命18話
声が聞こえる。懐かしいけれど、聞いたことのない声。
矛盾と思えるけれど、聞いたらそうとしか思えないそんな不思議な感覚に
私は戸惑っていたら、いつしか目覚めていたことに気づく。
私の目に光が飛び込んできて、夢から覚めたことがわかった私は
しばらくボーっとして髪を散らばして横になってた。
起き上がってから壁に掛けているカレンダーに目を向けると
ちょうど休みの日になっていて、今日は自由にしていられる貴重な休日なのだけど。
今は無性に実家に戻りたい気分に駆られていた。
「おはようございます」
パジャマから普段着に着替えて階段を降りていくと、みんな起きていたようで
笑顔で挨拶を済ませてから朝ご飯を作るのに台所へと歩みを進める。
いつものようでいつものように感じない。ふわふわしたような気分で調理をする。
朝だから軽い食事を作ってみんなでいただきますを言って食事をする。
こういう普通と思われる光景が好きでたまらなかった。子供の頃からあこがれていた夢。
「ちょっと今日寄りたい所があるので出かけたいのですが…」
「うん、いいよ。行ってらっしゃい~」
と快く瞳魅さんとマナカちゃんと萌黄が言ってくれたのだけれど玄関まで向かう途中で
萌黄が慌てた様子で話しかけてきた。
「待って、命ちゃん私も行きたい!」
「何もないところですよ?」
「違うの、命ちゃんと一緒にいて。その場所を見てみたいの」
実家に戻ってみるということを聞かずにそういう萌黄は何か感じ取っているのだろうか。
私は軽くため息を吐いて私はどこに行くかを萌黄に告げて再度確認を取ると
今度はもっとテンションを上げて喜んでいた。
「命ちゃんの実家!?行きたいに決まってるじゃん」
「萌黄の想像とだいぶ違うと思いますけどね~・・・」
簡単に萌黄は支度をして私と一緒に家から出ると、白い息が上がる。
最近はすっかり寒くなってきていた。あれから特にトラブルや事件や目立つことが
なかったから時間が経つのが早く感じている。
それだけ平和だってことだ。平和は私が一番待ち望んでいたことでもあるから、
嬉しいことである。悲しいことは散々してきたから…。
ここに来てからほとんど戻っていないから道のりが懐かしく感じる。
電車に乗って建物が多い風景が少しずつ長閑な田舎の風景に変わっていく。
乗ってから1時間少し経ってから目的地について、ほぼ無人に近い駅から
しばらくの間歩いていく。
なだらかな坂から徐々に傾度が高くなっていき、山登りでもしていそうな気分になる。
何度も萌黄の様子を確認しながら移動しているが萌黄は笑顔を崩さずに私の手を握って
離さない。萌黄の手は柔らかくて温かくて私の気持ちを穏やかにさせてくれる。
私はこの手があればもう大丈夫だと思えたから、お父さんに報告しにいきたかった。
それが本来の目的。遠いから萌黄を連れてくるのは躊躇ったけれどこれでよかったのかも。
心のどこかで少し不安な気持ちでいたから。
途中から手入れされてなく、雑草で茂っている道無き道を私たちは歩いていく。
膝上くらいまで伸びる雑草がちくちくしたりちょっとくすぐったかったり。
そんなことを考えながらも胸の辺りがドキドキし始めると、暖かい感触が私の手を
包んだ。
隣には萌黄が優しい眼差しで私を見つめている。私も萌黄を見つめて
暖かい気持ちになりながら二人手繋いで歩く。目的地までもうすぐだ。
雑草や木々を抜けて視野が広がる広場にたどりつくと、今にも朽ちてしまいそうな
家と呼ぶには寂しげな廃墟が見える。木造で二階は無く生活する分にはあまり困らない
程度の広さ。少し力を加えるとすぐに崩壊してしまいそうなくらいボロボロだった。
「ただいま…」
「ここが命ちゃんの実家…」
住んでいたはずの私でさえ、少し戸惑ってしまうほどのぼろぼろの外観。
