一夜明け、天の国・・・俺からしたら元の国にいるわけだけど・・・・・
一刀「・・・なんで軍師の方々が皆様いらっしゃるのでしょうか?」
そう、一階の居間に冥琳・朱里・雛里・詠・桂花たちが総集結しているのである。
冥琳「北郷、軍師にとって未知とは恐怖であり、また極上の餌なのだ・・・抑えきれると思うか?」
朱里や雛里は冥琳の言葉に全力で同意している・・・あ、目回ってる。
詠「そう・・・だ、だから別に一緒にいたいとかそういうわけではなくもないけど、どちらかといえばブツブツ」
桂花「そうこれは魏に情報を持ち帰るためであって、決して全身精液男と痛いわけではブツブツ」
そうして、軍師たちによるテレビや冷蔵庫・・・果てには今の日本の現状や中国についての質問攻めを受け、一刀はその日の半分以上を会話に費やした。
冥琳「ふむ・・・天とは非常に興味深いな。これは私も呉を亞莎に任せてこちらに移住するべきか・・・」
一刀「冥琳さん・・・亞莎と穏の泣き顔が鮮明に浮かんだのでもう少し我慢していただけないでしょうか・・・」
頭の中で泣き顔でこちらを睨む二人が鮮明にイメージされる・・・すまん、二人共。
朱里「はわわ、雛里ちゃんこの本は・・・」
雛里「あわわ!?これは天の艶ぼnあわわわわわ!?」
一刀「朱里さあああああああん!?どっから持ってきたのそれええええええええ!雛里もページめくらないでええええええ!」
絶対に見つからないよう隠したのに・・・・・朱里・・・恐ろしい子!
詠「へー、家計簿なんて書いてるのね・・・ちょっと無駄遣いしすぎ!あんた馬鹿なの!」
一刀「はい・・・・すいません・・・」
真面目に怒られ、床に頭を擦りつける北郷家当主って・・・・・・
桂花「・・・へー。」
桂花はテレビが余程気になるのか画面の目の前で見ている。時折、目が痛くなるのか目を擦るのが可愛らし「こっち見るんじゃないわよ!妊娠しちゃうじゃない!」・・・・お約束ですね分かります。
そんなカオスな状況の中、さらにカオスにする人物が現れた。
貂蝉「ぶるああああああああああああ!ご主人様ああげぶっ!?!」
一刀「もういやああああああああああああああああああああ!」
突っ込んでくるビキニパンツ一丁の貂蝉の顔面に右ストレートを叩き込む!
貂蝉「しどい・・・しどいわ。折角熱い抱擁で迎えてもらおうと・・・」
目の前で鼻血を流しながら涙をハンカチで拭っている変態が一人・・・・そのハンカチどっからだした・・・
冥琳「・・・北郷知り合いか?」
若干さっきより距離が開いてませんか冥琳さん?
朱里「・・・・・・・はわっ!?」
雛里「・・・・・・・あわっ!?」
貂蝉の姿に意識を手放していた二人が意識を取り戻す・・・・和むなぁ。
詠「ここも無駄遣いだし・・・・あーここも!」
詠は家計簿の粗探しに夢中で気づいていない・・・説教は続行されるようです・・・・
桂花「華琳様はこんなブ男じゃないわよ!」
桂花は丁度やっていた三国志をもとにした番組に夢中のようだ。
一刀「あー、なんていうか・・・俺があっちの世界に行くことになった関係者でもあるし、戻ってくることにもなった関係者・・・かな?」
貂蝉「まぁ、そんなとこねん・・・今日はご主人様に注意に来たの。そうねん、いいことと悪いこと、どちらから聞きたいかしらん?」
貂蝉の口調はいたって真面目・・・だと思う。少なくともその声色は真剣そのものだ。
一刀「悪い方からお願いするよ。」
俺の答えに満足したのか、貂蝉の声は優しいものになる。
