第二章 『三爸爸†無双』 其の五十一
本城 蜀館団欒室 (時報:桂花七人目 妊娠六ヶ月)
【鈴々turn】
晩ご飯を食べ終わった鈴々は、爛々と一緒に団らん室に来たのだ。
真桜が発明した灯りのおかげで、日が暮れてからもみんなで集まっておしゃべりができる様になった。
初めは灯りが珍しくて集まってたんだけど、自分の部屋に灯りが取り付けられてもこの部屋に集まるのが習慣になってしまったのだ。
みんなで今日はどんな事があったかおしゃべりをしたり、子供達が遊んでるのを眺めて笑ったり、とっても落ち着くのだ。
もうすぐ二つになる爛々もこの部屋に来るとすっごく喜ぶ。
今日も部屋に入ったら鈴々の手を放してテッテケと歩いて行っちゃう。
目的地は香斗。
爛々は香斗が大好きなのだ。
「ねえねぇ~~♪」
ちっちゃな両手をいっぱいに伸ばして香斗に向かって行く。
「爛々ちゃん、こんばんは~♪」
香斗も椅子から下りて手を広げ、爛々が来るのを迎えたのだ。
ボスン!ドテ!
………香斗が爛々を受け止めたけど、勢い余って爛々が香斗を押し倒してしまったのだ。
「あはは~♪爛々ちゃんは今日も元気だね♪」
「ねえねぇ~♪」
香斗は気にした風もなく笑っていて、爛々も香斗に抱きついてスリスリしている。
その様子に鈴々達大人は声を出して笑った。
「
この桔梗が鍛えて差し上げますぞ♪のう、竜胆!お前も御姫様と一緒に鍛錬がしたかろう?」
「香斗おねえちゃんといっしょ!?うん♪」
香斗よりひとつ年下の竜胆が嬉しそうに返事をした。
それを聞いてひまわりと疾が自分達もと騒ぎ出す。
更に白煌とかの小さい子まで一緒になってはしゃいでいる。
あれはお姉ちゃん達の真似がしたいだけで、何をしているのがきっと分かっていないのだ。
「白煌ちゃんと直ちゃんも一緒にやりたいの?
春姫ちゃん、龍里ちゃん、藍里ちゃん、訓ちゃんも?
きゃん!焔香ちゃん引っぱっちゃダメェ~。
うひゃあ!け、螢ちゃんおしりさわっちゃ、きゃはははは!
しゅ、树莓ちゃん!升謌ちゃん!虎々ちゃん!くすぐっちゃらめぇ~~~!!」
香斗がもみくちゃにされて押しくらまんじゅうみたいになっているのだ。
「こら!姉上が困ってるだろう!はなれなさいっ!」
「そうですわよ!香斗お姉さまがおやさしいからって、甘えすぎてはいけませんわ!」
愛羅と揚羽が香斗救出の為、ひとりひとり剥がしていくけど、離された子はまた直ぐに香斗にしがみついていく。
それ自体が楽しくなったのか、子供達の笑い声がキャッキャと大きくなった。
大人達はその光景を肴にお酒やお茶を呑んで寛いでいた。
鈴々は桃香お姉ちゃんと愛紗の座っている卓に一緒に座る。
「鈴々、爛々は今日も元気だな♪」
愛紗がお茶を片手に笑っている。
「愛紗は香斗を鍛えてあげないのだ?」
愛紗なら率先して言い出しそうだと思ってたので訊いてみた。
「香斗さまは蜀の王になられる方だ。別に武人に成る必要はない。
私は愛羅を鍛える事で香斗さまをお守りするのだ。」
聞いていた桃香お姉ちゃんが困った顔をしていた。
「愛紗ちゃん、気持ちは凄く嬉しいけど、愛羅ちゃんはまだ小さいんだからあんまり厳しくしないであげてね。」
「大丈夫ですよ、桃香さま。鈴々が子供の頃と同じにしてますから♪」
「それなら大丈夫なのだ♪」
鈴々が小さい頃は愛紗と一緒に鍛錬をしていたのだ。
あの頃は鍛錬が楽しくてしょうがなかったなぁ♪
「えっと………具体的にどんな事してるの?」
「そうですね。先ず走り込みです。警邏も兼ねて街中を二十里走ってます。
戻って来てから素振り百本。それから打ち込みを…」
「ちょ、ちょっと待って!愛羅ちゃんまだ六つだよ!」
「はぁ、そうですが?」
桃香お姉ちゃんは何を驚いているのだ?
あ、そうか!
「愛紗、それだとまだ少ないと思うのだ。」
「おお!そうか♪私も我が子だからと甘さが有ったのかもな。」
「逆だよ!厳しすぎると思うよ!」
「え?そうでしょうか?愛羅も楽しんでやっていますが………」
「愛紗ちゃん…………最近、春蘭さんに似てきてるよ………」
あ。愛紗が固まったのだ。
「桃香さま、お話に加わってもよろしいですかな?」
星が隣の卓からやって来たのだ。
「愛紗が春蘭に似てきたとは私も思いますが、愛紗のしている事は別に厳しい訳ではありませんぞ。」
愛紗が今度は白くなったのだ。
「そうなの?星ちゃん。」
「人にはそれぞれ合った鍛錬をしなければ意味が有りません。今の愛羅には丁度いい量だと私も思います。
その証拠に愛羅はもう直ぐ寝る時間だというのに元気ではないですか♪」
星の示した先ではさっきの遊びがまだ続いていた。
「そっか………香斗ちゃんも鍛錬させた方がいいかな?」
「本格的にする必要は無いでしょう。桔梗も本気で言っている訳では有りません。
香斗さまが居れば竜胆の励みになると思っているのですよ。」
「う~ん………でも、王様になるなら、ある程度は強い方が良くない?わたしが言うのも何だけど………」
「そんな事は無いのだ!!」
思わず大声になってしまったのだ。
でも、この気持ちは桃香お姉ちゃんにしっかりと伝えないと!
「桃香お姉ちゃんは、確かに力は強くないのだ!
でも、華琳お姉ちゃんや蓮華お姉ちゃんより劣った王様だなんて思わないのだ!!」
「………鈴々ちゃん。」
「桃香お姉ちゃんは優しくて、あったかくて、柔らかくて…………ええと………」
うううっ!言葉が上手く出てこないのだ!
「朱里!雛里!助けてなのだぁ!」
「はわわっ!?」「あわわっ!?」
二人は月と何か話をしてたみたいでこっちの話を聞いて無かったのだ。
「ええと…どうしたんですか?」
「愛紗さんが真っ白になって固まってますけど…………」
「愛紗が春蘭に似てきたのはどうでもいいのだ!
桃香お姉ちゃんが立派な王様だって証明して欲しいのだっ!!」
鈴々が言っても朱里と雛里はわかんないらしくて星の方を見た。
「個人の武の話だ。王となるには武力も有った方が良いのではと桃香さまが仰られてな。」
星の説明で二人が笑ったのだ。
「成程、そういう事ですか♪」
「確かに軍を率いる上では華琳さんや雪蓮さんみたいな強い人について行く方が兵は安心しますね。」
雛里の言う事はわかるけど、今はそういう事を聞きたいんじゃ無いのだ!
鈴々が焦れているのが解ったのか、朱里が鈴々を見て頷いた。
「王に一番必要な資質は人心を惹きつける魅力です。
『王の為に何かをしたい』『王を助けたい』自然とそう思わせる力が大事なんです。
鈴々ちゃんを初め、多くの武官全員が桃香さまをお守りしたいと力を振るう。
これが桃香さまの武力です。
昔のご主人さまもそうでしたよね♪」
「そうなのだ!鈴々が言いたかったのはそこなのだ!香斗もあれだけ好かれてるから心配ないのだ♪」
「「え?香斗ちゃんの話なの!?」」
朱里と雛里にその事を伝えるの忘れてたのだ。
子供達を見ると遊びは終局を迎えていた。
大半が遊び疲れて船を漕ぎ出していたのだ。
「り、鈴々媽媽ぁ~。爛々ちゃんねむっちゃったぁ~。」
香斗は髪の毛がクチャクチャになって疲れた様子だったけど、爛々を抱っこして連れてきてくれた。
「ありがとうなのだ♪香斗は優しくていい子なのだ♪」
乱れた髪の毛を直す様に頭を撫でてあげる。
「えへへ♪」
香斗は嬉しそうに笑った。
その笑顔を見て、香斗は良い王様になれると鈴々は思ったのだ。
「ほらほら、みなさん!今日はもうお開きにしますわよ!子供達を寝かせてあげて下さい!」
麗羽が手を叩いて解散を言ってきた。
麗羽は子供が絡むとまともな事を言うようになったのだ。
「鈴々ちゃん、明日は検診だから遅れないでね。」
「分かっているのだ。これが終わったらやっとお酒が呑めるのだ♪」
明日は鈴々と桃香お姉ちゃんと愛紗が検診を受ける日なのだ。
「母上!はやくお部屋にもどりましょう!」
愛羅が愛紗を揺すってるけど、愛紗は白く固まったままだった。
「愛羅。鈴々が愛紗を担いで行くから、爛々を頼むのだ。」
「はい、鈴々媽媽。」
愛紗の部屋が鈴々の隣で助かったのだ。
昔と違って、鈴々の背も伸びたから愛紗を背中に担ぐのも楽になったし♪
翌日
本城 医務室
【緑一刀turn】
「駕医、この冬の流行病の状況はどんな感じだ?」
「去年より感染者が少ないな。手洗いと
感染者も直ぐに病院に来てくれているから、拡大を抑えられている。」
俺と駕医が話しているのは『インフルエンザ』についてだ。
予防接種のワクチンを用意する事が出来ない為、対処療法が基本になってしまう。
手洗いと嗽が予防方法なのだが、真冬のこの時期にこれをするのは中々大変なのだ。
瞬間湯沸かし器なんて物は無いから氷の様に冷たい水でやるか、暖炉に掛けて用意しておいたお湯を冷まして使う。
これを一日に何度もするのは一般家庭では結構大変だ。
しかし『流行病=死』となるこの時代、これだけで避けられると理解が広まったお陰で効果が爆発的に現れた。
感染した人も直ぐに病院に隔離、治療を行う事で二次感染者を減らす事が出来ている。
駕医の鍼のお陰でインフルエンザウィルスを病魔として退治出来るから、隔離期間も長くはならない。
問題は駕医ひとりでその治療に当たらねばならない事だ。
人手不足どころの話じゃ無いぞ。
「二刃、お前の修行はどうなってる?」
駕医の隣で助手として控えている我が妹は、修行を始めてまだ半年も経っていない。
それでも二刃が一人前になってくれたら駕医の負担は半分になるのだから期待もしてしまう。
「病魔は見える様になってきたよ………でも、まだ退治するのは無理だなぁ……」
「ええ!?もう病魔が見えるのかっ!?」
半年足らずの修行でそこまで行ける物なのか?
