No.663886

義輝記 雷雨の章 その拾

いたさん

義輝記の続編です。 『颯馬』の策 三矢目になります。
また、よろしければ読んで下さい。
2/17に一部加筆修正しました。 ご迷惑お掛けします。

2014-02-16 17:54:20 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2149   閲覧ユーザー数:1902

【白蓮、離脱 の件】

 

〖汜水関 門前にて〗

 

麗羽「本当ですの? 白蓮さん!?」

 

白蓮「あぁ、私が汜水関開放を要求しに、行ってこようと思うんだ!」

 

華琳「……何を考えているの、公孫伯珪殿? あの『天城颯馬』が汜水関を、ただで引くなんて思えないわ!」

 

曹孟徳の言葉に、諸侯が頷く。 

 

反董卓連合軍…約十五万人  天水攻略軍……約五万人

 

対する董卓軍は三万、しかも分散して守備しているので、汜水関の守りだけでも一万五千人しかいない。

 

それを、一太守しかない公孫伯珪に説得が出来る訳が無い。 何らかの『手札』が無い限りは…………。

 

白蓮「実は……昨夜遅く、幽州刺史『劉虞』殿より使いの者が我が陣営に訪れたんだ。 『鳥丸』の行動が活発化しているため、幽州に戻ってきて欲しいと……」

 

麗羽「それは一大事ではありませんか? 鳥丸が行動を起こせば、白蓮さんばかりではなく、私の領地も危うくなりますわ!」

 

白蓮「だが、汜水関攻略を任されたのに関わらず、ただ戻るのは武人の恥。 それに、劉虞殿が竹簡を認め(したため)てくれたのだ。

 

私をただで戻すのを気にされて『汜水関の開放を促す』書を用意された。 これを見せれば、開放する『一石』を投じれるはずだ!」

 

華琳「成る程…一応筋は通っているわね。 でも、私の下に鳥丸の動きは入っていないわよ。 もし、動きがあれば報告を寄越すようにしているのだけど……… 」

 

白蓮「!」

 

麗羽「いいじゃありませんか、華琳さん! 白蓮さんは、ただ戻るだけでは無く、汜水関を攻略して戻るというのですから!」

 

華琳「だけど、麗羽!」

 

麗羽「華琳さん、それではお聞きしますが、汜水関攻略を本日中までに出来る自信がありまして? あれば、白蓮さんの事実確認を致しますわよ? 

 

もし、無ければ────お黙りなさい!!

 

………………… 今の問題は、『汜水関攻略』! 

 

まだ、先には虎牢関も控えていますのよ!

 

それに…諸侯達は、この戦いに焦りを見せていますわ! 御自分達の領地を長期不在にしておけば、必ず不穏分子達が動き始めますから。

 

白蓮さんは、汜水関攻略を自信を持って行ってくれると言うのです! ならば、お任せしましょう! 罠であれば、この十数万の軍勢で押し潰せばいいだけですわ!! 」

 

華琳「……そう、好きになさい。 もし、後で後悔しても、私は知らないわよ………… 」

 

☆☆★

 

さて、汜水関に向かうか。 

 

確か『影』の話だと、この竹簡が汜水関開放の鍵だと聞いていたが………。

 

  タッタッタッタッ!

 

桃香「白蓮ちゃーん、久しぶ……きゃああぁぁぁ!!」  

  

    グキィ! ズシャー!!

 

……変わらないなぁ、桃香………元気そうで、なによりだ!

 

愛紗「白蓮殿、お久しぶりです! お変わりなさそうで…」

 

一刀「白蓮…………。 世話になり放しのままで、ごめん!」

 

鈴々「白蓮お姉ちゃん!!」

 

星「……白蓮殿」   朱里、雛里(ペコリ)

 

皆、なんでここに? 

 

休息していたら、私の姿を見かけたから?  そうか……

 

愛紗も鈴々も……変わりなさそうだな! 

 

一刀は……少し変わったか? 私に礼を言うなんて……

 

星………メンマと酒は控えろよ? 

 

二人は……お初だな。 姓が公孫、名が賛、字が伯珪。 真名が『白蓮』だ。 おっ? 私に名前と真名まで教えてくれるか! 

 

うん! わかった。 それでは、私の事は『白蓮』と呼んでくれ!

 

…そうか。 二人の真名も呼ばせてもらうよ『朱里』『雛里』!