しかし、萌黄の表情が変わることはなく。どこかワクワクしてるような様子が
見てとれる。
「行こうよ、命ちゃん」
「あ、待ってください萌黄…!」
何か魅力的に見えるのか、萌黄はまるで好きな玩具を見た子供のような
純粋な目をしながら私を置いて行ってしまった。
彼女には私の元実家がどのように見えているのだろうか…。
【萌黄】
ここが命ちゃんのうちか~。所々老朽化がひどくてとても住める状況ではないけど。
人気が少なく、土地が広かったからか家自体はそんなに狭く見えなかった。
「ここで家族揃って生活していたのかな…。ちっちゃい頃の命ちゃんも見たかったな」
リビングらしき間取りの場所。古ぼけたテーブルに手を当てて想いを馳せる。
過ぎたことは変えることはできない、だけど振り返ることはできる。
命ちゃんだって嫌なことばかりじゃなかったはずだ。
幸せな時間だって必ずあったはず。命ちゃんの表情が切なくて見ていて胸が
締まるような気分だった。だから、ちょっとでも良い思い出のものが見つかればと
私は飛び出すようにして中へと入っていったのだ。
誰も住んでいない上に気配すら何も感じない空間なのに、不思議と暖かくなる
そんな気持ちになる。出来ればご両親が健在の時に挨拶に向かいたかったな。
そういう風に思っている刹那。
私がその場にいた周りの空気が変わった…ような気がした。
こんなこと初めての気分だ。
慌てるような素振りをして周囲を見渡すが変化している部分は目から見ても
わからなかった。だが、その部屋から一歩踏み出した瞬間。
一気に世界が変わったような気配、色が変わったような感覚がした。
さっきまで気配が何もなかったのに、子供が楽しそうにする声が近くから聞こえてきた。
まるで夢の中にでもいるような感覚で聞こえた方へと歩みを進めていくと、
そこはどこにでもありそうな幸せな母子の姿があった。
まだ赤ちゃんで上手く言葉を喋れない金髪碧眼の幼女が器用にクレヨンを握って
絵を描いている。その傍で笑顔を浮かべつつも複雑な表情を見せる母親。
女の子とは違って髪は黒でお世辞にも似ている部分はあまりにも少ない。
おそらく父親の血を濃く継いでいるのだろうが、その父親の姿は今は確認できない。
「命、ちょっと母さん出かけてくるからいい子にしてて待っていてね」
「うん~」
そういう母親に笑顔を向けて一生懸命頭を上下して頷く赤ちゃんな命ちゃん。
小さい時の命ちゃんもどんな仕草をしても可愛いなぁ、と思わず顔がとろけるように
弛緩してしまいそうになるのをグッと堪える。
向こうからは見えないだろうけど、変なとこは見せたくない。
命ちゃんのお母様らしき人は立ち上がっても150cm台くらいの低身長であった。
今の命ちゃんの179cmとはえらい差があるものだ。
部屋から出るような雰囲気で私の横を通り過ぎるかと思ったら、私と視線を合わせて
柔らかく微笑んできた。
あ、この笑顔は命ちゃんに似ている気がする。
まず私が見えてることに不思議がらずにそこから考える辺り、私は心底命ちゃん
ラブなんだなって再認識する。そんな考えをしているとポンポンと肩を叩かれる。
お母様らしき人は間近で見るととても美しかった。さっき命ちゃんと話していたときは
後ろ向きで隠れていたからわからなかった。思わずドキッとなってしまったが
すぐに気持ちを整えると。
「命のこといつもありがとうね」
「え…?」
私はこの頃の命ちゃんと会ったことはない。ということは今目の前にいるお母様らしい方は過去の彼女ではないということだ。
そんな私の考えを察したのかその人はちょっと困ったような顔をした後に
片手を上げると小さい命ちゃんごと、空間の景色が変わって一面星空の丘へと変わる。