これは期待以上じゃないか!
「病魔が見えるだけでも大した進歩だ。二刃は才能が在るぞ。そろそろ鍼を使う修行も開始しよう。」
「そ、そうかな?え、えへへ♪」
微笑みかける駕医と、顔を赤くして
なんか背中が痒くなって来るぞ。
二人は既に公認の恋人同士だ。
俺がここに来た本当の目的は二人の仲の確認の為だったのだが………心配したのがバカらしくなってきた。
こんな事なら紫、赤と一緒に政務してた方が良かったかな?
時折二刃が『さっさと用事済ませて帰れ!お邪魔虫!』という視線で睨んでくるし。
お兄ちゃんは寂しいぞ……………。
ドンドン!
「おっはよー!検診に来たのだ♪あれぇ!?お父ちゃんが居るのだ!?」
ノックと同時に突入して来たのは鈴々だった。
その後ろに桃香と愛紗の姿も見える。桃香が俺に気が付くと不満そうな顔になった。
「ご主人さま来てたんだ。せっかく二刃ちゃんがイチャイチャしてる所を見ようと思って扉を急いで開けたのに。」
桃香さん、あなた趣味が変わって来てますよ?誰の影響なのですか?
「と、桃香さん!べ、別に、兄さんが居なくても別にあたしは………あれ?愛紗さん、顔色悪く有りませんか?」
ん?確かに愛紗の顔色が白い様な………ふむ、二刃のやつ、焦っていても医者としての対応が出来るくらいの心構えは在るみたいだな。
「……………ご主人さま………」
愛紗が俺にすがり付いて顔を見上げてきた。
「どうした、愛紗?何か有ったのか?具合が悪いなら直ぐに診察して…」
「私は春蘭に似てきているのですか!?」
泣きそうな顔で発せられた言葉を理解するのに十秒程必要になった。
「…………そんな事は無いと思うぞ。愛紗は愛紗だ。うん。」
「ほ、本当ですか!?返事をするまでかなり間が有りましたが………」
誰に言われたか判らないが、春蘭に似てきたなんて言われたら俺だって落ち込むな。
ここはひとつ、しっかり安心させてやらないと。
「本当だって♪なあ、桃香、鈴々♪」
こうして賛同者を多くすれば愛紗も安心するだろう……………あれ?
桃香と鈴々に視線を逸らされてしまった……………これは深く突っ込むのは止めておこう。
「さ、さて、駕医も忙しい身だから検診を終わらせてしまおうか。」
俺は誤魔化す為に話題を切り替える。
二刃のさっきの視線も有るしな。
下手に長引かせたら俺が二刃の鍼の実験台にされかねん。
駕医に振り向くと、頷いて立ち上がった。
「よし!今日は三人同時に胎児恵光をするぞ!体の不調や気になる症状が有れば言ってくれ。それもまとめて調べよう!」
う~ん。駕医も張り切ってるな。
何だかんだ言っても、駕医も男だって事か。
俺もみんなから告白された時は舞い上がってテンション高かったもんな。
「華佗。鈴々はおっぱいが少し張ってる感じがするのだ。」
ええっ!?まさか乳癌じゃないだろうなっ!!
「鈴々っ!!」
「ほえ?」
乳癌なら『しこり』が在るって聞いた事が有る!確かめなければっ!!
モミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミ
それらしい『しこり』は無いが確かに張ってるな。
大きさも授乳してた頃に戻ってるぞ。
バキッ!!
「………妹の目の前で何してるの………兄さん?」
地獄の底から響いてくる様な声と見ただけで石化しそうな眼差しの二刃に木刀で後頭部を殴られた。
「ええと……………………触診?」
「診察は駕医さんがするから邪魔しないのっ!!」
「はい………」
俺だって鈴々が心配だったのに………名残惜しいが引き下がろう。
離れ際に鈴々の顔を見ると、目がトロンとしていた。
いかん!こんな時なのにスイッチ入れちゃったか?
「それじゃあ診察を始めるぞ!」
駕医がいつも以上にマイペースで事を進めてくれるので助かった。
鈴々には後で拉致られそう……いや、桃香と愛紗の目も獲物を狙う狩人の目になってる様な………。
「今日は大技を使う。二刃は俺の左手を握ってくれ。俺と同調して氣の流れと病魔を視るんだ!」
「はい♪」
二刃のヤツ、俺を見る時と正反対な顔して駕医の手に飛びつきやがって!
誰のお陰でそうなれたと思ってる!?チクショウッ!!
「行くぞっ!!うおおおぉぉぉおおぉぉおぉぉぉぉおおおおっ!!」
駕医の全身から凄まじい
その凰羅に煽られて全員の服や髪が激しくはためく!
駕医が右手を突き出し、指を開くと凰羅が手の平に集中し始めた!!
「俺のこの手が光って唸る!
患者を診ろと轟き叫ぶ!
輝け!診察!
駕医の手の平が一際激しく光輝いた!
しかし!
その光はどこまでも優しく、どこまでも穏やかに、部屋全体を温かく包み込んだ。
まるでこの部屋にだけ、一足先に春が訪れた様に。
「視えたっ!!張飛!おめでとう!懐妊だっ♪」
なにいぃいいいっ!!?
「鈴々っ!!」
俺は視線を鈴々に向けた。
きっと俺の顔は喜びで破顔していたに違いない。
だが、鈴々の表情を見て眉が寄った。
「鈴々?」
別に苦しんでいる訳ではない。むしろ凄く幸せそうだ。
けれどそれは懐妊した喜びに浸っているのとは違う気がする。
目を開いているが、覗き込む俺の顔は見えていないみたいだ。
俺の声はおろか、駕医の懐妊告知も聞こえていなかったんじゃないか?
「あ……あれ?お父ちゃん………」
ようやく焦点が俺に合ったらしい。
と、思ったら鈴々が俺に抱きついてきた。
「なんかお父ちゃんの事を『お兄ちゃん』って呼んでた頃の気持ちが蘇って来たのだ♪」
俺の顔に頬ずりをしながら耳元で囁いた。
その声に艶っぽさは無く、純粋な愛情だけが感じられる。
素直に嬉しいとは思うが、こうなった原因はさっきの賦相成胎児恵光だ。
「おい、駕医。」
俺はジト目で睨んでやる。
「いやあ、すまん。二刃に対する気持ちが上乗せされてしまった♪」
頭を掻いて言った言葉は全然済まなそうじゃないし、まるっきり照れている風でもない。
考えてみればこの熱血漢が自分の愛情を表に出さない筈が無かったのだ。
部屋の中が春を通り越して真夏みたいに暑苦しいぞ!
その愛情を向けられる、当の二刃は……………。
「こっち見るなっ!!バカ兄貴っ!!」
真っ赤になって駕医の後ろに隠れていた。
これ以上ここに居ると二刃の照れ隠しで殴り殺されそうだ。
「失礼しまーーーす!」
鈴々、桃香、愛紗を引っ張って速攻で医務室を後にした。
「はああぁぁ…………駕医があんな風になるなんて予想が甘かったな……」
廊下の壁にもたれて三人に声を掛けた。
「ねぇ………ご主人さまぁ………」
「も、申し訳ありません………そのぅ………」
桃香と愛紗の顔が上気して目が潤んでる…………さっきのスイッチが入った鈴々みたいに………。
「ちょ、ちょっと桃香さん?愛紗さん?これから鈴々の懐妊の報告やら、手続きやらしなくちゃいけないんですけど…………?」
「え?鈴々、懐妊してたのだ!?」
やっぱり聞こえて無かったのか。
い、いや、先ずは桃香と愛紗をどうにかしないと!
「「緑っ!!ここは俺たちに任せて先に行けっ!!」
「紫!赤!お前たちどうしてここにっ!?」
「「素敵イベントが発生してる気がして駆付けたんだっ!間に合って良かったっ!!」」
「そうか!済まない!後は任せたっ!!」
俺は鈴々の手を引いて走り出した!
これから何処に向かえばいい!?
相国執務室か!?丞相執務室か!?後宮か!?
あれ?なんか俺………………損してないか?
