No.659962

美希「マージャン?」真「マージャンかあ」P「やってみるか?」  第3話前編

shuyaさん

美希も真も麻雀を知らないようです。

注1:『一』は一マン、『1』は一ソウ、『(1)』は一ピンです

注2:このお話は、以下の続編です。

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2014-02-02 20:43:19 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:694   閲覧ユーザー数:679

 

春香「今日は~♪小鳥さんが~♪ゲームを~♪持ってきてくれるぅ~♪」

 

春香『うわあ。自分でもびっくりするくらい楽しみになっちゃってる。マージャン、ハマっちゃったかも?』

 

春香「そんな日っ!最高の~♪一日になる~予感~♪~~~というわけでぇ、おっはようございまーすっ!」

 

小鳥「ピッ?!」

 

P「こら春香。事務所のドアをそんな勢いで開けるやつがあるか。真じゃあるまいし」

 

真「なっ?!」

 

春香「ご、ごめんなさ~い!」

 

真「あ、ちょっとすみません。そこでボクの名前を出す意味がよくわからないんですが……お教え頂けますか?プロデューサー」

 

P「うおっ?!あ、いやこれは」

 

小鳥「あっれれー?真ちゃんは、この前のイベントの時のこと、もう忘れちゃったのかなあ」

 

亜美「あったねえ……あの時のまこちん、アレの初号機みたいだったもんねー」

 

真美「ケーブル抜いても暴走が止まらない感じだったよねー」

 

真「うっ!あ、あの時のことは、もう謝ったじゃないですかあ」

 

小鳥「真ちゃんの大好きなフリフリ衣装のサンプル、たっくさんあったもんねえ」

 

亜美「まこちんのテンション、天元突破してたもんねえ」

 

真美「最初はみんなでチェックしてたのに、まこちん見てたら『後にしよっか……』って感じになっちゃたもんねえ」

 

真「えええっ!ひょ、ひょっとして……みんなどん引きしてたり?」

 

亜美「ひょっとしてとか!」

 

真美「まこちん、ちょっとお鈍さんだよ?」

 

小鳥「うーん。私の目からは、あの場にいた全員が『うわあ……』って顔をしてたように見えたわね」

 

亜美「だってさあ、まこちん大好きなゆきぴょんでさえ、お茶くみに行ったまま戻ってこなかったんだよ?」

 

真美「きっとさ、見たくなかったんだよね。あの浮かれきったまこちんの姿を……」

 

小鳥「で、テンションが上がり切った真ちゃんが、更衣室として使った会議室を出たり入ったりしているうちに」

 

亜美「どかーん!」

 

真美「ばきばきー!」

 

小鳥「憐れ会議室のドアは木端微塵に成り果てて」

 

真「小鳥さん!木端微塵はさすがに言い過ぎですっ!!ただちょっと……留め具が外れちゃっただけで……」

 

亜美「ちっちっち。嘘はいけないねーまこちん」

 

真美「真美たちは後で見たんだけどさ。ドア、ぐにゃってゆがんじゃってたよ?」

 

真「ボクはそこまでやってない!」

 

小鳥「とまあ真実があやふやになってきましたが……実はここに、あの事件の後処理で使った経費の伝票がありますっ!」

 

亜美「おおっ!」

 

真美「これはいいショーコだね!」

 

小鳥「はい、みんなにも見せてあげるわ」

 

亜美「……まこちん。これ、留め具の修繕(修繕費)にドア購入費用(修繕費)って書いてあるね」

 

真美「これって留め具の修理だけじゃダメで、ドアごと買っちゃったってことだよね?」

 

真「あっ……うぅー」

 

亜美「おお、まこちんがやよいっちみたいになってる!」

 

真美「でも見た感じは怒られた後のピヨちゃんっぽいかも!」

 

P「まあまあ、そのくらいにしといてやれよ。確かにあれはびっくりしたけど、終わったことだし反省も済んでいるんだからさ」

 

真「プロデューサー……」

 

 

 

春香「あ~~~~~っ!」

 

 

小鳥「ピィッ?!」

 

P「今度はなんだ?」

 

春香「ななななな、なんで亜美と真美がマージャンのゲームをやってるんですかっ?!」

 

P「亜美と真美がゲームやるなんていつものことだろ」

 

亜美「そうだよはるるん」

 

真美「真美たちからゲームを取ったら、ぷりちー&せくちーな希望しか残らないよ」

 

P「美貌、な。それじゃあせくちーになれなかった人が人生を悔やんでいるみたいだぞ」

 

小鳥「……くっ」

 

P「えっ?!なんで小鳥さんがそんな反応なんですか?小鳥さんは人が羨むようなスタイルをしているじゃないですか」

 

