「大丈夫よ、一刀。あなたが裸の大男を倒せていないことくらいはわかっているから」
「えっ…」
「気づいてないのは春蘭くらいよ」
確かに、三人組で倒せなかった人物相手に一刀一人で倒せるはずはないということは魏の武将なら誰でもわかっていたことではある。
だが、一刀の血の涙のことを聞いていた武将たちは何も言わないで「あげた」のである。
「ええっ、北郷は倒してはいないのですか?」
唯一知らなかったのが春蘭である。
「あなたもうすうすはわかっていたのでしょう?」
魏武の大剣が気づいていないはずはないというのも当然である。
「まぁ、ありえないかなぁとは思ってましたが、本当ならうれしいなぁと思ってたのも事実でして…」
その葛藤が過酷な鍛錬につながったのである。
鍛練についてこれれば倒せたと認める。
ついてこれなければ倒せてなかったということ。
実に春蘭らしい判別法である。
「では、別にこの男は大丈夫なのですか?」
だからと言って、秋蘭が戦闘態勢を解くはずもない。
「大丈夫でしょう、そうよね一刀?」
「ダカラ、カリンサン。ココニナニカイルンデスカ?」
一刀は白目を向いている。
「秋蘭、目を覚まさせなさい」
溜息をつきつつも、目の前の危険物質を見て、同情を覚える華琳であった。
「一刀、大丈夫だ。華琳さまはお前に対して罰を与えたりはしない」
「ソンナやさしいコトヲするわけガナイヨ」
一刀は半白目を向いている。
「多少荒くなってもいいから早く起こしなさい。何やら重大な用みたいだし」
約束を違えてまで貂蟬がここに戻ってくるのは確かに重大な用である。
外史の存続にまつわる類の…
「ふう、少し痛いぞ、一刀」
そう言うと、秋蘭は一刀に近づき、唇が触れる位置まで近づき…
頭突きをした。
「ぶほっ、何をするんだ秋蘭?」
「とりあえず、罰はないから安心しなさい一刀。でもこの男の話はしてくれるのが条件だけどね」
「罰がないのなら話すよ。俺ももうあの大淫具~でやられるのは嫌だからな…」
そう‼すでに一刀の貞操は華琳によって散らされていたのである‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
「この人は貂蟬さんっていって、俺がこっちに帰ってくるときに助けてくれた人なんだ」
「そうなの。では、曹操個人としてお礼を言わせてもらうわ。私が愛する人を返してくれてありがとう」
「わ、私も礼を言うぞ。ありがとう」
「一刀を我らのもとに返してくれて本当にありがとう」
華琳も春蘭も秋蘭も一個人としてお礼を言った。
それに貂蟬も答え、話を進めていく。
「じゃあ、今から大事な話をするから、魏の武将と軍師を集めてくださるかしら?」
「わかったわ。秋蘭、春蘭、武将と軍師、あと天和たちも集めて頂戴」
「「はっ‼」」
「ありがとね~ん」
こうして物語は加速していく。
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二個目です。
遅いうえに短くてすんません。
でも、しっかり完結はさせますんで、見ていってください。