本城 後宮談話室
【鈴々turn】
お父ちゃんに手を引かれて学園の保育部で爛々を引き取って後宮に来たのだ。
桃香お姉ちゃんと愛紗がちょっと羨ましかったけど、二人より先に二人目を懐妊したんだからここは譲っておくのだ。
あ、考えてみたら安定期になるまでお父ちゃんとそういう事は出来ないんだっけ。
それにお酒もまた、二年くらい呑めないのだ…………ま、いっか♪
「鈴々がこんなに早く戻って来るとは意外だったのです。」
ねねが本気で言ってるのだ。
鈴々も半年ちょっとで戻って来るとは思って無かったのだ。
ねねの子供の
音々おば…お姉ちゃんの
後一年は後宮で暮らすのが決まっている。
他に今、後宮で暮らしてるのはヌシの桂花。
それに華琳お姉ちゃん。流琉、季衣、シャオ、美羽、紫苑、璃々、思春、管輅、二刃。
後、恋と七乃もいるのだ。
これに子供達が加わるから結構大所帯なのだ。
「母上、何処に行く気ですか?」
ねねが音々お姉ちゃんの服の裾を掴んでいた。
「え~と………ちょっと桃香さまと愛紗ちゃんのご相伴に預かってこようかなって♪」
「馬鹿な事言ってないで音肆に乳をあげるのです!ぐずりかけてるのですよ!」
音々お姉ちゃんが苦笑して音肆の所に行ったのだ。
「そこまで行かなくても、緑一刀さんがここに居るじゃないですか。」
七乃がお父ちゃんを指差した。
「七乃!子供が居るんだから変な事言うなよ!」
「今居るのは爛々ちゃんが一番年上ですよ?何してるかなんて分かりませんよ♪
それにさっきの話だと、緑一刀さんが鈴々ちゃんのおっぱいを揉んだら妊娠したみたいじゃないですかぁ♪」
「んな訳あるかっ!!しかも数分で妊娠させるってどんな妖怪だよっ!!」
反論するお父ちゃんを今度は桂花が睨んだ。
「全身精液男なんだから、それくらい有ってもおかしく無いわね。
妖怪と言うより接触感染で女の腹を膨らませる病原菌かしら?」
桂花は相変わらず…………ん~?ちょっと違うかな?
なんかヤキモチを妬いてるのだ♪
華琳お姉ちゃんもそれに気付いたみたい。
「それじゃあ桂花が一番、一刀たちに触られてるって事かしら♪」
「か、華琳さまっ!!」
桂花が真っ赤になるのをみんなで笑った♪
たった半年で後宮の雰囲気が変わったのだ。もちろん良い意味で。
もしかしたら昔から少しずつ変わってたのかも知れない。
鈴々が半年を空けて戻って来たから気が付けたのかも。
「ま~ま~!おなかすいた~!」
おっと、今度は爛々がぐずりだしたのだ。
「あら、それじゃあ華琳媽媽特製のオヤツを持ってきてあげるわ♪」
華琳お姉ちゃんが立ち上がると流琉と桂花も一緒に立ち上がった。
「華琳さま、私のお菓子も出しますね♪」
「わ、私が運びますから華琳さまはお座りになられて下さい!」
「別に一緒に行っても良いじゃない♪この子なら三人で運んだ分くらい直ぐに食べちゃうでしょ♪」
そう言って三人が厨房に歩いて行く。
紫苑も璃々を誘って厨房に向かった。
「わたくし達はお昼の準備を始めましょう♪鈴々ちゃんと爛々ちゃんの歓迎会だからいつもより腕を振るうわよ♪」
「うん、お母さん♪」
「あ!鈴々も手伝うのだっ!」
立ち上がった鈴々をシャオ、美羽、季衣、思春が遮った。
「今日のあんたは主役のひとりなんだから、大人しく待ってなさい♪」
「そうじゃぞ。妾達の上達した料理の腕を見せてくれるのじゃ♪」
「ボクだってもう食べるだけじゃないんだからね♪食べて驚けよ~♪」
「待ってる間に明日の予定を話し合っているといい。緑一刀、頼んだぞ♪」
お父ちゃんが笑って応えていた。
「さて、鈴々。明日はどうする?やっぱり屋台巡りか?」
「屋台巡りも悪くないけど、爛々のおもちゃや服も買って欲しいのだ。
あっ!爛々も一緒に連れて行ってあげてもいいんだよね?」
「当たり前だろ♪」
笑うお父ちゃんの横から黒い影が現れた。
「何処に向かったら良い事が有るか、占ってあげるわよ♪」
「管輅!」
楽しそうにしながら占いの道具を卓の上に並べ始めたのだ。
「ちっちっち。管輅じゃなく『吉祥』って呼んでくれないかな?
きっとその方が良い占い結果が出るわよ♪」
人差し指を振りながら片目をつぶって言われたのだ。
その仕草が妙に似合っていたのでこっちの口元も緩んでしまう。
『吉祥』って良いお告げみたいな意味だってお父ちゃんが言ってたっけ。
「じゃあ、吉祥!占って欲しいのだ♪」
「よしきた♪それじゃあ行くわよ~♪」
何だかこのお城に来た頃より軽くなった気がするのだ…………。
占いの結果が出るのを待ってる間、爛々の方を見ると華琳お姉ちゃん達からオヤツをもらっている所だった。
その様子を枦炉、蕾蓮、黄梅、音音、そして恋が指を咥えて覗き込んでいた。
一歳から一歳半の赤ちゃんに混じって恋は何をしてるのだ………。
さっきまで遊んであげていた時は人の親らしかったのに、今は恋も赤ちゃんみたいなのだ。
「ちゃんと貴女たちの分も有るから安心しなさい♪」
華琳お姉ちゃんが柔らかそうなお菓子を低い卓の上に並べていく。
あのお菓子は街で売ってるのを見たことが有るのだ。
きっと華琳お姉ちゃんが作り方をお菓子屋に教えてあげたのだな。
「れ、恋殿ぉ~。そんな赤ちゃんみたいな真似はしないで欲しいのですぅ~。」
ねねも大変そうなのだ…………。
「さあ!結果が出たわよ♪方角は東。ラッキーアイテム…じゃない、幸運を呼ぶ物は…………下着?なにこれ?そりゃ一刀くんたちは喜ぶだろうけど………」
「吉祥!自分で占っといてそりゃ無いだろう!?」
「一刀くんは嬉しくないの?」
「嬉しいに決まっているっ!!」
「力強く断言されるのもちょっと引くわね…………」
「ちくしょう!どう答えても結局ディスられるのかよ!…………そういや鈴々。」
「どうしたのだ?」
「検診の時の胸が張るって言ってたの。ブラのサイズが小さい所為だ。」
「また大きくなってたのだ!?通りで胸が苦しい訳なのだ。」
ドガシャン!
なんか今、数箇所で同時に器を落として割れた音がしたのだ。
それよりも明日がとっても楽しみなのだ♪
翌日
房都 商店街
【緑一刀turn】
商店街の通りを俺たち三人と鈴々は歩いている。
爛々は俺が肩車をしてあげていた。
頭の上から爛々の笑い声が聞こえて来る。
真冬の寒さの中でも商人達は商魂逞しく、今日も様々な物が売り買いされている。
だが、この時期になれば生野菜と果物が激減する。
温室栽培や高速大量輸送手段が無いのだから当然だ。
いくら俺たち三人が温室栽培と云う物を知っていてもビニールが無ければビニールハウスは作れない。
真桜なら蒸気機関も作れそうだが仮に鉄道を作っても維持が出来るか怪しいし、
輸送費が掛かり過ぎてとても売り物になる値段にならない。
まあ、これは華琳や冥琳が概算した結果、ダメ出しを喰らったから判った事だが。
例えて言うなら『ひと玉のキャベツが夏には百円で買えるが真冬には一万円になりした』みたいな事態となる訳だ。
それでも保存のきく芋類や根野菜、豆類などは備蓄や船での輸送で賄える。
米や麦などの穀類の有り難みが身にしみるね。
そうそう、さっき言った芋類の中でジャガイモがこの世界で普通に有るのが実に有難い。
ジャガイモにはビタミンCが含まれている。
ビタミンCは熱に弱いので、煮たり炒めたりすると壊れてしまうのだが、
ジャガイモのでんぷん質がビタミンCを守るので加熱調理しても壊れないのだ。
そんな訳で、俺たち三人の立案により三国全てでジャガイモの栽培を奨励している。
気が付けばまるでドイツの様なジャガイモ帝国になってしまっていた。
「ぱ~ぱ、おいも、おいも♪」
爛々が俺の頭をペチペチ叩いてフライドポテトの屋台を指差している。
看板には『揚芋』と書かれている。
果たして他の油で揚げるジャガイモ料理はどんな名前が付いているのか?
華琳や流琉なら知っていそうだな。今度聞いてみよう。
問題は今だ。
フライドポテトみたいな油っこい物を二歳児に大量に与えて良いものだろうか?
爛々は鈴々の娘だけあって食べる食べる。
まあ、良く食べる子は恋の娘の恋々で経験済みなので驚きはしないが、
食べた分のほとんどをエネルギーに変換してるのではないかと思わさるぐらい動き回る。
お陰でこうして肩車をしていないと何処に行ってしまうか判らない程だ。
「「「お~い、鈴々。揚芋買うけど鈴々はどれくらい食べる?」」」
鈴々は返事をしないで何かを見ていた。
俺たちもその視線の先を見ると、それは商店街に隣接している公園だった。
雪の積もった公園では子供達が元気に遊んでいる。
追っかけっこをしたり、雪合戦をしたり、雪だるまを作ったり。
この公園は房都を造った時から有る施設で、ここで子供達の遊んでいる風景はすっかりお馴染みの物だ。
鈴々は何に気を取られているのだろうか?
