No.65402

わたしの叔父さん 2009

Takuさん

懐かしのCM「J●東海」風シナリオです。
まずはほのぼの系。

2009-03-26 20:09:59 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:867   閲覧ユーザー数:831

 

   人 物

西歩惟(あい)(16)高校生

山本耕介(38)歩惟の叔父

西京子(40)歩惟の母

土田香織(28)主婦

土田大晴(6)香織の長男

 

 

○電窓

   晴天。遠ざかる日の丸の旗を掲げた家。

 

○電車・中

   50名ほどの乗客がいる。

   並んで座る西歩惟(16)と西京子(40)。

   歩惟、京子の裾を引っ張って指をさし。

歩惟「お母さん、あれ」

   扉付近。

   手すりにつかまり山本耕介(38)がいる。

   片手に丸めた転職誌。

京子「や、やだ、耕介!」

   立ち上がる京子。

   ハッと見る耕介。京子の姿を認めて、

   そろそろと逃げようとする。

   京子、山本の腕を掴んで。

京子「あんた、まさか! また会社クビになっ

 たんじゃ……」

山本「いやその、えへへ」

京子「えへへ、じゃない!」

   パコッと、山本の頭をはたく京子。

京子「っとに。気い小さいのに、どうしてこ

 うケンカッぱやいのかしら?」

   山本、京子のしぐさと口調をまね。

山本「ケンカッぱやいのかしら?」

歩惟「巧(うま)っ!」

京子「ふざけんじゃない」

山本「はい」

京子「今からちゃんとリクルート行く! あん

 た1人で行けんの?」

   山本苦笑。頭をかきつつ。

山本「姉さんついて来て、て駄目?」

京子「私は買い物が……て、そうだ! 歩惟、

 あんた行きなさい。休みだし、暇でしょ?」

歩惟「えーっ!」

 

○電車・扉

   駅に止まる。

   扉が開いて降りる京子。

 

○電車・中

   並んで座る歩惟と山本。

   ふてくされた表情の歩惟。

   貧乏ゆすりをしている山本。

   歩惟、山本の様子をそろそろと盗み見る。

   大きくため息。

   土田大晴(6)の泣き声がきこえてくる。

   ふと顔をあげる歩惟。

   目の前で大晴が泣いている。

   抱き上げてあやす土田香織(28)。

   泣きやまない大晴。さらに激しくなる泣

   き声。

車掌の声「次は、平塚。平塚あー」

   山本、車掌の声をまねて。

山本「次は、平塚。平塚あー」

   ニコニコと立って、大晴に顔を近づける。

   大晴、泣きやんで。

大晴「今の、おじちゃん?」

山本「そうだよ。おじちゃん、物まね巧いんだ」

   咳払いの後、江戸川コナンの口調で。

山本「僕、江戸川コナンだよ」

大晴「わっ、コナン君だあ!」

香織「おじちゃん、巧いねえ」

   談笑する大晴、香織、山本。

   座ったまま、山本を穏やかに眺める歩惟の顔。

 

○電車・扉

   駅で止まっている電車。

   空いた扉から、一礼して降りていく香織と大晴。

 

○電車・中

   一礼して山本、歩惟の隣に座る。

   扉が閉まる音。

   ガタンッと動き出す電車。

   歩惟、山本を見て。

歩惟「決まるといいね、会社」

山本「うん」

   歩惟、笑って車窓に目を向ける。

 

○車窓

   満開の桜並木が続いている。

ナレーション「J●東海」

 

                 END

 

 

 
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