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真・恋姫†無双 外史 ~天の御遣い伝説(side呂布軍)~ 第三十三回 拠点フェイズ:呂布②・呂布の和やかワンダフルデイ

stsさん

みなさんどうもお久しぶりです!または初めまして!

今回は恋の拠点です!在野の時は、過去話に頼った残念仕様だったため、

今度こそは恋に幸せなひと時を!と思い、無い知恵絞って考えました。

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2014-01-28 00:00:02 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:6055   閲覧ユーザー数:4923

 

 

北郷は麻婆専門店 “麻婆伯伯” の店先で、店主に対して人目も気にせず、

 

正座をし、両手のひらでハの字を作って地につけ、額を地面にこすり付けるように平伏している。

 

つまり、土下座をしていた。

 

 

 

北郷「お願いします!どうか、どうかこの店で一番安い食べ物を!可能な限り格安で売ってください!数は三十人前ほど!できれば犬が

 

食べても大丈夫なものを!さらに贅沢言えばお持ちかえりができるタイプのやつで!」

 

 

店主「御遣いの旦那!頭を上げてくだせェ!そんなことされちゃあオイラの首が飛んじまうってェもんよッ!」

 

 

 

そんな北郷の様子に、プロレスラーばりの筋肉を備えた燃える中華料理人風の店主は慌てふためいている。

 

しかし、道行く人の視線やざわめきなど一切気にせず北郷は土下座をやめない。

 

 

 

北郷「迷惑をかけているのは分かっています!でも、男たるもの、時には守るべき誇りと通さないといけない意地ってものがあります!」

 

店主「守るべき誇りって、旦那土下座してるじゃねェですかい!?そこまでして通さなきゃいけねェ意地ってェのはいってェ・・・!?」

 

北郷「恋の期待に応えるためにも、そして何より、オレの財布と息子を守るためにも、ここで退くわけにはいかないんだぁああああ!!!」

 

 

 

陽平関の戦いの時もかくや、というほどの北郷の魂の叫びが、にぎわう食堂街に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

【益州、成都城・北郷寝室】

 

 

北郷「(ん~ん、・・・でもやっぱ両サイドから挟まれるとか犯罪だよなぁ・・・むにゃむにゃ・・・)」

 

 

 

徐々に成都にも暑さがやって来たとある日の朝、北郷が妙な寝言を呟きながら寝室で眠っていると、

 

急にバタンッという大きな音と共に扉が開け放たれた。

 

 

 

北郷「むにゃ???な、何だ!?」

 

 

 

すっかり怪しげな夢の中に入り込んでいた北郷は、寝ぼけた様子で布団から飛び起きたが、扉の方を見てもだれもいなかった。

 

 

 

北郷「あ、あれ~?おっかしいなぁ・・・」

 

 

 

何が起こったのか結局わからなかった北郷であったが、まだ睡眠欲は満たされていないため、

 

扉を閉めて再び夢の世界に飛び込まんと、布団から立ち上がろうとした。

 

しかし、油断したその時、

 

 

 

??「バウバウッ!」

 

北郷「ふぎゃ!」

 

 

 

何者かが布団にダイブしてきたため、北郷は扉を閉めることなく、再び布団の中に強制送還された。

 

 

 

北郷「なっ・・・!?い、犬・・・?何でっていうか冷たッ!?こいつびしょびしょじゃないか!」

 

犬「バウーン♪」

 

 

 

突然北郷の部屋に突撃したやや大きめの謎の犬は、びしょびしょに濡れた体など毛ほども気にすることはなく、

 

その濡れた体で北郷にダイブした後、北郷の顔をぺろぺろと舐めだした。

 

 

 

北郷「わわッ!?ちょっ!やめろって!そんなに顔なんか舐め・・・っておいおいおいおいおいッ!!バカじゃないのッ!?そんなとこ

 

舐めて誰得――――ちょぉぉぉぉぉッッ!?お前噛むのは絶対――――ぎゃあぁぁああぁぁああぁぁああぁぁああぁぁああっっ!!!」

 

 

呂布「・・・コラ、そんなとこ噛んじゃダメ」

 

 

 

今や北郷の布団の中に顔を突っ込み、とある部分を舐めまわし、挙句の果てに噛みついてきた犬を、

 

