No.666731

真・恋姫無双~Re:道~

ツナまんさん

安心と信頼の一刀視点…もう何も言ってくれるな

『Re:道』と書いて『リロード』ということで

注:オリキャラでます。リメイク作品です

2014-02-28 02:16:57 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1212   閲覧ユーザー数:1067

   第三章‐陸話 『 嵐を呼ぶ~準備編~ 』

御遣いを名乗る者達との謁見後、曹操は一人考えていた。彼女は自分を傲慢と言った。親に叱られるならいざ知らず、まさか見ず知らずの会ったばかりの者にそんな事を言われるとは思わなかった。

「私もまだまだ未熟ということかしらね」

「華琳様。本当によろしかったのですか?」

「あら、桂花。一体何のことかしら?」

一人小さく呟く彼女の元に桂花と呼ばれた少女が声を掛ける。

「先程の御遣い達の事です。今ならまだ、追っ手を向かわせれば「ダメよ」なぜですか?」

先程のやり取り、その中であの三人は春蘭、秋蘭の怒気や殺気を受けても顔色一つ変えずそれどころかあの橘という少女が放った殺気一つで払拭された。ただの一兵卒では相手にならないだろう。それこそ彼女の言った様に相応の覚悟…将を失う覚悟がいるだろう。だが今、そうするのは不味い、それに…

「そんなことをすれば本当に彼女達と決裂することになるわ」

「では、華琳様はまだ交渉の余地があると?」

「そうね、少なくとも御遣いは『今』の私ではダメだと言っていた。なら、御遣いが私に何を求めていたのか、それを体現すればその余地はあるかもしれないわね」

御遣いは董卓に付いている。それでもなお私に接触してきたのは何の為か、黄巾にも少なからず絡んでいたらしい、一体御遣いは何を望んでいるのだろうか。すこし、いや、とても興味が湧いてきた。

 

 

「ハックション」

「ヘクチッ」

「おやおや、お二人とも風邪ですか~?」

「というよりは誰か噂でもしてるのかな?」

「案外曹操さんが悪口でも言ってるんじゃないですか?」

今、一刀達は食事処で先程ぶつかった二人…徐晃と程昱にお詫びを兼ねて食事をすることになった。不可抗力だった気もするがそこは言いっこ無しだ。

因みにこの二人(正確にはもう一人いるらしいが)はどうやら曹操に仕官するつもりだったようで近日行われる採用試験を控えてこの街に滞在しているらしかった。

「しかし、お兄さん。何時までもそっぽを向いているのはどうかと思うのですよ~」

「いや、そんなこと言ってもね…」

「すいません、私が加減出来なかったばっかりに」

「いや、徐晃のせいじゃないから。考え事しながら歩いてた俺も悪いわけだし」

「そっぽを向いたままでは説得力がありませんね~」

因みに、俺の首は徐晃に吹っ飛ばされてから右を向いたままで痛くて自力では元に戻せなかった。というかその方向に座っている楓ちゃんは何故に嬉しそうなのだろうか…そんなに人の不幸が嬉しいのか?

「俺だってどうにかしたいんだけどね」

「はぁ~。先輩は仕方ない人ですね。ちょっとじっとしてて下さいね」

そういって立ち上がるとすっっっっっごく残念そうな顔で後ろに回りこむとそのまま頭を包み込むようにして胸元で抱きかかえる。何気に柔らかな感触が顔の右半分を包みこんで、

「よいしょっ」

ゴキンッ!

