この作品は、作者の妄想があふれ出して固まったという不純な動機から生まれています。
原作?なにそれおいしいの?なんてレベルは超越しております。
主人公もげろなんてしょっちゅうです。
それでも良いという方はどうぞお進みくださいませ。
「全校生徒に告ぐ!これより昼食休憩じゃ!しっかり食べて体を休め、午後の活動に備えるように!」
スピーカーから校長の連絡が入ったな。
「・・・だってさ。とりあえず休憩にするか」
「はい!」
朱里はいい返事だなあ。
ということで現在、オレ達は昼食のために移動しているところだ。
「ねえ兄ちゃん、ボク達どこに向かってるの?」
「知り合いのところさ。お昼の約束しててね」
「私達も一緒で良いんですか?」
「ああ、弁当作って来たのオレだから。二人増えたくらいなら問題ないさ」
そういいながら、オレ達は中庭まで来た。
「か、一刀さん!」
「おお、月ちゃん。場所取りありがとうな」
「いえ、もともとこのあたりで運動してましたので」
月ちゃんの後ろにはすでに詠、恋さんもいて重箱もきちんと置いてある。
「遅かったわね」
「お兄と一緒に鉄棒をしていたのです」
「・・・お腹空いた」
「はわわ、ごめんなさい・・・」
「・・・気にしなくていい。それより、早く食べよ?」
「あわわ!そうです!」
「そうだな。ほら、二人とも空いてるところ座っていいよ」
「分かった!お邪魔しま~す!」
「お邪魔します」
二人とも座ったようなので、月ちゃんに合図を送る。
「分かりました、それでは開けますね」
月ちゃんが蓋を開ければ、
『・・・・・・・・・』
「あれ?もしかして嫌いなものでもあった?」
全員が沈黙したのでオレは焦った。
「い、いえ!その、すごいきれいに出来ていたので、ちょっと衝撃的というか・・・」
流琉ちゃんがあわてた様子で答えた。
「そう?今日は気合入れて作ったからね。そういってくれると嬉しいよ」
「そ、そうですか・・・」
「ま、量はあるからたくさん食べてね、ということで、いただきます!」
オレがいち早く手を出すと、なんでかうつむいちゃってた詠や季衣ちゃん、朱里や雛里も顔を上げて食べ始めてくれた。
「・・・おいしいです!」
「おいしい~!これどうやって作ったの?」
「・・・相変わらずおいしい(もきゅもきゅ)」
「恋お姉!これもおいしいですぞ!」
流琉ちゃんや季衣ちゃん、恋さんにねねはすごい勢いで食べてるな。というか、季衣ちゃんが恋さんに匹敵する勢いなんだが・・・、足りるかな?
「・・・くっ!また腕を上げてるみたいね」
「なかなか追いつけないね・・・」
「はわわ、お兄ちゃんがほめられるのは嬉しいけど・・・」
「あわわ・・・、何かが崩れていくよう・・・」
一方、残りの面子は弁当を食べながら時折こっちを見つつため息をついてる。
まあ、ああいう時は気にしないほうがいいって学んだからな。
どうやって?もちろん実体験からだよ・・・。
さて、お昼も無事に終わり現在のオレはというと。
「やっと、捕まえた!」
という台詞とともに美羽さんにつかまり現在先輩のクラスへ連行されています・・・。
一応紹介しておくと、美羽さんの本名は河島 美羽(かわしま みう)。
亞莎の姉で冥琳先生の妹だね。河島姉妹の三女といったほうが分かりやすいか?
亞莎を大好きと公言するほど溺愛してるけど、それ以外はすごく出来た人で、個人的に尊敬してる人でもある。
ものすごい強運の持ち主で運が絡むゲームでは負けた試しがないらしい。
ちなみに、美羽さんは華琳さんとかと同じクラスだね。クラス間の学力差がやばいような気もするけどいいのかな?
「お疲れ様、美羽。そしてお久しぶりね北郷」
「ええ、お久しぶりです」
そして、連れて行かれた先、武道館には深井姉妹を後ろに従えた華琳さんがいた。
「全く、私を顎で使うなんて貴女位よ」
「バイト先で付き合いがある貴女が一番彼に近づきやすいと思っただけよ」
「それもそうね」
おお、なんかセレブな雰囲気漂うやり取りだな・・・。
「それにしても・・・」
といって華琳さんがこっちを見た。
「手をつないでくるとは予想外だったけど」
「べ、別に逃げられないようにしてただけで他意はないわ」
そういって美羽さんはするりと手を離した。
「・・・そういうことにしておきましょう」
「何?羨ましかったの?」
「ち、ちがうわよ!」
・・・なんでいきなり言い合いになったんだ?