「お父ちゃん………子供、増えたね。」
「「「ん?ああ、確かにあの公園で遊んでる子供の数は昔の倍は居るかな。」」」
俺たちも鈴々と一緒に公園を眺めた。
「みんなが安心して暮らせるから子供が増えるんだって前に朱里から聞いたのだ。
鈴々達が目指した平和な国………この子供達を見てると今その中に居るんだって実感する。」
公園で遊んでいる子供達の笑顔を見ると、鈴々の言いたい事が良く分かる。
けれど、これはこの房都と成都、許都、建業で見られる風景だ。
地方都市や邑ではまだここまでの水準には達していないし、
国境付近では異民族との小競り合いも続いている。
それにこの房都だって大きく豊かになれば良からぬ連中が住み着いて来る。
「「「こんな風景がいつでも見られる様に、まだまだ頑張らないとな。」」」
「うん♪この燕人張飛様が居る限り!悪い奴らはみんなぶっ飛ばしてやるのだっ♪」
鈴々の大きな声に商店街を行き交う人達やお店の人達が驚いていたが、
その顔は直ぐに笑顔になり俺たちの周りに集まってきた。
「いよっ!張飛将軍!がんばってくれよ♪」
「かっこいいぞ!将軍♪」
「女っぷりも上がってるぜ♪」
老若男女に囲まれて囃し立てられ、流石の鈴々も照れている♪
グゥウウウウウウウゥゥゥゥ
突然のお腹の音に全員の動きが止まり、直後に大爆笑が起こった。
「い、今のは鈴々じゃ無いのだっ!!」
確かに今のは鈴々の腹の虫の声では無かった。
「ぱぱぁ!ままぁ!おいも~~~~!」
爛々がさっきより激しく俺の頭を叩き始めた♪
集まった人の輪の中から、揚芋屋のおばちゃんが大きな袋にいっぱいのフライドポテトを持って笑顔で現れる。
赤がおばちゃんにお金を払って袋を受け取り、爛々の所に掲げると待ちに待ったフライドポテトをムシャムシャと頬張りだした。
集まった人達に手を振って別れ、これから何処に行こうかという話になった。
「吉祥の占い通り、服屋に行ってみるのだ♪」
「「「もう行くのか?何か他にも食べてからでも良いんじゃないか?」」」
俺たちがそう言うと、鈴々は二三歩先に進んでからクルリと振り返った
「服屋に行けば良い事が有るらしいのだ。きっとさっきよりもずっと素敵な事に違いないのだ♪」
鈴々の眩しい笑顔に、一足早い春の日差しを見た様な気分だった。
おまけ壱
『北郷二刃奮闘記』其の十六
リクエスト:貧乳党『バストアップ大作戦』 7票
本城 正門前 (時報:桂花七人目 妊娠五ヶ月)
【二刃turn】
あたしは一昨日、兄さんたちに駕医さんの事を相談した。
………………してしまった!
もう後戻りは出来ない!
今日の午前中に兄さんたちが駕医さんにあたしの事を話している。
そして昼には兄さんたちから駕医さんの手紙を渡された。
「「「駕医はお前に直接返事をすると言っていた。その時間と場所がこれに書いてある。」」」
駕医さんの事だから直接言ってくれるとは思っていた。
それがYESであれNOであれ………。
あたしも兄さんたちに打ち明けてから時間が開いた所為で色々考えた。
駕医さんの返事がどっちでも、あたしの気持ちは直接伝えないといけない。
あたしが駕医さんを好きだって気持ちを…………。
あたしは兄さんたちから受け取った手紙を開いた。
『宵の明星が輝く頃、本城の正門前から東の方角に、ひとつの光が都を照らす。それが俺だ。』
………なんかどっかで聞いた事のある文面だった。
とにかく、宵の明星が輝く頃って事は日没近くまで待たないといけない。
しかも何か光らせるらしいから、その場所で駕医さんが待っているという事なんだろう。
あたしは時間まで城内をウロウロして時間が過ぎるのを待った。
落ち着かなくて、ジッと待っている事が出来なかったんだもん。
そんな訳であたしは今、正門前で東側、正門を背にして左側の街を見ていた。
もう直ぐ日が沈む。
宵の明星は西の空に現れるけど、東の方角の光を見逃さない様にする為、
宵の明星が輝いたかどうかなんて確認してる余裕がない。
そして遂に東側の街で光が見えた!
あれは炎による光じゃ無い!凰羅の光だ!
そこに駕医さんが居ると思ったら、あたしの足は即座に駆け出していた。
大通りを走り、人混みを抜け、路地に入り、ひたすらその光に向かって駆け抜けた。
そしてたどり着いた先であたしは見た!
「俺の金鍼が真っ赤に燃える!!
会心させろと轟き叫ぶ!!
爆熱っ!
猥雑な路地裏で駕医さんが十数人の男達と闘っている所を。
男達は見るからにゴロツキやチンピラといった柄の悪い奴らだった。
そして駕医さんの格好…………。
黒いマントと目元だけを隠す仮面を着けていた。
男達は全員が剣を手にしているのに、対する駕医さんは金鍼一本。
普通に考えれば無謀としか思えない。
けれど駕医さんは一瞬で敵の中を駆け抜ける。
赤い光を放つ金鍼の航跡が、まるで複雑な図形を描く様な動きをした。
「これまで非違を行わせていた悪縁を屠った!これからは真人間として罪を償うんだっ!!」
ゴロツキ達は剣を持ったままバタバタと地面に倒れていく。
駕医さんの言葉が聞こえていたかは微妙だなぁ……既に気絶してたんじゃないかな?
それよりも駕医さんだ!
あたしは物陰から踏み出した。
「駕医さん…………」
駕医さんが仮面を着けたままあたしを見た。
「二刃…………これが俺のもうひとつの姿だ。」
璃々から華蝶仮面の話は聞いていた。
そして華蝶仮面以外にも仮面の戦士が居る事も。
「華蝶仮面じゃ無いんだよね………」
「ああ。この姿の俺は自ら名乗る名前は無い。だが心有る人はこう呼ぶ。
『見捨てない人』と!」
『見捨てない人』……………医者である駕医さんは患者さんを見捨てない。
この人は体の病気だけじゃなく、人の心まで治療していたんだ!
「こんな俺の姿に呆れたか?」
「そんなことないっ!!駕医さんは立派ですっ!!あたしはっ!
そんな駕医さんが好きですっ!!これからは『見捨てない人』のお手伝いもさせて下さいっ!!」
あたしは心の底から叫んでいた。
もう、この想いは止められない!
「分かったっ!」
駕医さんが仮面を外した。
「二刃っ!俺と結婚してくれっ!!」
「はいっ!!」
【紫一刀turn】
「ご主人さま………華佗さんがいきなり求婚して、二刃も速攻で返事しちゃったよ………」
璃々が…いや、今は仮面を着けているので黄華蝶が、俺の右で戸惑っていた。
それは俺もなんだけどね。
「俺は駕医が言うのは『結婚を前提に付き合ってくれ』くらいだと思ってたんだが………
それに二刃も勢いだけで行動してないか?」
「何言ってるの、一刀♪」
俺の左側で華琳が嬉しそうに笑っている。
「恋する乙女は国士無双なのよ♪」
そんな、誰かの歌みたいな事を言われてしまった。
この場所に居るのは黄華蝶、華琳、俺の三人だが、少し離れた屋根の上に星華蝶、緑、雪蓮が居る。
こんな感じで二刃と駕医の周りをぐるりと取り囲み覗き…見守っていた。
そう、二刃の
一ヶ月後 夕方
本城内某所 貧乳党 党本部 (時報:桂花七人目 妊娠六ヶ月)
【二刃turn】
「聞いて下さいよ!兄さんったらあたしと駕医さんの目の前で鈴々さんの胸を揉んだんですよっ!!」
今日の午前中にやられたあの光景!
あたしは怒りを我慢しきれずに大声になっていた。
「駕医さんが巨乳好きになったらどうしようっ!!」
こんな悩みを相談できるのは、その道のスペシャリスト達だ!
あたしの前には桂花書記長、朱里書記長、雛里書記長の党幹部に加え、
風顧問と明命書記も同席していた。
「華佗さんが女性の体型を気にする姿がまるで想像できませんけど………」
明命さんが困った顔をして首を捻っている。
それはそれで、あたしとしては悩みの種だ。
「あいつらも同じ様な事を言われるのに意味が正反対なのが不思議だわ…………」
桂花さんが溜息混じりに呟いた。
『あいつら』とは当然兄さんたちの事。
駕医さんと兄さんたちを同列に扱わないでと言いたいけど、ここに居る人達はみんな兄さんたちの奥さんだ。
そんな事は口に出せない。
「あの~、二刃ちゃん。先に確認しておきたいのですがぁ。」
風さんが挙手をして、いつもののんびりした口調で聞いてきた。
「はい、何でしょう、風さん?」
「二刃ちゃんと華佗のお兄さんの仲はどこまで進展しているのでしょう?」
「えっ!?……………そ、それは……………」
ひと月前の告白の時、駕医さんはあたしを抱き締めてくれた。
でも………………それだけ。
恋人同士になって婚約までしてるのに、ファーストキスすらまだなんて言えない………。
「はあ、なるほど。進展無しですか。」
「な、何で分かるんですかっ!!」
この人はエスパー?それともあたしが分かりやすいの?
大体あの時、お義姉さん達全員が覗いてたなんて、思い出しただけで顔から火が出そうだよっ!
「実際はどうあれ、お二人の婚約は巷で話題の中心になっているのです。
最近では華佗のお兄さんが実はちっぱい好きだったともっぱらの評判。」
「あら、良い事じゃない。巨乳原理主義者共の目を覚まさせるのに効果的だわ。」
「「異議無しっ!!」」
「桂花さん!朱里さん!雛里さん!そこで納得しないで下さい!!
これはあたしが駕医さんの評判を落としてるって事なんですよ!!」
「まあまあ、二刃ちゃん。そこまで自分を卑下しないで。そこで風はこの場で緊急動議を提案するのですよ。」
全員が風さんに注目した。
「今こそ『おっぱい増幅作戦』を決行する時なのですっ!」
みんなの口から「おおっ!」と感嘆の声が上がる。
そんな作戦が計画されていたなんてっ!!
「という訳で、二刃ちゃん。天の国ではどんな方法でおっぱいを大きくするのですか?」
「は!?」
「我々の知識で大きく出来るのでしたら、貧乳党は最初から存在しませんよ~♪
二刃ちゃんの知識が頼みの綱なのです~♪」
「そんな!あたしだってそんな事知ってたらとっくにやってますよっ!」
「おやぁ、それは残念。では作戦はこれにて終了という事で。」
「早!諦めるの早っ!!」
「ちょ、ちょっと待って下さいっ!」
今度は朱里さんが挙手をした。
「二刃ちゃんが言う通り、諦めるのはまだ早いです!
二刃ちゃん!聞きかじりでもいいですから、おっぱいを大きくする話を知りませんか?」
「その程度でいいなら幾つかは…………」
「それで構いません。私達の持つ知識と二刃ちゃんの持つ知識。
この二つを掛け合わせればもしかしたら道が拓けるかも知れませんよ♪」
「ほほう、流石は朱里ちゃんですねぇ。それでは折角ですからこの作戦の参加者を党員以外からも募ってみませんか?