 

ーーー《会話中》ーーーー

 

白蓮「それじゃ、汜水関に一仕事をして、幽州に戻るよ」

 

桃香「折角会えたのに、もう行くんだね………」

 

白蓮「…………桃香、友達として、一つ言わせてもらう!」

 

桃香「ん?…………なぁ~に?」

 

 

 

白蓮「………………………また、太ったか?」

 

       

           バシィーン!

 

 

イテテテ…本気で叩くとは思わなかった。 そんなに気にしていたのか? どうも…真面目な雰囲気を、桃香の周りで作れないな…。

 

 

そんな事を考えていたら、汜水関の門が間近に迫る!

 

白蓮「……幽州太守『公孫伯珪』だ。 『天城颯馬』殿にお会いしたく参上した。 この通り、護衛も周囲にも人影もない! 不安なら腰の物も外すが……!!」

 

    ギイイィィィ────────!!

 

颯馬「その必要はありません。 本来なら此方から出向くところ、足を運んでいただき恐悦…「あぁ…! 固い挨拶はいいから!」

 

っと、では本題に入らせていただきます。 まず、例の竹簡はお持ちで……? ………うむ、宜しいですね。 どうぞ、中に………」

 

         バタン!!

 

★☆☆

 

〖汜水関内 客室にて〗

 

白蓮「私は、畏まられて話されるのが、苦手だ。普通に喋って貰いたいのだが………?」

 

颯馬「失礼。これでいいのか?」

 

白蓮「構わない。 此方もこんな口調でよろしいか?」

 

颯馬「大丈夫だ! では、本題に………」

 

颯馬は語る……現漢王朝の正当性、張譲の疑わしさ、颯馬自身の事は置いて、主である董卓や仲間達の民を思う志。

 

白蓮「……不定するより納得する事が多い。 天水の噂は聞いてるよ。 愛紗は陳留の模倣と言っていたが、天城殿達の方が、早くより……改善していたようにみえるが………。

 

張譲の噂も聞いているし……余計に信憑性も増す……」

 

颯馬「………では、大概…納得はされたかな?」

 

白蓮「……天城殿、私は肝心な事を聞いていない。 今までは、貴方の関係する方々ばかりの話であり、貴方自身の事が抜けている。

 

それで、私に信用してくれとは……虫が良すぎると思うが…」

 

天城「……………………………!」

 

白蓮「どうした『天城颯馬』殿? 貴方自身の言葉で聞きたいのだ! この大陸を制圧する野心を持っているのかを!!」

 

颯馬「俺自身は、この大陸の民達が苦しんでいる事は、充分承知している! だからこそ、平和に治めたかったのだが………俺の力不足のため、更なる戦乱が起こしてしまった!!

 

こんな俺が、公孫伯珪殿に、お願いをする資格など烏滸がましい(おこまがしい)!」

 

………………………………………

 

白蓮「面白いな!! その話に私も混ぜさせてもらうぞ! 

 

大陸を平和にするために制圧する。 早い話が、大将軍の仕事を…天城殿が先駆けて行っていると言う事だろう? 

 

なら、漢王朝の臣である私が、動かなければ不忠じゃないか! 」

 

天城「良いのか? 俺達の味方は少ない。 この戦も勝てるかわからないのに……? 」

 

白蓮「おいおい、謙遜は無しだ! お前の策にどれだけ『助けられた』と思っているんだ? 

 

それに、仲間の将と対峙して、将器の大小……充分に判った。 だから、間違いなく反董卓連合軍に勝てるさ! 」

 

俺は、信用してくれた公孫伯珪殿に厚く礼を述べ、公孫伯珪殿は笑いながら真名『白蓮』を預けてくれた。 

 

─────別れる前に、汜水関門前まで送らせていただく。

 

白蓮「とりあえず、私は幽州で劉虞殿と一緒に『鳥丸』の対応にあたろう! 敵としてではなく、味方になってもらうために!」

 

颯馬「どうか、気を付けてくれ! 何かあれば、白蓮殿に預けた『忍び』を用立て下れば!!」

 

白蓮「ありがとう! ……そうだ、私の陣営に入ってきた『影』と名乗る者は、天城殿直属の配下か? かなり慕われていたようだが?」

 

颯馬「あぁ、あの子は『姜伯約』と言って、『忍び』の技術が優秀なので、修行の一環で各地の情報収集等を任せていたんだ。

 

前の『天水の夜戦』で俺に命を救われたと言って、頑張ってくれる良い『娘』さんだ!」

 

