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○ストーリー
中原にはかつて「千年帝国」と呼ばれる白頭の一族の大帝国があった。その最盛期、帝国は中原のみならず周辺の五大陸を傘下に収め、星界にまで侵略の手を伸ばしたといわれる。

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が、それほどまでに栄華を極めた帝国も滅亡からはや千余年がすぎ去った。中原の空がまばゆい閃光に包まれたあの夜、偉大なる帝王たちの築きあげた歴史も文化もその一切が消滅してしまったのだ。
帝国の滅亡後、帰るべき祖国もすがるべき権力も失った白頭の一族は、永久のさすらい人として中原をさまようことを宿命づけられた。そんな彼らを呼称して、中原人の生み出した言葉が「流人（ると）」だ。
流人――それは太古に栄華を極めた、哀れなる帝王たちの成れの果て。その言葉には、そんな高貴なる一族への崇敬と、亡国の王者への憐憫と侮蔑がともに込められているのである。