「私が命と一緒にいたのはこの時期まで…」
「お母様でしたか」
「えぇ…」
「今はすっかり大きく立派になりましたよ、私は…」
「萌黄」
「え?」
報告がてら紹介でもしようかと思ってたら私の名前を告げられて驚いた。
遠い親戚だからうちの親とつながっていてもおかしくはないけれど、長い年月が過ぎて
外見もわからないだろうに。
「ずっと見ていたもの」
そういって、お母様は自分の胸元に指をさしていた。
「触ってもよろしいのでしょうか?」
「そういう意味じゃない」
軽いボケをしてみると、普通に却下されてしまう。大きくて柔らかそうで
赤ちゃん命ちゃんじゃなくても甘えたくなってしまいそうな膨らみ方をしていた。
「私はずっとあなた達のことを見てたわ。命の中でね」
「え…」
「まぁ、普通そういう反応するわよね。ちょっと長くなるのだけれど…」
どうやら命ちゃんの能力には私とは違う経緯があるらしく、その説明を受けた。
妖狐と人間のハーフで生まれた命ちゃんの体には妖狐の力が備わっていなかった。
しかし人間の血でないものを感じ取った野良の妖狐がまだ物心つかない
命ちゃんに取り憑いてしまった。優秀な妖狐の体を欲して。
それから少しして命ちゃんの異変を察したご両親が命ちゃんの体から侵入して
乗っ取ろうとする野良妖狐を追い出そうとしたという。
お母様の力は奇しくも魔や妖を遠ざける力、退魔の力を持った一族の末裔だった。
だから追い出すこと自体は容易であった、相手も力を持ち始めたばかりの
弱い妖怪だったのだから。だけど…。
その幼い体から無理に引き剥がして果たして大丈夫なのだろうか。
耐えられなかったらそれまで。命ちゃんの生命はなかったらしい。
「そして私は自らの生命、魂を悪戯妖狐と共に命の内側に閉じ込めた。
娘の体に馴染むまで、コントロールができるようになるまで…」
「じゃあ、命ちゃんが自分で力をコントロールできてると思ってたのは…」
「実は私の力なのよね~」
「そんな明るく言われても」
「当然、こんなことして私の身が持つわけがなかったけど。旦那は断腸の思いで
決意してくれたわ」
命ちゃんの中に入ったお母様の体はすぐに死に至ってしまい。
命ちゃんが物心ついた頃には既にお父様しかいなかった。
中でお母様がコントロールしてくれていたから、これまで暴走することはなかった。
正確には暴走の回数を極限まで少なく抑えていたとか。何度かは抑えられないことも
あったらしい。
その内、体調がすぐれない。風邪などで動けない時に狐になっていたのもその
原因だとか。
「内にいた妖狐もいつしか野望や欲望がなくなり、意識が薄れ。何も考えなくなり
私も安心してようやく解放されるかと思ったけど」
すっきりしたような顔をして私の顔をまじまじと見つめた。
「命が選んだ大事な人と挨拶したくてね。命が自分で行ってると思いきや、実は
私が呼び寄せたの。ここの方が色々実体化できるでしょ」
家の全体が妖力や退魔の力を増強させる仕組みになっていて、専門家やその筋の者
でないと気づかない構造になっていると私に説明をするお母様。
「これから私が貴方達に最後にできる、プレゼントをあげる」
「あの…」
「なに?」
「お母様の名前は…」
「…。そうね、私は萌黄ちゃんと同じ退魔師の家系で本家に当たるけれど
破門された退魔師…」
力強い眼差しの中から、少し寂しそうに笑って私にキスをしてきた。
すると頭の中に声が響いてきた。
『社誠(ヤシロ・マコト)よ…』
その言葉を最後に風景は元の姿に戻り、私のいる場所に慌てて命ちゃんが
駆けつけてきた。
「どこ行ってたんですか。探していたんですよ」
「ずっとここにいたけど…」
「え、でもここも探したのに…」
命ちゃんだけ現実の空間にいたということだろうか。
