれば、バイクへと変形したドラグレッダーの上位モンスター、ドラグランザーが龍騎サバイブを乗せてウィリーで襲い掛かる。その巨大な体格を武器に一気に引き倒そうとする。

 

「……ふふふ、やっぱり面白いね、君達」

 

 だが、ドラグランザーの前輪を片手で受け止めながら涼しい顔で告げる。両手で腹部に当てると、そのまま一気に持ち上げる。そして、真横へと投げ捨てる。巨大な音と共に転がるドラグランザーと龍騎サバイブ。

 

「くそ、なんて強さだ……!」

 

 各ライダーの必殺技を受けながらも、それをまったく受け付けないダグバの圧倒的な強さの前に、最強フォームでありながらダグバを前に手も足も出せない8人のライダー達。そして、

 

「うおおおおおお!」

 

 まだ炎が上がる中を、ダグバへと襲い掛かるのは赤い装甲のクウガの姿。だがそれはライジングではなく、ただのマイティフォーム。拳を振るうも、ダグバは防御さえもとらない。何発も喰らいながらも、ダメージを耐える様子はない。

 

「クウガ、僕をがっかりさせないでくれ」

 

 振るわれた腕で吹き飛ばされるクウガ。地面を転がりながらも、なんとか立ち上がる。そして、立ち上がると同時に、ベルトの前で手を置く独特のポーズ。

 

「超変身っ!」

 

 だが、その言葉にアマダムは答えない。光を放つこともなく、クウガの腰のベルトは光を放つこともなく沈黙したままだ。

 

「やっぱり……変身できないっ!」

 

 そう、彼だけが通常フォームで戦っているのは、クウガ持っている変身能力を失ってしまったからだ。アルティメットやライジングはおろか、ドラゴンなどのフォームにさえも変身できない。

 

 

「……ふふふ、いい様なのだ、仮面ライダーども」

 

 その光景を、モニターに見つめながら笑うものがいた。

 真っ白なスーツに黒い手袋。痩せ型の男の名前は、アポロガイスト。ディケイドの前にも現れたXライダーの宿命のライバルであり、この世界で最も迷惑な男。

 

「再生ン・ダグバ・ゼバは再現率が100%ではないが、それでもこの強さ。流石は最強のグロンギなのだ」

 

 モニターでは、ダグバがクウガの首をつかみ、持ち上げる。

 

「終わりだ、仮面ライダークウガ!」

 

 だが、そんな彼の期待を裏切る声が、とどろく。

 

『『ダブル、ライダーキィッック!』』

 

 

 その叫びと同時に、ダグバはクウガを離すと同時に、真後ろへと飛んだ。それと同時に、ダグバの立っていた場所に二つの影が飛び込む。同時に、強い衝撃と共に巻き起こる粉塵。驚きの表情を浮かべるライダーたちの目の前に現れたのは、9人の影。

 

「大丈夫か、クウガ」

「俺たちが着たからには、テメェの好き勝手にはさせねぇぜ」

 

「あ、貴方達は……!」

 

 そこに立っているのは、大きな複眼にアンテナ代わりの二つの触手、そしてライダースーツのような姿をした良く似ている二人の戦士。彼らの名前は……

 

「本郷さん、一文字さん!」

 

 技の一号、力の二号。彼らこそ、最初の者にして始まり。仮面ライダー一号と仮面ライダー二号!

 

「本郷さんだけじゃない、俺たちもいること忘れるなよ」

 

 そこに並ぶのは、七人のライダー。

 

 赤と白のトンボをモチーフにした力と技を受け継いだ、仮面ライダーV3。

 復讐を乗り越えて、正義に目覚めた、ライダーマン。

 アマゾンの奥地で育った野生児ライダー、仮面ライダーアマゾン。

 電気の力を身に纏う、カブトムシの角が特徴的な、仮面ライダーストロンガー。

 重力低減装置により自由自在に空を飛ぶことのできる、スカイライダー。

 ファイブハンドにより様々な能力を使い分ける、仮面ライダースーパー1。

 メカニック忍者の異名を持つ多機能ライダー、仮面ライダーZX。

 

 栄光の10人ライダーと呼ばれる伝説のライダーたちが、ほぼ勢ぞろいしていた。その9人を姿を、面白そうに見つめているダグバ。

 

「なんだよ、グロンギ最強ってわりにはなよなよしいな。本当に強いのか?」

「甘く見るな。あいつは戦闘民族グロンギの中でも最強の存在だ。改造魔人と同等か、下手をすればそれ以上の実力をもっている」

 

 ストロンガーの言葉に、ライダーマンが釘を刺す。

 

 

「馬鹿な! なぜあいつらがここにいるのだ!」

 

 アポロガイストはその手をモニターへと叩き付ける。ひびが入るモニターの向こう側では、ダグバと9人のライダーたちが対峙している。

 

「ライドルスティック!」

 

 不意に背中から聞こえた声に、とっさに回避行動をとるアポロガイスト。その鼻先を、超硬度の棒がすり抜け、モニターやその周りの器具を一撃で沈黙させる。

 

「貴様か……エックスライダー!!」

 