小鳥「売れない商品に意味なんかないんですよっ!……ううっ」

 

春香「いやいやそうじゃなくて!なんで私が持ってきてもらったゲームを先にやっちゃってるんですかってことですよっ!」

 

P「ああ、そっちか。小鳥さん、できれば春香に事情を説明して頂けますか?」

 

小鳥「あ、はい……コホン。それはね春香ちゃん。古いものだから動作確認をしようと思って、セッティングをしてたのよ」

 

春香「はい」

 

小鳥「そうしたら、いきなり後ろから」

 

亜美「ピヨちゃ~ん。なんだか楽しそうなものがあるようですなあ」

 

真美「真美たちにもその楽しさを味わわせてくれるべきだよねえ」

 

亜美「んっふっふ~」

 

真美「んっふっふ~」

 

小鳥「というわけで。その場にいたプロデューサーさんも加わって、麻雀教室の開講と相成りました」

 

P「そんなわけだから、悪いが春香はもうちょっと待ってくれ」

 

春香「ええ~!私、今日オフなのに……マージャンしたくてはるばる事務所まで来たのに……」

 

P「ゲームは早い者勝ち。ウチのルールだな」

 

小鳥「そうよ春香ちゃん。順番でやればいいじゃない」

 

春香「くあ~。楽しみにしていただけに、がっかり感がすごいというかなんというか」

 

P「んー、そうだな。じゃあこうしよう。春香はまだ、実戦で山を積めないだろう?」

 

春香「え?あ、はい。あれから牌に触っていないですからね」

 

P「今から会議室に卓をセッティングしてやる。そこで牌さばきの練習をしよう。今日だけで山を積めるようになるぞ」

 

春香「え、でもまだ事務所が開いているのに」

 

P「今日は会議室を使う予定が無いんだ。まあ、使うことになったとしても、急な来客じゃなけりゃなんとでもなるさ」

 

春香「でも私、マージャンがしたいんですよ~」

 

P「その気持ちはよくわかる。だがな春香、いいことを教えてやる。牌に慣れておくとな、たくさん麻雀ができるようになるんだ」

 

春香「えっ?!ど、どういうことですか?」

 

P「早く山を積めると半荘にかかる時間が短くなる。牌を容易く扱えるようになると、動作の一つ一つにかかる時間が減る」

 

春香「それがたくさんマージャンできることと、どう関係するんですか?」

 

小鳥「つまりね、同じ時間でゲームが速く回るようになるのよ。今は半荘に2時間はみておかないといけないけど」

 

P「回すのが速くなれば、1時間を余裕で切ることが出来る。そうなれば、ちょっとした空き時間でも回せるだろう?」

 

春香「あっ!」

 

P「初心者が打牌判断などに時間をかけるのは仕方のないことだ。だが、牌の扱いなら初心者でもすぐに改善できる」

 

小鳥「だから、たくさん打ちたいって思うなら、暇な時に牌を触って慣れておくのがいいってわけなの」

 

春香「わかりました。春香さんは練習をしますよ。プロデューサーさん、準備をお手伝いします!」

 

P「よし。じゃあ会議室を前やった時のようにしておいてくれ。俺は麻雀セットを取ってくるから」

 

小鳥「麻雀セット一式、経費で落ちないかしらね?」

 

亜美「そんなことしたら、律っちゃんが怖いよ~」

 

真美「鬼……いや、雀鬼になってやってくるよ~。ピヨちゃん大ピンチ!」

 

小鳥「あら、雀鬼なら嬉しいわね。たくさん麻雀を打てそう」

 

亜美「あれれ?律っちゃん雀鬼に襲われてでもまーじゃんがしたいとな?」

 

真美「ピヨちゃん、ひょっとしてまーじゃん大好き?」

 

小鳥「あ。いや、そんなことはないのよ。昔にほんのちょっとかじっただけで」

 

亜美「怪しいですな~」

 

真美「怪しいすぎますぞ~」

 

小鳥「あああ怪しくないわよ怪しさなんてこれっぽっちもないことで有名な2×歳って有名なんだから」

 

亜美「おっと、ピヨちゃんの年齢がよく聞こえませんでしたなー」

 

真美「もう一度言ってくださらぬかのう」

 

小鳥「ハッ!わ、私のトップシークレットが何故か漏えいの危機にっ?!」

 

亜美「ピヨちゃ~ん」

 

真美「もう逃げられないよ~」

 

小鳥「い~~や~~!」

 

美希「も~うるっさいの!小鳥が2×歳でも30超えでもオバサンなことに変わりはないのっ!」

 

小鳥「私はまだ三十路じゃないわよっ!そこは大事なの。すごく、ものすごーく大事なのよ、美希ちゃん!」

 