それにしても携帯で時間を確認すると数時間という時間をずっと探すことに
費やしていたのだろうか。
それに薄っすらと命ちゃんは嬉しそうにしているところを見ると。
「お父様にでも会えた?」
私が笑顔でそう訪ねると驚いたようにビクッと肩の辺りを跳ねさせてから
ちょっと照れるように頷いた。そしてそんな様子の命ちゃんを見て
笑いながら「私も」って。
「私もお母様に会えた」
「お母さんに!?」
そんな風に命ちゃんと一緒に話をしていると、急に再び空間が歪み始め雰囲気が
変わっていく。変化といっても家の中というのは変わらずに家の中の装飾が
鮮やかに彩られるような、素敵な変化だ。
形をはっきりとなさないけれど、その光景はとても幻想的でまるで夢を見ているよう。
その一室の奥にお母様とお父様らしい人が私たちを見つめて待っていてくれた。
「萌黄…!」
「え?」
驚いたような命ちゃんの声と後に続く言葉に私たちは自分の服装を見て驚いた。
二人共普段着ではなくてウェディングドレスに変わっているではないか。
いつの間に…。
だけど、そこが現実空間でなければ説明もつくのかもしれない。
今はこの一時を受け入れ、楽しまなければという気持ちになれた。
せっかくの二人の結婚式なんだから。
【命】
今日は不思議なことが度々起こっている。もう二度と会えないような人たちと
こんな風に祝うことができるなんて。少しでも気を緩めたら涙が溢れてしまいそうだ。
そんな奇妙で不思議で、心が揺れる中での私と萌黄の結婚式が始まった。
母と父が慣れないような感じに見よう見まねで進行させていく。
そんな二人に私と萌黄は和みながら、言われた通りに進めていくと。
やがて二人の前に私たちはたどり着き、ケープを捲ってお互い唇を重ねる。
時間をかけて静かに行っていると、前の方から泣く声が聞こえてきた。
それは父の声で隣の母が小声で泣かないでと父を諌めていた。
子供を送り出す親の姿を間近で感じて、私も胸が熱く焦がしそうな気持ちだった。
これで本当に萌黄と一緒になれるという実感が私を安心させてくれる。
「では、二人共。誓いの言葉を立ててくれるかしら」
「はい」
「よろしい。では…貴女たちは病める時、健やかなる時でも、互いを信じて。
支えあうことを誓いますか…?」
『誓います』
同時に母と父に向かって力強く言い放った。
「うん…。よかった…」
「お母さん…」
我流でめちゃくちゃな流れの式だったけれど。私は嬉しかった。
母の顔を見たとき、お絵かきしてた頃のことを思い出して思わず私は自分より小さな母を
抱きしめていた。
赤ちゃんに戻ったように甘えたくてしかたなかった。
それからどれくらい抱きついていたかわからないけれど、私の涙が止まった頃に
優しく母は私を放していた。改めて母の顔を見ると、母も涙を流して多分私と同じような
顔をしているに違いなかった。
「良い子と一緒になれてよかったね、命」
「うん…」
「もう、これで安心ね」
「…うん…」
口に出すたびにまた泣き出しそうになりながら、私は萌黄の隣に戻っていった。
そんな私の手を優しくしっかりと握ってくれる。
「お母様、お父様。後は私に…。いや、私たちに任せてください。血はつながってない
けれど私たちには家族ができましたから。みんなで支えあっていければ大丈夫です」
「そう、そうだったの…」
ある程度の状況は知ってはいたけど、それは私と萌黄の中だけでのことだったらしく
本当に安心しきったような姿の両親を見て私も笑顔で萌黄と同じように言った。
本当に夢のようでこれから覚めたら何もかもがなくなってしまうのではないかって
不安になった頃。
「では、我が家に代々伝わっていた指輪を…二人につけてもらおうかしら」
父が、母が、指につけていた指輪を私たちの前に差し出してきた。