部屋に入ってきた呂布が抱え上げることで、辛くも北郷の貞操、そして男としての誇りは守られた。

 

 

 

北郷「れ、恋。助かったよ。ありがとう」

 

呂布「・・・ごめんなさい。この子の体、洗っていたら、逃げた」

 

 

 

つまり、この犬は呂布が飼っている、この前街で拾ってきた犬というわけである。

 

北郷は下半身をいたわりながらぺこりと頭を下げている呂布を見ていたが、確かに犬を洗っていただろう痕跡が残っており、

 

良く見ると所々犬を洗っている時に濡れたのだろうか、呂布自身も若干濡れていた。

 

水の滴るその姿は、普段から魅力的な呂布の魅力を2割増しにしていたといっても過言ではない、と北郷は率直に思ったそうな。

 

そしてそんなことを北郷が考えていると、呂布についてきた他の犬たちが続々と北郷の部屋に入ってきた。

 

 

 

北郷「ぅわ・・・」

 

 

 

大型犬やら中型犬やら小型犬やらと、様々な大きさ、種類の犬たちで北郷の部屋は埋め尽くされていた。

 

このどの犬も、呂布が以前街で拾っていた野良犬なのだろう。

 

 

 

北郷(えーと、いちにーさん・・・9匹か・・・ていうか前よりも増えてないか?)

 

 

 

もしかしたら恋は野良犬を見つけるごとに拾ってきているのかもな、などと北郷が考えていると、一匹見覚えのある子犬がいた。

 

 

 

北郷「あれ?この子犬って確か・・・」

 

 

 

その子犬は、かつて魏延と城下巡りをした際に、川で溺れているところを救った子犬であった。

 

 

 

呂布「・・・この子はリューホー・・・焔耶から預かってる」

 

 

 

呂布が言うには、魏延は子犬を救ったはいいものの、そのまま放置するわけにもいかず、そのまま拾ってきたという。

 

しかし、いくら子犬とはいえ犬が苦手な魏延に飼うのはハードルが高かったらしく、

 

犬嫌いを克服するまでの間、呂布に預かってもらっているとのことであった。

 

この話だけを聞けば、本当は飼う気なんてないんじゃないかと思うかもしれないが、

 

しっかり名前を付けている辺り、一応真剣に飼うことを考えているらしい。

 

 

 

北郷(リューホー・・・劉邦?・・・いや、三国志関係だと劉封、か・・・?)

 

 

 

などと北郷が自身の三国志知識を探っていると、

 

 

 

呂布「・・・一刀」

 

 

 

呂布が北郷の名前をポツリと呼んだ。

 

 

 

北郷「ん?何だい?」

 

呂布「・・・・・・・・・」

 

 

 

しかし、そこで呂布は黙り込んでしまった。

 

何か言うか言うまいか迷っているようである。

 

 

 

北郷「遠慮するなよ。どうしたんだい?」

 

 

 

そのように北郷が柔らかな笑顔で促すと、呂布はややためらいながらも話し始めた。

 

 

 

呂布「・・・一刀は、今日忙しい?」

 

北郷「いや、特に忙しくはないよ。昨日ねねに今日は休んでいいって言われたしね」

 

呂布「・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

北郷の返事を聞いて、さらに呂布は少し迷うそぶりを見せてから、次のように切り出した

 

 

 

呂布「・・・これから、この子たちとお散歩に行く・・・よければ、一刀も一緒に、来てほしい」

 

 

 

そこまで言いきると、呂布は恥ずかしそうに俯き、ちらちらと北郷の様子を伺いながら返事を待っていた。

 

 

 

北郷「ああいいよ。ちょっと外で待っててくれ。着替えたらすぐ行くから」

 

呂布「(・・・コクッコクッ)」

 

 

 

北郷の了解を得た呂布は、非常にわかりにくいが、気持ち嬉しそうに二度うなずくと、犬たちを引き連れて部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 

【益州、成都、城下町】

 

 

すぐに用意を済ませて呂布と合流した北郷は、そのまま城下へと繰り出した。

 

呂布が大量の犬を引き連れて城下を散歩しているのは、軽く名物になっているらしく、

 

時折、城下の人が特に驚いた様子もなく挨拶をしてくれた。

 