「・・・もう少し人の心というのに敏感になった方がいいと思うぞ」
ふと秋蘭さんに言われた。
「さもないと、いつか後ろから刺されるぞ?」
「・・・それは嫌ですね」
とりあえず、肝に銘じておこう。
「それで、美羽さん。オレは何でここに連れてこられたんですか?」
「それもそうね。華琳、説明よろしく」
「分かったわ」
オレが聞くとあっさり言い合いを止める二人。
「あの二人って仲良いんですか?悪いんですか?」
「普段はいいぞ。上流階級同士、通じるものがあるんだろう。かといって周りにも気を配れるからクラスで浮いてるわけでもないし」
秋蘭さんにこっそりと聞いたら思ったとおりの返答。
まあ、華琳さんは分からなかったけど、美羽さんは気配りの人だからなあ。そんな気はしてたけど。
「うちのクラスでは、こういう時に組み手をするようにしてるのよ」
「組み手、ですか?」
「ええ。まあ貴方も知ってのとおり、ここは基本的にお嬢様が多いから意外かもしれないけどね」
確かに、組み手と聞いてお嬢様を想像するのは結構厳しいものがあるなあ。
「まあ、自衛のために少しは覚えがあったほうがいいでしょう?別に積極的に倒しにいったりするわけではないけど、1VS1の時くらいに咄嗟に対処くらいは出来たほうがいいってことで、体育でもやるのよ?」
「そうなんですか、それで武術部のような」
「そういうことよ、物分りがよくて助かるわ」
確かに、過信して突っ込むのはまずいけど、何も出来ないよりはいいか。
「私と美羽は秋蘭に教わってるの。春蘭はクラスメート全体を見てるわ」
「・・・すると、オレは?」
今の話だけを聞くとオレのやることがないような。
「実はね、一人だけ春蘭でも勝てない子がいるの。その子をお願いしたいのよ」
「・・・春蘭先輩が勝てない相手がいるんですか?」
「無手限定だがな」
春蘭先輩が悔しそうに言った。
「桃香。こっち来てくれる?」
華琳先輩が誰かを呼んだ。
「んー?どうしたの華琳?私、他の子見てるんだけど?」
と、現れたのはとってもナイスバディな女性。
けど、それ以上に春蘭先輩も秋蘭先輩も咄嗟に構えるほどに動きに隙がなかったことにオレは驚いた。
「紹介するわ、彼女が劉 桃香(りゅう とうか)。ハーフよ。桃香、こっちは北郷一刀。貴女も知ってるでしょう?」
「おお、今話題の転校生だよね!桃香でいいよ、よろしく!」
「ええ、こちらこそ、一刀でいいです。よろしくお願いします」
ハーフと聞いたけど、すごい日本語うまいな。
「相変わらず、深井姉妹はおっかないね~」
そういいながら笑う桃香さん。
けど、あの雰囲気を流して笑える彼女はとんでもない人だとは分かる。
何気に美羽さんも気にしてない様子だし、やっぱ世界が違うな・・・。
「二人とも、抑えて。桃香もあまりからかわないで頂戴」
「・・・はっ」
「ごめんごめん、別にそんなつもりじゃなかったんだけど」
春蘭先輩は返事をして下がり、桃香さんも手をひらひらと振って笑った。
「全く、いつものこととはいえ心臓に悪いわ」
「そういって美羽全く表情変わってなかったじゃない」
「あまりに怖くて固まってただけよ」
「またまた~」
美羽さんと桃香さんは仲がいいんだな。
「話を戻すけど、桃香今日は一刀が貴女の相手をしてくれるわ」
「そうなの?」
「ええ、まあそういうことみたいです」
返事をすると桃香さんはオレの周りをぐるっと一周して、
「春蘭ちゃんとどっちが強いの?」
と、かわいらしく小首を傾げてすごいことを聞いてきた。
「・・・どうなの?」
「直接やってないのでなんとも。ただ、華雄が一瞬で倒されたとは聞いています」
「へぇ~、華雄ちゃんを!それはすごいね!私で相手になるのかな?」
桃香さんはそんなことを言ってるけど、身のこなしからははっきりと華雄さん以上の実力者ということが伝わってきてるから、冗談にしては笑えない。
「ま、そういうわけで場所は空けてあるわ。怪我しないことと周りに迷惑をかけない程度にね」
「分かった!じゃあ一刀君、こっちね」
「ええ、それでは失礼します」
オレは桃香さんについて行った。
桃香 Side
「桃香ちゃんどこ行ってたの?」
「ん?華琳に呼ばれてね。ごめん、これから手合わせするからちょっと手を離せないんだ」
「いいけど、もしかして相手って北郷くん?」
「そう!いやあ、今噂の彼を独り占めできるなんて!」
「いいなあ、後で手ほどきしてくれないかなあ」
さっきまで見てた友達に事情を説明して一刀君の所へ。
「ごめんね、待たせちゃったかな?」
「いえ、気にしなくても」
うーん、応対が紳士だよねえ。そりゃ、みんなが惚れちゃうのも分かるよ。私もクラッとしちゃいそうだし。
「準備運動は?」
「さっきまで体動かしてたんで大丈夫です」
「そう?じゃ、始めよっか」
別に試合でもなんでもないから特に審判とかはいないし、そもそも手合わせなんだからそこまで気を張る必要なんてないけど。
「ええ、お願いします」
「お手柔らかに、ね?」
「はは、それはオレのほうからお願いしたいですよ」
そう言い合ってお互いに構えた。
といっても、私はわずかに踵を上げたくらい。
一刀君も左足を少し下げたくらいか。
うーん、隙がないなあ。
「・・・・・・・・・」
ちなみに私は実家の都合でテコンドーを修めてるけど、実践的なほうだったから足技だけでなく突きとか投げとかもあったりするんだよ。
とはいえ、お見合いしてても仕方ない。仕掛けてみようかな?