道連れ…いえ、実験参加者は多い方が、より情報を集められますので~」
なんか今、道連れって言ったよね?
大丈夫なのかな?
「その話。私も参加しよう。」
思春さんがいつの間にかあたしの横に立っていた。
話に夢中になってたから気が付かなかったのかな?
「こういう建設的な事なら協力するのも
落ち着いて周りを見ると、あたし達が使ってるテーブルに人が集まっていた。
後宮談話室に在る、『党本部』という札が置いてあるテーブルの周りに。
「わたくしと音々音も参加するのです♪」
音々さんはニコニコ顔で興味津々といった感じで会話に参加して来た。
ねねさんはその後ろで音々さんに引っ張られて仕方なくという感じだけど、興味があるのを隠しきれてない。
「貧乳熟女の位置を獲得してるわたくしですが、胸の谷間に挟むというのに憧れもあるのです♪」
「母上の戯れ言は気にしなくていいのです!」
「おや?ねねちゃんはおっぱいで挟むのに興味は有りませんか?」
うっ………風さん、そこに拘るんだ………。
「ね、ねねの悩みはもっと真剣なのです!」
「ほほう?それはどんな事なのでしょう~?」
「音音を身篭る少し前に…………男の子と間違われたのです…………」
…………場の空気が固まった。
ねねさん……ショートパンツ履いてるだけで間違われたんだ。
髪型は女の子らしく可愛いのに………でも、あたしも人の事言えない。
あたしなんか髪がショートカットだからパンツルックだと100%間違われた。
同志を得られてスゴク嬉しい。
「天の国の知識とこちらの知識を合わせるというのは面白いわ。
私も参加しましょう。」
隣のテーブルからそう言って来たのは、華琳さんだった!
「か、華琳さまっ!我々の活動に参加して下さるのですか!♪」
「ええ、いつもみたいにただ愚痴を言っている訳ではなく、巨乳をいかに小さくするかなんて馬鹿な話でもない。
思春の言う通り努力するという建設的な話ですもの。協力してあげるわよ♪」
「あ、ありがとうございます!華琳さまっ♪」
総書記長よりも実権を持った存在が現れた………これは、貧乳大統領の誕生だわ!
「さて、それでは早速二刃の知識を教えて貰いましょう♪」
華琳さんは桂花さんの隣に腰掛け、あたしに期待をした目で話を進める。
「はい!大統領!」
「は?」
「な、何でもないです!え、ええとそうですねぇ…………」
危ない危ない。思わず口に出ちゃった。
ここは誤魔化すためにも何か思い出さないと!
「一番よく聞くのが『揉む』『揉んでもらう』っていうのですけど………」
明命さんが小さく挙手をした。
「あのぅ………私、一刀さまにして貰いましたけど………継続し続けないと元に戻っちゃいます………」
うん、これは判っていた。
大体、母乳を出やすくする為のおっぱいマッサージをお義姉さん達は経験してるんだから、これで大きくなるならこんな話を今していない。
「それじゃあ次は道具かなぁ?」
『やっぱりそんな道具がっ!!』
今、全員の声が完全に重なった…………。
「構造的には搾乳器みたいに吸い上げる様におっぱい全体を引っ張る物なんです。」
「それって以前………掃除機使って似たような事しました……………」
小さな挙手をしているのは、またもや明命さんだった。
明命さん、チャレンジャーだな…………。
「ちょい待ちぃー!話は聞いたでっ♪こんな事も有ろうかと、しっかり開発しとったでぇ!
名づけて『プリンちゃん壱号』や!」
突然現れた真桜さんがファンファーレと共に取り出したそれはっ!!
「………………掃除機ですよね?」
「それは流用したからそう見えるだけや。重要なんはこの吸い込み口やな。
柔らか素材やから肌に傷が付かんし、吸い付いとる間はそう簡単に離れんで♪
どや?誰か試しに使こうてみんか?」
みんな興味は有るけど、恐怖も有るといった感じで『プリンちゃん壱号』を眺めている。
桂花さんが不審な目で真桜さんに振り返った。
「ねえ、これをあんたは自分で使ってみたの?」
「はあ?ウチはこれ以上大きくする必要無いんやから使うわけないやろ。」
「つまり、あんたは人体実験がしたいだけなんじゃないのっ!!」
言い合う二人の影で明命さんが『プリンちゃん壱号』のスイッチを入れた。
ブルルルラァアアァアオオオォォォォォオオオオオォォォーーーーーーーン!!
けたたましい音が響き突風が巻き起こった!
風は『プリンちゃん壱号』の吸引口に空気が吸い込まれる為に発生しているらしい!
テーブルの上に置いてある湯呑が徐々に『プリンちゃん』の吸引口に近付いて行く!
お皿に乗ったおせんべいは今にも離陸して飛び出しそうにカタカタ揺れている!
「―――――――――――――――――――――――――」
華琳さんが叫んでいるみたいだけど『プリンちゃん』の音がうるさくて何も聞こえない!
ボンッ!!
破裂音を最後に音がようやく止まった。
代わりに赤ちゃん達の泣き声が聞こえてきた。
「おわあああっ!!『プリンちゃん壱号』がぁ!!」
真桜さんが涙目になって両手を伸ばした先には、真っ二つになった『プリンちゃん』
その横には剣を持って肩で息をしている思春さんが居た。
「絡繰りは無しの方向で行きましょう。」
華琳さんの一言に、全員が頷いた。
あの後、みんなで泣き出した赤ちゃんをあやして、ようやく落ち着いた所だ。
真桜さんは泣きながら真っ二つになった『プリンちゃん』を抱えて出て行った。
「食べ物とかどうでしょう?」
朱里さん挙手をして提案した。
「二刃ちゃん、そういった食べ物を知りませんか?」
「う~ん、一番最初に思いつくのは牛乳かな?」
「牛だけ?山羊や羊、馬は駄目なの?」
「いえ、あたしたちの国では牛乳が一般的だっただけで………」
そう言えば何で牛ばっかりなんだろう?
「それは一刀たちから聞いた事があるわ。単純に生産効率の問題よ。」
華琳さんに言われて納得した。
牛と山羊を比べたら牛の方がたくさん出そうだ。
でも…………。
「でも、これも実際は効果が無いそうです。骨は丈夫になってもおっぱいは大きくならなかったって酪農家の娘さんが言ってました。」
「「ええ!?そうなんですかっ!?」」
朱里さんと雛里さんがスゴク驚いている。
やっぱりこっちでも牛乳神話が有るのかな。
「漸く興味深い話が出てきたわね。二刃、あなたは華佗から食医学についてはまだ教えて貰っていないの?」
「食医学…………それって医食同源ってやつですよね?」
「う~ん、間違ってはいないのだけど………少し説明してあげるわ。
肉や魚を食べる時、自分に患部があるなら同じ部位を食べると良いとされているわ。
足を怪我したなら豚や鳥の足を食べる。目が悪くなったら魚の目玉を食べるとか。
そうねぇ………」
華琳さんの笑顔が少しイタズラっぽい感じになった。
「一刀たちに時折食べさせる薬膳の材料には鹿鞭や虎鞭を使うのだけど、この鞭というのは獣の男性器を干して乾燥させた物よ。」
………………駕医さんが病院の薬棚で説明をはぐらかしたアレだ。
兄さんたちは自分が何を食べさせられているか知っているんだろうか?
「この説明で朱里と雛里が驚いていた理由が判ったかしら?」
ああ、なるほど。そういう考えなら牛乳を飲んだらおっぱいが大きくなると思うわ。
「牛乳が駄目なら山羊や羊はどうでしょう?」
朱里さんは諦めきれないみたい。
「朱里ちゃん、獣の乳よりむしろ人の乳を飲んだ方が、効果が有るんじゃないかな?」
雛里さん…………今、何を言いました?
「さっきの騒音はなんじゃ!?優羽が泣き出してしまったではないか!」
このタイミングで…………美羽さんが談話室に飛び込んできた。
それを見たみんなの目が光る。
「な、なんじゃ、おぬしら…………何故、指をワキワキさせて近付いてくるのじゃ………」
……………………………………………………………………。
ちょっとあたしの口からは説明出来ない状況になったけど、七乃さんが談話室に現れたので騒ぎは収まった。
みんなが七乃さんに怒られるという、珍しい状況が見れてしまった。
「まったく!そういう事は私が見てる前で始めて下さい!良い所を見逃したじゃ無いですかっ!!」
七乃さんの怒っている理由が何かおかしい…………。
「でも、貧乳党の皆さんがそれだけ必死だったということですね。
それでは皆さんに袁家秘蔵の蜂蜜を提供しましょう。」
『蜂蜜?』
「それを食べればとおっっっっても大きく、立派になるんですよ♪」
え?ハチミツでおっぱいが?
ローヤルゼリーが効くのかな?
「七乃!?それはまさか!?」
「まあまあ、お嬢様。折角ですから皆さんに食べさせてあげましょうよぅ♪」
「あれは小喬に頼まれてモガッ!」
「お嬢様ぁ、袁家の姫がそんなケチくさい事言っちゃダメですよ♪」
美羽さんは七乃さんに口を押さえられて談話室から引きずって行かれた。
そして直ぐに七乃さんが壺を持って戻って来る。
「はい♪こちらがその蜂蜜です♪どうぞ食べて下さい♪」
あ、怪しい…………。
「「それではいただきますっ!!」」
「あっ!朱里さん!雛里さん!」
あたしは止めようと手を伸ばす!