亜美「おう、ピヨちゃんがマジだぜ。ここは逃げようか」

 

真美「ああ、こいつあガチすぎるぜ。さっさと逃げるよ」

 

小鳥「美希ちゃんお願い。そこだけはわかってね。ね?私からの、一生のお願い。ね?ね!ねっ!!」

 

美希「うう、なにこれぇ……わ、わかったの。わかったから、その目でこっちにじわじわ寄って来ないでほしいかな……」

 

小鳥「ええ。わかってくれればそれでいいのよ。美希ちゃんはわかってくれると思っていたわ。じゃあ私は仕事に戻るから」

 

亜美「……ひゅーう。危険が危なかったぜい」

 

真美「ああ。危うさがあまりにでいんじゃらすだったなあ」

 

美希「意味わかんない……なんだったの……」

 

亜美「寝起きにアレは、さすがのミキミキもきつかったようだね」

 

真美「心中お察しするよ。はっはっは」

 

美希「むー」

 

亜美「さーて真美隊員、続きをやろうじゃないか」

 

真美「亜美隊員、私も全く同じことを考えておりましたぞ」

 

美希「あれ?そんなヘンテコなゲーム機、事務所にあったっけ」

 

亜美「これのこと?これはピヨちゃんが持ってきてくれた古いゲーム機だよ」

 

真美「これから真美たちのじつりきでま~じゃんプロをぼこぼこにするのだっ!」

 

美希「ふーん。それで、あっちの真君はなんでヘコんでるの?」

 

亜美「あっ!忘れてた」

 

真美「あっ!忘れてた」

 

 

亜美「まこちん、元気になってよ~」

 

真美「終わったことはぱぱっと忘れて、明日に向かって猛ダッシュしようっ!」

 

真「ありがと。だけど、思い出させてくれたのはどこの誰と誰だったかなあ……」

 

美希「気にしないでいいの。あの時の真君にはミキも引いちゃったけど、そういうところも含めての真君だと思うな!」

 

真「ふっ。無自覚の追撃ってきっついよね~……」

 

美希「ミキ的には、ああいう真君もアリだよ?」

 

真「ボク的にはナシなんだ」

 

美希「まあそんな細かいことはどうでもいいの。それより真君、アレ」

 

真「ん?ああ、小鳥さんが持ってきたっていうゲームだね」

 

美希「真君はマージャン、知ってる?」

 

真「知らない。名前を聞いたことがあるくらいかな。怖い人たちがお金をかけてやってるとか、そういうイメージ」

 

亜美「あー!それ聞いたら兄ちゃんやピヨちゃんがガッカリしちゃうYO」

 

真美「律っちゃんやいおりんは怒っちゃうかもNE」

 

真「えっ?!なんでだよ。思ったことを言っただけじゃないか」

 

亜美「まこちん知らないの?」

 

真美「兄ちゃんたち、マジでま~じゃん好きみたいだよ」

 

真「そうなの?」

 

P「そうだぞ。だから麻雀は楽しいゲームなんだってこと、真にもわかって欲しいな」

 

真「うわっ!プ、プロデューサーいつからそこに?」

 

P「今戻ってきたところさ。ちょっと車から麻雀セットを取ってきてたんだ」

 

亜美「おおーこれが噂のま~じゃんセットかあ」

 

真美「ねえねえ兄ちゃん!真美にも見せてよー」

 

P「ああ。これから会議室で用意するから、いつでも見に行っていいぞ。ただし!」

 

亜美「ただし?」

 

真美「ただし?」

 

P「この麻雀セットを麻雀以外のことに使ったら」

 

亜美「使ったら?」

 

真美「使ったら?」

 

P「俺はもう765のみんなとは麻雀の話をしない。一切しない」

 

小鳥「プロデューサーさん!それは困りますよ。春香ちゃんや律子さんたちが大変なことになっちゃいます」

 

亜美「げげっ!それって亜美たち超悪者じゃん」

 

真美「やばいよ亜美!そんなことになったら血の差別だよう」

 

P「身の破滅だな。差別はよくないぞ。それより小鳥さん、仕事に戻ったんじゃ?」

 

小鳥「プロデューサーさんの声はよく通りますからね。たまたま聞こえちゃったんです」

 

P「まあ、俺としても麻雀の話はしたいので、みんなが牌を大事に扱ってくれればそれで問題はありません」

 

小鳥「でも麻雀牌って慣れないうちはよく卓から飛び出しますよ?」

 

P「麻雀の中で起こることならやむを得ません。でも、亜美や真美の場合は」

 