 そこにいるのは、ライダーの中でも水中戦に特化した戦士であり、同時にアポロガイストの宿命のライバルでもある、仮面ライダーX。

 

「貴様の野望もそこまでだ、アポロガイスト!」

「エックスライダー……いいだろう、ここが貴様の墓場だ。アポロチェンジ!」

 

 アポロガイストの姿が変化する。深紅の赤い兜に、黒い服の上には真っ白いマント。GOD秘密警察第一室長であり、GODの殺人マシーンの異名を持ち、怪人からも恐れられた存在。銃と腕が一体化したアポロマグナム、そしてXキックすらも跳ね返す鋼鉄の盾を持つ強敵だ。

 

「決着をつけるぞ、アポロガイスト!」

 

 

「いくぞ、みんな!」

「「おう!」」

 

 一斉に駆け出す九人のライダー。スーパー1が最初に空中へと空高く飛び出すと、ストロンガーがその拳を地面へと叩き付ける。

 

「エレクトロファイヤー!」

「!」

 

 その右腕から電撃が走る。ダグバへと一直線に走った電撃はダグバを捕らえると、その全身を包み込む。その全身を襲い掛かる電撃を面白そうに見つめているダグバへと、今度はライダーマンが一つのマガジンのようなカセットを取り出すと、肘に差し込む。

 

「マシンガンアーム!」

 

 右腕からマシンガンへと変形すると、左腕をそえてダグバへと放つ。強烈なマズルフラッシュともに弾丸がダグバへと打ち込まれる。だが、ダグバは涼しい顔。無理もない、銃などという道具では彼を傷つけることはできない。

 

 はずだった。

 

「……ぐぅ!」

 

 ダグバが始めて苦悶の表情を見せる。

 

「神経断裂弾、だったか。研究させてもらった……お前相手では、せいぜい時間稼ぎ程度だろうがな」

 

 ライダーマンの言葉に答えるように、ダグバの体を痛めつける弾丸。だが、それもせいぜい数秒が限度だろうと彼は考えていた。―――だが、必要なのはその数秒。

 

「いまだ、ZX!」

「おお!」

 

 同時に、ZXが駆け出すと、その腹部のベルトが光を放つ。同時に、十数人のZXがダグバを取り囲む。彼の持つ能力の一つ、虚像投影装置。これにより、自分の虚像を生み出すことができるのだ。拳を振るい、ZXに襲い掛かるも、その腕は悲しく空ぶる。

 

「キキィー!」

「!!」

 

 その虚像を盾に突っ切って、一気に肉迫するアマゾン。その高い俊敏性に反応が遅れ、ダグバも接近を許してしまう。

 

「ガガの腕輪よ!」

 

 アマゾンの手にあるのは、古代インカ文明の神秘の腕輪、ガガの腕輪。それを、彼の左腕につけられているギギの腕輪と組み合わせる。それにより、奇跡の力が生み出される。

 眩い光を放ち、アマゾンの右腕のヒレが大きく肥大化する。それを振り上げる。

 

「スーパー、大切断!」

 

 古代インカ文明の神秘の力によって生み出された力が、ダグバの装甲を始めて切り裂く。血飛沫を上げるダグバ、思わずひるむダグバを襲うのは、

 

「大回転、スカイキィッック!」

 

 セイリングジャンプによって真上に飛んでいたスカイライダーの回転を加えた必殺キックがダグバの肩口へと叩き込まれる。必殺技の応酬に、ダグバが動けなくなった瞬間、V3が構える。

 

「逆ダブル、タイフーン!!」

 

 V3のベルトの二つの風車が唸りを上げて逆に回転すると、そこから巨大な竜巻が発生してダグバへと襲い掛かる。その突風はダグバの体を空中へと吹き飛ばす。

 

「空中では、動きは取れまい!」

「!」

 

 そこへ、一号と二号が飛び上がる。

 

「「ライダー、ダブルキィッック!」」

 

 一号と二号が放つ、最強の必殺技が、ダグバの腹部へと叩き込まれる。強烈な蹴りが叩き込まれて、ダグバをさらに吹き飛ばす。地面を十数メートル吹き飛ばされる。

 

 だが、それでもダグバは立ち上がる。さすがにダメージが見え、足元がふらついている。

 

「ふふふ……面白い。面白いよ」

 

「流石は最強のグロンギ……これだけ喰らってもまだうごけるか」

「だが、まだ終わりじゃない」

 

 一号の言葉に、二号は空を見上げる。

 

「いまだ、スーパー1!」

 

 そのとき、スーパー1は成層圏近くにいた。

 

 仮面ライダースーパー1、そのジャンプ力は他の追随を一切許さない―――無限。惑星開発用として生み出された彼の体の中にある、重力制御装置により発揮できるその最強の跳躍力を、だた一点に込める!

 

「スーパーライダー、月面キィッック!」

 

 白銀のライダーが彗星となって空を引き裂き、ダグバの胸部へとその必殺の一撃を叩き付ける!