貂蝉「さすがご主人様ねん・・・ご主人様も知っての通り、今の外史はどの外史とも違う。三国全員がご主人様を覚えていて、その結果三国同盟・・・いえ四国同盟は相当早い段階で成った。その結果、正史において退場する武将、董卓・賈駆・華雄・孫策・周瑜・呂蒙・関羽・夏侯淵は退場することはなくなったと見ていいでしょう・・・でも、世界の修正力はそんな優しくはない。彼女たちを何らかの形で退場させようとするでしょう。例えば、周瑜・・・病に倒れるはずだった彼女がこの天の世界で病を完治したとしましょう・・・でも、あちらの世界に戻れば、また再発するわ。郭嘉のように死に至らないようなものなら大丈夫とは思うけど確約はできないわ。」
貂蝉の無情なまでの話に、冥琳は顔を伏せている。
一刀「冥琳・・・・」
冥琳「ふむ、ならば私がこっちに住めば何の問題もないのではないか?」
顔を伏せている冥琳を心配そうに見る一刀だったが、冥琳の声は明るい。
冥琳「話を聞けば確かに、自分の死が決定づけられているのは辛い・・・しかし、それもあちらに戻ればの話だ。雪蓮もこちらに住むという話だからな。穏や亞莎には悪いが、早急にこちらに移り住むことになりそうだ。」
貂蝉「ええ、それがいい話の一つ。こちらの世界に外史の影響は反映されないわ。でも、注意して頂戴。こちらの世界で剣を振り回すようなことをすれば当然罰せられるし、何よりも貴方たちはこの世界では少し優秀な女性に他ならないのよん。」
その言葉に一番驚いたのは一刀一人で、話を聞いている冥琳・朱里・雛里は落ち着いたものだ。
朱里「はわわ!やっぱりでしゅきゃ!」
雛里「あわわ!朱里ちゃんおちちゅいてぇ!」
冥琳「雛里・・・お前もな。」
三人は、半ば予想していたのか驚くだけで慌てたりはしない・・・朱里と雛里が噛むのは通常運転だ。
貂蝉「それはそのはずよん。あっちの世界での身体能力でこっちに来たらオリンピック選手も真っ青でしょん?こっちの世界では多分、恋ちゃんでもご主人様には敵わないんじゃないかしらん。」
一刀「恋が!?」
朱里「はわわ!?」
雛里「あわわ!?」
冥琳「ほう・・・それほどか。」
貂蝉「ご主人様が強いというのもあるけどねん・・次にいいことの一つ目、それはこの世界での基本的な常識は彼女たちでも分かるわん。平仮名を知らないはずの彼女たちがテレビを見れるのも、家計簿を読めるのもそのおかげよん。でも、勘違いしないで欲しいのは、それは常識だけであって彼女たちはほとんど無知に近いわん。冷蔵庫やテレビをしらなかったようにねん。まぁ、それに関しては長期的な慣れがひつようでしょうねん。」
そういえば、気にしていなかったな・・・なぜ、詠が平仮名を読めるのかとか、桂花がなぜテレビの内容を理解できるのかとか。
貂蝉「今回は軍師というある意味知力が高い彼女たちだったから良かったけど、武闘派の人たちは慣れるのは結構かかると思うから慌てずやっていくことねん。」
一刀「ん・・・了解。」
貂蝉「それで、これが一番重要なことなんだけどねん・・・ご主人様の部屋の押入れは魏に、鏡は呉に、屋根裏は洛陽、お祖父さまの部屋の押し入れは蜀に繋がっているわん。」
一刀「は?・・・・・・・・・・はああああああああああああああ!?」
朱里「はわわわわわわわわわわわわわ!?」
雛里「あわわわわわわわわきゅうっ・・・・・」
一刀「雛里いいいいいいいいいいいいいぃ!?」
冥琳「流石に・・・・・これは・・・・」
流石の軍師諸君も驚いてしまい、雛里は頭がショートしてしまったようだ・・・・うむ、可愛い。
貂蝉「嘘だと思うならん、試してみることねん。じゃあねん、ご主人様!」
一刀「っ!?・・・・ありがとう。」
チュバッと投げキッスのポーズに全身に鳥肌が立ったが、引きつった笑みだったが礼は言えた。帰り際、ぶるああああああああぁという叫び声が聞こえたが、聞こえない振りをして軍師たちとの会話に移る。
一刀「まぁ、あんまり整理できてないけど各国に行けるってことだよね?」
冥琳「あぁ、これなら各国の移動も安全かつ楽になるな。」
