No.676399

酒!恋姫無双~鬼の御子使い~ 博打1

イロハスさん

恋姫と無双オロチのキャラとのクロスオーバーです。

一刀くんは出ません!R18要素もありません!

オリキャラは・・・・未定です!

2014-04-05 14:30:36 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:5434   閲覧ユーザー数:4800

「天地の・・・開けぬ先の我なれば・・・生くるにもなし死するにも・・・なし」

 

床に耽り、衰えた手を見ながら声の主、島津義弘は掠れているが威厳のある声で句を読み上げる。

 

「・・・親父殿に句は似合いませぬ・・・。」

 

義弘の枕元で涙を流し、衰えた手を握るのは島津家三男、島津家久。

 

「・・・米菊丸は昔から泣き虫よのう・・・父の辞世の句ぐらい毅然とした恰好で聞かぬか。」

 

辞世の句・・・その言葉を聞いた家臣はざわめき、そして項垂れる。

 

「昔から私を泣かせるのは・・・親父殿だったではないですか・・・」

 

「泣くお主が未熟なだけよ・・・心して聞け家久・・・」

 

父の・・・島津家当主としての声に、涙を拭き、堪えながらと頭を縦に振る。

 

「次の当主は家久・・・お前だ。もう泣くことも弱音を吐くことも許されぬ。お前に茨の道を歩ませることになるこにもなろう・・・父を恨んでも良い、呪ってくれても良い・・・だが、家臣と民だけは無碍にしてはならぬ・・・そして万千代丸を頼む。」

 

 

その言葉を聞き、返事をしようと顔を見たとき家久は悟った。

 

「・・・・・我が父島津家当主、島津義弘様は眠りに疲れた。今この時より島津家当主はこの島津家久が取り仕切る。皆の者、未熟な私をどうか助けてくれ。」

 

 

島津義弘・・・亭年85歳。戦の鬼がこの世を去ったその瞬間である。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・はずだった。

 

 

 

 

 

 

ん?・・・・ここは・・・・

 

 

・・・やっと起きたか、この酔いどれが。

 

ん?お嬢か・・・・いや、酔ってはおらんのだが・・・ここは一体・・・

 

ほぉ・・・お前が酔っていないとは珍しい・・・何か異変が起きなければいいがな。

 

儂の話は無視か・・・ふぁああ、なんじゃ・・・急に・・・眠く・・・

 

ここでそれだけ起きていられるとはな・・・・まぁいいい、私からの餞別だ・・・・まぁ、その、なんだ・・・・・・・・・・・・死ぬな。

 

お嬢・・・すまん、もう少し大きい声で・・・だめじゃ、もう目が・・・・・・

 

「これで満足か?」

 

あいつが霧のように消えて、それを見計らったかのように後ろに現れる女。

 

「ええ、これで外史は再度紡がれるでしょう・・・・あなたには感謝しています。」

 

「ふん、なら早く冥府とやらに返して欲しいもんだね」

 

「あら?あのお方の活躍はみなくてよろしいのですか?」

 

ニヤニヤとした女の顔を、手に得物があれば即座に切り落としたいのに!

 

「・・・どうでもいい・・・けど、あいつの慌てふためく顔が見たいからいてやる。」

 

そう、これが本心であって他意など・・・くそっ殴りたいその笑顔。

 

「あらあら、そんな怖い顔したら可愛い顔が勿体無いですよ?・・・さて、お遊びはここまでにして、あの方はどんな外史を紡いでくれるのでしょうか・・・ふふふ」

 

 

                ~今、新たな外史が紡がれる~

 


 
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