白蓮「……男の声だったぞ? 口調も男のような……?」

 

颯馬「それも『忍び』の業だって聞いたよ。 俺も始め聞いた時には驚いたけどね!」ハハハ

 

白蓮「そうか、業だったのか……。また、会えたら宜しく伝えてくれ! 上杉殿にもな……!」

 

颯馬「承った! それでは、我らは二刻後には、準備を済ませ引き渡すので、そのように伝えて欲しい!」

 

 

───こうして、白蓮は説得に成功して国に帰還する。

 

この件の報告を受け、一応感謝の言葉と高笑いをもって白蓮への礼として贈った袁本初は、諸侯に汜水関の攻略完了を宣言した。

 

反董卓連合軍は、こうして『汜水関』を無血開城して制圧された…。

 

◇◆◇

 

【 『忍び』姜伯約 の件 】

 

〖汜水関 にて〗

 

……主様と公孫伯珪殿の会談が、無事……済んだようですね。

 

これで、主様に対して御恩返しが少し出来ました。 だか、私の受けた御恩は泰山よりも高く河や江より(黄河や長江)も長いです!

 

思い起こせば数月前(遠い目)……『天水の夜戦』と名付けられ、奇跡だとも偶然だとも言われている戦ですが……。

 

主様達の護衛兵の一人として、私も役目に付いていました。

 

……当時は病気の母を残して、志願して入隊(給金が高かったから)、武はそれなりに自信がある私でしたが……。

 

ですから、まさか…あんな危ないめに遭遇したり、生涯仕える(かもしれない)主様に逢えた事……夢にも思わなかったのですよ…!!!

 

☆☆★  回想  ★☆☆

 

〖天水近くの野原にて〗

 

賊将「クックッ! カカカカカカ!! 」

あの時の賊将は、とても鬼気迫っていました……。 

 

        ザッシュッッ  

 

護衛兵1「ギャァァァァーーー!!!」

仲間達は、武の心得など当然無く…戦いなれた賊将に為すすべも無いまま、無様に斬られていきました……………。

 

護衛兵長「何をしている! 軍師殿達を守るのだぁ──?」

 

        グサッ!

 

統制を取っていた護衛兵長の頭に、賊将の大剣が…刺さった!?     

賊将「フン!」   グリッ!

 

護衛兵長「ブホォ───!」  ブシャァ─────────!

 

賊将が…大剣を掴み…捻りながら抜くと───護衛兵長の頭から、血が間欠泉のように、血飛沫が上がって──────!!!

 

賊将「馬鹿かお前はー? 喋る前に前に出やがれ!! ……ケッ! こんな爺の血じゃぁ…俺様の得物が喜ばねぇな! ──ん? 」

 

その様子を見て…剣を握る手は震え、足は立っているのがやっと…。

 

身を隠す事も戦う事も忘れ……棒立ちのまま…固まってしまい…!

 

そんな姿を…不振と思ったか、獲物と感じたか、賊将がこちらを見ると嫌らしい笑みを浮かべ、私の下へ向かってきたんです!!

 

姜伯約「なんで!? こっちに………!!」ガタガタ ガタガタ

 

賊将「おっ! こんな所に『お嬢さん』が居るなんてぇ危ねえなぁークックックックッ!! 俺様のとこに来いよ、いいこと教えて…!」

 

 ザッザッザッザッ  シュッン!

 

颯馬「待て!! ここからは俺が相手だぁ!!!」

 

私は、天水の地に最初に降り立ったと伝わる『天の御遣い 天城颯馬』様に、その時に初めてお会いしたんです(ウットリ)………!

 

その天城様は、私の手を力強く握り締めて『賈駆』様の護衛を願った後、一人賊将に立ち向かって行くんですよ!! 

 

相手は、とても賊とは思えない、歴戦の将のような強者ですよ?

 

幾ら『天の御遣い』様でも、身体は細いし武を嗜んだ(たしなんだ)印象も無いものですから!! 

 

勿論、私は止めたんですが…その静止を振り切られて……!

 

護衛兵が護衛対象に守られるなんて……可笑しな話ですけど…

 

私は、その後ろ姿を……見守るしか術が無かったのです。

 

☆☆★ 回想終了 ★☆☆

 

あの後、私の予測に反して主様は、賊将を後一歩まで追い込むのですが、賊将の悪運のためか攻撃を回避され、反撃を受けた時…もう…見ていれなくて……!

