No.666649

【獣機特警K-9ⅡG】ドラッグ・ゲーム(事件編)【交流】

古淵工機さん

2014-02-27 22:29:26 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:746   閲覧ユーザー数:714

「植物の採取…ですか?」

ラミナ自然保護区…。

そのレンジャー隊員・トラ形ファンガーのザリャーは、白衣姿の男性二人組を前に小首をかしげていた。

「ええ、生物学的研究のために是非採取をさせていただきたいんです」

「まぁ、研究目的なら別に構いませんが…規定された部位以外の採取は」

「勿論心得ております。許可証もこちらに」

男たちは採取許可証をザリャーに見せ付ける。

 

ザリャーはしばらく頭を抱えていたが、やがてため息をつきこう述べた。

「…わかりました。ただしくれぐれも他の動物には不用意に近づかないようにしてください。万一事故がおきても責任は負いかねますので」

「承知しました」

男たちは頭を下げると、そのまま車に乗り込み採取ポイントへと向かった。

…一方その頃、喫茶店カフェ・ラ・ヴォルペ。

「…先月より『ハイパーリーブス』による中毒患者の発生率が増加しており、福祉省衛生局は警戒を呼びかけ…』

ラジオから流れるニュースを、カウンター席に座っていたミウ・カワグチとテムナ・ツルハシが神妙な面持ちで聞いていた。

 

「…はぁ、まーたドラッグかぁ。なんやケッタイなやっちゃなァ」

「抜き打ちで捜査するのも大変なんだから、少しはあたしら警官の身にもなって欲しいよね!」

と、愚痴をこぼす二人のもとに、煌月空が料理を運んできた。

「はい、お待たせしました。ヴォルペパンケーキ二つですね」

「お、待ってたで!ここのパンケーキめっちゃウマいからな、ハハハ」

「…ねぇ、ソラちゃんは今回の事件どう思う?」

切り出したのはミウだった。

「…確かに妙ですよね。ここのところ急に発生率が増えてるような…」

「…ええ、まったく異常な事態よ」

と、ミウ、テムナ、ソラの後ろから聞き覚えのある声とともに、ネコ形ファンガーの女性が現れた。

本庁・特殊犯罪対策室の室長マキ・ロックウェルだ。

 

「マキさん!いらしてたんですか?」

「例の事件の調査がてら、息抜きにコーヒーでもと思ってね。それより例の事件だけど…」

同じ頃、ラミナ自然保護区・ベースキャンプ…。

「…白衣の男たちが定期的に植物を採取にねえ…」

と、自然保護レンジャーの隊長ミランシャ・キーンが顎に手を添え考え込む。

「ああ。採取部位、採取量ともに規定値を満たしているし…問題ないと思ったんだが…」

と、ザリャーの言葉に、マイが反応する。

「でも、あまりにも来る頻度が高くないですか?この間だって、2日前に来たばかりでしたし」

「んー、言われてみれば妙だな」

 

と、考え込んでいるところに、ヤマネコ形ファンガーの女性隊員・ナディがトラの女性隊員・シンディ、

それにナディと同じサザル族出身の生物学者レルカを引き連れて帰ってきた。

 

「ミランシャタイチョー。ナディ、例の場所調べてきた!」

「それで?調査結果はどうだったの?」

「わかった。今、ナディたち見てきたこと話す。レルカ、よろしく頼む」

「ああ。…調査の結果なんだけど、今回採取された植物が非常に曲者なんだ」

「曲者?」

息を呑む一同に、レルカはひとつの質問を投げかけた。

「…ミランシャ。それにみんな。『ハイパーリーブス』って…聞いたことあるかい?」

「ハイパーリーブス…今世間を騒がせてる闇ドラッグのことでしょうか?」

「でも、それと何の関係があるの博士?」

ミランシャの問いに、レルカはなお言葉を続ける。

 

「…それだよ。今回採取された植物は『イナズマソウ』…葉の形が稲妻のような形をしているからその名がある」

「イナズマソウ、ですか?」

「…本来は防腐剤なんかに使われるんだが、この葉に含まれる成分が厄介でね。幻覚作用がある…つまり…」

 

その言葉をさえぎるように、ザリャーが机を思い切り叩いて叫ぶ!!

「くそっ!ハイパーリーブスの原料だったってワケか!どーりでおかしいと思ってたぜ!!」

それを見ていたミランシャがザリャーを引き止める。

「落ち着きなさいザリャー。あの白衣の男たちが薬物密造に関わっているとは限らないわ!」

「で、でもよぉ!!」

「…とにかく、薬師のアタシとしちゃ気がかりだ。イナズマソウに関して妙な動きがないか十分注意して欲しい」

「わかりました。…というわけよみんな。何かあったらすぐ私のところまで知らせてちょうだい。マイちゃんは警察にも連絡を」

「了解!!」

 

…自然保護区で起きる不穏な動きと、急増するドラッグ中毒者。

果たしてこのふたつの出来事はどこでつながるのか!?次回、捜査編!!

 


 
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