美希「マージャンの牌ってちっちゃいんでしょ?なら投げたり転がしちゃったりして遊んじゃうと思うな」

 

亜美「うあうあ~!兄ちゃんの大事な物にそんなことしないよ~」

 

真美「兄ちゃんの大事なものってわかってたら、いくら真美たちでもちゃんするって!」

 

美希「言ってなかったら?絶対やってたでしょ」

 

亜美「えっと」

 

真美「ちょっちピンチ?」

 

P「頼むぞ。俺にとっては大切なものなんだから」

 

亜美「は~い!」

 

真美「わかったよ!」

 

P「じゃあ今は春香の番だから、会議室に来るのはゲームが終わってからにしろよ」

 

亜美「え~!」

 

真美「ぶ~!」

 

P「なら春香を呼んで来ようか?春香は始めからそのゲームがしたかったんだから、それでも納得すると思うぞ」

 

亜美「ノーであります!」

 

真美「ゲームをするであります!」

 

P「わかった。なら、まずはゲームのプロたちを倒してきてくれ」

 

亜美「らじゃー!」

 

真美「らじゃー!」

 

真「へえ。亜美も真美もマージャンできるんだ。難しそうなゲームなのにすごいね」

 

亜美「え?亜美たちぜんぜんわかんないよ?」

 

真美「わかんなくてもま~じゃんってできるんだよ!兄ちゃんに教えてもらったもん」

 

真「でもマージャンってルールや点数が複雑って聞いたことがあるけど」

 

亜美「それが、できるんですなー」

 

真美「そう、このゲームならね」

 

真「へえーじゃあちょっと見せてもらおうかな。なんだかボクも気になってきたよ」

 

美希「真君が見るならミキも見る!」

 

亜美「んっふっふー。亜美たちの華麗なうちまわちに惚れるなよ!」

 

真美「真美たちに敵はいないんだかんね!」

 

真「ああ。楽しみにしているよ」

 

美希「どうせぼこぼこにされるだけなの。あふぅ」

 

 

P「で、実際に山を積む時にはな、意外とこの小指が大事なんだ。10牌くらいなら……ほら、小指だけでも積める」

 

春香「うわ、プロデューサーさんもう一回やってもらってもいいですか?えー、なんでそれで積めちゃうんだろ」

 

P「力のかけ方が重要なんだ。山の真ん中を浮かす感じで……うん、そうだ。じゃあまず、10牌をちゃんと積めるようになろうか」

 

春香「はいっ!それでいつかはプロデューサーさんみたいに、軽々と34牌でも積んじゃいますからね」

 

P「ははは。この小さな手じゃあ、ちょっと難しいかもな」

 

春香『はっ……プ、プロデューサーさんが、手を取ってくれている!私、今とっても幸せかもっ?!』

 

 

亜美「兄ちゃーん!」

 

真美「兄ちゃん兄ちゃん兄ちゃーんっ!」

 

P「どうしたんだそんな大きな声を出して」

 

亜美「ゲームがズルするんだYO!」

 

真美「全然勝たせてくれないんだYO!」

 

亜美「絶対許せないよね」

 

真美「いんちき反対だよね」

 

亜美「ねえ兄ちゃん、なんとかしてよー!」

 

真美「あれじゃあ何回やっても勝てないよー!」

 

P「あーさすがに勝てないか。運が良ければ全く知らなくても勝てたりもするんだけどな」

 

亜美「3回やってもダメだった」

 

真美「すっごく考えてもあいつらが先にあがっちゃうんだ」

 

亜美「リーチかけても絶対負けるし」

 

真美「相手のリーチはすぐにあがっちゃう」

 

亜美「不公平だー!」

 

真美「不公平だー!」

 

P「麻雀は不条理を楽しむゲームでもあるんだがなあ……よし!じゃあちょっと見てみよう。春香はどうする?」

 

春香「私はもうちょっと練習してます。少しでも早く、ちゃんと遊べるようになりたいので」

 

P「わかった。見てやれなくてすまん。この埋め合わせは必ずするから」

 

亜美「はやくいこー!亜美たちのたたきを取ってー!」

 

P「それは仇だな」

 

真美「あいつらと刺身でもにぎってたくさんお金を巻き上げてよー!」

 

P「寿司の話か?いや違うな。ひょっとして差し馬のことか?これは……お前ら、倍プッシュとかいう言葉も知ってるだろ」

 

亜美「もちー」

 

真美「兄ちゃんの後ろでも、しっかりざわざわするからね」

 

P「うーん、なんだかいやな予感がしてきたなあ……」

 

 

 

春香『うう、せっかくプロデューサーさんといい雰囲気になってたのに』

 

春香「埋め合わせ、期待してもいいのかな?」

 


 
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