 

 

「く、ン・ダグバ・ゼバがっ!?」

 

 Xと激しい戦いを繰り広げていたアポロガイストが、驚きの声を上げる。X共々、その体は傷だらけであり、腕のアポロマグナムもすでに弾切れだ。憎らしげにXを見つめながら、アポロガイストは告げる。

 

「仮面ライダー……今日のところは私の負けにしておこう。ここで貴様らを倒したとしても、工場は破壊され、研究材料もああなってしまったのならしょうがない」

「アポロガイスト、貴様らは何を企んでいる!!」

 

 彼の言葉に、アポロガイストは不気味な笑いで答える。

 

「復活するのだ。この世界の闇であり、真の支配者でもある……大首領様がな」

「何……どういうことだ!?」

 

 驚きの声を上げるXの前で、アポロガイストは銀色のオーロラを発生させるとその中へと消えていく。最後に、

 

「待っていろ、仮面ライダーたちよ。闇が光を食い尽くすときを……!」

 

 そう、告げて。

 

 

「大丈夫か、スーパー1!」

「風見さん、俺は大丈夫です」

 

 膝を突き、肩で息をしているスーパー1へ、V3の変身者でもある風見志郎が駆け寄る。逆ダブルタイフーンは強力な威力を発揮するものの、その後3時間の間変身ができなくなるというデメリットも存在するのだ。

 

 彼らの前にはスーパー1の蹴りの衝撃が生み出した巨大なクレーターが大きな口をあけている。物凄い威力であったが、同時にそれを放ったスーパー1へのダメージも大きい。

 

「流石にこの威力の前だ。いくら最強のグロンギと言えども……」

「いや、まだだ!」

 

 二号の言葉を、一号が否定する。

 

 そう、ダグバは生きていた。あの強力な一撃を喰らいながらも、五体満足な姿で。

 

「やはり、クウガの封印の刻印がなければ駄目なのか!」

 

 ライダーマンが悔しそうに言う前で、ゆっくりと歩を進めるダグバ。―――だが、その足が不意に止まる。

 

「……どうしたんだ?」

 

 ダグバは、自分の右足を見つめていた。本来ならば、真っ白であるはずの彼の右足が、まるで闇にくわれているかのように真っ黒に染まっているのだ。それをみて、彼は納得したように言う。

 

「そっか、今日はここまでか」

 

 その黒いシミは瞬く間にダグバの全身を包み込むと、呆けなく弾けた。まるでそこにいたのが嘘であったかのように、ダグバの姿は消えていた。

 

「これは、どういうことだ?」

「おそらくは……」

 

 一号の言葉に、ライダーマンは右腕をロープアームに変形させると、さっきまでダグバの立っていた場所へと放ち、あるものを回収した。

 

「こういうことだ」

 

 ライダーマンが回収したのは、黒いガイアメモリ。そこには、人がつかっているものではない文字――リント文字で一文字書かれている。

 

 -ン・ダグバ・ゼバ!-

 

 はじけるガイアメモリ。それをみて、一号は合点が言ったかのように頷いてから、言う。

 

「やはり、スーパーショッカーの目的は」

「新型ガイアメモリによる、歴代幹部の再生」

 

 ハートキャッチの世界で現れた、倒したはずの存在であるフィロキセラワームの復活。それだけではなく、ディケイドの世界融合化現象の際に現れた倒した怪人、幹部たちの復活の謎。そして、光栄次郎を死神博士へと変貌させた「死神博士メモリ」の謎。

 

「やはり、ここはダブルの力も借りないといけないな……結城、風見と一緒にダブルの世界に向かってくれ」

「わかった」

 

「本郷さぁーん!」

 

 話している彼らに駆け寄ってくるのは、さきほどまでダグバと戦っていた五代率いる平成ライダー9人。

 

「助かりました、ありがおうございます」

「何、気にするな。助け合うのがライダーだからな」

 

 変身を解除した本郷は、五代に向けてそう笑顔で答える。

 

「それにしても五代、君は超変身が……?」

「そうなんですよね、試してみたんですけど、うんともすんとも言わなくて」

 

 五代のその言葉に、考え込む本郷。だが、どうしてなのかはわからない。

 

「本郷さん、五代の変身ができなくなったことも、ダブルの世界で調べて見ましょう。フィリップの力を借りれば、何かわかるかもしれません」

「そうだな、専門でない俺たちがアレコレ考えるよりは、地球の本棚で検索できるフィリップのほうが適任だな。五代、君も結城たちと一緒にダブルの世界に向かってくれないか?」

「はい、わかりました!」

 

 その返事を聞いてから、本郷は残りのライダーたちへと振り返る。

 

「俺たちはその間、できる限り世界に散らばって、スーパーショッカーのガイアメモリ工場を破壊する。おそらく、メモリの力によって復活した幹部達が待ち受けているだろうが、俺たちが力をあわせれば、恐れるような相手じゃない!」

 

 本郷の言葉が、ライダーたちへと力を与えていく。

 

「すでにブラックやJたちは動き出している。俺たちも行こう!」

 

 そして、告げる。

 

「スーパーショッカーの野望を阻止するために!」

 

 いま、ライダーたちの反撃の狼煙が上がる!

 

 
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