そして呂布はというと、ゆったりとした歩調で城下を歩きながら、

 

呂布の周りで元気にはしゃぎまわる犬たちを、穏やかな表情で見つめていた。

 

 

 

北郷「恋は本当に犬が好きなんだね」

 

呂布「・・・犬は結構好き」

 

 

 

いつも通りの口数の少ない反応であるが、それでも、心なしか楽しげな雰囲気を北郷は感じていた。

 

 

 

北郷「そういえば、恋の武器にも犬の人形がつけてあったね」

 

 

 

呂布の愛戟、方天画戟には、犬の人形が、あたかもストラップのようにつけてあった。

 

 

 

呂布「・・・あれはセキト。昔、張勲に作ってもらった」

 

 

北郷「(チョークンっていえば、確か・・・えーと・・・袁術配下の武将だったっけ?ああ、なるほど。袁術と同盟を組んでた時の話か。

 

ていうかセキトって赤兎、だよな・・・)セキトって馬じゃないの?」

 

 

呂布「・・・セキトは犬。徐州にいた時まで、一緒にいた」

 

 

 

しかし、一転、呂布は今までの楽しげな雰囲気から、一気に暗い表情になった。

 

 

 

呂布「・・・けど、下邳で曹操に攻められたときに、はぐれた」

 

 

 

確かに、北郷が下邳で呂布達と出会った時には、すでに呂布の周りには犬の姿はなかった。

 

 

 

北郷(そういえば赤兎馬って呂布が下邳で処刑された後、曹操の手に渡って、その後曹操は関羽の気を引くためにあげたんだっけ・・・

 

いや、まさかな・・・)

 

 

 

そんなことを考えていると、近くの林の中から、また別の野良犬が賑やかな犬たちに誘われたのか、飛び出してきた。

 

そして、そのやや薄汚れた野良犬は、そのままの勢いで呂布の元にダイブし、呂布は自身が汚れるのも気にせず受け止め抱きかかえた。

 

 

 

呂布「・・・今の世の中は、犬たちにとっても、過ごしにくい」

 

北郷「・・・早く乱世を終わらせないとな」

 

呂布「・・・(コクッ)」

 

 

 

この乱世で困っているのは人間だけではない。

 

そのことを北郷は思い知らされ、改めて乱世を終わらせようと強く胸に刻み込むのであった。

 

 

 

北郷「とにかくその子の体をきれいにしてあげよう」

 

呂布「・・・(コクッ)」

 

 

 

 

 

 

ということで、一行は近くの河原へと向かった。

 

河原に到着すると犬たちはテンションが上がったのか、全員が一斉に川にバシャバシャと突入しだした。

 

さらに注目すべきはそこに呂布も加わって先ほどの野良犬を洗ってあげているという点であり、

 

近くではしゃぎまわる犬たちによって大量の水しぶきを浴びている呂布の姿は、

 

河原に腰かけている北郷の脳内ハードにしっかりと焼き付けられたことだろう。

 

そのような賑やかなひと時がしばらくの間過ぎていったが、しかしその時、

 

 

 

グゥー。

 

 

 

呂布「・・・・・・・・」

 

 

 

激しく動き回ったせいか、呂布のお腹が可愛らしくなり、呂布の顔は真っ赤になっていた。

 

ちなみに北郷は朝目覚めた瞬間に犬の突撃を受け、そこからすぐ着替えて呂布と合流している為、当然朝食抜きである。

 

 

 

北郷「じゃあ、ちょっと早いけど、オレお昼買ってくるよ」

 

 

 

そう告げて北郷が立ち上がろうとしたその時、呂布が何かを言おうとしたので、すぐに北郷が遮る。

 

 

 

北郷「あ、気にしなくていいよ。お昼ぐらいオレに奢らせろよな。だから恋はそのまま犬たちと―――」

 

呂布「・・・この子たちの分も」

 

 

 

しかし、呂布の主張は北郷の想像とは少し違っていたようである。

 

その瞬間、ペア料金が団体様料金になった。

 

 

 

北郷「・・・りょ、りょーかい・・・」

 

 

 

な、なん・・・だと・・・。俺と恋と10匹の犬の分の昼食・・・と、北郷は嫌な汗をかきながら財布の中を覗き込んだ。

 