その手を華琳さんに掴まれた。
【エクストラturn】
「「パオォオーーーーーン!」」
「ううん………どうしたのにゃ、包包(ぱおぱお)、花花(ふぁあふぁあ)……みい達はもう寝てるのにゃ……静かにするにゃぁ……むにゃむにゃ…………」
象舎は他の場所よりも寒さ対策がされていた。
南蛮人の美以達は夜も暖かいこの場所を冬の寝床としていたのだった。
え~…………中継が混線した様です。
それでは元に戻します。
【二刃turn】
「驚いたわね………まさかあんな効果持つ蜂蜜が有るだなんて…………」
「見てません!あたしは何も見てません!!」
結局、この日は朱里さんと雛里さんを元に戻す事が最優先だったので、
結論が出ないまま有耶無耶の内に会議は閉会となりました。
おまけ弐
『聖刀くんの日常』其の十五
リクエスト:祉狼 6票
61)北郷聖刀 真名:輝琳 六歳
インテリ⇒劉封 嫁⇒孟達 息子⇒孟興 真名:昴(こう) 三歳
追っかけ⇒波才 嫁⇒楊阜 娘⇒楊豹 真名:和了(ほうら) 六歳
尻好き⇒宋謙 嫁⇒張承 娘⇒張休 真名:珊瑚(さんご) 六歳
董の兄ぃ⇒牛輔 嫁⇒申耽 娘⇒申儀 真名:朔(さく) 六歳
兄者⇒呂曠 嫁⇒徐晃 娘⇒徐蓋 真名:朱雀(すざく) 六歳
弟者⇒呂翔 嫁⇒張郃 娘⇒張雄 真名:白虎(びゃっこ) 六歳
北郷学園 校門
【聖刀turn】
黄乱ちゃん、いや、明兎ちゃんと朔ちゃん達を落ち着かせて、明兎ちゃんを校内に見送った所で校門の方から声を掛けられた。
「おはよー、にいたん♪」
「おはよう♪聖刀♪」
二刃叔母さんが祉狼の手を引いている。
「おはようございます!二刃叔母さん♪祉狼、おはよう♪」
二刃叔母さんは学園の校医さんをしている。
祉狼も幼年部に通うので一緒に登校して来たという訳だ。
母上もこんな風にぼくと眞琳お姉ちゃんと一緒に登校したかったみたいだけど、
ぼくは風紀委員の仕事が、眞琳お姉ちゃんは生徒会長の仕事が有って早くに登校しなくちゃいけなかったので出来なかった。
「「「「「おはようございます!二刃様!祉狼様!」」」」」
朔ちゃん達は綺麗に整列して二人に挨拶した。
「おねえたん、おはよー♪」
「おはよう、五人とも♪張り切り過ぎてお母さんとお父さんに心配掛けない様にね♪」
「あれ?二刃叔母さんは知り合いなの?」
ぼくみたいに昨日会ったばかりという感じじゃない。
かなり親しげな空気がある。
「ええ♪五人が産まれた時から知ってるわよ。
白虎ちゃんと朱雀ちゃんのお母さんは、あたしの護衛担当だし、
朔ちゃんのお母さんはあたしの助手をしてくれていて、
珊瑚ちゃんのお母さんは病院の経理と総務の責任者で、
和了ちゃんのお母さんは丞相府で医療政策を担当してるの。
全員が聖刀の生まれる前からの付き合いよ♪」
へえ!そうだったんだ。
それじゃあ、ぼくよりも祉狼の方が朔ちゃん達と仲が良さそうだ。
「にいたんとおねえたんはなにしてるの~?」
「お仕事だよ。みんなが来るのをお迎えして、おはようをするんだ♪」
首を傾げて不思議そうに訊いてくるので、祉狼にも判る様に教えてあげる。
「しろーもいっしょにおはようするー♪」
あはは♪祉狼は何でもぼくの真似をしたがるなあ♪
無邪気にはしゃぐ祉狼に、二刃叔母さんは困った顔をしていた。
「祉狼。聖刀お兄ちゃんの邪魔になるから、ママと一緒に教室に行きましょう?」
「やだぁ~!にいたんといっしょにいたい~~~!!」
祉狼がぼくの腰にしがみ付いてしまった。
離れない祉狼に朔ちゃん達もどうしたら良いか迷っている。
二刃叔母さんは父上の妹。つまり皇帝の妹だ。
駕医おじさんは父上たちから『医者王』の位を与えられた国の重鎮。
お二人の子供だからというのが有るんだろうけど、何より小さな子供だから明兎ちゃんを相手にした時とは正反対だ。
「二刃叔母さん、祉狼はぼくが入学式に連れていくよ。それでどう?」
「はぁ………聖刀はホント祉狼に甘いなぁ………」
二刃叔母さんはまだ納得してくれてないな。
「ほら、ぼくだけじゃなく朔ちゃん達風紀委員も居るから大丈夫だよ。ねえ、みんな♪」
ぼくが振り返ると、五人は明るい表情で頷いてくれる。
「「「「「はい♪聖刀さま♥信頼にお応えできるよう、命懸けでガンバりますっ!!」」」」」
「そ、そこまでの事は起こらないと思うけど………ね、二刃叔母さん。ダメかな?」
「いや、心配してるのはそこじゃ無いんだけどね………」
う~ん、やっぱり子供だけじゃ安心できないのかなぁ…………ん?走って近付いて来る足音が…あ、孟達さんだ。
「おはようございます!二刃様!陛下が職員会議前にお話したい事が有るとお呼びでございます!!」
「え!?兄さんたちったら何なのよ!!しょうがない、聖刀、みんな、祉狼をお願いね。
祉狼もお兄ちゃんとお姉ちゃん達にご迷惑かけちゃダメよ。」
「はい♪」
「「「「「はいっ!!」」」」」
「は~い♪」
父上たちに助けられちゃったな。
「太白さん、ここをお願い。あの人達に気を付けて。」
「はい!お任せ下さい!」
『太白』は孟達さんの真名。
やっぱり二刃叔母さんは子供だけじゃ心配だったんだ。
もっと鍛錬して認めてもらえる様にならなきゃだね。
でも『あの人達』って誰の事だろう?
「にいたん、だれもこないよ?」
ぼくの手を握った祉狼は、校門をみたりぼくの顔を見上げたりと落ち着かない。
登校してくる人に早く「おはよう」をしたいというのが伝わってくる。
「まだ時間が早いからね。そうだ、祉狼。肩車してあげるよ♪」
「ホント!?」
こうしてあげれば祉狼も遠くまで見えるから安心するだろう。
視界が高くなっただけでも充分楽しいだろうし♪
ぼくも父上たちや媽媽達によく肩車してもらったっけ。
「ほら♪どうだい、祉狼?」
「うわ~♪にいたんのかたぐるま~♪」
ぼくの頭の上で、祉狼の喜ぶ声が聞こえて来る。
その時近くの植込みからガサリと音がした。
そこに向かって孟達さんが走り出す!
「朱里様!雛里様!そこですねっ!!」
「はわわっ!」「あわわっ!」
え?朱里媽媽と雛里媽媽?
職員室に居るはずの二人が何でここに居るの??
「もう直ぐ会議が始まるんですから早く戻りますよっ!!」
何だか解らないまま朱里媽媽と雛里媽媽は孟達さんに引きずられ、校舎の中に消えていく。
「「もう少しだけ堪能させて~~~」」
ぼくたち七人は呆気に取られて見送る事しか出来なかった。
すると今度は朔ちゃん達のお父さん、北郷親衛隊の五人が走って来て一本の木の下に集まった。
「貂蝉様!卑弥呼様!そんな所にいないで校舎に入って下さいっ!!」
牛輔さんの視線の先に二人が!いつの間に!?
「わたし達はただの小鳥さんよ~」
「済んだ朝の空気を
「むしろ獲物を狙うハゲタカっス!!朝の空気が殺伐としてるっスよ!!」
「んま!ヒドイ事言う様になったじゃなのぉ~ん。」
「むむむ!昔は雛鳥の様に可愛らしく囀っておったのに、成長しおったな!」
「北郷様たちが呼んでるんです!それでなくても、お二人を新入生の子が見たら気を失っちゃいますからっ!!」
「ご主人さまたちのお呼びなら仕方ないわね~ん。」
「うむ、確かに新入生も我らを突然見ては、美しさに耐え切れまい。」
二人はぼくを見て手を振った。
「聖刀ちゃ~ん!お仕事ガンバってね~~~ん♪」
「何か困った時は直ぐに私達を呼ぶが良い!がっはっはっはっは♪」
貂蝉と卑弥呼はそう言い残して木の上から校舎に飛んで行った。
北郷親衛隊もその後を追って走って行っちゃった。
「何だったんだろうね?今の?」
ぼくは朔ちゃん達を振り返って訊いてみる。
でも、五人もぼくと同じで首を捻っていた。
「にいたん!きたよー♪」
祉狼の声に校門の方を見ると制服を着た人が歩いて来る。
新入生が遂にやって来たんだ♪
「おはよう♪ようこそ、北郷学園へ♪」
おまけ参
リクエスト:里帰り&お墓参り[曹魏組] 14票
1)華琳の長女 曹沖(そうちゅう) 眞琳(まりん)九歳
25)秋蘭の長女 夏侯衡(かこうこう) 鈴蘭(すずらん)七歳
36)春蘭の長女 夏侯充(かこうじゅう) 光琳(こうりん)六歳
兗州 許都 (時報:桂花 十人目 妊娠五ヶ月)
【眞琳turn】
冬が本格的に来る前。
曹魏の媽媽達は揃って許都に里帰りに来ました。
私も媽媽と紫爸爸と一緒にお祖父さまとお祖母さまへご挨拶をしました。
でも、聖刀ちゃんはまだ小さいので長旅はダメだという事で、房都でお留守番です。
桂花媽媽も來羅ちゃん、柊ちゃん、茉莉花ちゃん、寿丹ちゃんの面倒を見なければいけないし、妊娠五ヶ月なので、やはりお留守番です。
旅の間、金桂ちゃん、銀桂ちゃん、丹桂ちゃん、連翹ちゃん、黄梅ちゃんは媽媽と爸爸、そして私が保護者として面倒を見てあげます。
房都に残る聖刀ちゃんの面倒は、桂花媽媽が中心になって見てくれる事になってます。
他の媽媽達も率先して聖刀ちゃんのお世話をしたがっていたので心配はいらないと爸爸が言っていたけど、
むしろ取り合いになっていそうで心配です。
私は今、許都の街を見物中です。
一緒に居るのは鈴蘭ちゃんと光琳ちゃん。
そして夏侯廉*大伯父さまと孫恩*大伯母さまです。
媽媽達はそれぞれお仕事や用事が有ってここには居ません。
妹達もお城でお昼寝をしたり、媽媽達と一緒にお出かけしています。
光琳ちゃんが聖刀ちゃんへのお土産を探す事になっていたのですが、
少し様子がおかしかったのでこちらも心配です………。
「ま、眞琳おね“ざばぁああぁぁああ!き、輝琳ちゃまにあいたいでずううぅぅぅううっ!!」
いえ………………既に手遅れでした。
光琳ちゃんは聖刀ちゃんを溺愛してるから、数日会えないだけで禁断症状が出てしまったみたいです。
道行く人が振り返って何事かと足を止めています。
泣き止まさないと騒ぎが起きてしまいそう。
「光琳ちゃん、そんなに泣いていたら、戻った時に聖刀ちゃんに笑われるわよ。」
「輝琳ちゃまは笑ってくれますか!?なら光琳はもっと泣きます!うわ“あああぁぁぁああ!!」
逆効果でした…………この子の頭の中がどうなっているのかとても不思議です。
可愛くはあるんですけど。
ゲシッ!!
