『あれ? ここって……』
まるで既視感のように感じたそれは、次第に色を帯びていくことではっきりと姿を現した。
気付いたら学校の教室にいた。
窓際、後ろから2番目の俺の席。後ろには親友って言うんだろう、腐れ縁の及川の席。いつもいつも授業中にちょっかいをかけてきては二人して怒られたりした。
ふと、黒板に書かれている日付が目に入った。もうかなり前のことのはずなのに覚えている。俺があの世界に飛ばされた日が書かれていた。
いまだにはっきりとしない頭で窓の外を眺める。グラウンドでは陸上部の部員達がバーやハードルを片していた。
そこで気付く、今は放課後の時間だと。どおりで人がいないわけだ。
ようやく働き出した頭で思考に耽ろうとすると、廊下から足音が聞こえてきた。その足音はだんだんとこの教室へと近付いてきて、目の前で止まった。
ガララララと教室のドアを開ける音を聞きながら、その方向を見ると
「あれ? かずぴーやん。なんでまだ教室に残っとんの?」
入ってきたのは、及川だった。
及川の質問に、回転の鈍い頭で返事を模索していると、及川は「はは~ん」といやらしい笑みを浮かべて、俺の肩へと寄りかかってきた。
「あれやろ? 陸上部のユニフォームを見て、イケナイことでも考えてたんやろ。いやー、かずぴーも隅に置けませんなぁ」
似非関西弁に誰とでも隔てなく絡む姿勢。そして何より俺の事をかずぴーと呼ぶ、唯一の人物。
ここにきてやっと、俺は帰ってきたんだと実感した。
【あとがき】
懐かしの彼登場!
……っと、こんばんわ
九条です
一刀本人を除けば、現代で唯一(?)の男キャラ
出番は少なかったですが、原作をプレイした方には印象に残っていた方も少なくはないはず
私の中では、及川くんは管理者の一人なのでは? と疑っております
そうであったら面白いな~という気持ちも多分に含まれていますがw
口調が違っていたら申し訳ないです。でもなんかしっくりきたんでこのままで
連続で魏関連を更新したので、次は蜀の誰かで更新したいところ
では、次回もよろしくなのですよ~
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魏√のED後のお話
前回の話を書いている最中に思いついたもの
原作でも密かに(?)人気のあるあの人が登場