 

後で、お仲間の一人に助けていただいたと聞き、思わず号泣してしまいした。 もし、主様に見られたかと思うと……恥ずかしいです!!

 

それからですよ…御遣いの一人である師の三太夫様が部隊を募集していると聞いたのは……。 

 

そして、そちらで厳しい修行を終えた後、小太郎様にも教わり、免許皆伝を受けました。 『教える事は無いですよ!』と仰られになられたあとに、足りない所は経験だけ……と。

 

その言葉を知った主様は、私を修行として各街を周らせ、偶に命令を与えるから実行に移すようにと、送り出してくれました。

 

いろいろと周りましたよ! 渤海や南陽とか……陳留にも!

 

最近は、袁本初の本拠地に入り『将旗』を盗み出し、主様にお渡し致しました。 よくやったと褒めていただいたのが…とても嬉しくて。

 

 

母は、あれから…天水のお城で養生させていただいています。

何でも私が将軍候補と言う事で、特別待遇だとか…。

 

嬉しい話ですよ、母子二人の生活でしたから…。 

 

ようやく…………親孝行できます!! 

 

…でも、この任務を通じて判ったのですが、どうも主様が手を回してくれたようなんですよ…。 私、一言も母のこと言ってないんですが……名前を聞かれただけで……。

 

主様は……あの時の護衛兵を覚えていらっしゃるのでしょうか……?

 

もう……二度とあのような失態は致しません!! 是からは……お役に立たせて戴きます!! 

 

──── 主様あっての『私』ですので!!! ─────

 

 

◆◇◆

 

【 汜水関制圧 の件 】

 

〖汜水関内部にて〗

 

麗羽「汜水関攻略に三日間ですか…。 でも、兵士は無傷、兵糧も全体維持を考えれば七日間は持ちますわね。 これなら、虎牢関も落とせるでしょう!!」

 

華琳「そうね…。 諸侯の様子も攻略の目処が立ったから、比較的大人しいわ。 だけど、気を抜くと反逆の牙を剥いてくるから、手綱をしっかり握らないとね!」

 

私達は、汜水関に入り、中を改めて確認、万が一伏兵や罠とかあると被害でも出したら大変だし、要らぬ風評が発生しても困るもの。 

 

麗羽や孫伯符達は外を、私達(華琳、一刀、春蘭、秋蘭、愛紗)は中を調査。

 

他の諸侯や桂花達は、関の外で天幕の造営を行っているわよ。

 

関自体は攻撃も受けていないので、ほぼ無傷。 兵糧は綺麗に持ち出されたが、何故か水源が破壊されず、別に毒も入っていない。

 

一番奇妙なのは、炊事場。 

 

料理?をした形跡はあるのだが……部屋に籠もる臭気が目や鼻を刺激して、到底入れない!! 一体何を作っていたの???

 

ただ、この臭気に反応して応えた者が二人居た…………。

 

私の護衛、一刀の護衛を勤めていた春蘭と愛紗。

 

春蘭「おかしいな……私はここで『料理』を作った覚えなど無いぞ! ……でも、似ているな……私の『炒飯』の香りだが?」

 

愛紗「ご、ご主人様!! いくら何でもここで『料理』の練習をここではしません! でも…この香りは、私の『創作料理』に似ていまいすが………!」

 

はぁ─!? 董卓軍側にも、あの『兵器』を作れる『錬金術師』がいるの!? ……これは、要注意ね………………!!

 

『錬金術師』は、一刀が教えてくれた天の言葉。 

 

この国の仙人が金丹等の仙薬を練る事を、西側の大陸では『錬金術』といい、『錬金術師』は、仙人を意味するらしい。

 

春蘭「華琳様! あんまりですよ!! 私の作った料理が『炒飯』が一刀の言う『蓮根術師』と一緒にするなんてぇ!!!」

 

秋蘭「姉者…『蓮根』じゃなく『錬金』だ。 

 

それに、食材を普通に調味料を入れて調理した物が、何故あんな『黒い物質』になるのか、私も知りたい………!」

 

春蘭「本当に、普通に教えてもらった手順、食材、調理器具を使っただけだ!! まぁ……ほんの少しだけ、味を整えたが…………」

 

愛紗「私も、朱里や雛里より教えてもらい、同じように作りましたよ!! 少し………愛情が足りないかな………と思い、別の物を入れましたが…………」

 

