『おねえちゃん…本当に大丈夫なのかなぁ…』
ある麗らかな春の日の午後、心優しいお隣少年・音成遊は悩んでいた。
手元には苦心して情報を集めたマル秘ノート。
その全ては、お隣に越してきた「おねえちゃん」の為だけに存在する。
『おねえちゃんは気にしなくていいって言ってたけどさ?、
さすがにこれはオレも心配だよ…』
ノートに目を落とす音成少年。
おねえちゃんと同じ学校に通う同級生男子(一部例外あり)の名前が連なっている。
そしてその横には彼らの気持ちを表すマーク。
爆弾。
爆弾、爆弾、爆弾。
その数、なんと6個。 δ δ δ δ δ δ
それは、ナイーブな男達の傷ついたハートの数でもある。
『このままだったら、連鎖で大爆発だよ。まるっきりボン◯ーマンだよ。
一体どうする気なんだろう?隠しキャラ狙いでもないみたいだし…
(魅力も気配りもうんと低いもんね。外出も全っ然してないからいつも標準服だし…)』
そんな音成少年の憂鬱を残しながら、月日は過ぎていった。
「はいっっ。遊くん、バレンタインデーのチョコ?
遊くんの為に、一生懸命作ったんだよ?」
おねえちゃんが越してきてもうすぐ丸3年を迎えようかという、2月14日のこと。
放課後、おねえちゃんに呼ばれた音成少年は差し出されたチョコに目を丸くしていた。
「え…? あ…ありがとう、お姉ちゃん…」
『 ………… 。
……あれ?? オレって、もしかして3年連続でチョコもらってる?
そういえば、おねえちゃん毎月オレに会いに来るし…
………もっ、もしかして、今ターンのおねえちゃんはオレ狙い!?
そ、そんな?!!!!!!!!
なんで、こんな皆から嫌われてて、頭も悪くて、運動オンチで、魅力も無くて、
絵も下手で、流行にも疎くて、気配りも出来なくて…
そんなおねえちゃんを、なんでオレが受け入れなきゃなんないワケ?!?(泣)』
心の中で号泣する音成少年。
『でも…今までチョコもらう度に頬染めちゃったりしてるオレがそんなこと言っても…
誰も信じないんだろうなぁ…』
そんな今も、彼の頬はプログラミングのせいでピンク色に染まっている。
もうすぐ咲く、桜の花のように…
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どーも、三八です。
お見苦しいSSの時間が再びやって参りました。
しばしの間、お付き合い下さいませ・・・↓↓
by 三八