朱里「はい、ご主人様に迷惑でなければ・・・」
一刀「あぁ、俺は構わないけど・・・夜いきなり来て夜襲されたら困るなぁ。(雛里の髪サラサラだなー・・・あ、涎。)」
冥琳「ふむ、雪蓮や祭殿ならやりかねんな・・・止めても無駄だと思うが。」
朱里「桃香様も、お忍びでいらっしゃるかもしれませんね・・・・」
一刀「まぁ、どこに繋がってるかも確認しなきゃいけないし、一回試してみようか・・・」
一刀たちは説明通りの場所に向かう・・・最初は爺ちゃんの押入れ。
一刀「あ、悪いけどここで靴脱いでな。こっから先は俺にとって君たちの次に大切な人の部屋だから。」
冥琳「ふむ、北郷の祖父の部屋か・・・」
朱里「はわわ!?変なとこないでしょうか!?」
詠「・・・・ん、大丈夫。」
桂花「そんな、大丈夫か?みたいな目で見ないでよ・・・だいじょうぶよ。」
一刀「そっか・・・じゃあ入ろうか。」
麩を開けると、畳と線香の匂いが鼻をくすぐり一刀にとっては安心する、軍師たちにとっては慣れない匂いで包まれる。
一刀「自己紹介する?」
仏壇の前で、正座をして一礼し終わった一刀が後ろに座っている軍師たちに声をかける・・・雛里は一刀の膝の上ですやすやと寝ている。
冥琳「なら、私からいこうか・・・・。お初にお目にかかる。私は性を周、名を瑜、字を公瑾、真名を冥琳と申します。ほん・・・一刀には雪蓮と同じくらい散々頭を悩まされました。主に女性関係でしたが・・・今こうして私を守ってくれています。私の友、孫策も彼に助けられ愛したことでしょう。貴方には小さい頃の一刀のことなど聞きたかったのですが、それはまたいずれ。私の友が、騒がしくするとは思いますが何卒見守っていてください。」
そして、冥琳が下がってきたのを見ると次は朱里が前に出る。
朱里「は、ひゃじめまして!わたしゅは性を諸葛、名を亮、字を孔明、真名を朱里といいましゅ!ご、ごひゅじんしゃまにはたくしゃんの知識とやさししゃをもらいましゅた!これからは、精一杯しゃしゃえていく所存でしゅので、雛里ちゃんと一緒にみみゃもっていてくだひゃい!」
緊張のためかいつも以上に噛み噛みの朱里を微笑ましく見ながら、次に出てきた詠を眺める。
詠「は、はじめまして。ばか・・・か、一刀のこ、恋人の性を賈、名を駆、字を文和、真名を詠と申します。か、一刀は女と見ればどんどん落として、知らない間に愛人を沢山作ってきて嫌になります・・・・でも、ボクの大事な親友をたくさんの人から守ってくれた大切な人です。これから、たくさんの辛いこともあるでしょうが、か、一刀と一緒に支えあって頑張っていきますので、見守っていてください。」
顔を真っ赤にして、座る詠を見ているとすごい目つきで睨まれた・・・次は、桂花である。
桂花「お初にお目にかかります。性を荀、名を彧、字は文若、真名を桂花と申します。この全身精液孕ませ男は、魏だけではなく呉と蜀、そして和という国にまで愛人を作る種馬の鏡とも言えるような奴です・・・でも、そんな奴だからこそ三・・・四国は救われました。そして、多くの民を救いました。まだまだ、華琳様にふさわしいとは言えない男ですが・・・傍で支えて相応しい男にしたいと思っています。」
桂花が締めくくると、そのままこっちに歩いてきてそのまま軽い、触れるかのような口づけをする。
桂花「・・・これが私の誓いです。」
そう言って微笑む桂花に見とれていると、こっちを向いた桂花に・・・・・・思いっきり股間を蹴られた。
一刀「ぐぅおおおおおおおお!・・・・・返せここまでの甘い雰囲気を返えええええ!」
桂花「う、うっさい!そこで転がってろ脳みそ下半身男!」
それが照れ隠しだということは理解できるが・・・・これはあまりではなかろうか?ぐぅうううううう!