鈴蘭ちゃんが業を煮やして光琳ちゃんの頭を叩いてしまいました。
「光琳!眞琳お姉さまが困っておいでだ!泣き止めっ!!
それにお前は聖刀ちゃんにお土産を持って帰ると約束しただろう!早く選べ!」
「あう!姉者…………そ、そうだ!お、おみやげ!何かいいものは無いかっ!?」
こんなやり取りを大伯父さまと大伯母さまが笑って見ていました。
「はっはっは♪光琳ちゃんは巨高*の孫が相当可愛い様じゃな♪」
「本当に♪陛下の初の男の子ですからね。わたくしも早くお会いしたいわ♪」
「お祖父さま!お祖母さま!輝琳ちゃまは可愛いなどと言う言葉では言い表せないくらい可愛いですっ!!
輝琳ちゃまと眞琳お姉さまのためなら、この夏侯充!命を百個は捧げてみせますっ!!」
光琳ちゃんったら……言っている事は無茶苦茶だけど、その気持ちは素直に嬉しかった。
「はっはっは♪よく言った光琳!それでこそ私の娘だ♪」
あ、春蘭媽媽。それに秋蘭媽媽も。
「お城でのお話はもう終わったの?」
「はい、眞琳さま♪後は華琳さまと曹嵩様の内々でのお話と言う事なので、眞琳さまの護衛をする様言われました♪」
媽媽とお祖父さまが内々の話?
私が秋蘭媽媽を見ると、そっと近付いて耳打ちしてくれました。
「(曹嵩様と華琳さまが聖刀さまの事で『会わせろ』『駄目だ』を延々とくり返しているのですよ。)」
お祖父さまもしょうがないなぁ………。
「(なんじゃ、やはりそんな事になっておったか。)」
「ち、父上!」
「(声を上げるな、秋蘭。春蘭が気付いて城に戻れば向こうが大騒ぎになる。)」
「(も、申し訳ありません………父上、曹嵩様はやはり以前から聖刀さまに会いたがっておられたのですか?)」
「(なんじゃ?華琳ちゃんから聞いておらんのか?
儂なんか巨高と顔を合わせる度に会いたい会いたいと愚痴をこぼされるぞ。
まあ、儂も会いたいから、儂と孫恩だけでこっそり房都に行ってしまおうかとも思ったがな♪)」
「(おやめ下さい!)」
「(わかっておる。そんな事をしたら巨高の奴に何されるか分からんからな。)」
お祖父さまはそんなに聖刀ちゃんに会いたいんだ。
聖刀ちゃんが許都に来られる様になるまでは私一人で我慢していただくしかないわ。
後でお祖父さまとたくさんお話しよう♪
「今は鈴蘭ちゃんに光琳ちゃんが来てくれておるしな。それに眞琳ちゃんもおる♪
今も充分幸せじゃよ♪」
「え?大伯父様?」
「一刀殿が天の国から来られなかったら、眞琳ちゃんも鈴蘭ちゃんも光琳ちゃんも会えなかったじゃろうな。
それだけでも儂は一刀殿に感謝しておるんじゃよ♪」
「えっと………それって………」
私は秋蘭媽媽の顔を見ました。
「私も、姉者も、そして華琳さまも、一刀以外の男とは結婚する事は絶対に無かったという事ですよ♪」
秋蘭媽媽の顔がとても幸せそう♪
媽媽達がこんなに愛する爸爸たちは本当に素敵な人なんだって改めて実感できた♪
私は…………爸爸みたいなの男の人に出会う事が出来るのかな?
「母上!困りました!輝琳ちゃまへのおみやげが見つけられませんっ!!」
「むうっ!どうした物かな…………おお!そうだ♪どこかで盗賊どもを退治して、その首級をお土産にしよう♪」
「おおっ!!それはいい考えですね、母上♪」
「姉者、手柄を立てれば華琳さまは褒めて下さるだろうが、そんな物を聖刀さまに見せたら間違いなく怒られるぞ。」
「光琳!聖刀ちゃんが生首を前に喜ぶ姿を想像しちゃったじゃないっ!!
そんな聖刀ちゃん絶対に嫌よっ!!」
春蘭媽媽と光琳ちゃんが、秋蘭媽媽と鈴蘭ちゃんに怒られてる。
鈴蘭ちゃんの言った光景は私だって見たくない。
はぁ……………先ずは聖刀ちゃんへのお土産を探すのが先ね…………。
あとがき
『本編』
今回は桃園三姉妹のキャラソン『ぜったい×4』を念頭に置いて書きました。
鈴々自身の事だったり二刃への応援歌だったりといった感じです。
そして華佗の新技
元ネタは今更説明はいらないと思いますが『シャイニングフィンガー』w
中の人は違いますが手が光る技はやはりコレだと思いまして。
鈴々の次女の名前は張紹。
真名はまだ決めていません。
今後の話の中で決めたいと思います。
『北郷二刃奮闘記』
告白シーンに力が入ってしまった為
二本立ての様になってしまいました。
華佗の手紙は『ウルト●セブン』の最終回のパロです。
そしてこっち技はゴッドフィンガーw
更にこっちはアニメ3期のエンディング『勇気凛凛』を
お義姉さん達の二刃に送る応援歌といった感じで考えながら書きました。
牛乳魔人様
いかがだったでしょう?
エクセ●サーガ風というリクエストでしたが
ほとんど出来ていませんね…………精進しますorz
オチ担当を誰にするかで少々悩みました。
華琳と桂花だと泥沼化しそうだったので
『はわわ&あわわ』にやってもらいました。
今やすっかり安定のオチ担当ですね。
『聖刀くんの日常』
前回の続きでした。
『はわわ&あわわ』がここでもオチ担当だと思いました?
まあ、漢女二人も鉄板のオチ担当ですがw
孟達さんの真名『太白』とは金星の事です。
次に祉狼くんが登場するのは昴くんと一緒になるでしょう。
その時はまた『はわわ&あわわ』も登場すると思います。
そう言えばこの二人、メインの話は少ないのに出番が結構多いです。
これが孔明の策かっ!?
