ファンガルドプラネットポリス・ラミナ警察署…。

その署長室に一人の警官が入ってきた。

「エルザ署長、レプティス軍警察第1警備本部長のベリンダ・クロフ准将がお見えになりました」

「わかった。すぐにお通ししろ」

「はい」

やがて警官に導かれるまま、エルザ・アインリヒトの前にやってきたのはワニ形レプターの女性。

彼女こそ、レプティス軍警察第1警備本部の部長ベリンダ・クロフその人であった。

 

「お待ちしておりました、ベリンダ・クロフ准将どの。私はラミナ警察署の…」

「ええ、自己紹介は結構です。エルザ・アインリヒト警視正ですね。どうぞよろしく」

出会い頭に二人は会釈をすると、応接用のテーブルに座った。

 

「それでリンディー准将。用件とは?」

「あなた方の保有する特殊部隊…K-9隊が、大型犯罪に対して有効打になっているとか」

「ほう…つまり、君たちの星にもそのような特殊部隊が欲しいと?」

「はい。どうか特殊部隊のノウハウを教えていただきたい」

「わかった。K-9隊に掛け合ってみよう」

「ありがとうございます」

二人は立ち上がると、堅く握手を交わした。

…数日後。一機のシャトルがレプティス星・ディナス国際宇宙港に着陸した。

中から現れたのはK-9隊の中でも経験豊富な正規職員4名。

久遠・ココノエ、イシス・ミツザワ、ジョナサン・ボーイング、筑波未来である。

「うっひゃー、噂には聞いてたけどワニやらトカゲやら恐竜やら…ファンガルドとは随分雰囲気ちがうっすねー!」

初めて訪れたレプティスの雰囲気に思わず目を丸くするミライ。

「レプティスは密林や草原、湿地帯が多い星だからね。爬虫類形の種族が大きく発達したんだ」

「ここは宇宙学や医学・薬学が発達している惑星なの。それにおいしいグルメも沢山あるのよ」

「へぇーっ…あれ、イシスさんは来たことあるんスか?」

「仕事柄、レプティスの軍警察の方々とは会う機会も多くてね」

「隊長、そろそろ来る頃ですぜ」

 

目の前に現れたのはティラノサウルス形レプターとサーベルタイガー形ロボットの女性。

クオンはその二人に声をかける。

「やあ、君たちがこのたび新たに設立されたっていう…」

「はじめましてクオンさん。僕はリサ・ダンロップ中佐、今回創設されたR-9隊の隊長です」

「剣咲瑠璃です、よろしくお願いします」

「こちらこそよろしく。僕は久遠・ココノエ。こっちがイシス・ミツザワ、ジョナサン・ボーイングに筑波未来だ。さっそくだけど部隊創設に当たってのノウハウを教えていくから心してかかるように!」

「「はい、どうぞよろしく!」」

 

かくして、R-9隊は輝かしい第一歩を歩み始めたのであった。


 
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