「ふっ!」
一歩踏み込んで突き。
「!!」
あっさりかわされたけど、踏み出した足を軸にそのまま蹴り出し、さらに突き、最後に回し蹴りから踵落としへとつなげてみる。
「・・・っ!」
と思ったけど、蹴り出した足を透かされたと思ったら一気に詰め寄られた。
「おっと!」
私は体重を後ろに逸らしてそのまま後転した。
起き上がってみると、一刀君が驚いた表情でこっちを見てた。
「・・・テコンドーですか?」
「!よく分かったね。実戦派だから突きとかしてたし分からないかと思ったよ」
「爺ちゃんに聞いてたんで。もともとテコンドーは護身術が発展したものだから手技も存在すると」
「へぇ~、お爺さん物知りだねえ」
まさか、一発で見抜かれるとは思ってなかったけど、これは面白くなってきたなあ。
「一刀君のはやっぱり北郷流ってやつ?」
「ええ、ご存知なんですか?」
「まあ、格闘技をかじってればみんな知ってるんじゃないかな?」
「そんなに有名だったのか・・・」
むしろそれを知らなかったことに驚いたよ・・・。
「さて、お互いに手の内もばれたしやろっか!」
「ええ、始めましょう」
それから、お互いに気の済むまで組み手を続けた。
いやあ、久々に本気で体を動かせてスッキリしたよ。
桃香 Side 終
いやあ、桃香さん強かったなあ。
その後、桃香さんのお友達に少し手ほどきをして今日の体育は終了した。
桃香さんも満足してくれたようで、あの後連絡先を交換したよ。
華琳さんが羨ましそうにこちらを見てきたのが少し気になったけど。
今日はバイト先に美羽さんも顔を出すらしいし、ちょっと急いで帰らないといけないか。
??? Side
「ふふっ、一刀君か~。また手合わせしたいな・・・」
家に帰ってきて以来、桃香が携帯を見ては幸せそうに笑っている。
「今日はいいことでもあったのか?」
「うん、久々に体を動かせてね!」
私は驚いた。桃香に護身術でテコンドーを教えたものの、師範をあっさりと超えてしまい、満足に張り合えるような相手がいるとは思えなかったから。
「しかも、かっこいいし!私が足を滑らせた時なんか咄嗟に抱きかかえて庇ってくれて!私の胸が当たって慌てて離れようとしてたし・・・。キャー!!」
・・・どうやら、桃香はそのカズトという男に惚れたようだ。
さて、どうしてくれようか・・・。
「あ!」
と、桃香がこちらを見て、
「間違っても一刀君に何もしないでよ!私の実家のことを言ってないんだから。それと・・・」
といいながらこちらに身を乗り出してくる。
母親譲りの巨乳が迫ってくるが、そんなことより私は冷や汗が止まらなかった。
「もし、一刀君になんかしたら・・・。私、許さないからね?」
私は頷くしか出来なかった。
あとがき
どうも、作者のmorikyouです。
今回はいかがでしたか?
さて、今回は華琳のライバル的存在の二人が登場しました。
ちなみにこの三人の共通点は「原作設定を投げ飛ばしすぎてどっかいっちゃった」というところですw
最後の???は誰とは言いません。まあ分かりやすいでしょうが。
では次回をお楽しみに!
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一刀と恋姫たちが現代の学校で繰り広げる物語。
笑いといちゃこらと(視聴者の)嫉妬からできています!