数十分後、やっと立ち直った一刀を先頭に押し入れの前に立つ。
一刀「じゃあ、俺が戻ってきたらほかの場所を見に行こう。」
その言葉に全員が頷いたことを確認し、押し入れの中に入る。
外史side
一刀「ここは・・・俺の部屋か?」
記憶では自分の部屋だったはずの場所に立つと、入ってきたところには鏡が置いてあった。
一刀「この鏡があっちと繋いでるのか・・・よし。」
ある程度の確認をすると、鏡の中に吸い込まれるように入っていく。
現代side
一刀「ただいま・・・朱里、俺の部屋って以前の場所?」
朱里「はい!ということは・・・」
一刀「うん、俺の部屋の鏡と繋がってるみたいだ・・・これはほかの場所も俺の部屋とつながってるかもな。」
冥琳「しかし、洛陽では隠し通路だったぞ?そうとは限らんのではないか?」
詠「そうね・・・まぁ、確かめてみないことには何とも言えないわ。」
桂花「で?次はどこに行くのよ?」
一刀「あぁ、次は俺の部屋だけど・・・魏と呉って会ってない人たちいるから声かけたほうがいいかなーって思ってさ。」
冥琳「いいのではないか?我々だけ知っているというのも多少居心地が悪いしな。」
桂花「いいんじゃない・・・そのまま情事にさえならなければね!」
一刀「いやいや、さすがにそれは・・・・・・・・」
桂花「ないって言いなさいよ!?」
一刀「すいませんっしたあああああああああああ!」
綺麗な土下座がみられたそうな・・・
外史side
風「これこれ一刀一号、どこに行くのですか?」
猫と戯れていると、一匹の名前を「一刀一号」という猫が廊下を駆けていく。それを追って歩き出し、一刀一号は直ぐに見つかった。それはお兄さんの・・・天の御子遣いの部屋の前で、猫は器用に入り口を開けると中に入っていってしまう。
風「一刀一号、ここに入ってはいけ・・・・ま・・・せ・・・ん・・・」
中に入ると、いたのはこちらに背を向けて立っている愛した男の背中。こちらの声に気づいたのか顔をこちらに向ける・・・・お兄さん。
風「・・・・一号が本人に化けてしまったのですよー。」
一刀「そんなわけあるか!?・・・・ただいま、風。」
ただいま・・・その言葉に、何かが壊れたかのようにその背に抱きつく。
風「ただいまじゃ・・・ないのですよ。風が・・・風がどれだけ・・・・」
一刀「・・・ごめん。」
その声が震えていることを気にしてはいけない、その頬を流れる雫をみてはいけない・・・・・
風が泣き止んだあと、ここに至った説明をする・・・・・
風「・・・・・随分と摩訶不思議な話ですねー。」
一刀「俺もそう思うよ・・・」
風「でも把握はしたのですよー・・・凛ちゃん呼んできましょうかー?」
一刀「そうしてくれると、ありがたいな。」
はいはいーといって部屋の外に出ていくと、廊下を走ってくる音が三つ?
季衣「兄ちゃあああああああああん!」
流琉「兄様あああああああああああ!」
一刀「ちょっ、ほげぶっ!?」
二人の全力突進を腹にモロに喰らってしまい変な声が出てしまう。
季衣「どこに行ってたのさ!皆元気なくして、食欲も沸かなくて、寂しかったんだから!」
流琉「そうです!・・・もうどこにもいかないでください・・・」
一刀「あぁ、俺はもう消えないよ。」
そうして頭を撫でると、落ち着いたのか胸のあたりに顔を押し付けてくる二人・・・扉に目を向ければ眼鏡をクイッと上げて、こちらを見ている軍師が一人。
凛「・・・・戻ってきたら何て罵倒しようと考えていたんですがね・・・目の前にするとなにもいえなくなってしまいました。」
一刀「・・・・そっか。」
二人にごめんねと声をかけ、凛の前に立つ。
凛「・・・華琳様は以前のような覇気を見せなくなりました、夏侯姉妹は何かを埋めるかのように鍛錬し、二人で行動することが増えました。北郷隊の方々もぼぅっとすることが多くなりました。風も、霞殿も、季衣も、流琉も、あの桂花殿ですら涙を流すことがあったのですから・・・」
凛の言葉一つ一つが胸に突き刺さり、胸を締め付ける・・・しかし、これは不甲斐ない自分への罰だと反論せず受け止める。
凛「そして私も・・・・寂しかった。何をしていても頭の中であなたを、一刀殿を思い浮かべてしまう・・・私の心を奪っておきながら何も言わず去っていった貴方を私は・・・こうして目の前に立っている貴方を愛してしまっている。」
その言葉を聞いた瞬間、一刀は凛をきつく抱きしめ、その口に自らの口を重ねる。
どれぐらいの時間が経っただろうか、凛の後ろ・・・扉のあたりから声をかけられる。
風「・・・随分と情熱的なところ悪いのですが、あちらで皆さんお待ちかねではないのですかー?」
凛「っ!?」
風の声に、凛はババッと離れてしまう。
凛「風!いるなら声をかけてくれても・・・」
風「いえいえー、お兄さんとの折角の再会を邪魔するほど無粋な風ではありませんよー。」
なぜだろう、その声から殺気のようなものを感じる。
風「お兄さんは早くあちらに戻ってはいかがですかー?・・・桂花ちゃんあたりが怒り狂ってるかもしれませんよー?」
一刀「サーイエッサー!」
その歴戦の武将に匹敵すような殺気に無意識に背筋を伸ばし、返事をしてしまう。そして、部屋の鏡の中に入っていくのを、全員が目を大きくして眺めていた・・・いち早く、理解した風は小さな声で・・・
風「・・・・・お兄さんのばか。」
この声に返事はなく、そのあとは季衣や流琉、凛に事情を説明するのであった
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