するとその時、ふと視界に入った、今朝北郷の布団に突入した犬と目が合った。

 

そして、その発達した犬歯を見せつけ、場合によっちゃぁ、わしの飯はあんちゃんの・・・分かっておるんじゃろうなぁ、

 

と言わんばかりの無言のプレッシャーを犬から受けた北郷は、いつもの力ない笑いではなく、顔をひきつらせた苦笑いを露わにした。

 

 

 

 

 

 

結局、北郷は以前魏延に薦めてもらった麻婆伯伯の店主に、今後贔屓にすることを条件にまけてもらい、

 

格安で麻婆まんなるものを購入し、しかも、店主の粋な計らいで、犬でも食べられる犬用の特別性麻婆まんも作ってもらった。

 

(それでも、呂布の食べる量が膨大なため、北郷の財布はすっからかんになったわけだが)

 

しかし、饅頭を持ち帰った時の呂布の輝いた瞳や、それを美味しそうに食べる呂布や犬たちの様子を見ていたら、

 

息子の危機回避の安堵の気持ちや財布の軽さからくる寂しさなどどこかへ行ってしまい、まぁいいかと思える北郷であった。

 

もちろん味も方も、このお値段でこのクオリティー!?と思えるほど美味しく、北郷グルメレポータ曰く、

 

「ふわっふわの生地に包まれた麻婆が、その旨み辛みを一切殺すことなく凝縮され、かぶりつくごとにその味がふんだんに解放され、

 

食す者を皆パライゾへと誘うッ!!」とのこと。

 

 

 

 

 

 

お腹もいっぱいになり、天気も良かったので、二人は原っぱに並んでゴロンと寝転がり、日向ぼっこに興じた。

 

犬たちも皆水浴びに満足したのか、二人に倣って濡れた体を乾かすために日向ぼっこに興じている。

 

 

 

北郷「うーん、いい天気だなー」

 

呂布「・・・ぽかぽか」

 

 

 

雲一つない、気持ちのいいほど青々とした晴天である。

 

さらに、たまに吹き抜ける涼風が心地よさに拍車をかけている。

 

 

 

北郷「毎日が今日みたいな平和な日々だったらいいのになー」

 

呂布「・・・そうしたら、みんな幸せ」

 

 

 

今が戦乱の世とは思えないほどの、ついこの前まで命のやり取りをしていたとは思えないほどの、平和なひと時。

 

 

 

北郷「オレ達は、こんな日常がずっと続くために戦ってるんだよな・・・」

 

呂布「・・・だから、恋たちは負けるわけにはいかない。でも・・・」

 

 

 

でも、と一言置き、呂布は北郷の方を向いた。

 

まっすぐ、透き通った深紅の瞳が北郷の視線と重なる。

 

 

 

呂布「・・・一刀は、あまり無茶しないでほしい」

 

北郷「恋・・・」

 

呂布「・・・陽平関で一刀が無茶したって、ななに聞いた。・・・恋は、一刀が危ないっていう話を聞くと、胸がキュッと痛くなる」

 

北郷「・・・・・・・・・」

 

 

 

呂布は俯き加減に自身の胸のあたりをギュッとつかみながら、ゆっくりと言葉を紡いでいく。

 

 

 

呂布「・・・一刀には死んでほしくない。ずっと恋たちと・・・恋と一緒にいてほしい。だから―――」

 

 

 

続く言葉は、北郷が呂布の頭にポンと手を乗せることによって途切れた。

 

 

 

北郷「ごめんな、恋にまで心配かけてたなんて・・・。でも大丈夫、オレは死なない。というか死にたくないし、恋たちとずっと一緒に

 

いたい。だから・・・」

 

 

 

北郷は穏やかに微笑み、呂布の頭を撫でながら呂布に語りかける。

 

 

 

北郷「必ずこの乱世を生き抜こう。みんな、誰ひとりかけることなく」

 

呂布「・・・(コクッ)」

 

 

 

再び呂布は北郷の方を向き、心底幸せそうな表情を浮かべながらうなずいた。

 

その表情は普段の無表情からは想像もつかないほど魅力的なもので、

 

完全に不意を突かれてしまった北郷は、不覚にもドキッとしてしまった。

 

