No.66740

恋姫†無双 麗羽SS 仲間

麗羽様はお笑いキャラじゃない!
そんな気持ちで書いてみましたww
ちょっと麗羽様が素直すぎたかな?w

2009-04-03 02:45:35 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:9033   閲覧ユーザー数:7955

「はぁ・・・」

高々と昇った太陽に伸びた自身の影を見つめ、麗羽は今日幾度目かの溜息をついていた。

「ねぇ文ちゃん、麗羽様どうしたの?」

「ん~、悪いもんでも食ったんじゃね?」

けらけらと笑い半分で答える猪々子に斗詩は頭を抱えた。

「もう!笑い事じゃないよ~、麗羽様があんな調子で心配じゃないの?」

「んな事言ってもさ~、あれに直接聞くの怖くね?」

「・・・確かに」

2人は揃って溜息をついた。

「なにやってんだ?」

ちょうど通りかかった白蓮が2人に声をかけた。

「あっ、白蓮さま」

一瞬、猪々子の頭の中に生贄の二文字が浮かんだ。

「麗羽様の様子がおかしいんですよ~、それとなく原因を聞いてもらっていいですか?」

「はぁ?」

「ちょっと、文ちゃん!?」

「いいじゃん、どうせあたいらには手が出せないんだし~」

白蓮はこめかみを押さえながら口を開いた。

「お前らがどうにもできないものをあたしがどうにかできるわけないだろ」

「だよな~・・・」

猪々子はがっくりと肩を落とす。

「で?当の本人はどこへいったんだ?」

「あれ?さっきまでそこにいたんですが・・・」

 

 

 

「さてと、急ぎの仕事はあらかた終えたし、飯でも食いに行くか」

一刀は何を食べようかと頭の中でメニューを開いていた。

そして、扉の取っ手に手をかけた瞬間に扉が勢いよく開いて一刀の顔面を潰した。

「だぎゃっ!」

無様にひっくり返った一刀を麗羽が見下ろしていた。

「何をされてるんですの?」

「いや、なんでもない」

反論しても麗羽相手には疲れるだけと一刀はわかっていた。

だから、何も言わない。

「で?何か用なの?」

ひりひりする鼻を押さえながら、麗羽に向き直る。

「単刀直入に聞きますわ、何故私達を助けたのかしら?名家の出であるこの私を助けるのは匹夫としては当然の事、けれど貴方は私を名家として見ていませんわよね?」

「なんでって・・・」

「理由なんかないと言うんですの!?」

麗羽は一刀を睨み付ける。

「私、哀れみをかけられるのは好きじゃありませんの!」

麗羽はたじろぐ一刀に詰め寄る。

「私を見くびっているのかしら?この名家の出である私を!」

「そんなつもりはないよ、水でも飲んで落ち着いてさ」

一刀は水差から湯のみに水を移し、麗羽に差し出す。

麗羽はそれを思い切り叩き落とした。

「これ以上はぐらかして、私を侮辱するなら容赦しませんわよ!」

「本来、私達は敵同士だったのではなくて?ましてやこの乱世、私の威光が欲しいというならまだしも、哀れみで生かされるのは名家にとってどれだけの屈辱かわかりまして?」

一刀は優しい顔のまま麗羽の言葉に答える。

「正直言えば、俺はこの乱世を誰が平定してもいいと思ってる。愛紗に言ったら殺されるかもしれないけどさ」

「あなた・・・、何を言っていますの?」

麗羽は予期せぬ言葉に目を丸くした。

「曹操や孫策が悪政を敷くとも思えないしね、俺たちは手の届く範囲で守れる人たちを守っていきたい。でも、俺も桃香も欲張りだからもっと多くの人たちを守りたいんだ」

「それなら尚の事、敵である私を助けるのは筋違いではなくて?」

「今、麗羽がどんな気持ちでここにいるかわからないけどさ、麗羽はもう大事な仲間で、守りたいものの1つなんだ」

仲間、その言葉に麗羽の心が震えた。

文醜、顔良を始めとした部下の類は居れど、仲間と呼べる存在のなかった麗羽に目の前の男は手を差し伸べている。

「・・・わかりましたわ、あなたはやっぱり侮辱してますのね」

「だから!そんな事ないって!」

「この私が、あなたの様な方に守られてもらっては名門袁家の名に傷がつきますわ。これからはこのわ・た・く・しがあなた方を守って見せますわ。おーほっほっほ~」

素直じゃない麗羽の言葉に一刀も小さく頷いた。

「ありがとう」

ぐぅぅぅぅ~~

一刀の腹の虫が一際大きく響いた。

「そういや、昼飯まだだったな。一緒にいく?」

「そうですわね、折角のお誘いを無下に断っては失礼ですものね」

2人は揃って部屋を出た。

その瞬間一刀の体が宙を待った。

「ウチの姫たぶらかしたのはアニキだったのかー!」

「ちょっと文ちゃん、いきなりは・・・」

「そうだぞ、言訳くらい聞いてやれ」

猪々子、斗詩、白蓮の3人が立っている。

一刀は麗羽に目線で助けを求めた。

麗羽はクスッと笑うと口を開いた。

「まぁ、日頃の行いですわ。観念なさいな」

宮中に一刀の悲鳴と打撃音が響いた。

 


 
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