一刀「その別の物って……何……? 愛紗の料理を食べる事に昇天しそうになる俺の身体も考えて欲しいんだけど…………」

 

華琳「はいはい! 漫才はここまで!! 他の場所も確認するのだから、時間が惜しいわ! さっさっと行ってしまいましょう!」 

 

この部屋の換気を兵に命令し、私達は別の所を調査する。

 

……換気を任せた兵士には、特別手当てを支給しないと………割が合わないわよねぇ………

 

★☆☆

 

〖汜水関外側にて〗

 

(調査……麗羽、猪々子、斗詩、雪蓮、冥琳)

 

麗羽「外は………別に兵は伏せる場所はありませんわよね?」

 

冥琳「ですが…………この積んである袋は…何でしょうか?」

 

雪蓮「中身は、ただの土なんでしょう?」

 

 

私達は、袁本初達と一緒に外へ向かったわ。 

 

何か罠とか設置されていないか? 伏兵がいないかどうか?

 

だけどねぇ………両側が切り立った壁が迫り、道は清掃されたように綺麗なもの。 他に変な所は………………!

 

***

 

〖小さな器?〗

 

前方の数十里先に、小さい物が見える。 何かの器かな?

 

袁本初サマにお伺いたてたら、軍議や休息を取るからと言うことで、器は明日に確認する事に。 

 

……………それを聞いて、正直、ホッとしたわよ。

 

だってねぇ…日が落ちてきたから、確認するのに時間掛かるのよ!! 松明付けて確認しなきゃいけないし!!

 

それに、少人数で調査して、敵の罠であった場合の対応とか、考慮して行動しないと、冥琳に叱られるしぃ~~~!!

 

そして、一番の重要項目!!!

 

 

…………軍議終わってから、お酒飲みたいもん!!

 

***

 

〖袋詰めされた土?〗

 

この関の左右の隅に何十も袋詰めされた土が入っている?

 

冥琳は、それを見てしきりに首を捻るのだけど、分からないみたい。

 

一応、害は無さそうだから置いたままにして置く事になったけど…。

 

***

 

後は、別段異常は無し!

 

麗羽「斗詩さん、猪々子さん! 他には無さそうですわね! 無ければ戻りますわよ? 諸侯の皆さんが、この私の帰りを首を長くして待っていますわ!!」

 

斗詩「いえ、姫? すぐ傍ですから待たれる事は無いですよ?」

 

猪々子「いいや! 皆、姫の帰還を待ってるぜ!! そろそろ飯の時刻だ! 先に食べていたら姫がお冠だからな!!」

 

雪蓮「冥琳! 帰りましょう! 何回も見てても、何も浮かばないじゃ大丈夫!!」

 

冥琳「………何か、軍師の勘に引っかかるのだが………?」

 

◆◇◆

 

【 新たなる『兵器?』か『罠?』 の件 】

 

〖汜水関 四日目の朝〗

 

麗羽「『天の御遣い様』! それでは、虎牢関攻めに向かいますわよ!! 諸侯達に貴方様の号令を!! 」

 

昨日の内に各諸侯に連絡をして、虎牢関に向け進軍すると使いを送る。 前衛は公孫白珪が抜けたため、再編成を行った。

 

前衛……エン州刺史『劉岱』 豫州刺史『孔ユウ』(孔融とは別人)

河内太守『王匡』

 

中衛……袁本初、曹猛徳、孫伯符

 

後衛…袁公路、その他

 

一刀「反董卓連合軍盟主 北郷一刀だ! 

 

洛陽側からの妨害を乗り越え、よくぞ…ここまで来た勇者達よ! 

 

このまま行けば、残りは虎牢関のみ!! 敵は総力を挙げて我々を阻むであろう! …………だが、案じるなかれ!!!

 

我々の仲間は十三万! 別働隊は天水に向け五万! 

 

洛陽側は一月前までは五万が限度だった。 そんな敵が我々に勝てるとおもうか? 断じて否! 否だ!! 

 

このまま、勇猛果敢に乗り越えれば、数日後に君達は英雄になれる! 亡国を救った英雄として、称えられる事間違いないだろう!!