すると、呂布は目を閉じて北郷の掌の温もりを感じ、再び透き通った深紅の瞳で北郷を見つめたかと思うと、突然、

 

 

 

呂布「・・・恋は一刀のことが、好き」

 

 

 

思いがけない告白が始まった。

 

 

 

北郷「れ、恋・・・?」

 

呂布「・・・みんな一刀のことが好き。・・・でも、恋が一番、一刀のことが、好き」

 

 

 

北郷は突然の告白に対応できておらず、口をパクパクさせている。

 

そんな北郷の焦った様子を見た呂布は、少々不安げな表情を作った。

 

 

 

呂布「・・・一刀は、恋のこと、嫌い?」

 

 

 

クソッ、また俺は恋を不安にさせてしまった・・・!と自身の対応力の無さを恨みつつも、そんなことが頭をよぎったのは一瞬のこと。

 

すぐに北郷は反応を示した。

 

 

 

北郷「そ、そんなことない!」

 

 

 

北郷は勢いよくガバッと寝そべっている体勢から起き上がった。

 

 

 

北郷「オレは恋のこと大好きだし!でも、まさか恋がオレのこと好きだなんて思ってもみなくて―――って恋?」

 

呂布「・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

呂布は北郷の「大好き」という言葉を聞いた途端、目を真ん丸に見開いたかと思うと、

 

ボッという音が鳴ったかのような錯覚に襲われるほど、完全に顔を真っ赤に染め上げてしまい、俯いてしまった。

 

呂布のこんな表情、様子を見たのは初めてであった。

 

 

 

呂布「・・・・・・・・・もう一回―――」

 

北郷「・・・え?」

 

 

 

あまりにか細い声だったため、北郷は上手く聞きとることができなかった。

 

 

 

呂布「・・・もう一回言って。・・・一刀は、恋のこと・・・好き?」

 

 

 

顔を朱に染めたまま呂布も起き上がり、再び顔を上げ、ジッとその透き通った清らかな深紅の瞳で北郷を見つめた。

 

さらにドクンと北郷の心臓が大きく脈打つ。

 

北郷も自身でも分かるほど顔が赤くなっていく感覚に襲われていた。

 

まったく、ここまで女の子に言わせておいて、俺ってやつは、

 

と瞬時に答えるべき言葉に迷った北郷は、一瞬照れたように目線をそらせて頭をかいていたが、

 

やがて顔は赤いままなものの、再び柔らかな表情に戻り、呂布の顔をまっすぐ見つめて答えた。

 

 

 

北郷「ああ、大好きだよ、恋」

 

 

 

すると、呂布は目を閉じて顎を少しくっと上げてきた。

 

この行動が意味していることが何なのかを察した北郷は、一瞬迷ったが、意を決して呂布の体を優しく包み込んだ。

 

そして、自身もゆっくりと目を閉じ、優しく唇を重ね合わせた。

 

 

 

永遠にも感じられる、一瞬の出来事。

 

平時であれば何て事はない平和な日常も、乱世であればその価値も違ってくる。

 

しかし、そうでなくとも、北郷にとって、そして何より、呂布にとって、和やかながらも素晴らしい一日であった。

 

 

 

【第三十三回 拠点フェイズ:呂布②・呂布の和やかワンダフルデイ 終】

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

第三十三回終了しましたがいかがだったでしょうか?

 

おいおい投稿グダグダしているくせにここだけ展開早すぎじゃね?と批判を受けそうな気もしますが、

 

今後陣営に恋姫が増えることで個人に割り当てられる拠点の回数に限りが生まれるため、

 

やりたいことはさっさとやってしまわないといけないという裏事情があったりするのです、、、汗

 

(当然全年齢対象の範囲内でですけどね!)

 

 

ちなみに、劉封とは、劉備の養子なのですが、もし関羽が危惧した劉備の後継争いが起きていた場合、

 

魏延や法正は、諸葛亮や趙雲の推す能力の低い実子劉禅ではなく、

 

優秀な養子劉封を推していただろうというIFのお話があったりなかったりという事情を持つ人です

 

アンサイって記事にもよりますけど面白いですよね 笑

 

 

それではまた次回お会いしましょう!

 

 

 

せっかくのいい話をぶち壊さないために、おまけは次回2週目ということでリニューアルしてお届け、、、!

 


 
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