『おまけ参:里帰り&お墓参り[曹魏組]』
光琳と曹嵩の二大強烈キャラによって他の曹魏のキャラを出せませんでしたorz
しかも曹嵩はまともに登場すらしていないのに………。
*解説
【夏侯廉(かこうれん)】
正史の夏侯惇の弟です。夏侯惇の父親の名前が判らなかったので使いました。
ちなみに夏侯淵、正史では夏侯惇の従兄弟です。
【孫恩(そんおん)】
『夏侯氏』が一時期途絶え、その間一族は『孫氏』を名乗っていました。
一応同じ一族出身の奥さんとしたかったので姓は『孫』。
名の『恩』は夏侯恩(かこうおん)から持ってきました。
正史には存在しない架空の人物です。
演義や吉川三国志、横山三国志で夏侯惇の弟として登場します。
【巨高(きょこう)】
曹嵩の
《次回のお話》
☆璃々② 36票
という事で、次回は璃々②に決定致しました。
但し、時間軸的に飛ばさずそのまま行かせていただきます。
つまり次回は璃々の妊娠六ヶ月頃の話となります。
紫苑との母娘妊婦会話が個人的に楽しみです♪
【北郷二刃奮闘記】
斗詩+白蓮(苦労人同士) 8票
【聖刀くんの日常】
桂花 5票
【おまけ参】
北郷親衛隊の結婚生活(個別)10票
※『里帰り』は累計得票数なので一回置きにやりたいと思います。
※『天の国講座』は『里帰り』終了後に続けます。
以上も次回にお送り致します。
《現在の得票数》
華琳③ 36票 (華琳「が」イチャコラしちゃう話)
愛紗② 36票
翠② 31票
雪蓮② 30票
小蓮② 25票
ニャン蛮②24票
音々音② 24票
秋蘭② 19票
桃香② 11票
音々② 11票
蓮華② 9票
冥琳② 9票
季衣② 7票
月② 7票
炙叉② 6票
風② 5票
桂花③ 4票
真桜② 4票
紫苑③ 3票
凪② 2票
星② 2票
鈴々③ 2票
詠② 1票
沙和② 1票
二喬② 1票
【北郷二刃奮闘記】
華蝶連者 7票
スーパーメンマタイム(おまけ弐、参、含む)6票
蜀の子供とお風呂 6票
呉の子供とお風呂 6票
真桜のからくり話其の二 4票
いい大人になるための漢女☆講座~女の子編~ 4票
妹―ク 4票
璃々や小蓮ら年代が近い者たちのガールズトーク 3票
【聖刀くんの日常】
いい大人になるための漢女☆講座~男の子編~ 4票
眞琳 4票
螢 3票
魏のメンツで魚釣り 2票
黄乱 2票
炙叉 2票
北郷親衛隊とその子供達② 1票
昴 1票
聖刀さま♥親衛隊 1票
【おまけ参】
里帰り&お墓参り[袁家組] 14票
天の国講座 9票
流琉母娘他による料理教室 7票
騎乗訓練その後 6票
親子鍛錬(五虎将編)6票
超英雄大戦(華蝶連者×サン・アルジオン×見捨てない人)6票
紫苑、璃々、音々+子供によるキノコ狩り 4票
いい大人になるための漢女☆講座~ご主人様編~ 4票
「男装喫茶」へようこそ 2票
眞琳と蓮紅と香斗の街で「はじめてのおつかい」 1票
リクエスト参戦順番→冥琳② 紫苑② 風② 雪蓮② 凪② 小蓮② 翠② ニャン蛮族② 音々音② 月② 星② 璃々② 華琳③ 詠② 愛紗② 沙和② 秋蘭② 桃香② 蓮華② 音々② 季衣② 炙叉② 桂花③ 真桜② 二喬② 鈴々③
おまけ壱リクエスト参戦順番→スーパーメンマタイム 蜀の子供とお風呂 呉の子供とお風呂 華蝶連者 斗詩+白蓮 真桜のからくり話其の二 いい大人になるための漢女☆講座~女の子編~ 璃々や小蓮ら年代が近い者たちのガールズトーク
おまけ弐リクエスト参戦順番→桂花 眞琳 いい大人になるための漢女☆講座~男の子編~ 魏のメンツで魚釣 黄乱 螢 炙叉 北郷親衛隊とその子供達② 昴 聖刀さま♥親衛隊
おまけ参リクエスト参戦順番→里帰り&お墓参り 天の国講座 料理教室 騎乗訓練その後 親子鍛錬(五虎将編) 北郷親衛隊の結婚生活 超英雄大戦 紫苑、璃々、音々+子供によるキノコ狩り いい大人になるための漢女☆講座~ご主人様編~ 眞琳と蓮紅と香斗の街で「はじめてのおつかい」 「男装喫茶」へようこそ
子供達一覧
1)華琳の長女 曹沖(そうちゅう) 眞琳(まりん)
2)桃香の長女 劉禅(りゅうぜん) 香斗(かと)
3)蓮華の長女 孫登(そんとう) 蓮紅(れんほん)
4)思春の長女 甘述(かんじゅつ) 烈夏(れっか)
5)愛紗の長女 関平(かんぺい) 愛羅(あいら)
6)風の長女 程武(ていぶ) 嵐(らん)
7)桂花の長女 荀惲(じゅんうん)金桂(きんけい)
8)雪蓮の長女 孫紹(そんしょう) 冰蓮(ぴんれん)
9)冥琳の長女 周循(しゅうじゅん) 冥龍(めいろん)
10)祭の長女 黄柄(こうへい) 宴(えん)
11)恋の長女 呂刃(りょじん) 恋々(れんれん)
12)紫苑の次女 黃仁(こうじん) 露柴(ろぜ)
13)紫苑の三女 黃信(こうしん) 崔莉(ちぇり)
14)蒲公英の長女 馬援(ばえん) 向日葵(ひまわり)
15)翠の長女 馬秋(ばしゅう) 疾(しつ)
16)麗羽の長女 袁譚(えんたん) 揚羽(あげは)
17)桔梗の長女 厳逹(げんたつ) 竜胆(りんどう)
18)凪の長女 楽綝(がくりん) 濤(なみ)
19)七乃の長女 張路(ちょうろ) 八倻(やや)
20)天和の長女 張甲(ちょうこう) 九蓮(ちゅうれん)
21)地和の長女 張大(ちょうだい) 四喜(すーしー)
22)人和の長女 張吉(ちょうきつ) 一色(いーそー)
23)炙叉の長女 迷当(めいとう) 直(なお)
24)白蓮の長女 公孫続(こうそんしょく) 白煌(ぱいふぁん)
25)秋蘭の長女 夏侯衡(かこうこう) 鈴蘭(すずらん)
26)月の長女 董擢(とうてき) 春姫(るな)
27)美以の長女 孟節(もうせつ) 花鬘(かまん)
28)トラの長女 ベンガル
29)ミケの長女 マンクス
30)シャムの長女 ペルシャ
31)桂花の次女 荀俁(じゅんぐ) 銀桂(ぎんけい)
32)朱里の長女 諸葛瞻(しょかつせん)龍里(るり)
33)雛里の長女 龐宏(ほうこう)藍里(あいり)
34)詠の長女 賈穆(かぼく) 訓(くん)
35)焔耶の長女 魏覚(ぎがく) 焔香(えんか)
36)春蘭の長女 夏侯充(かこうじゅう) 光琳(こうりん)
37)星の長女 趙統(ちょうとう) 螢(けい)
38)大喬の長女 喬櫂(きょうかい) 愛(あい)
39)小喬の長女 喬順(きょうじゅん) 華(か)
40)亞莎の長女 呂琮(りょそう) 茜(ちぇん)
41)明命の長女 周邵(しゅうしょう) 藍華(らんふぁ)
42)華雄の長女 華剛(かごう) 树莓(しゅうめい)
43)桂花の三女 荀詵(じゅんしん) 丹桂(たんけい)
44)霞の長女 張虎(ちょうこ) 雰(ふぇん)
45)沙和の長女 于圭(うけい) 紗那(さな)
46)斗詩の長女 顔教(がんきょう) 升謌(しょうか)
47)真桜の長女 李禎(りてい) 真梫(ましん)
48)桂花の四女 荀顗(じゅんぎ) 連翹(れんぎょう)
49)猪々子の長女 文獬(ぶんかい) 虎々(ふーふー)
50)稟の長女 郭奕(かくえき) 貞(てい)
51)穏の長女 陸延(りくえん) 毬(ちう)
52)鈴々の長女 張苞(ちょうほう) 爛々(らんらん)
53)流琉の長女 典満(てんまん) 枦炉(ろろ)
54)桂花の五女 荀粲(じゅんさん) 黄梅(おうめい)
55)小蓮の長女 孫仁(そんじん) 蕾蓮(らいれん)
56)音々音の長女 陳守(ちんじゅ) 音音(ねおん)
57)季衣の長女 許儀(きょぎ) 華衣(かい)
58)美羽の長女 袁燿(えんよう) 優羽(ゆう)
59)桂花の六女 荀淑(じゅんしゅく) 來羅(らいら)
60)音々の次女 陳修(ちんしゅう) 音肆(おとよ)
61)華琳の長男 北郷聖刀(まさと) 輝琳(きりん)
62)桂花の七女 荀倹(じゅんけん) 柊(しゅう)
63)璃々の長女 黄慮(こうりょ) 牡丹(ぼたん)
64)思春の次女 甘瓌(かんかい) 燃秋(ぜんしゅう)
65)紫苑の四女 黄薛(こうせつ) 紅葉(もみじ)
66)管輅の長女 管辰(かんしん) 辯天(べんてん)
67)鈴々の次女 張紹(ちょうしょう)
A)桂花の八女 荀靖(じゅんせい) 茉莉花(まりふぁ)
B)桂花の九女 荀燾(じゅんとう) 寿丹(じゅたん)
C)桂花の十女 荀爽(じゅんそう) 秦翹(しんぎょう)
D)桂花の十一女 荀粛(じゅんしゅく) 金鐘(きんしょう)
E)桂花の十二女 荀旉(じゅんふ) 橄欖(かんらん)
インテリ⇒劉封 嫁⇒孟達 息子⇒孟興 真名:昴(こう)
追っかけ⇒波才 嫁⇒楊阜 娘⇒楊豹 真名:和了(ほうら)
尻好き⇒宋謙 嫁⇒張承 娘⇒張休 真名:珊瑚(さんご)
董の兄ぃ⇒牛輔 嫁⇒申耽 娘⇒申儀 真名:朔(さく)
兄者⇒呂曠 嫁⇒徐晃 娘⇒徐蓋 真名:朱雀(すざく)
弟者⇒呂翔 嫁⇒張郃 娘⇒張雄 真名:白虎(びゃっこ)
引き続き、皆様からのリクエストを募集しております。
1・メインヒロインとなるキャラをご応募下さい。
2・『北郷二刃奮闘記』で二刃と絡むキャラを募集しています。
例:「二刃視点で貧乳党」 という感じでお願いします。
3・『聖刀くんの日常』で聖刀と絡むキャラを募集しています。
例:「聖刀視点で三羽烏」 という感じでお願いします。
4・おまけ参でのメインとなる子供達を募集しています。
シチュエーションのリクエストも大歓迎です。
以上の四点にリクエストの集計(TINAMI、Pixiv双方の合計)を振り分けますので、
よろしくお願いいたします。
今まで通り、リクエストに制限は決めてありません。
何回でも、一度に何人でもご応募いただいて大丈夫です。
ここで絵師の皆様へ
この小説『三人の天の御遣い』の挿絵に皆様のイラストを是非お願い致します!
新たに描かれた作品、過去に描かれた作品を問いません。
TINAMI上で挿絵として使用しても良いという方はショートメールにてご連絡下さい。
また、こちらから使用許諾のお願いをさせて頂く事も有ると思いますので、その時はよろしくお願い致します。
お願いしたいイラストは恋姫達は勿論ですが
成長したちびっ子組やオリキャラ達
立ち絵、シーンイラストを問いません。
重ねてお願い致しますm(_ _)m
ご意見、ご感想、ご指摘などもご座いましたら是非コメントをお寄せ下さい。
誤字脱字は雷起の反省を促す為、修正後も抜粋して晒しますw
Tweet |
|
|
16
|
0
|
追加するフォルダを選択
得票数40の鈴々②のお話です。
おまけ壱 『北郷二刃奮闘記』其の十六 リクエスト:貧乳党『バストアップ大作戦』(失敗w) 7票 (前半は華佗の告白です)
おまけ弐 『聖刀くんの日常』其の十五 リクエスト:祉狼 6票
おまけ参 リクエスト:里帰り&お墓参り[曹魏組] 14票
となります。
続きを表示