 

いざ! 英雄達を!! 虎牢関に向け、進軍を開始せよ!!! 」

 

諸侯『おぉぉ━━━━━━━━━━━━━━━━━!!!』

 

☆☆★

 

麗羽「『御遣い様』! なかなか宜しい号令でしたわよ! 私より本のす────こし劣っていましたけど! おーっほっほっほっ!!」

 

華琳「麗羽よりは良いと思うわよ……一刀? どうしたの、顔が青いけど………?」

 

一刀「………前方に見える『入れ物』の中身は確認したのかい?」

 

華琳「私達は、内側の点検担当。 外側は…麗羽よね?」

 

麗羽「距離が遠く、少人数で暗闇の中を歩いての確認は危険行為。 

大人数で明るい所で確認するのが、安全かつ早く確認出来ると思いますが………どうでしょうかしら、華琳さん?」

 

華琳「その通りだわ。 ただ…相手はあの『天城』だから。 それも予測して仕掛けた可能性がある!…と言いたいのだけど……」

 

麗羽「この人数で、あんな小さい物が……? やれるものならやってもらいましょう!! おーっほっほっほっほっ!!! 」

 

一刀(何だろう? 何時も味わう『アレ』と同じ気配がするんだが……!)

 

☆★★

 

劉岱「どうだ? 前方に見えるのは?」

 

兵士「蓋が付いた器ですね? 中身は確認してみないと………」

 

辺りをザッと見渡すと、中央に横並びに十個。三列で置かれている。

 

後は左右に各十個。 何故か置き場所が近かったり、離れていたり。

 

一人の兵士に命じて、器の中身を開けさせる。 

 

儂と率いる部隊を少し遠くに距離をおいて、その様子を見守った。 

 

まぁ、何か遭った場合…あの兵士一人の犠牲だ………。 

 

ーーーーーーーーーー

 

兵士「ゴックリ!」

 

(ちくしょ───! あの馬鹿野郎! 俺に命令しやがって!!

 

戦場で普通こんなモン置いてあるのは、九分九厘まで『毒』だと決まっているじゃねぇかぁぁぁ───────!!

 

すまん! ガキ共!! 父ちゃんは、これで死んだ! 後の事、頼むぞ!! 母ちゃんの事も宜しくな!!! )

 

俺は、意を決して、その器の蓋を取るため、一歩を前に踏み出した!

 

 ガタン!! ヒュ────ン!!

 

兵士「おぉわわぁぁ────!!」

 

急に、前方の地面が跳ね上がり、器が俺の顔に───!!

 

『なめるな!!』と、反射的に避ける!!

 

……当然、一緒に跳ね上がった『器』は後ろに向かい……『劉岱』サマの顔に…直撃…いや、蓋が外れて中身を被った…………!!

 

ーーーーーーーーーー

 

劉岱「ぎゃゃあああゃゃゃ!!!」

 

急に前方か──★☆♯??!! 

 

これはなんだ!!! 鼻が曲がると言うか痛い!! 目が、目が!!! 熱い!! 顔の皮膚が──!

 

儂は、馬上より落馬して地面を転げ回る!!

 

兵士達は、慌ただしく儂を看護始めるが───!?!?

 

気が──────とお……………く……………!!

 

ーーーーーーーーーーーー

 

劉岱殿の異常なる叫び声を聞き付け、俺は急いで近寄っ……た……?

 

アレ? この状態。 俺、知っている…………。

 

兵士達に頼んで、水と清潔な布を持って来させ、丁寧に劉岱殿の顔を拭く。 皮膚や目が腫れているが、二、三日でひくだろう。 

 

初めての人には、キツイからな、多分気絶しているよ…と思いながら目の瞳孔の確認、脈の有無を診る。 

 

……剣道部での応急処置が役に立った。 

 

横に器が落ちているため、念のために嗅ぐと…あの刺激臭!!

 

俺は、首を傾げて……………呟いた。

 

『なんで、この場所にあるんだろう? 愛紗の『料理』が……』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

今回、この作品初の公孫賛の活躍となります。 次の活躍はいつになるかわかりませんが………。 

 

ついでに、公孫賛に使者と行った『影』ことオリジナルキャラ 『姜維』です。 設定としては、性別…女性、年齢…18、髪…黒のストレート(腰まであり)、女性らしい体型(イメージとしては戦極姫の義清)、職業『忍び』となります。

 

それから、今回の罠ですが…単純ながら、ゲリラ戦で使用されたと言う罠を少しアレンジしてみました。 

 

バネとかは一切使わず、木の板と簡単な工作で作れます。

 

原理は、遊具『シーソー』と同じですので。

 

次回も、この罠に関する話になる予定ですので、また、良ければ読んで下さい!

 


 
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