「痛ってえ!」

「はい、戻りましたよ」

「でも今、もの凄い音した気がするんだけど」

「それくらい我慢して下さい。それともずっと私の胸に顔を埋めて居たかったですか?先輩も大胆ですね~、私は構いませんけど」

「どうもありがとうございました!」

流石にそれは勘弁してほしい。色々不自由なことになるだろうし…。

「それより兄様。そろそろ戻ったほうがいいんじゃないですか?このままだと決戦に間に合わなくなるかもしれませんし」

「「決戦(ですか~)?」」

そういえば、二人には話していないから知らないんだった。

「…ちょっとくらいなら話してもいいかな?」

「先輩に任せます」

という訳で簡単に俺達三人が此処に来た訳を説明する。御遣いのことやこれから何が起こるのかを。

「なんとも突拍子も無い話ですね」

「でも事実だよ。俺達もその為に此処に来たんだから」

「…ZZZ」

「おい!寝るなよ!」

「おお、話についていけずに思わずうとうとしてしまいました~」

完全に寝息を立てていた気もするが。

「なら、もしかしたら私達はその戦場で相対することになるかもしれないんですね」

「まあ、そうなるかもしれない。仕方無いことだけど」

「そうだね。二人が曹操さんに仕官するならそうなっちゃうよね」

「そのことなんですが~。風はお兄さん達に付いて行こうと思うのですよ~」

「「「は?」」」

程昱の突然の発言に楓以外の三人は驚きを隠せない。というかこういうときのこの兄妹はむしろ楽しんでいる節もあるのだが、一体どういう教育を受けたんだか…あ、極道か。

「でも、程昱ちゃんは連れがいるんじゃなかったの?」

「まぁ~それはそうなのですが~。もしかすると風の夢のお告げはお兄さん達のことかとふと思ったのですよ~」

「それって、太陽を持ち上げるってやつだっけ?」

「おお~、それを知っているとは流石に風も驚きましたよ~」

「先輩なんの話ですか?」

「うん…楓ちゃんはもう少し歴史を勉強してもいいんじゃないかな」

「しかし、一体どうして?」

「理由はさっき言った通りなのですよ~」

なんか、問い詰めてもはぐらかされそうなのでこの際言及はしないでおこう。

「徐晃は仕官するんだよね?」

「あ、はい。元々そのつもりで邑を出てきましたし。もし、皆さんと戦うことになったらすこし辛いですけど」

「じゃあさ、もし採用された時には伝言をお願いしてもいいかな?」

「ふぇ?別に構いませんが…」

「じゃあ、お願いするよ。『もし君が変わる意思があるなら、俺はそれを信じる。その時は急がば回れだよ』って伝えてくれるかな?」

 

その後二人と別れた。徐晃は試験の準備で、程昱は一度荷物を取ってくる為に、その時に連れに理由を話すとも言っていたがどうなることやら。

「それにしても、先輩はお人好しですね。まだ曹操さんを信じてるんですか?」

「まあね、今の彼女があるのは今までの環境のせいだと思いたいし。それに、やっぱり俺達だけじゃ無理があると思うしね。まあ、ほとんど賭けみたいなものだけどね」

「そうですね。分の悪い賭けです。でも、そういうの嫌いじゃないです」

「あっ、兄様、程昱さんが来ましたよ」

「お待たせしました~。それでは参りましょうか~」

「うん、じゃあこれからよろしくな程昱」

「おお~、そういえば忘れていました~。風の真名は風といいますので~」

「ああ、じゃあ改めてよろしくな風。俺は一刀でいいよ」

「私は流琉です」

「私も楓でいいからね」

交渉そのものは失敗したけど、代わりに新しい仲間が加わった。連合が攻めて来るまで時間はあまり無い。そんな中で一人とはいえ仲間が加わるのは心強い。たとえ短い間であったとしても。

 

 

そして洛陽では慌しく準備を進めていた。突然の出来事ならいざ知らず、今後、反董卓連合は間違いなく結成されるだろう。そうと解っていればやりようはある。今早急に行っているのは虎牢関の改造と汜水関で使用するある物をかき集め、厳重に封をして運び込んでいる。そのどちらも和輝の提案である。多少人手のいる作業ばかりだがそのほとんどは黒山賊が担当しているので全く問題はない。というよりは人手が余っているほどでそうした者達は恋や霞、和輝が鍛えている。そもそも十万も連れて来られたら余って当然である。

「よう、準備はどうだ?」

「思った以上に順調よ。あんたの策の方もね」

「策なんて大したモンじゃ無ぇぞ」

「なら奇策とでも言いましょうか?普通はそんな事考え付かないわよ。それで?一体ボクに何か用?」

「ああ、とりあえず用件はこれだ」

そう言って和輝は竹簡を出すのでめを通す。

「…これ本当に必要?」

「ああ、流石に天の御遣いじゃ騙るに騙れねぇだろ?」

「まあいいわ。どうせ黒山賊の一部はあんたに指揮を任せるつもりだったし。それで他には?」

「柊に簡単に軍略を叩き込んで欲しい。今のままじゃ軍師が足りねぇだろ。詠は御嬢の傍にいてもらいてぇし。そうなると前線での軍師はねねだけだがあいつはどっちかってぇと恋の専属みてぇな部分があるからな」

「確かにそうだけど、彼女元々文官でしょ?出来そうなの?」

「さっき将棋で俺の穴熊破ったから大丈夫だろ。結果は俺の勝ちだったけどな」

将棋とは最近和輝が広め始めた遊びだが軍儀と違い駒の動き等も分かり易く思いの他広まっている。だが実際は単純な分、知略や読みが求められるので奥が深い。

「じゃあ、後でボクが相手してみて決めるわ」

「頼む」

「ああ、それとあんたあんまし訓練で兵を気絶させるのやめといて」

「そいつぁ、気持ちの問題だな」

 

 

そして、程なくして軍の再編、関の改造などの準備がほぼ完了した頃、袁紹の元へと逃げ延びた張譲の言により諸侯へと檄文が飛び連合は結成される。次々と集う諸侯や義勇軍によりその数は十数万。対する董卓軍も十万以上の軍で迎え撃つ。

その最中各陣営で様々な思惑がぶつかり合い交差する。

 

あとがき

 

ついに次回から連合戦突入!一体汜水関で何が起こるのか、そして和輝の提案で虎牢関はどのような変貌を遂げたのか(なんということでしょう~)

お楽しみに下さい。因みに戦力はほぼ史実を参考に算出してます。(調べるのはめんどうだった)

補足ですが、作者よく将棋で穴熊使ってから雀刺し使ってますw

 

では、また次回!!

 

連合覚悟しとけ!


 
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