宝石などないシンプルな指輪だけど、変わった文様が刻まれていて金属なのに
触れると温もりを感じる、そんな指輪だった。
「互いに、指輪の交換を」
言われて私は父の指輪を萌黄の左手の薬指に…。
萌黄は私の左手薬指に交互に付け合った。
それを確認すると母は満足気に笑って。
「これからも二人を見守っているからね」
「今後はその指輪に宿って見守ることにしよう…」
父も名残惜しそうにそう言った後、二人は蜃気楼のように姿が薄くなって
やがては風に吹かれるようにして消えていった。同時に周囲の雰囲気も変わり始めた。
いや、正確には戻っていった…だろう。
空間が戻った頃には今にも朽ちそうな家の中に私たちはいた。
埃立つ家の中、萌黄以外の気配はどこにもない。本当に夢の中での出来事だったように
何も残ってはいなかった。
「命ちゃん、指…指…!」
「えっ」
萌黄が興奮するように連呼するから自分の指と萌黄の指を見るとドキッとして
一瞬固まってしまった。私たちの左手の薬指にはしっかりと結婚式を行っていたときの
指輪が残っていた。
「お母さん…」
「命ちゃん、また泣きそうだよ」
涙を流す私の頬をペロッと舐める萌黄。家を出るまでは少し時間を要するだろうけど
最後くらいは…想ってもいいよね。
帰り、来た道を辿っていくと背後から何かが崩れる音が聞こえた。
まるで役目を終えたものが崩れ落ちていくような音。あれは紛れもなく私がいた家が
形を成さなくなった時の音だろう。でも…。
私はもう振り返らない…。あそこはもう私の居場所じゃない、それに…。
さっきの式が本当なら父も母の想いもこの指輪にあるのだろうから。
もう、何もあの場所に思い残すことはないのだ。
「命ちゃん、大丈夫?」
心配そうに声をかけてくる愛おしい人に頷きながらスッキリした顔をして
私は元気に返事をした。
「はい!」
みんなの悔い、思い残しがこうやって母に導かれて解消できて良かったと思う。
久しぶり過ぎる母の姿をわずかな間しか会えなかったけれど。
うん…。胸のもやもやが晴れたようで体も軽くなったような気がした。
「命ちゃんのその力も…もうすっかり馴染んだみたいだって言ってたよ。
もう病気の度に狐の姿になることはないんだろうね」
「そうかもしれないですね…。あと、がんばればいつでもその姿になれるかも」
「そんな機会あるかな」
「私はその姿も嫌いじゃないですから。みんなが求めてくれれば悪い気はしないです」
「そっか…」
「はい」
「よかった…」
「はい…」
全ての謎は解明されて、本当に軽やかな足取りで私たちは家へ戻った。
マナカちゃんや瞳魅さんにも私たちの様子が違って質問されたから、言える所までは
言うとすぐに納得してくれた。
まったく疑ったり、不思議がったりする様子はなかった。
だって、私たちはみんな訳ありの家族。血がつながってなくてもトラブルが起こったと
しても家族として支えあって解決すると決めたから。
普段の生活に戻って私は料理をしながら、指輪に向けて呟いた。
今までありがとう、これからもよろしくおねがいします。
私たちを見守っていてください…って。
先祖様の守護霊のように私たちのことを末永く見守ってくれるようお願いをした。
それはきっと二人に届いてると信じて。
再び私はこの愛の気持ちを料理に移していつもの生活を過ごすことにしたのだった。
続
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いつもと違う感覚に誘われるように自分が住んでいた場所へと
戻る命。隣には萌黄の姿もある。家の周りを散策していると
もう会えないと思っていた父と母に再会する命に次々とサプライズが。
命の素性が判明する話その1。